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「多様な人が働ける環境・カルチャーをつくる」従業員サーベイを実施する背景

(左から、丹羽さん、People&Cultureチーム 責任者 笹原さん)
(左から、丹羽さん、People&Cultureチーム 責任者 笹原さん)
  • 課題
    事業が急拡大する中で組織がまだ十分に整っておらず、バックオフィスの整備も必要となった
    人事情報がバラバラで、雇用契約書などの書類もまとまっておらず、個人情報の漏洩リスクもあった
  • 解決策
    バラバラな人事情報を一箇所にまとめ、効率化
    組織の拡大に合わせ、従業員のコンディション把握を目的にサーベイを実施
  • 効果
    組織全体をみて優先度の高い課題に施策を打てるように
    人事データ活用のための基盤作りを進めたい

チャットボット技術を強みに、「チャットコマース」事業を展開している株式会社Zeals。事業成長に伴い組織が拡大し、組織課題の把握と施策検討のためにSmartHRのエンゲージメントサーベイを活用しています。

SmartHR導入の背景やエンゲージメントサーベイを実施する理由、会社の目指す姿について、People&Cultureチームの責任者を務める笹原さん、丹羽さんにお話を伺いました。

 

バラバラな人事情報を一箇所にまとめ、効率化するため導入

皆さんの業務についてそれぞれ教えてください。

丹羽さん:私は労務業務全般を担当しています。メンタルヘルスや就業規則改定による運用ルール作りなど、労務に関わる人事企画、制度設計にも関わっています。

笹原さん:People&Cultureチームの責任者をしています。People&Cultureチームは、採用、労務、人事企画に加え、総務やIT環境整備も担当しており、幅広く関わっています。昨年従業員数が80名から300名ほどまで拡大したため、拡大のフェーズに合わせて必要になる人事プロジェクトなども推進しています。

改めて、SmartHR導入の背景を教えてください。

笹原さん:導入したのは2018年、当時は事業が急拡大する中で組織がまだ十分に整っていませんでした。業務をスムーズにまわせるようバックオフィスの整備も必要となり、当時の担当がシステム導入を検討したそうです。

丹羽さん:当時は人事情報がバラバラで、雇用契約書などの書類もまとまっておらず、個人情報の漏洩リスクもありました。SmartHRは私が入社する前に導入されていたので、入社当時すぐに使用したのですが、特に従業員情報が検索しやすいと感じました。

組織の拡大に合わせ、従業員のコンディション把握を目的にサーベイを実施

人事労務業務だけでなく、従業員サーベイ機能もご活用いただいていますが、その背景についても教えてください。

笹原さん:組織の急拡大により従業員のコンディションが日々変わっています。そのようなコンディションの変化に気づいてから手を打つのではなく、変化する前に施策を検討したいというのが一番の理由です。

また、「何か施策を打たなければならない」という気持ちだけが先行すると、優先度の低い施策を進めてしまう可能性があります。皆さん日々一生懸命業務を進めてくれていますので、より優先順位の高い施策を検討してサポートしたいと思っていました。

丹羽さん:本来は、各チーム内でメンバーのコンディションをキャッチできるのが理想だと思うのですが、急成長する組織ではマネジメント層にさまざまな業務上の負担がかかります。そのため、人事側で全体の様子をみて支援することも必要だと感じました。

サーベイで重要なのは「人事データをどう扱うか」

実際にどのようなサーベイを実施していますか?

丹羽さん:半年に1度の満足度調査はSmartHRに標準で備わっているエンゲージメントサーベイを使用しており、月に1度のウェザーリポートはSmartHRのサーベイ機能を活用し、オリジナルの設問を設定しています。また、入社時にもサーベイを実施しています。

(従業員サーベイ画面イメージ)

※SmartHRの従業員サーベイでは、慶應義塾大学の山本勲教授と共同研究・開発したエンゲージメントサーベイを、標準で使用できます。

笹原さん:月に1度のサーベイは従業員が気軽に回答できるよう、「ウェザーリポート」というなじみやすいネーミングを心がけました。

素敵な名前ですね! 気軽に回答できそうです。それぞれのサーベイは、どのように使い分けているのですか?

笹原さん:月に1度のウェザーリポートには3つの観点があります。1つ目が睡眠、2つ目がパフォーマンスと、普段の業務上のコンディション。3つ目は会社の方針についての感想を聞いています。

半年に1度の満足度調査は日々のコンディションというよりは、会社に対して何を考えているか、どう思っているかを定量化する目的で実施しています。会社と従業員の関係を全体的に把握するのが目的ですね。

サーベイを実施できるサービスは他にもある中で、SmartHRの従業員サーベイ機能を活用されている理由を教えてください。

笹原さん:人事情報を一箇所で管理できることが一番大きな理由ですね。担当の方も操作や活用方法に詳しく、丁寧にサポートしてもらえて助かりました。

このようなサーベイで聴取したい項目ってそこまで大きく変わらないと思うんです。大事なのはデータの扱いと、どう分析して活かすのかという2点だと思います。操作画面の使いやすさやわかりやすさ、集計がどれだけ簡単にできるかが重要です。

丹羽さん:実際にそのデータを扱う担当視点でいうと、その後のデータ分析がいかにやりやすいかも大事ですね。

笹原さん:従業員サーベイは定点観測が重要で、1年後、2年後に分析できるデータベースを整えるのがポイントだと思います。そのデータベースが人事情報と紐付いた形で一元管理されているSmartHRはかなり便利ですよね。

組織課題を定量的に把握することで、施策の意思決定がしやすくなる

サーベイを実施して、どのような感想をもちましたか?

笹原さん:「制度がないから作らなければ」と制度設計が目的化してしまうような進め方ではなく、組織全体をみて優先度の高い課題に施策を打てるようになったと思います。

たとえば、満足度調査で「評価制度を整備してほしい」という意見も出たのですが、サーベイのデータから客観的にみたときに、クリティカルな問題ではなかったんです。急いで評価制度を整えるのではなく、じっくり丁寧に設計して問題なさそうだという判断ができたのは気づきでした。

課題の大きさなどを把握して、施策の優先順位を考えられたというイメージでしょうか。

笹原さん:そうですね。優先順位づけと、意思決定するための基準になりました。このような定量的なデータなしに感覚的に判断してしまうと危険かもしれませんね。サーベイを実施することで、意思決定するための勇気をもらえてよかったです。

実は、サーベイ結果では、新しい発見があったというよりは想定どおりの結果が出ていたんです。サーベイと聞くと新たな課題が浮き彫りになるイメージがありますが、そうとは限りません。今までの取り組みや現場の様子から想定していた結果が、そのままデータとして証明されることも、1つの成果です。

丹羽さん:個人のモチベーションや体調を可視化することで、個人だけでなくチームの状態も見えてくるので、「ここのチームは何か支援したほうがよさそう」と気づくことができますね。

笹原さん:逆にサーベイを実施していなかったら不安になりそうですね。定量的に把握できるからこそしっかり構えていられる気がします。

丹羽さん:そうですよね。サーベイを実施していなかったら、組織の実態把握により工数がかかりそうだなと思います。1on1MTGの頻度を上げたり、その内容を都度フィードバックしてもらったりする必要がでてきそうだなと思いました。

現場での1on1MTGの実施だけでなく、人事側が把握することによるメリットにはどのようなものがあるのでしょうか?

笹原さん:従業員によっては、直属の上司より伝えやすい場合があると思います。組織が急拡大する中で、現場で拾いきれない従業員の気持ちをキャッチしたいですね。マネジメント層の教育や支援も当然進めなければなりませんが。

理想を言うと、現場で課題把握できた方が解決は早いと思います。ですが、人事側だからこそキャッチアップできる課題もあると思うので、クリティカルな問題になる前に拾えるよう意識しています。

多様な人が働ける環境・カルチャーを作りたい

今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

丹羽さん:多様な人が働ける環境やカルチャー作りに力を入れていきたいです。どんなバックグラウンドがあっても働くことができるような環境整備のために、コミュニティだったり、雰囲気作りだったり、色々できることがあるのではと思っています。

笹原さん:今特に人事チームで話題なのはダイバーシティ&インクルージョンですね。どんな人でも活躍できる環境やカルチャーをどのように作るか議論しているところです。

また、人事データ活用のための基盤作りを進めたいですね。今の従業員規模で見えている範囲が、これから拡大に伴い見えなくなることがわかっていますので、その時に人事側で検討して判断するための根拠を持っていないといけません。

採用から育成、昇進など組織開発に関わる様々な観点において自信をもって意思決定するには人事データが必要です。「データ」と聞くと少し冷たい印象をもつかもしれませんが、データがあるからこそ従業員に優しい施策が実施できると思っているので、今後もSmartHRを活用していきたいですね。

引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。