年間750万円の費用削減に貢献。社内システムとの連動でDXを加速
課題
- コロナ禍で、紙が前提の業務フローと旧システムの課題が表面化
- 旧システムの使い勝手に課題があり、紙の運用がベースになっていたことに不便さを感じていた
解決策
- API連携で、勤怠管理など他のシステムと連携し、効率化
効果
- 年間750万円の費用削減に寄与
- 入社者本人の手元に書類が届くまでに4日程度かかっていたが、最短1日で入社手続きが完了するように
- 情報の回収までの期間短縮だけでなく、入社者の負担を減らすことにも繋がっている
ディップ株式会社は「Labor force solution company」をビジョンに掲げ、人材サービス事業とDX(デジタルトランスフォーメーション)事業を展開している企業です。
ここ数年で社内DXの推進にも注力するなか、RPA構築やシステムリプレイスにも着手。人事・労務領域では、自社で内製しているデータベースとSmartHRを連携させ、効率的なオペレーションの構築、さらなる従業員体験の向上に尽力しています。
SmartHRの導入に込めた狙いと導入後の変化について、人事企画室の山中さん、サーバーサイドエンジニアの池澤さんにお話を伺いました。
コロナ禍により、紙が前提の業務フローと旧システムの課題が表面化
導入の背景について教えてください。
山中さん:以前まで労務手続きに使用していたシステムの使い勝手に課題があり、利用できるブラウザやOSが限られていたこと、何より紙の運用がベースになっていたことに不便さを感じていました。
コロナ禍で出社のタイミングが制限されるなか、会社に紙を確認しに行かなければ業務が進まない状況に直面し、導入の優先度が高まりました。
SmartHR導入の決め手は何でしょうか?
池澤さん:複数社を比較したなかでも、UI(ユーザーインターフェース)の良さやAPI連携できるシステムの豊富さが決め手になりました。
弊社では自社で内製している従業員データベースがあるため、SmartHRとの連携のしやすさは選定時に重視していた項目の1つでした。API連携が可能なことで、勤怠管理など他のシステムとの連携もスムーズで助かっています。
年間750万円の費用削減に寄与。従業員はUIの良さなど評価
導入後の変化について教えてください。
山中さん:経済面でいえば、従来のシステムとの入れ替え・アウトソーサーの変更とあわせて年間750万円の費用削減できました。
業務面では、特に入社手続きが効率化できています。以前までの入社手続きでは、入社者本人の手元に書類が届くまでにオペレーションの関係で4日程度かかっていました。
SmartHR導入後はウェブから招待メールを送信、オンライン上で手続きができるので最短1日で入社手続きが完了します。情報の回収までの期間短縮だけでなく、入社者の負担を減らすことにも繋がっているのが嬉しいですね。
従業員の反応はいかがですか?
山中さん:「紙からウェブになって嬉しいです」「SSOが使えるので、ログインが楽になりました」といった声が実際に届いています。
池澤さん:私も従業員の立場で使用していますが、SmartHRはデザインが見やすいですし、画面がキレイですよね。一般的な業務系アプリだと、簡素な画面デザインのものも多いですが、SmartHRはUIがわかりやすくていいという声は社内でもよく耳にしますね。
従業員の皆さんからの問い合わせ数や内容に変化はありますか?
山中さん:全然違いますね。これまでは、そもそもIE(Internet Explorer)でしか使えないとか、画面遷移がわかりづらいとか、環境や操作に関する質問が多く苦労していました。
現在は利用環境や操作に関する問い合わせがほとんどなくなり、対応の負担が減ったのは嬉しい変化です。
継続して利用できるサポート体制。システムサイドの運用負担も軽減
「SmartHRスクール」や「ヘルプセンター」、チャットサポートは活用しましたか?
山中さん:導入初期はSmartHRスクールとヘルプセンターに育ててもらったと言っても過言ではありません(笑)。そのくらい活用しましたね。
池澤さん:チャットサポートも活用しました。回答が届くまでに1週間くらい待つことを最初は覚悟していたのですが、実際は30分〜数時間程度で回答が届いたことに驚きましたね。
これまでSmartHRを使うなかで、お気に入りの機能はありますか?
山中さん:カスタム項目の柔軟さは使っていて嬉しいポイントですね。デフォルトの項目を使いつつ、必要に応じて自由に追加できるのが気に入っています。
カスタム項目で作った内容を、雇用契約書にも挿入して利用できるのも便利で助かっています。有期雇用者との契約書に使用しましたが、依頼から締結までの流れがスムーズでお互いに作業時間が短縮できたので、ありがたかったですね。
導入を振り返って、現時点でどんな感想をお持ちですか?
山中さん:実際に利用してみると柔軟性が高く、理想の業務フローを構築しやすいと感じました。SmartHRは人事・労務分野の先駆者として、他のシステムにはないような機能がどんどん追加されていっている印象です。
ヘルプページやカスタマーサクセスの皆さんをはじめ、安心して継続利用できるサポート体制が揃っていると実感しています。
池澤さん:弊社の従業員データベースと連携した今回のSmartHR導入プロジェクトでは、開発側のコストパフォーマンスがよく、少人数で想定の運用に乗せられたのも収穫でした。
バックエンド担当が1名、DB(データベース)担当が1名の2人月で収まったのですが、これは他のシステム導入のときとは比較にならないほど少人数のプロジェクトでした。
一般的なシステムの場合、仕様のキャッチアップや調査にとても時間がかかるなか、エンジニアとしてAPIのインターフェイスが用意されていてありがたかったですね。
以前のシステムからSmartHRに乗り換えたことで、その後の運用もだいぶラクになっています。
より従業員幸福度の高い会社を目指して。導入をキッカケに業務の標準化を進める
業務効率化が進んだいま、どのようなことに取り組んでいきたいですか?
山中さん:業務フローの整備を通じて、業務標準化を進めたいですね。私たち人事企画室は各業務に担当者が付いて縦割りの構造になっているのですが、誰かが休んでもスムーズに代われるような業務フロー、プロセスの整理が必要だと考えています。
今はまだ、たとえば特定のシステムにおいて管理権限が共有できていないなど、運用上の課題も残っています。属人化を防ぎ、部署全体で全従業員を支える状態を目指しています。
今後、どのような会社にしていきたいですか?
山中さん:当社は「従業員幸福度」の高い会社を目指しています。そのためにも、今まで以上に従業員視点を持ってシステムの見直しや業務改善をしていきたいと思っています。
池澤さん:私は山中さんの想いをカタチにする、それだけですね。なぜやるのか、何でやるのか、何をやるのか、それらを技術でカタチにするのがエンジニアの使命だと思っています。とにかく、「技術的に不可能です」とは言いたくありません。自分が何としてでもカタチにする、そういう使命感で今後も取り組んでいきます。
今後も従業員の皆さんに喜んでいただけるようなプロダクトを作ってまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。