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創業143年、工場の平均年齢67歳。老舗グループが挑んだバックオフィス改革秘話

  • 課題
    グループ会社における人事労務業務が煩雑で、担当者の労働時間が増加していた
    工場などの拠点が複数あり、紙での入社手続きのために1時間以上かけて移動していた
  • 解決策
    グループ会社の総務事務機能をまとめ、煩雑な人事労務業務を改善
    API連携で他のソフトと連携し、スピーディにバックオフィス業務を遂行
  • 効果
    担当者の労働時間が改善、本来やるべき仕事に充てられるように
    65歳以上の高齢の方には、丁寧に説明することでスムーズに使えるように

愛知県名古屋市に本社を構える遠山産業株式会社は、明治10年に創業した繊維専門商社です。旭遠山株式会社、旭興業株式会社の遠山グループ3社で導入いただきました。

創業140年を超える歴史ある企業がSmartHRを導入する背景には、拠点間の書類のやりとりに時間がかかっていたほか、グループ会社間での業務分担が煩雑で人事労務担当の負荷が多い課題がありました。

工場で働く従業員のうち、スマートフォンやパソコンを持っていない方も多かったとのこと。そのような環境の中で人事労務の業務効率化を推進するにあたっての工夫や、実際に得られた効果についてお話を伺いました。

グループ会社における人事労務業務が煩雑で、担当者の労働時間が増加していた

この度グループ会社3社で導入いただきましたが、導入の背景を教えてください。

竹内さん:遠山グループは名古屋だけでなく、工場などの拠点が複数あります。これまでは入社手続きなどを紙で行っていたため、名古屋から津島の事業所まで1時間以上かけて移動することもありました。

また、もともとグループ会社それぞれで使っているソフトが異なり、本社と事業所の業務分担もバラバラで、担当者の労働時間がかなり増加していることが課題でした。それらを改善するために、グループ会社の総務事務機能をまとめることにしたのが導入を検討した背景です。

SmartHRの導入を担当した総務経理課 みらい創造室 竹内さん

API連携先が多いほか、従業員が理解しやすい操作画面が導入の決め手

SmartHRを知ったきっかけと導入を決めた理由を教えてください。

竹内さん:2018年に名古屋で開催されていた展示会でSmartHRを知りました。多くの馴染みある企業が導入している実績や導入事例をサービスサイトから拝見し、人事労務の業務クオリティはもちろん、バックオフィスの機能や従業員とのやり取りのスピードは間違いなく向上するだろうと確信を持てましたので、他社製品との比較はしませんでした。

それはとてもありがたいです! 特に「これしかない」と思われた点はどこでしょうか?

竹内さん:まずは従業員情報をデータベースとして管理できることですね。つぎに、API連携できるソフトが多いことです。今までのソフトですと、目的に合わせていろいろな会社のソフトを比較検討し、別々に入れていくイメージ、もしくはシリーズで入れていくイメージだと思います。一方、SmartHRを入れれば、API連携で他のソフトとも簡単に連携できます。

そうすると、従業員情報の連携も簡単で、かなりスピーディにバックオフィス業務を遂行できるようになり、そこが大きな理由でした。

また、デザインや使いやすさがとても優れているのも導入を決めた理由の1つです。実際に使う人が誰かを考えると、実務担当者が使いやすいだけでなく従業員も含めて使いやすいかが肝心だからです。

スマートフォンやパソコンがない方にも丁寧に導入促進

拠点が離れていることや高齢の方が多くいる中で、導入はスムーズに進みましたか?

竹内さん:従業員からの問い合わせが多く届くだろうと思い、最初の1〜2ヶ月は優先度を上げて準備をしていました。津島の工場は平均年齢が67歳と高く、スマートフォンやパソコンを使わない方が多いため、現地で説明会を実施しました。

工場長にログインまではサポートしてもらいながら登録を進めましたが、今では70代の方でも給与明細を自分で見てもらえています。操作する環境がない方には、工場の共用パソコンからログインしてもらっていますね。

最終的には「使い方が分からなかったら孫に聞くわ(笑)」みたいに言っていただいており、そこはSmartHRの導入をポジティブに捉えていただいていると感じ、嬉しかったです。

実務を担当する総務経理部長付 近藤さん

説明会や導入促進のために活用したものはありますか?

竹内さん:説明会のための資料を担当の方に相談したところ、すぐに送っていただけたのでありがたかったです。

説明会資料を印刷して各事業所に置いたり、操作説明資料をデータで展開したりして、丁寧に対応することを心がけたほか、社内広報用にもポスターを各事業所に掲示しました。結果的に、従業員登録はスムーズでしたね。

今回、グループ会社3社でのご契約でしたが、グループ会社ゆえに苦労されたことはありますか?

近藤さん:実務の担当が会社ごとに違うので、意思の統一が必要でしたね。

竹内さん:そうですね。担当同士でどう進めていくのかだけでなく、「あなたの業務は最終的にこうなります」とビジョンを伝えて、SmartHRを入れることで良くなる未来を話しました。

最初にSmartHRを導入してから、皆さんが従業員情報を入力し終わるまで、どれぐらいかかったのでしょうか?

竹内さん:約2週間です。入力フォームに従って入れていけばよかったので、かなり楽でした。

入退社手続き業務のスピードが向上、グループ会社全体のバックオフィスの業務効率化も促進

導入されて感じた効果について教えてください。

近藤さん:これまで入退社手続きは全て紙で提出していましたので、業務のスピードは格段に上がりました。

「ITツールは難しい」という先入観がなくなってしまうくらい簡単に入力できたので、後から見直した時に「本当にできている」のが嬉しかったですね。テレビゲームをやっているような感じで、ワクワクしました。65歳以上の方々でも、1つずつ画面を進めていけばできると思います。

竹内さん:課題にあげられていた業務時間の多さも改善し、本来やるべき仕事に充てられるので投資対効果は大きいと思います。

今までは紙で行うのが当たり前だという思い込みがあったと思いますが、SmartHRの導入によって、他の業務に対して「これは時間がかかりすぎているのではないか」という意識が生まれてきました。実際に代表からの提案もあり、会議の行い方も改善しています。こうした変化がSmartHRの導入によって生まれたことを、とても嬉しく思っています。

遠山さん:SmartHRの導入で、これまで業務量に課題があった担当者の労働時間を明確に削減できましたので、そこで生まれた時間を本来行うべき業務に充てれば、結果として会社の売上に貢献できるメリットは大きいです。業務の属人化を解消し、グループ全体のバックオフィスの業務効率化が進めば、SmartHRの導入による費用対効果は高いと思います。

遠山産業株式会社 代表取締役社長 遠山さん

SmartHR導入を機に、グループ会社全体に一体感を作りたい

SmartHR導入の背景にある会社への想いや、今後取り組みたいことを教えてください。

竹内さん:私はまだ入社して2年少しですが、未来のことを考えて会社を変えていきたい想いがあります。そのために何ができるかというと、まずは従業員みなさんが便利だと感じる取り組みを進めることです。

業務効率化の先で従業員のみなさんと向き合うことで、エンゲージメント向上に繋げていきたいということですね。

遠山さん:まさしく、このような改善は担当者が熱意を持ってやれないと、うまくいかないはずです。そのため、新しく“みらい創造室”というセクションを作り、竹内に取り組んでもらっています。グループ会社を統合し、バックオフィスの改善を図っていく必要があった中で非常に活躍してくれています。

それは素敵ですね! 今後の目標についてはどうお考えですか?

遠山さん:遠山産業は対法人向けの繊維事業を長く行っていますが、旭興業株式会社はゴルフセンターや自動車教習所など、BtoCの事業を行ってきた会社でカルチャーが異なります。ですので、SmartHR導入を機にエンゲージメントを高め、もっとグループとしての一体感を出していきたいと考えています。

近藤さん:今回初めて業務のIT化に触れたのですが、自分自身のスキルもそうですし、社内の業務改善の広がりを作っていけたらと思っています。

役割に関係なく、グループ会社を超えて会社を変えていこうとする想いを感じました。本日は貴重なお話をありがとうございました!