導入実績に基づく安心感が決め手。独立系SIerが挑んだ業務効率化
課題
- 今後のさらなる採用拡大を見据える一方で、従来の紙による入社手続きの膨大な工数が課題になっていた
- すでにシステムを導入していた年末調整も、法改正で年々複雑になる申告について従業員からの問い合わせが増加していた
解決策
- 単純な担当者の増員に頼ることなく、様々な課題解決が見込めるシステムを導入
効果
- 入社手続きでは、新卒・中途入社あわせて年間の作業時間が1,166時間から245時間までに削減
- 電子申請では、社会保険手続きで年間の作業時間が480時間から240時間までに削減できている
- 前年よりも従業員が増えているにも関わらず、問い合わせ件数はむしろ減少
株式会社システナは、1983年の設立以来、ITを軸に幅広い事業を展開している独立系SIerです。
多くの従業員を抱えるなか「唯一、システム化が遅れていた」と語る人事・労務領域での業務効率化に向けてSmartHRを導入。その背景と導入後の効果について、労務課の本多さん、中谷さん、田井中さんにお話を伺いました。
入社手続きの煩雑化により導入を検討
導入の背景について教えてください。
中谷さん:弊社は現在採用に力を入れていて、新卒採用では500〜600名ほど、中途では毎月20〜30名の入社者がいます。今後もさらなる採用拡大を見据える一方で、従来の紙による入社手続きの膨大な工数が課題になっていました。
すでにシステムを導入していた年末調整においても、法改正により年々複雑になる申告について従業員からの問い合わせが増加。対応にも負担がかかっていたため、効率化につながる解決策を模索していました。
入社者が多いなか、入社手続きは何名で対応されているのですか?
中谷さん:労務課の2名で対応しています。ただ、実際はそれに加えて、郵送や届いた書類の確認・年金番号のチェックといった作業までを含めると、結果的に労務課の他の4〜5名分の工数も含まれてきます。
また紙の場合、工数以外にも誤郵送や転記ミスといった潜在的なリスクも伴います。導入によって、単純な担当者の増員に頼ることなく様々な課題解決が見込めるシステムを調査しました。
決め手はシェアNo.1の安心感。導入実績が判断材料に
導入の決め手を教えてください。
中谷さん:複数のサービスを比較しましたが、最終的にはシェアNo.1サービス(※1)である安心感が決め手になりました。
もともとテレビCMでよく見かけていましたし、社内外問わずいろいろな人とお話しする中でSmartHRさんの名前はよく耳にしていたので、自然と親しみを感じていました。
ありがとうございます! ちなみに、人事・労務に限らず新しいシステムを導入する際は、シェアや導入実績を重視されているのですか?
中谷さん:そうですね。弊社が新たにシステム導入する際には、市場から選ばれている標準的なサービスから優先的に検討するようにしています。また、導入実績を伺うなかで、ISMS(情報セキュリティマネジメント)を取得されている企業が含まれていることも安心材料になりました。
その他に選定時にこだわっていた点はありましたか?
中谷さん:SaaSのシステムを前提に検討しました。SmartHRがそうであるように、個別の企業に最適化されたシステムではなく、多くの企業にとって共通で不可欠な必要な機能が備わっているSaaSの導入により、自社特有の業務フローを減らし「世の中のスタンダード」に近づけていく意図もあります。
実際、経験豊富なカスタマーサクセス担当の方から運用方針のアドバイスをいただくなかで、私たち自身が人事・労務業務のスタンダードを知れたのは非常に価値があったと思っています。
導入はスムーズに進みましたか?
中谷さん:はい。従業員の皆さんが利用する年末調整から利用を開始したのが良かったですね。SmartHRの利用にあたって必要なアカウント登録や初期の情報入力も促しやすかったです。従業員にも迅速に対応してもらえ、以降の流れもスムーズでした。
※1 シェアNo.1:SmartHRは4年連続労務管理クラウド・シェアNo.1。(デロイト トーマツ ミック経済研究所「HRTechクラウド市場の実態と展望 2021年度」より)
入社手続き・社会保険手続きで作業時間が短縮
SmartHR導入後の変化について教えてください。
田井中さん:導入以前の課題だった入社手続きでは、新卒・中途入社あわせて年間の作業時間が1,166時間から245時間までに削減できました。電子申請では、社会保険手続きで年間の作業時間が480時間から240時間までに削減できています。
2020年度がSmartHRを利用して2回目の年末調整となりましたが、感想はいかがですか?
中谷さん:使い方にも慣れ、正直苦労したことはありませんでした。従業員はアンケート感覚で回答できますし、担当者目線でも「誰がどう回答したのか」がわかりやすく、管理がラクで助かりましたね。
本多さん:特に2020年の年末調整になってからは、従業員のステータスが把握しやすくなって嬉しいですね。対応が完了した人・完了していない人の差がひと目でわかるので、個別連絡が必要な人を抽出しやすかったです。効率的に対応できたこともあり、ゆとりを持って期日までに完了できました。
よりスムーズな進行のために、工夫したことはありますか?
中谷さん:「ヒントメッセージ機能」を活用して、年末調整で従業員が回答するアンケートの質問文に細かく補足説明を記入しました。弊社の独自ルールや回答に迷いそうな点など、ヒントメッセージによる補足説明を表示させることで、従業員の理解を促しました。
従業員の皆さんからは、何か感想などありましたか?
本多さん:従業員と役員にヒアリングをしましたが、皆さん「わかりやすかった」「前年よりもさらに簡単になった」という感想が大半でしたね。前年よりも従業員が増えているにも関わらず、問い合わせ件数はむしろ減ったことからもわかるように、皆さん苦労せずに回答できていた印象です。
退職手続きもペーパーレス化「退職者にも最後まで貢献」
担当者目線で、導入してよかったと思う点があれば教えてください。
田井中さん:やはり紙を減らせたのが一番嬉しい点ですね。導入以前の社会保険手続きは、紙を印刷して持参、またその紙を持って帰ってきて保管という流れでした。それが導入後、SmartHRで電子申請ができることによって月に2回ほど、1回につき3~4時間ほどかかっていたハローワークへの訪問時間がゼロになりました。
また、ペーパーレスになったことで、退職者に対しても“最後まで貢献”できている実感があります。
「退職者に対しても“最後まで貢献”」とは、どういうことでしょう?
田井中さん:退職手続きにおいて、離職票を紙に書いてハローワークへ持参、そこから郵送となると、思いのほか時間がかかってしまうものなんですね。
それをSmartHRの電子申請に切り替えたことで、すぐに離職票の発行が可能になりました。手続きを滞りなく対応することで、在籍中の最後の最後まで、従業員に貢献できている実感を持てるのは個人的に誇れる点だと思っています。
業務効率化の先のさらなる付加価値提供を目指して
今後、取り組みたいことを教えてください。
田井中さん:導入以前は入社手続きや年末調整に費やす時間が多かったのですが、導入後は業務時間が削減され効率化を実感しています。今後は新たに生まれた時間を使って、問い合わせ対応や従業員のケアにも力を入れていきたいと思っています。
本多さん:一部、従業員がメールで送らなければいけない申請が残っているので、申請フローをSmartHRに集約していきたいと考えています。スマートフォンからも簡単に申請できる従業員の利便性を踏まえても、早い段階での一本化を実現したいですね。
中谷さん:業務効率化の先では、人材管理の領域にも着手していきたいと考えています。私たちがそういった方向に向けて飛躍するためにも、SmartHRの存在が今後も欠かせません。活用範囲を広げて、従業員や経営にさらなる貢献をしていきたいと思っております。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。