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グループ全体の従業員情報を一元管理。 組織分析とMBO評価で管理職の育成を促進

左から、平野さん、井本さん、大和さん
(左から、平野さん、井本さん、大和さん)

課題

  • 従業員情報の二重管理が常態化。情報の更新・活用に工数がかかる
  • 契約更新書類の配付・回収が煩雑。契約の取り交わしに時間を要する
  • 既存システムの設定難易度が高く、MBO評価の実施を見送っていた

解決策

  • 労務業務とタレントマネジメント業務をSmartHRに集約
  • 全グループの従業員情報を最新の状態で一元管理

効果

  • 従業員情報の一元管理が進み、分析レポートでの組織分析がスタート
  • 従業員数の推移・平均年齢の変動を可視化して総合職の配置検討に利用
  • 自律型組織の実現に向けたMBO評価を展開し、管理職を育成

キチナングループ株式会社は「山口県No.1のロジスティクス企業」をビジョンに掲げ、西日本・関西を中心にロジスティクスサービスを展開する地域密着型の企業です。

2020年5月の社長交代を機にグループ経営の強化が始まりました。従業員情報の集約・データベース作成などを進めるなか、SmartHRの導入も決定。現在はHRストラテジープランの利用により、労務・タレントマネジメントの領域で活用されています。

代表取締役の井本さん、DX推進室の大和さん、平野さんに導入前の課題や導入の決め手、実感している効果についてお話を伺いました。

従業員情報の「二重管理」状態に課題があった

SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。

井本さん:以前は人事評価を表計算ソフトを使って運用していたのですが、あるタイミングからグループ会社の従業員情報と紐づける必要性を感じるようになり、他社製品のタレントマネジメントシステムを導入しました。しかし、当時は労務まわりの情報を含めた一元管理が難しい仕様となっており、従業員情報の抜け漏れから二重管理状態が散見されていました。

操作面でも十分な使い勝手が得られず、ほかのシステムへのリプレイスを検討しました。

SmartHR導入の決め手になったポイントは何だったのでしょうか。

井本さん:まず、課題に感じていた従業員情報の二重管理を脱却できることが大きかったです。今後のグループ全体に向けたタレントマネジメントの推進を見据えると、従業員情報の一元管理はタレントマネジメントの第一歩です。また、元々労務管理は業務効率化の観点からペーパーレス化したいと現場の要望が強かった分野だったため、これらを解決できるSmartHRが最適であると判断しました。

井本さん
井本さん

当時は用途や管理するグループ会社によって、従業員情報の管理体制が異なっていたのですね。それによって業務に非効率さを感じるシーンはありましたか?

井本さん:既存のタレントマネジメントシステム側で管理している従業員データと、マスターの従業員データとの差異がありました。そのため、何をするにも双方の従業員データの差異の確認と、穴埋め部分の手入力が別途発生します。タレントマネジメント以前に、データの整理に時間を奪われる状態をなんとか解消したいと考えていましたね。

大和さん:また、経理側に給与計算で必要な情報を送る場合に、PDFデータを一度印刷をして、それを各現場の総務から経理に渡し、その紙を見ながら今度は会計事務所側でデータ手入力をする、という非効率な業務フローがありました。この部分もSmartHRの導入で効率化できるのではと考えました。

大和さん
大和さん

全グループの従業員情報を一元管理できるのが魅力

SmartHR導入以前に、不安に感じていたことはありましたか?

井本さん:「コスト」と「サポート体制」については、慎重に判断するよう心がけていました。どんなに便利で素晴らしい機能が備わっていても、自社で運用できなければ、意味がありません。

SmartHRは利用できる機能と価格を見比べたとき、弊社にとってコストパフォーマンスが高いプロダクトだと感じました。全グループの従業員情報を一元管理できれば、業務が効率化され、結果的に組織の生産性が上がります。また、SmartHRのサポート体制のページを読み、導入におけるサポートコンテンツや、ヘルプセンターの情報が充実しており、安心感につながりました。

平野さん:今回は既存のタレントマネジメントシステムからのリプレイス案件ということで、私もエンジニアの立場からSmartHRの導入に参画しました。その際、APIの使いやすさを感じましたし、今後も拡張性のある開発が続くことがイメージできたため、希望をもって導入のプロジェクトを推進できました。

平野さん
平野さん

SmartHR導入の過程で、工夫したポイントがあれば教えてください。

大和さん:「今日からSmartHRに切り替えます」というアナウンスではなく、普段からパソコンでの定常業務のある事務所にテスト的に導入し、そこから段階的に組織内へ浸透させていく流れを組んでいます。

グループ会社とはいえ、一つひとつを見れば小さな会社も多いので、表計算ソフトで従業員名簿は作っているものの社会保険などは電子申請していないケースも多く、ハローワークへ毎月紙の書類を持っていくケースも少なくありません。ただ、従業員の名前をSmartHRに入力するといった最低限のことはできているので、そのほかの部分を徐々に社内に浸透させていこうという考えです。

自律型組織の実現に向けてMBO評価を展開

SmartHRの導入によって実感されている効果はありますか?

井本さん:タレントマネジメントの機能で現在、もっとも操作しているのは「分析レポート」です。以前は表計算ソフト上で従業員情報の確認や分析を手動で実施していましたが、現在は分析レポートのダッシュボードで見るようにしています。

まだまだ組織規模が小さい頃は、グループ会社それぞれの従業員の割合などのイメージがつきましたが、組織が大きくなるにつれて、それも難くなってきています。分析レポートのダッシュボードは視認性も高く、欲しい情報にすぐアクセスできるのはありがたいです。現在は従業員数の推移・平均年齢の変動を可視化することで、総合職の配置検討などに活用するシーンが増えてきました。

組織情報レポートイメージ
組織情報レポートイメージ

井本さん:人事評価については、目標管理制度(MBO)の運用がスタートしました。過去にもMBO評価の導入を模索したのですが、システム設定のハードルが高く導入を見送っていました。SmartHRの人事評価では、従業員自ら設定した目標を上長が確認する流れがスムーズなので、無理なく導入を推進できました。

── MBO評価を導入する際、現場での混乱はありませんでしたか?

井本さん:「MBOとは何か?」という質問は今でもあります。目標を上長に伝えるような制度もなかったので浸透に時間はかかると思います。社内でシステム操作の説明会なども開きながら、少しずつ慣れてもらうことが大切ですね。

弊社では、まずは管理職から優先的にMBO評価に移行しています。段階的に導入を進めているのは、組織内での混乱を避ける狙いもありますが、なによりも骨太な管理職育成に着手したい狙いが根底にあります。将来的には現場のオペレーションもMBO評価を導入して、自律的な組織を目指そうと考えています。

当社の事業領域は年々広がっており、電気会社もあれば運送会社もある、人材派遣の会社もある状態です。それぞれの企業、それぞれの従業員が自ら目標設定をして、ゴールを追っていくことが今後のキチナングループには求められます。

紙運用のデジタル化など、さらなる業務効率化へ

── 今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?

井本さん:SmartHRに集約される従業員データ自体が充実してくると、グループ全体を横断した人員配置であったり、最適な採用計画を練られると現状では考えています。

そのほかに、今後検討しているアクションがあれば教えてください。

大和さん:新入社員の入社時書類ですが、現状は雇用契約書や誓約書など7枚ほどの書類を記入してもらっていますが、SmartHRの活用で最低限の枚数にまで減らせると考えています。給与システムもCSVで取り込める形にしたいですし、SmartHR 標準招待フォームを使って従業員が入力したものをデータとして吐き出せる流れもつくりたいです。社会保険の設定も含めて効率化を図っていきたいですね。

ただし、総務や労務担当者の手間が減ったとしても、効果は担当者の残業代が減るくらいのメリットに収まってしまう可能性もあります。空いた時間をきちんと分析や現場の改善、フォローアップに使えるようにしていきたいですね。そのためにも、従業員情報の二重管理と総務労務の手間の削減を、SmartHRで最大限進めていきたいと思っています。

SmartHRを通じた従業員情報の一元管理や、MBO評価の展開による組織づくりが貴社のビジョン実現にさらに寄与できるよう、引き続きサポートと機能改善に取り組んでまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

掲載内容は取材当時のものです。

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