4,600名超・多様な勤務形態に対応した連絡体制構築。メッセージ機能で年末調整が変わる


社名 | 株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンター |
---|---|
業種 | IT・インターネット |
従業員数 | 2001〜5000名 |
課題 | |
都道府県 | 兵庫県 |
機能・サービス |
課題
- 4,600名超・全国拠点の従業員に対し、電話や伝言頼みの連絡で工数多大
- 年末調整時は従業員とのやりとりが膨大で、進捗管理も困難
- 連絡や提出を待つ間にタスクが滞留し、担当者の心理的負担大
解決策
- メッセージ機能を導入、労務担当者から従業員へ直接連絡できる体制を構築
- 文書配付機能との連携で、各種手続きのオンライン化を推進
- やりとりの記録を残すことで「言った・言わない」のトラブルも防止
効果
- 郵送対応が必要な手続きが1週間以上→最短1日に短縮
- 電話よりテキストメッセージの方が心理的ハードルが低く、連絡が付きやすい
- 年末調整ではテキストと画像で説明可能になりスムーズな提出や修正を促せるように
株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンターは、ITソリューション事業、医療関連事業、公共福祉事業、AI・ロボティクス・IoT事業の4つの事業を展開し、DX推進や社会インフラを支える総合的なサービスを提供する企業です。
全国12か所の本支店で4,600名を超える従業員の労務管理を本社労務部門で担っている同社では、労務手続き上での従業員とのコミュニケーション方法に課題があり、その解決のためSmartHRの「メッセージ」機能(以下、メッセージ機能)を導入しました。
管理部の髙橋さん、同部 労務管理課の浅川さん、北村さんに、メッセージ機能導入の背景と効果について伺いました。
多様な勤務形態に加え、「電話に出てもらえない」「伝言では正確に伝わらない」
SmartHRのメッセージ機能のご利用以前に抱えられていた課題・お悩みについて教えてください。
髙橋さん: 弊社は4,600名を超える従業員がおり、その労務管理は私たち本社の労務管理課で取りまとめています。
北海道から九州まで全国12か所の本支店のほか、取引先企業へ常駐している従業員もおり、労務管理上のコミュニケーションでいくつかの課題を抱えていました。
浅川さん: 勤務形態によっては、社用のメールアドレスをもたない従業員や、夜勤の従業員などもいます。そのような、本人への直接連絡が難しい従業員に対しては、所属部署の上長を経由して連絡を取っていました。
ただ、扶養状況やマイナンバーといった個人情報など慎重な取り扱いが必要な情報となると、上長経由で詳細を伝える訳にはいきません。そのため「〇〇さんに、本社に電話を入れるよう伝えてください」とお願いし、本人から電話を折り返してもらうという流れでした。
夜勤の方など、勤務形態によっては本社の営業時間帯に連絡が難しい人もおり、せっかく折り返してもらったのに、こちらの担当者が不在だったり、営業時間外で電話がつながらなかったりすることも多くありました。シフト勤務の方となるとそもそも上長と会う機会が少なく伝言が伝わりづらいという人もいました。
髙橋さん: 本社からご本人へ直接電話をする場合も、固定電話からの着信のため、出ていただけないこともあります。 結果として、労務担当者が伝えたい情報を確実に届けるのに時間がかかってしまう、という状況でした。
北村さん: また、上長を介した連絡では伝言ゲームのようになって情報が正確に伝わらないという課題もありました。
例えば、こちらが必要だと伝えた書類とは違う書類が送られてきたり、従業員が希望する手続きとは異なる種類で上長から連絡があり、書類を送付した後に間違いだと発覚する、といった事例もありました。
従業員にとって、見慣れない用語や、複雑な仕組みも多く、例えば、健康診断など細かく種類がわかれています。
そうした情報の仲介役を担う上長の方々にとって、従業員本人に正確に情報を伝達するのは負担があったと思います。

髙橋さん:扶養家族の健康保険の加入手続きなど、従業員の皆さまが早く対応してほしい事情があることはこちらもわかるので迅速に対応したいのですが、必要な情報が揃わなければどうしようもない、というもどかしさがありました。スムーズに進めば1週間程度で終わるのですが、2か月の期限ぎりぎりになってしまうこともありました。
連絡や書類提出を待つ間は自分たちのタスクが滞留し続けるので、時間的にも精神的にも負担があり、業務全体の非効率にも繋がっていました。

メッセージ機能により郵送で1週間以上かかっていた手続きが最短1日へ短縮
メッセージ機能を導入いただき、従来の連絡体制と比べてどのような変化がありましたか?
北村さん:労務管理課から従業員本人へ直接連絡ができるようになったことで大きな変化がありました。
例えば、お子様の保育園申込みの際に市区町村へ提出する就労証明書は、従来は従業員から記入した書類を郵送してもらい、労務管理課で記入してから返送するという流れでした。まず送ってもらうのに1週間程度、記入・返送にどんなに急いでも3日程度はかかっていました。
これが、メッセージ機能で「様式をウェブからダウンロードして記入し、メッセージに添付して送ってください」と案内。こちらで記入した書類はPDF化し、SmartHRの「文書配付機能」で返送する、というフローになって最短1〜2日で完了できるようになりました。双方にかかっていた対応負荷軽減や郵送代の節約にもなっています。

浅川さん: 電話では伝えにくい情報でも、テキストなら伝えやすくなったと感じます。
例えば育児休業について。産休、育休、給付金の話に加え、そのほかにも利用できる福利厚生があるとさまざまな説明をしなければなりません。しかし、口頭だと伝えられた方は混乱してしまい、再び制度や福利厚生について問い合わせを受けるようなこともありました。
メッセージ機能なら、ご案内した内容を後から見返せますし、「言った・言わない」問題も防げます。「あとで読み返したいので、メッセージでまとめて送ってほしい」とおっしゃる方もいますね。

休職者・退職者への連絡もスムーズに。担当者の心理的負担も軽減
髙橋さん: また、休職中の方や退職された方への連絡も負担が軽減されたと思います。
休職中の方には、従来は基本的に電話で連絡していました。本社からの電話が繋がらないケースでは、上長や勤務地が近い人を介して連絡することもありました。退職された方は電話がつながらないケースも多く、その場合は郵送で連絡していました。
浅川さん: 電話だと「何の要件で連絡が来たのかわからない」と身構えてしまいますが、メッセージであれば要件を確認してから返信できるので、心理的なハードルが低いようです。
実際に「電話では繋がらないが、メッセージなら返信が来る」という休職者の方もいました。
髙橋さん: 休職者や退職者への連絡は毎月一定数が必ず発生します。各種手続きのやりとりなども合わせると、ひと月あたり20件前後あります。
以前はそういった連絡が滞留してしまい、精神的な負担にもなっていましたが、メッセージ機能のおかげで、翌日には返信が来ることも増え、業務がスムーズに進むようになりました。
なお、メッセージ機能の利用について特別な周知などはしていませんでしたが、従業員もとくに違和感なく利用してくれているようです。
以前から文書配付機能や「お知らせ機能」などの通知が従業員のスマートフォンに届くようになっていたので、従業員側も「SmartHRで通知を受け取ること」に慣れていた、という背景があるかもしれません。
対応期間が長く、やりとりも膨大な年末調整で、メッセージ機能が進捗管理にも効果
とくに年末調整業務では、従業員とのやりとりの数も増えるのではないかと思いますが、どのような変化がありましたか?
髙橋さん: はい。主に2つのシーンでメッセージ機能を大いに活用しています。

1つ目のシーンは「年末調整アンケートの回収後の、差し戻しや修正依頼」です。このシーンでは、保険料控除・住宅ローン控除の入力金額の誤り、控除証明書の画像添付漏れや誤りなど、多様なやりとりが発生します。
浅川さん: 以前は差し戻しをしても、従業員が「どこをどう直せばいいかわからない」と放置されてしまうことも少なくありませんでしたが、メッセージ機能であれば具体的な指示を画像なども添付しながら伝えられます。
とくに、生命保険や介護保険、年金などの証明書は差し戻しが発生しやすいポイントなので、メッセージで「この証明書では、この部分を撮影してください」などと具体的に伝えられるのは便利です。
また、事前にSmartHRに登録されている情報と、年末調整のアンケートの回答に齟齬がある場合など、以前は「差分リスト」を出力し、片っ端から電話をかけていましたが、今ではメッセージで済ませられるようになり助かっています。
髙橋さん: 年末調整は期限が定められているので、なるべくスムーズにやりとりや確認を進めたいのですが、さきほど申し上げたように電話だと本人に直接つながるのが難しい場面が多いです。
メッセージ機能であれば、「とりあえずメッセージを送っておく」ということができますし、同じ内容を何人にも連絡する際にも効率的に行なえます。
終業前にとりあえずメッセージだけ送っておいたら、翌日出社したときには返信が来ていた、といったように、スピードもアップしています。
差し戻しや修正依頼のやりとりは、トータルでは毎年100件以上発生します。以前は、やりとりの件数が増えてくるとどうしても進捗を追い切れなくなり、管理課内では「あの件どうなった?」「連絡が返ってきていないので、すぐに確認します」といったやり取りが日常的に発生していました。
メッセージ機能では、対応が完了したやりとりはクローズにでき、オープンなものが残り続けるので、完了・未完了の管理もしやすくなりました。
北村さん: もう1つの活用シーンは「控除証明書の原本の提出依頼」です。
SmartHRの年末調整で証明書の画像を提出後、原本提出を忘れてしまう従業員も多く、管理課から従業員への連絡が発生しやすいポイントです。
また、原本を紛失して再発行待ちになったり、督促中に退職してしまったりするケースでは、やりとり開始から回収まで時間がかかるケースも多いです。 時間がかかると進捗も追いづらくなりますが、メッセージ機能によって進捗も管理課内で共有しやすく、対応完了までスムーズに進むようになりました。
システムをフル活用しさらなる業務効率化を進める
SmartHRのメッセージ機能の活用を含め、今後の展望についてお聞かせください。
髙橋さん: 昨年度の年末調整では、年末調整のアンケート未回答者の後追い(提出の促し)については、まだメッセージ機能を十分に活用しきれていなかった部分があります。
.jpeg?fm=webp&fit=max&w=1200&h=484)
髙橋さん:母数が多いので、そのすべてをメッセージ機能でまかなうのは現実的ではありませんが、従来の方法と組み合わせて運用することで効率化できるのではないかと考えています。例えば、上長経由で催促しても提出がない人や、休職中で上長経由での連絡が取りにくい人に対してはメッセージ機能を積極的に活用していきたいです。
チームとしては、さらなる業務効率化が引き続き大きなテーマです。
弊社のように従業員規模が大きいと、類似のやりとりが発生する頻度も多くなります。 そういった部分で、例えばAIチャットボットなどを活用し、自動化ができれば、私たちはより個別性の高い業務や、戦略的な業務に注力できるようになります。
会社からも、もっと業務効率化を進めていくよう方針が示されていますので、そのためにも、SmartHRのようなシステムを積極的に活用していくことは必要不可欠だと考えています。
メッセージ機能によって、SmartHRでの業務がさらに効率化されている非常に嬉しいお話でした。引き続きお役立ていただけると嬉しいです。貴重なお話をありがとうございました!
※
掲載内容は取材当時のものです。

社名 | 株式会社日本ビジネスデータープロセシングセンター |
---|---|
業種 | IT・インターネット |
従業員数 | 2001〜5000名 |
課題 | |
都道府県 | 兵庫県 |
機能・サービス |