ペーパーレスで入社手続きの負担を軽減。従業員情報集約の基盤を構築し、人材戦略貢献へ
課題
- 紙での入社手続き・雇用契約の更新の対応が大きな負荷
- 本社と全国の拠点間での書類のやりとりが煩雑
- 従業員が自身の有給休暇残日数などを確認するには管理部門への問い合わせが必要
解決策
- 労務業務をSmartHRでペーパーレス化
- 従業員情報をSmartHRへ集約を進める
- 身上変更手続きなどをSmartHR上で申請できる体制へ
効果
- 入社手続き・雇用契約の更新の対応工数削減
- 年末調整対応は2週間で完結
- 従業員情報を人材戦略へ活用する基盤を構築
株式会社テレ・マーカーは、NTT東日本・西日本の特約店としてインターネットのセキュリティシステムや各種クラウドサービス、OA機器などの法人向けソリューションを提供する企業です。
全国63拠点の500名を超える従業員の労務管理をペーパーレス化による効率化のため、SmartHRを導入。業務管理部・総務グループの能登さん、増川さん、加藤さんにSmartHR導入の背景や社内に生まれた変化についてお話を伺いました。
全国展開する拠点との書類のやり取りが大きな負担に
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
能登さん:弊社は、北は北海道から南は鹿児島まで全国63か所に拠点があります。各拠点のコールセンターの業務を支えてくれているのが、200名弱在籍する有期雇用の従業員です。定期的に入社手続きや雇用契約の更新が発生し、すべてを紙で対応・管理していたので、人事・労務担当者、従業員ともに大きな負荷がかかっていました。
加藤さん:入社や契約更新のタイミングで、北海道の本社から各拠点へ書類を郵送し、従業員本人が記入したものを送り返してもらっていました。
記入に誤りがあれば返送し、書き直してもらう手間もあります。また、原本が本社に到着するまでには時間がかかるので、写しのPDFデータをメールでもらい、先行して手続き進めるケースもありました。
入社手続きや契約更新の対応は毎月平均して200件程度発生しており、大きな業務負荷でした。
能登さん:各拠点には労務担当者がおらず、営業部に通常業務の合間を縫って処理してもらっていたため、現場側にとっても負担でした。
私は2022年に営業部から業務管理部へ異動してきました。その時点で「現状の仕組みそのものが限界であり、ひいてはミスの温床にもなりかねない」と感じて、システム導入による効率化を検討しはじめました。
「ペーパーレスにより業務が効率化された姿」が具体的にイメージできた
SmartHRの導入の決め手は何でしたか?
能登さん:SmartHRを含めて3社を比較検討し、求める機能とコストとのバランスで選びました。
システム導入の最大の目的は「本社と各拠点間での書類のやり取りを極力なくすこと」で、SmartHRの文書配付機能はまさに求めていたものでした。そして、コスト面でも予算にマッチすることが決め手になりました。
増川さん:管理部門側の視点としては「ペーパーレスにより業務が効率化された姿」が具体的にイメージできたのがSmartHRでした。
たとえば「有給休暇申請」では、従来は文書ソフトで申請書類をつくって上長にメールし、上長がダウンロードしたファイルに承認者名を記入し申請者にまたメールを送り返すフローになっており、非常に手間がかかっていました。
こうした一連のやり取りがSmartHRの申請・承認機能によって、改善できると具体的にイメージできたんです。
能登さん:ペーパーレスの観点では、SmartHRにより「書類の保管」の負担も解消できると思いました。
法令で保管期限が定められている書類は、社内書庫に保管しており、古い書類が必要になった際は書庫に積まれたダンボールから引っ張り出す必要がありました。
ペーパーレスになれば必要になった際にパソコンですぐに取り出せますし、保管期限の管理もしやすく、保管場所のコストも削減できます。
明確に期限を区切ることで社内への導入を推進
SmartHR導入の過程で、工夫したポイントがあれば教えてください。
能登さん:はい、移行完了の期限日を決め「その日以降はSmartHRでの申請しか受け付けない」ことを徹底しました。
最初の1か月間は移行期間として従来の紙による申請とSmartHRを並行運用し、1か月後からはSmartHRに一本化しています。
人は誰しも自分が慣れているほうへと流れてしまうものです。期限を明確に設定したことで、「変化しなければならない」という認識が広がり、スムーズな浸透につながった印象です。
管理部門側として、SmartHRの導入はスムーズでしたでしょうか?
能登さん:SmartHRスクールにある「お役立ちアイテム」のマニュアルを活用することで、それほど大きな手間をかけずに従業員用と管理者用の案内資料を作成・配付できました。
従業員から問い合わせがあった際にはお互いにマニュアルやSmartHRの画面を見ながら電話でサポートし、導入を進めました。
加藤さん:私はヘルプセンターやチャットサポートをフル活用しましたね。わからないことがあれば解決策をすぐ検索して、それでも不明な場合はチャットサポートに問い合わせていましたが、たいていは自分で調べて解決できます。
SmartHRは、年末調整などの機能では操作画面上にガイドやヘルプへのリンクが表示されるので、その点でもわかりやすさ・調べやすさにつながっていると思います。
ペーパーレスで拠点間での書類のやり取り工数を大幅削減。年末調整では2週間で書類回収を完了
SmartHRの「入社手続き・雇用契約」を利用して、どのような効果を実感されましたか?
能登さん:当初の課題だった「入社手続き」や「雇用契約の更新」にかかる工数が大幅に削減できました。
入社手続きは、従来1週間ほどかかっていたものが、オンラインで処理できるようになり1〜2日で完結できています。
増川さん:従来は雇用契約書を文書ソフトで作成しており、氏名や賃金などを都度手入力する必要がありました。SmartHRなら氏名を検索するだけで登録されているデータが自動入力されますし、CSVデータから一括作成することもできます。
契約書1通あたりの作成時間に換算すると、従来は5分かかっていたものが2分程度で完了できるようになりました。入社と契約更新を合わせると毎月膨大な数を作成していたので、全体としては大きく工数を削減できています。
年末調整についても、従来に比べてスピーディに対応が進んでいるとお伺いしました。具体的にどのような変化がありましたか?。
加藤さん:紙で対応していた頃は書類の配付〜回収で1か月かかっていましたが、SmartHR導入後は約2週間で回収まで完了できました。
最初の1週間で、提出完了の通知メールが大量に届き驚いたことを覚えています。結果的に、60%の従業員が1週間以内に提出してくれました。
能登さん:従来は差し戻しがあった場合は原本を郵送して書き直してもらう必要もありましたが、そうした手間もなくなっています。
SmartHRの年末調整は画面に表示される質問に答えていけば書類が作成されるので、従業員側の入力ミスそのものが減り、差し戻しの発生件数は従来の3分の1程度です。
SmartHRに情報を集約することで管理部門側にも従業員側にもメリット
従業員の皆さんからの反応はいかがでしょうか?
能登さん:社内からは「SmartHRを導入してよかった」という声が圧倒的に多かったです。
さきほど述べたように、各拠点では営業部が契約書や各種届出の窓口を兼務しており、通常業務の合間で対応することには大きなストレスがかかっていたと思います。
また、結婚や出産、住所や扶養の変更など、届け出る内容によってフォーマットが異なっていたので、申請しようにも「まずはフォーマットを探す」ところからはじめなければなりませんでした。
今はSmartHRにすべての書類が集約されているので探す必要がありませんし、書類の作成から提出、承認、返信までをSmartHR上で完結できるようになり、申請者も承認者も非常に楽になりました。
増川さん:SmartHR導入後は管理部門宛の問い合わせ自体が減っています。
以前は「有給休暇の残り日数」なども、管理部門に問い合わせなければわかりませんでした。SmartHRにより「従業員が自分で確認できる情報」が増えたおかげで、わざわざ問い合わせせずとも済むようになったのは大きいです。
加藤さん:従業員情報が整ったことも、SmartHRを導入した効果だと思います。
紙の運用では届出から変更反映までのタイムラグや、そもそも届出が漏れているケースなどもあり、管理部門側で正確な情報の更新・管理が難しい状態でした。
SmartHRなら受理された届出の内容がタイムリーに反映され、常に最新で正確な情報が得られるので、管理部門側としてはありがたいです。
従業員情報の充実で社内人材を発掘できる体制をつくり、会社の人材戦略を支える
今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?
能登さん:管理部門としては、紙文化を脱却した次のステップとして従業員情報のさらなる充実と精度向上を目指していきたいです。
採用や異動、昇進などの人材戦略を策定するにあたり、経営側からは「こういう人物が社内にいないか?」という相談が数多くあります。
紙で管理していたときには、ファイルを机いっぱいに広げて該当者を探すしかなく、十分な情報をスピーディに届けられる体制ではありませんでした。
現在は必要な従業員情報をすばやく抽出できる状態です。今後はさらに、勤続年数や異動の履歴、保有資格などの従業員情報が充実させ、さまざまな角度からフィルターをかけて社内の人材を発掘できるようにしたいですね。
今はさまざまなカスタム項目を試験的につくって「SmartHRにどのような情報がストックされていれば経営側のオーダーに応えられるか」を模索しているところです。
最終的に、会社でどのような人たちが働いてくれているのかを把握し、会社の人材戦略に貢献できる管理部門になれればと考えています。
労務業務のペーパーレス化のあと、従業員情報を活用し、経営に貢献する管理部門を目指していらっしゃるのですね。引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。