組織変更の工数を1/3に短縮。急成長を支える総務労務部のフロー改善をサポート
主な活用機能・サービス
課題
- 頻発する組織変更の社内データ反映フローが煩雑だった
- 社内データの閲覧権限を細かく付与できず、情報を一元管理できなかった
解決策
- 配置シミュレーション機能で組織変更情報を収集、反映
- 申請・承認機能で正確な従業員データを収集、承認
- SmartHRに従業員データを一元化
効果
- 組織変更にまつわる工数が1/3に縮小
- 従業員からの申請や、契約更新などにかかる手間を削減
- 最新情報を保った従業員マスターの運用を実現
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急成長に伴い頻繁な組織変更が発生する同社は、人員配置変更の手続きや従業員データの更新・管理に課題を抱えていました。今回は、管理本部 総務労務部の芝田さん、村松さんに、SmartHRの導入により解決した課題や効果、実際の運用についてお話を伺いました。
急成長に耐えうるデータ管理体制に課題感
SmartHR導入前の課題を教えてください。
芝田さん:当社は、従業員数の急激な増加に伴い人事異動や組織変更が頻発しています。私たち総務労務部は、各事業部が考えた組織変更の結果を受け取り、社内データへ反映させる業務を担っています。
SmartHR導入前は表計算ソフトのシートで情報共有をしていたため、誰がどこからどこへ異動したかを正確に把握しづらく、反映に時間がかかっていました。また、部署を増設、統合、名称変更などする場合には数百名規模の変更があるので、表計算ソフトだけの運用ではかなり非効率でしたね。
村松さん:兼務している従業員もいるので異動元を把握しきれておらず、データ反映ミスのリスクもありました。
芝田さん:シートには異動対象者の名前、異動前後の部署、役職、兼務情報などを記載していただくようにしていました。しかし提出内容やデータ反映に抜け漏れがあり、修正を重ねることもありました。
SmartHR導入前には類似のシステムを使用されていましたか?
芝田さん:はい。以前使用していたシステムにも組織データを作る機能はあったものの、従業員情報への自動紐づけができない仕様でした。そのため、システム内の情報を一度書き出してから別で用意した給与のデータに反映させる、といった使い方をしていたんです。
芝田さん:従業員データの閲覧権限にも課題がありました。以前使用していたシステムでは権限の種類が一つしかありませんでしたので、便宜上、管理部門の全員に権限を付与していました。ただし従業員データの中にはセンシティブな情報があります。そのため「労務だけに見せたい」といったような限定公開情報は、システム内に記載できず、別の表計算ソフトで管理していたのです。
村松さん:組織図も表計算ソフトで作っていました。先述のとおり組織変更が頻繁にあるので、非常に大変でしたね。1人の担当者が1日がかりで更新作業を終えているような状態でした。
芝田さん:このように情報の管理が煩雑で、あらゆる業務において時間もかかるしミスも起こりやすいという状況でした。これらの課題を解決するために、SmartHRを導入しました。
人員配置から組織図作成まで理想の運用を実現
SmartHRを導入いただいてからの運用についてお伺いできればと思います。まずは人員配置や組織図作成について、どのような運用をされていますか?
芝田さん:事業部長に配置シミュレーション機能の操作権限を付与し、異動や組織変更の情報を共有してもらっています。それを私たち総務労務部が組織データに反映し、予約管理機能を使って毎月1日に全社周知しているという流れです。
芝田さん:当社は日頃からパソコンやソフトを利用する従業員が多いので、実際に手を動かしながら使い方を理解してくれました。以前の運用よりも楽になったという声もあがっていますし、実際の組織データに反映する際も事業部長が作った組織変更情報をそのまま取り込んでいます。これにより理想としていた運用が実現できました。
事業部長が人事異動をシミュレーションする際に、紐づけられた従業員データや顔写真を確認できるのも便利です。ビジネス職、エンジニア、デザイナー、カスタマーサポートなど職種を確認しながら、適切に人員を配置できます。たとえば開発部門以外の部門にもエンジニアが必要な場合でも、必要な人数未満にならないように確認でき、配置漏れを防げます。
村松さん:従来は複数資料を見比べながら、1個1個手作業で確認・反映を進めていましたが、今はその必要がなくなり、時間効率も正確性もアップしました。
芝田さん:体感値では、工数が約1/3になったと思います。
組織図もSmartHRの機能で作成されていますか?
芝田さん:はい。月に一度更新しています。SmartHRの組織図は更新が簡単ですし、入社日などさまざまな付帯情報を出しやすいことが非常に便利だと感じています。従来の表計算ソフトで作っていた組織図には従業員の名前しか載せられませんでしたが、社内で利用しているニックネームなども掲載できるようになりました。表計算ソフトの組織図とは使用感が異なるものの、従業員にも受け入れられていると感じています。
20通りの申請フォームを作成し申請・承認作業がスムーズに
SmartHRの申請フォームは、どのような申請でお使いいただいていますか?
村松さん:給与に関するものや、住所変更、お祝い事、産前産後休暇、休職申請、他各種手当など、すべての申請をSmartHRで出してもらうようにしています。現在用意しているフォームは20点程度です。例外として、保険証の提出など別途データを提出していただく必要があるものに関しては、SmartHRを使わずにやりとりをしています。
ほかには、承認の経路はフォームによって変えています。たとえば結婚したというお知らせは共有すべき上長を通してから承認する経路にしていますが、個人の情報の変更や住所変更などは労務従業員だけで承認ができる形にしています。
村松さん:SmartHRの申請フォームは、本人が入力した情報をそのまま承認できる点がよいですね。以前発生していた手入力やコピー&ペーストの工数が削減できました。また、入力内容に不備があればシステム上で差し戻せるのでスムーズです。情報の正しさや即時反映の便利さには、本当に助けられています。
社内のポータルサイトに申請フォームの使い方やフォームの一覧を公開しているので、従業員各自が調べて該当するフォームを使ってくれています。
更新性がよい従業員マスターで、労務や経理の業務効率化へ
従業員から収集した情報や組織図を活用するうえで、SmartHRを従業員データのマスターとしてお使いいただいている状況でしょうか?
芝田さん:はい。従業員の入社時、最初にSmartHRへ情報を登録します。そしてSmartHRをハブに、他システムへと情報を流しています。SmartHRには従業員からの申請や人員配置の情報が自動反映され、常に最新の状態を保てるため、情報の一元管理ができています。
以前から課題だった情報の閲覧権限についても、細かく分けられました。表示する従業員項目を自在にカスタマイズできるので、閲覧させたい情報ごとに15種類程度の権限を用意し、運用しています。
アルバイトや長期インターン生との雇用契約もSmartHRの文書配付機能で交わしています。以前は契約更新のたびに1件ごと手入力で名前や条件を記入していましたが、SmartHRをマスターしてからは都度情報を引用するだけで書類を作成できるようになったのでかなり効率化されています。
他にも従業員データを活用した取り組みはありますか?
芝田さん:経理システムと連携して情報を整理する仕組みづくりを検討中です。また、データを活かした人事施策も考えていきたいです。現在は上場企業を筆頭に、さまざまな情報を開示する傾向が強くなっています。今の当社は手作業で集計したものを公開していますが、システム上で集計ができるように整備を進めていきたいです。
従業員マスターの活用でよりストレスフリーな環境づくりを目指す
今後の展望をお教えください。
芝田さん:当社は「創作活動を、もっと楽しくする。」を企業ミッションとして掲げています。総務労務部としては、従業員がクリエイターの支援になるべく多くの時間を使えるようにサポートしたいと考えています。提出物のお願いなども、従業員の手間を最小限にとどめたいのです。SmartHRを使うことで、よりわかりやすくストレスなく各種事務作業を遂行できるようになりました。今後も従業員にとってストレスフリーな環境を作っていくうえで、SmartHRを起点としたシステム化による効率化が大切だと思っています。
村松さん:従業員の手間を減らすためは、わかりやすさや対応しやすさの整備が大事だと考えております。その整備に向けてSmartHRの従業員マスターをより利用できるよう検討しています。現在は、勤怠などの他業務もSmartHRと連携できるシステムに切り替えるべく見直しをしています。ぜひ今後ともSmartHRを活用していきたいです。
SmartHRを実務へ活用するだけでなく、あらゆる従業員データのベースにすることで、スムーズな業務の遂行を実現できたのですね。今後ともぜひSmartHRをご活用ください。貴重なお話をありがとうございました!
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