時間と場所を問わず対応可能に。物流業界を支える人事労務
課題
- 24時間365日稼働している物流業界では、紙書類を渡すのもタイミングがなかなか合わず苦労していた
- 顧客の現場に出向している従業員もおり、郵送業務も発生して非効率だった
解決策
- さまざまな労働時間で勤務する従業員がいるため、人事労務業務のペーパーレス化を推進
- ベトナム国籍の従業員がいるため、多言語化対応機能を利用
効果
- 時間と場所を問わず、労務業務をスムーズに遂行できるように
- 社内で「SmartHR」という共通言語ができて、人事労務業務がスムーズに進むようになった
- 給与明細の配布は約3時間で完了するようになり、業務効率化が進んだ
株式会社TGVサービスは、愛知県に本社を構え、主に物流に関わるコンサルティング事業を展開。「日本一の物流パートナー」を目指し、顧客の物流業務改善に取り組まれています。
24時間365日稼働する物流業界において「人事労務業務のペーパーレス化は必須だった」と語るのは代表取締役の河野 暁さん。SmartHR導入背景や効果についてお話を伺いました。
24時間365日稼働する物流業界で、人事労務業務のペーパーレス化は必須だった
導入の背景について教えてください。
河野さん:人事労務業務のペーパーレス化を進めたいと考えていました。物流業界では、24時間365日稼働していますので、従業員の出社時間がバラバラです。朝8時に出社する人もいれば、23時に出社する人もいます。
給与明細を管理者から手渡ししていたのですが、このように勤務時間が異なるため手間がかかっていました。顧客の現場に出向している従業員もいますので、郵送業務も発生していましたね。雇用契約も対面で紙を渡して締結していたので、派遣先にすぐに向かう必要がある場合、タイミングがなかなか合わず苦労していたんです。
さまざまな場所で24時間稼働する従業員に対してスムーズに人事労務業務を進められるよう、ペーパーレス化は必須だと思いました。
SmartHR導入の決め手は何でしょうか?
河野さん:実務を担当する方に「一番使いやすいサービスを探してほしい」と伝え、選定したのがSmartHRでした。他社サービスとも比較検討しましたが、給与明細の配布や雇用契約締結を同じサービス内で完結したいと思い導入を決めました。
2019年の春に導入後、2020年の夏にスタンダードプランにアップグレードされていますが、理由を教えてください。
河野さん:多言語化対応機能を利用するためです。従業員にベトナム国籍の方がいますので、年末調整含めベトナム語で操作できるようにしたいと思いアップグレードしました。
雇用契約締結時に説明することで、SmartHRに慣れるよう工夫
SmartHR導入について、従業員からどのような反応がありましたか?
河野さん:導入直後はペーパーレス化に対するネガティブな反応が少しありましたね。「給与明細は紙でほしい」「メールを見落としてしまう」などの意見をもらいました。ガラケーの方やメールアドレスを持っていない方もおり、どうしても対応が難しい方は一部紙で印刷して渡すこともありました。
そのような声がありながら、導入をスムーズに進めるために工夫されたことはありますか?
河野さん:「SmartHR導入のお知らせ」を作成し、給与明細の封筒に同封しました。3ヶ月ほど連続して同封し続け、知ってもらうよう徹底的に告知しましたね。現場にも紙で掲示し、あらゆる場所で目に入るように周知しました。
メールを送信しても気づいてもらえないことがあったので、「再度メールを送りましたが届いていますか?」と電話でも確認していました。
現在は入社するタイミングでSmartHRについて説明し、入社時から対応してもらうようにしていますので、イレギュラー対応はなくなりました。ITが苦手な方は雇用契約締結時に画面を見せて説明し、不明点をクリアにするようにしています。
時間と場所を問わず、労務業務をスムーズに遂行できるように
SmartHR導入後の変化について教えてください。
河野さん:「SmartHR」という共通言語ができましたね。「給与明細を見る=SmartHRを見る」、「雇用契約書を結ぶ=SmartHRを見る」といった形で認識されるようになり、人事労務業務がスムーズに進むようになりました。
時間と場所を問わず手続きを進められるようになったのも大きな変化です。急な案件で休日に入社手続きを進めなければならないこともありましたが、事前に手続きできるため、手続きのためだけに出社することもなくなりました。
それは大きな変化ですね!
河野さん:給与明細の配布は約3時間で完了するようになり、業務効率化が進みました。今までは給与の計算から配布まで30時間ほどかかっていたのではないでしょうか。印刷したA4サイズの紙をカットして、窓付き封筒に名前が出るように封入し、糊付けしてから複数の現場に配布する一連の作業は結構大変だったと思います。
雇用契約締結や入社手続きも同様です。1人あたり2時間くらいかかっていたものが10分以内で完了するようになりました。これまでは入社日当日に説明したり記入したりしていましたが、すべて事前に依頼できるので、提出漏れや入力漏れがなくなりました。
当たり前のことですが、雇用契約の内容を事前に確認できるほうが従業員も安心しますよね。物流の現場では「面接して翌日すぐ入社」というスピード感が求められる場合もあるのですが、双方が慌てず対応できています。
まだ紙で申請しているワークフローが残っているので、今後は「申請・承認機能」を活用して従業員情報をさらに集約していきたいですね。
多様な働き方に対応し、エンゲージメント向上施策にも力をいれたい
今後どのようなことに取り組みたいと考えていますか?
河野さん:今、働き方改革が進み、労働時間が短くなってきていますよね。それに伴い、ダブルワークをする方が増えてきています。日中は別の会社で働いて、夜に弊社で働くような方もいますので、多様な働き方に対応できるようにしたいですね。
そのためには仕事も用意して、人をさらに雇用したいと考えています。今、従業員のエンゲージメント向上についても考えているところなんです。
そうなんですね。どのような施策がエンゲージメントの向上につながると思いますか?
河野さん:賃金や労働時間などの整備はもちろんのこと、「一人ひとりを無視しないよ」という寄り添いが必要ではないかと感じています。仕分けなどの業務は、一定のところまで到達するとそれ以上クオリティを高めるのは難しくなるんですよね。業務の付加価値ややりがいだけに頼らず、他の視点が必要だと思います。
具体的にいうと、SmartHRのお知らせ掲示板などで伝えるべきことをきちんと伝達したり、ツールを使って面談や評価制度を運用したりするような、細やかなコミュニケーションの積み重ねが大切です。
なるほど。物流業界は人手不足が課題と伺っていますが、河野さんはどうお考えでしょうか?
河野さん:物流業界は定着率が高くないといわれていますよね。賃金や業務の付加価値など、さまざまな課題があると思います。これからはさらにロボット化も進むと思いますので、私たちが何をすべきか、「物流の役割」をさらに見直していかないといけないですね。
業務効率化だけでなく、業界における課題にも取り組まれている姿勢が印象的でした。引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。