店舗間業務をスムーズに「働きやすく生産性の高い会社」を目指す
課題
- 書類の準備のために深夜まで残業するなど人事労務業務の負荷が高まっていた
- 年末調整の時期は年末調整の書類や源泉徴収票の印刷、約40店舗への発送も加わり、多忙を極めていた
- 会社が急激に成長している反面、バックオフィス機能がその成長に追いついていなかった
解決策
- 勤怠、給与計算システムとの連携をスムーズに
- ペーパーレス化により店舗全体の業務フローを改善
効果
- 入社手続きや雇用契約の業務フローの改善に成功
- 窓口を一本化したことで、マニュアルとチェックリストも統一され、スムーズな対応ができるようになった
- 蓄積したデータを分析し、生産性向上にも活用できるように
福岡県北九州市に本社を構える株式会社パーソナルネット。携帯電話販売業で九州・中国エリアに45店舗を展開する急成長中の企業です。
店舗数が増え、入社者数も増えるなかで給与明細配布や年末調整などの人事労務業務の負荷が高まり、SmartHRを導入。
働きやすく生産性の高い組織をつくるため、人事制度の企画にも取り組まれている一木さん、森さんにお話を伺いました。
約40店舗における給与明細配布や年末調整のペーパーレス化を目的に導入
SmartHRを導入する背景について教えてください。
森さん:私が入社した2018年頃は、人事労務業務がまだあまり整備されていませんでした。その頃は業務を紙で運用しており、給与明細配布書類の準備のために深夜まで残業している状況で、「これは効率化しなければ」と思いましたね。
年末調整の時期は年末調整の書類や源泉徴収票の印刷、約40店舗への発送も加わり、さらに多忙を極める状況でした。
一木さん:ここ数年、会社が急激に成長している反面、バックオフィス機能がその成長に追いついていないことが課題でした。
どのようにサービスを選定、検討されたのでしょうか?
森さん:私はもともと社労士事務所で勤務しており、その際に電子申請は便利だなと感じていましたので、まずは社内で電子申請ができるよう、システムを探していました。
同時に勤怠管理も改善するためにKING OF TIMEの導入を検討していたところ、SmartHRがKING OF TIMEとAPI連携できると知りました。
導入の決め手は何でしょうか?
森さん:従業員情報の一元管理、入退社手続きを電子申請できることが魅力でした。それだけでなく、年末調整や給与明細、源泉徴収票の配布など、人事労務のペーパーレス化を実現できることも導入の決め手です。
このような管理部門向けのシステムは難しく堅い印象をもちますが、SmartHRはポップで親しみやすく、従業員も使いやすいだろうと思いました。
勤怠、給与計算システムとそれぞれ連携し、スムーズに導入
約40店舗あるなかで、導入はスムーズでしたか?
森さん:同時に勤怠システムの導入も進めていましたので、導入時はすべての店舗に直接訪問し、説明会を実施してフォローしました。この機会に現場の方との接点を持ち、労務担当の私を知ってもらうことには意味があったと思います。
一木さん:社会保険労務士の資格をもつ森から、人事労務についての知識を伝えてもらう機会になり、現場にとってもメリットがあったのではないでしょうか。
2度目の年末調整はよりスムーズに。今後は分析レポート機能を活用
2020年の年末調整はいかがでしたか?
森さん:SmartHRで年末調整をするのは2回目になりますが、すでに登録されている情報を確認するだけで済むため、スムーズに進みました。年末調整の画面に表示できる「ヒントメッセージ機能」を活用したことで従業員からの質問もほとんどなかったです。
SmartHRからいただいた従業員用マニュアルも便利ですよね。内容の加工もあまり必要なく、非常に助かりました。
一木さん:従来の紙での年末調整と比較して気づいたことがあります。書類に自分の名前を書き、印鑑を押して本社に送るという作業だけで終えていましたが、「これまでどれだけ労務の方に負担をかけてきたんだろう」と。
最初はSmartHRの年末調整に慣れないところもあるかもしれませんが、従業員一人ひとりが自分の手続きをきちんと進めることはそれほど負担ではありません。入力もわかりやすいですし、2回目になるとより楽になったと思います。
ありがとうございます! 分析レポート機能はどのように活用していますか?
森さん:毎月人件費や残業時間の推移、店舗ごとの違いについて確認しています。残業時間の把握や改善は労務のミッションですので、現状の分析に活用したいと思っています。
今後は従業員の資格情報もSmartHRに蓄積したいですね。携帯キャリアが課している資格試験があり、従業員がいくつか資格を取得していますので、資格の合格率なども可視化できるのではないかと思っています。
労務だけでなく人材マネジメントで活用することも期待しています。
参考:働き方改革にマストな人事データの可視化。「分析レポート」活用例を解説!
ペーパーレス化だけでなく、店舗全体の業務フローの改善も進む
導入して感じた変化を教えてください。
森さん:入社手続きや雇用契約の業務フローを改善できました。SmartHRを活用して業務が効率化されたのはもちろん、店舗とともに人事業務全体のフローを見直せたのは大きいです。
これまでは入社者が発生した際に統一されたマニュアルがなく、店舗ごとに対応方法が異なっていました。SmartHRで窓口を一本化したことで、マニュアルとチェックリストも統一され、かなりスムーズになったと思います。
給与明細の配布にかかる時間も大幅に短縮しました。SmartHRにデータが保存されていることで、離職票の作成もラクになり、1時間半くらいかかっていたのが15分程度で出力できるようになっています。
一木さん:よかったことが2つあります。1つ目は森も話したように業務フローが改善されたことです。私は採用を担当していますので、40店舗以上あると、店長のスキルもバラバラで、入社時にかかる負担に差がありました。
人事側と求職者でほとんどの手続きを完結できるようにしましたので、現場の方は入社後のOJTなど、業務上のフォローに集中しやすくなったと思います。
2つ目は、リフレッシュ休暇制度や男性の育児休暇制度などの人事制度を企画する際、SmartHRを見れば従業員の状況がすぐわかり、分析しやすくなったことです。店舗に誰が在籍しているのかを確認するため、カスタム社員名簿もよく活用しています。
森さん:カスタム社員名簿では顔写真を確認できますので、離れた店舗にいる従業員からの電話があった時もどんな方かイメージしやすいですよね。
勤続年数などもわかりますし、従業員のカスタム項目を活用して名簿を作成できるのも便利です。
ありがとうございます。従業員の皆さまからの反応はいかがですか?
一木さん:使いやすいからか、いい意味で大きな反応がなく、自然に浸透しましたね。SmartHRはすでにインフラのような存在で、とても馴染んでいます。
これは副次的な効果ですが、若い従業員にとって自分自身の収入やその内訳、年末調整などの情報が身近になった印象があります。
今までは人事労務に関する情報をどこか受け身に捉えていたと思いますが、SmartHRを通してこれらの情報に触れることで、“自分ごと化”が進んだのではないでしょうか。
人事データを分析し、働きやすく、生産性の高い職場をつくる
今後取り組みたいことを教えてください。
森さん:人事情報を蓄積し可視化できれば自分の視野がより広がり、よい会社づくりのためにアイデアが出せるようになると思います。従業員の情報と、従業員の希望や考えも集約して、どんなニーズがあるのかも探りたいです。
人事情報と労務管理をSmartHRで一元化できるよう、活用を進めていきたいですね。
一木さん:会社の成長スピードが早く、人事部側は柔軟な対応が求められています。人事データを分析し、スムーズに人事企画や採用計画ができるようにしたいです。
そのうえで「働きやすく、働きがいのある会社」づくりにもこだわりたいですね。新卒入社の従業員が毎年増え、既存の従業員のライフステージが次に進むシーンもでてきました。人事制度の充実を図り、現場のみなさんが安心して働きやすい職場をつくっていきたいと思っています。
急成長する会社に対応する組織づくりのみならず、現場に寄り添いながら働きやすい会社をつくりたいという想いを感じました。素敵なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。