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年齢問わず「使いやすい」のが決め手。介護×多拠点での業務改革

あなぶきメディカルケア株式会社
  • 課題
    入退社手続きや契約更新業務が煩雑化
    毎年約300人の契約更新では、手続きに手間がかかっていた
  • 解決策
    業務の属人化の脱却、事業拡大を見越した体制強化のため、デジタルへの移行
    高齢の従業員でも使いやすいシステムを検討
  • 効果
    年間で約8,000枚の紙の削減に成功
    従業員780名と人事がダイレクトにつながれるように

あなぶきメディカルケア株式会社は、香川県高松市に本社を構え、高齢者住まい(アルファリビング)を中心に介護関連事業を展開しています。8県をまたぎ、33拠点と多拠点展開されるなか、これまで1名で年間約200名の入退社手続きを担当されていました。

「60〜70代の従業員の方でも使いやすい操作画面」を決め手にSmartHRを導入。従業員と人事の距離が近くなったという効果もでているという、その活用の裏側について、執行役員 管理部 部長 嶋津さん、管理部宇都宮さんにお話を伺いました。

多拠点での入退社手続きや契約更新業務がアナログで煩雑だった

SmartHRを導入する背景について教えてください。

嶋津さん:とにかく業務がアナログで、年間200名の入社者対応や契約更新業務を宇都宮1人で担当していました。拠点も11エリア・33拠点あるなかで非常に業務量が多く、負担が大きかったと思います。業務の属人化の脱却、事業拡大を見越した体制強化のためにデジタルへの移行を進めるべきだと決断したのが2年前です。

宇都宮さん:年間200人の入社と同時に退職者もおり、手続きをすべて紙で対応していたので、作業に時間がかかっていました。たとえば管理職からの「履歴書が見たい」という依頼にも紙をPDFにして渡さねばならず、情報をすぐに確認できないことも問題でした。

また、毎年約300人の契約更新が必要になり、手続きに手間がかかっていました。ひたすらExcelで労働条件通知書を作成し、紙で印刷して印鑑を300名分押し、郵送でやりとりするという一大イベントでした。このような手間が増えるとともに、ミスによる個人情報漏洩のリスクも感じていました。

(人事広報部 嶋津さん)

(管理部 嶋津さん)

高齢の従業員でも使いやすい操作画面が導入の決め手

導入にあたり比較検討はされましたか?

嶋津さん:はい、従業員の負担を減らすため、1つのユーザーIDでログインしてすべて解決できるようなオールインワンのシステムを探していました。ですが、介護事業の場合勤務体系がバラバラでかなり複雑です。オールインワンのシステムでは勤怠システムとして活用できるものが見つかりませんでした。

オールインワンでは難しく、それぞれ適切なシステムを入れなければならない。まず何から導入しようかと考えた時、人材データベースと労務の領域をデジタル化するところだと考え、5社ほど比較検討しました。

導入の決め手は何でしたか?

宇都宮さん:高齢の方や“デジタル”というだけで苦手意識をもつ方もおりますので、従業員の皆さんが使えるかどうかを一番重視していました。

嶋津さん:使いやすい操作画面ですね。従業員と実務担当の宇都宮が使いやすいかどうかが一番大事です。デモ画面をオンラインで見せていただいて、商談が終わった後、宇都宮が「これはすごい」と感動していたのを覚えています。

これは、使う従業員がハッピーになるという意味での「すごい」なんです。人事労務の手間を省くだけではあまり意味がないと思っていましたので、この操作画面であれば、従業員側が困ることはなさそうだと感じました。

つぎに、こちらからの要望に対するフットワークの軽さ、親身になってこちらのことを考えてくださる担当者の対応をみていると、SmartHRが圧倒的に良かったです。

社内共用のPCも活用し登録を推進。年末調整もスムーズに完了

高齢の方も多いなか、どのように導入を進めていったのでしょうか?

宇都宮さん:高齢の方も多く、従業員全員が登録できるかどうかが一番不安でしたので、まずは管理職向けに説明会を実施しました。うまく登録できない方へのフォローも管理職の方に協力いただきました。使い方マニュアルや年末調整のポスターなど、SmartHRさんから提供いただいたものを活用してアナウンスもしています。

従業員からはどのような反応がありましたか?

宇都宮さん:スマホを持っていない方からは「メールが届かない」「ドメイン登録がわからない」という声がありました。こちらでフォローし、会社の共有パソコンからログインしてもらうようにしています。

嶋津さん:少し強引に進めたところはありますね。会社全体の意識を高めることもデジタル化に必要なことの1つです。「介護はアナログな世界だから」と思い込むのではなく、よりよい環境づくりのために、従業員一人ひとりの意識も変えなければなりません。

2020年の年末調整はいかがでしたか?

宇都宮さん:年末調整は毎年紙との戦いでした。段ボールが2箱デスクに置いてあり、社労士の方も台車を引いて書類を取りに来ていました(笑)。ですので、まず「紙がない」という環境は想像以上に快適でした。入力状況も画面で見られますので、入力が終わった方から随時チェックでき、無駄なく進められて楽に終わりました。

従業員からも質問が届くかと思っていましたが、ほとんどありませんでした。「間違って完了してしまったので差し戻してください」くらいですね。

「従業員情報を確認したい」という管理職からの要望には対応できるようになりましたか?

宇都宮さん:はい。SmartHRに情報を入れ、一部の方だけが閲覧できるように設定しました。従業員の職階や過去の評価、履歴書など、すべてを保存しています。

従業員の情報が変わる場合は「申請・承認機能」を使って従業員から申請してもらっています。住所変更の申請はこれまで施設長に申請書を印刷してもらい、手書きして郵送する流れでしたが、すべてSmartHRから申請できるようになりましたので、自分のスマホなどから手続きできるようになりました。

また、従業員の申請を承認すると、そのままSmartHRに情報が反映されることに改めて感動しました。今までは情報の登録・変更のために、紙を見ながらすべて手入力していましたので。

(人事広報部 宇都宮さん)

(管理部 宇都宮さん)

8,000枚の紙を削減。人事と従業員のコミュニケーション手段として活用

SmartHRを導入して生まれた変化を教えてください。

嶋津さん:試算したところ、年間で約8,000枚紙を削減できました。投資対効果も短期的なメリットは出ていますが、それよりも副次的に生まれる「書類紛失リスク」「書類保管コスト」を解消できるメリットも大きいことがわかりました。効率化されて生まれた時間で、人事労務のコア業務に力を入れられるようになったのもよい変化の1つです。

▼ペーパーレス化できた書類

  1. 入社に関わる書類の削減
  2. 入社時労働条件通知書の電子化
  3. 給与・賞与明細の廃止
  4. 退職者へ源泉徴収票の送付廃止
  5. 年末調整の電子化
  6. 社内申請書類の電子化

※1~6にかかる印刷代や送料、作業時間も削減

嶋津さん:従業員780名と人事がダイレクトにつながれたことは予測していなかったメリットです。社内メールアドレスを所持する従業員は200人ほどですので、これまで7~8割の方とは直接コミュニケーションをとる手段がありませんでした。直接申請できるようになり、入退社手続きに必要な書類の管理や従業員の情報変更など、上司を通す手間が削減できています。

また、現場の人が言いにくいことを人事部門に相談しやすくなりました。紙や電話での窓口はありましたが、電話はしづらいですよね。SmartHRは社員IDでも登録できますが、メールアドレスの登録にこだわったのは、人事と従業員が直接コミュニケーションをとれるようにしたかったという背景もあります。社員相談窓口も設けてさっそくメールで相談が届いていますので、従業員との距離が近づいたように思います。

宇都宮さん:私だけでなく、現場の皆さんの手間を削減し、業務に集中できるようになったのが一番良かったです。導入後、管理職の方からもアイディアをもらいSmartHR上の申請手続きを改善したこともあります。

嶋津からもあったように、上司を通さず人事上の申請ができたり、人事に相談できたりすることで、従業員の不安の軽減につながりました。私は従業員と直接関わりたい性格ですので、現場と距離が近くなり非常に嬉しいです。

人材不足が叫ばれる介護業界で、働きやすい職場づくりを進めたい

今後取り組みたいことを教えてください。

宇都宮さん:SmartHRでは分析レポートの機能を活用したいですね。従業員のデータを回収して終わりではなく、分析して現場に還元していきたいです。これまでは目先の業務に追われていましたが、考える時間が生まれ、少し余裕がでてきました。もしかしたら上司の嶋津にも気をつかわせていたかもしれませんね。

嶋津さん:かなりの業務量をこなしてくれていたので、ちょっと遠慮していたかもしれませんね(笑)。でも今は大丈夫です。

宇都宮さん:従業員のことを考え、できることを自分から生み出していきたいです。その時間ができたので、よい会社づくりのために挑戦したいと思います。

嶋津さん:従業員と人事がつながるシステムの中心にSmartHRを置き、そこから拡張していきたいと思っています。介護業界は人材不足が叫ばれている業界ですので、現場の皆さんが長く働けるような会社づくりにコミットしていきたいです。

従業員との面談も力を入れられる時間ができましたし、現場のストーリーを社外に発信する広報業務にも力を割けるようになりました。1分1秒でも長くお客様に向き合う時間をつくるためにできることを推進したいですね。

あなぶきメディカルケア株式会社 施設の様子

※嶋津さん、宇都宮さんが更新している“誰でも見れるWeb社内報”「Yawaragi」公開から1年半、1日も欠かすことなく毎日更新されています。

嶋津さん、宇都宮さんの現場に対する想いを伺い、大変感銘を受けました。お話しいただきありがとうございました!