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労務・目標管理をSmartHRで。ノーザンファームの「馬を愛する人」を支える環境づくり

ノーザンファーム
  • 課題
    厩舎の拡大や若手の採用・育成に注力。限られた総務人事部リソースでの対応に限界
    紙の書類提出に車移動が必要な場合があり、従業員に負担がかかる状態
    紙の評価シートの展開・回収の負担が大きく、過去の評価履歴の管理工数が高かった
  • 解決策
    入社手続きや各種申請をSmartHR上で回収する体制に移行
    従来の評価シートをSmartHR上で再現し、運用スタート
  • 効果
    入社書類の確認作業が1人あたり45分→10分で完了
    評価シートがペーパーレス化され、展開・回収・集計の工数削減
    評価データがSmartHRに蓄まり、評価履歴を参照しながら適切なサポートができる体制に

ノーザンファームは、サラブレッド生産牧場としては生産頭数、中央競馬の年間勝利数・収得賞金、従業員数、売上高など業界トップクラスの実績や規模を誇り、競走馬の生産から育成・調教までを一貫して手がける総合牧場です。

「馬を通して世界中の人に感動を与え幸せにする」ことを目指して、「世界に通用する強い馬づくり」に取り組み、2年連続で年度代表馬に選出されたイクイノックスをはじめ、国内外で活躍する競走馬を輩出しています。

同社ではさらなる飛躍を目指し、厩舎の拡大や若手の採用・育成に注力するなかで、SmartHRを導入による労務手続きや評価シートのペーパーレス化を推進し、人材開発に取り組んでいます。総務人事部の山内さん、川上さん、ノーザンファーム天栄 (福島県)総務の小田さんにSmartHR導入の背景やその後の変化についてお話を伺いました。

人事・労務が紙ベース。評価シートはA3用紙、入社書類は400枚

山内さん・小田さん・川上さんの現在の業務内容を教えてください。

山内さん:私は総務人事部で主に採用を担当しています。北海道の「ノーザンファーム」、福島県の「ノーザンファーム天栄」、滋賀県の「ノーザンファームしがらき」の新卒・中途採用、契約社員の採用を担っています。

SmartHRは導入のタイミングから2023年9月まで、運用に携わっておりました。とくに人事評価機能を活用していたので、お話しできることも多いと思います。

川上さん:私は総務人事部で人材開発室に所属しております。人材開発室では、従業員のストレスチェックや時間外労働の計測、社員研修を推進しています。

小田さん:私は「ノーザンファーム天栄」にて総務を担っています。具体的には労務業務や、各種申請の対応を本部と連携を取りながら進めております。2023年9月までは山内、川上たちと一緒に業務に携わっていたので、当時のSmartHRを利用した労務対応のお話ができればと思います。

SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。

山内さん:ノーザンファームでは「世界に通用する強い馬づくり」を目指し、競走馬に関わる施設・環境の整備、管理・育成ノウハウや技術の向上に取り組んでいます。同時に、「馬づくりは人づくりから」を念頭に、年々拡大を続けています。

2年連続で約100名の採用が続いており、従業員数も1,000名を超えました。そこで課題になっていたのが、増え続ける従業員数に対して、対応する総務人事部のリソースが追いつかない場面が増えたことです。

川上さん:導入以前は小田さんと一緒に入社書類の確認作業で夜遅くまで対応に追われる日もありました。紙ベースでの対応なので、複数ある入社書類がすべて揃っているか、記入内容に不備がないかを互いに確認し、コピーを取ってファイリングする作業が必要でした。一度に80名分の対応をするときは計400枚ほどの書類と格闘していた記憶です。

小田さん:私も紙ベースでの労務対応に課題を感じていました。とくに北海道という土地柄、事務所間の移動には車が必要です。たとえば入社書類に不備があった場合、事務所まで運転して再提出するなど、従業員にも負担のかかる状態でした。

(小田さん)

山内さん:同様に人事評価に使用していた評価シートも紙ベースでの運用でした。表計算ソフトで制作した評価シートを印刷し、A3用紙で展開していました。

とくに困ったのが評価期間中に異動があった場合、複数の評価者に評価シートを展開する必要があり、回収の手間と管理工数がかさんでいました。

あまりに煩雑になるため、無料のフォームソフトを展開して、表計算ソフトで集約する方法などを検討しましたが、準備や設計、管理の作業に追われ、結局業務効率化につながらないと思い、断念しました。

入社書類確認がペーパーレス化。1人あたり45分から10分で完了

SmartHRの導入を検討されたきっかけは何でしたか?

山内さん:お取引のある企業さんからSmartHRを推薦されたのがきっかけです。「人事・労務業務のシステム化を考えているなら、人事評価、労務対応もペーパーレス化できるSmartHR導入をした方がよい」と太鼓判をもらい、導入に向けて大きく動いた背景があります。

SmartHRの導入はどのように進めましたか?

山内さん:まずはSmartHR上で人事評価を実施できる体制づくりから進めました。従業員向けにログインや操作方法についてはSmartHRスクールにあるSmartHRの導入サポート資料を活用しながら資料をつくり、役職者向け説明会を実施しました。

小田さん:一方で労務業務においては、長い間紙ベースでの対応が当たり前だったため、SmartHR上での対応に違和感を覚える総務人事部メンバーもいたと思います。

最初は運用に関わるメンバーを中心にヒアリングを実施し、導入設計を練っていました。しかし、多様な価値観を1本化して全員が満足する導入設計は現実的ではないと考え、「まず導入を優先し、導入後に都度課題に対応する」方針に変えました。

すると、「わからないことがあれば質問する」が当たり前になり、少しずつ運用もスムーズになりました。SmartHR自体に不満の声も上がっておらず、現在ではSmartHR上での入社手続きも定着しています。

SmartHRの導入が進み、入社書類の確認など労務業務に変化はありましたか?

従来に比べ、入社書類の提出状況もSmartHR上で確認できるので、管理側の業務の標準化と負担軽減につながっています。1人あたり45分程度かかっていた入社書類確認も、現在は10分もかからない状態です。

また、弊社は拠点が北海道だけでなく、本州にもあるため、人事異動にともなって引っ越しをする従業員もいます。異動時の住民票の手続きや書類回収、運転免許の有効期限管理など労務領域の活用範囲も少しずつ拡大しています。

過去の評価データを確認しながら、従業員の成長をサポートできる

A3用紙で展開していた人事評価についてはどのような変化がありましたか?

山内さん:評価シートがペーパーレスになり、業務効率化が進んでいます。従来のA3用紙で展開していた評価シートはSmartHR上で再現できました。現在は評価の展開・回収・集計をSmartHR上で完結できるので助かります。

(人事評価 管理画面 イメージ)

とくに過去の評価データがSmartHR上に記録が残る仕様に価値を感じています。弊社は職種によって、一定期間で部署異動が発生し、評価者が変わるケースがあります。その都度、総務人事部は過去の評価シートを新しい評価者に共有する必要がありました。現在は、それらもSmartHR上で確認できるので、管理側も現場の評価者も手間を省けています。

SmartHRの人事評価機能への切り替えによって、新しい使い方をはじめられたと伺っています。

山内さん:弊社では未経験から調教スタッフを目指す「乗馬未経験者研修プログラム」があります。馬に関わる仕事をするうえで必要となる基礎を学ぶため、1か月ごとに複数部署を経由し、1年後に調教スタッフとしてデビューします。

そこで目標管理シートとして人事評価機能を使っています。SmartHRなら権限設定によって柔軟に評価者を設定できるので、1か月ごとに評価者が変更になる本プログラムでもスムーズな目標管理ができています。評価者側にとっても、過去の評価履歴を確認しながら、従業員の成長をサポートできると好評です。

弊社は若手育成にも力を入れているので、人事評価機能の活用方法は今後も模索していきたいです。

(山内さん)

プロダクト開発・アップデートに力を入れているのがSmartHRの強み

これから活用を進めていきたい機能はありますか?

山内さん:私は人員計画業務を配置シミュレーション機能に移行したいと考えています。

これまで各部門に所属する従業員の年齢や性別、所属年数などは表計算ソフトで算出したものを、人員計画時に参照していました。配置シミュレーションに切り替えることで、そうした作業もなくなり、視覚的にも人員計画を立てやすくなると期待しています。

川上さん:2023年8月にリリースされたスキル管理機能の活用に向けて動いています。人材開発室で実施している全社研修や階層別研修の履修管理をはじめ、職種や役職によって求められる経験やスキルを可視化して、人員配置や個人キャリアの成長に役立てられると感じています。

これまでは、従業員に紐づく経験やスキルを人事データとして管理していなかったので、具体的に「実施すべき研修」や「人材育成の方針」などが不明瞭なままでした。今後は、可視化されたデータをもとに、次世代のリーダー育成や部署の役割の明確化に取り組みたいです。

SmartHRは日々プロダクトのアップデートや新しいプロダクトが発表されていますよね。今回のスキル管理機能にもいえることですが、人事・労務の担当者が抱える業務負担の軽減だけなく、人材育成やタレントマネジメントを手助けするプロダクト開発にも力を入れているSmartHRに頼もしさを感じています

(川上さん)

働く従業員を支える存在として、さらなる打ち手を講じる

今後、ノーザンファームの総務人事部として取り組みたいことを教えてください。

川上さん:私たちが目指しているミッション、社会的な使命は、「馬を通じて世界中の人に笑顔を与え、幸せな気持ちを提供すること」です。その実現のためには、従業員が世界に通用する馬を育てられる人であると同時に、ノーザンファームで働くことに喜びや幸せを感じることが重要だと考えています

そのために、我々ができる打ち手はまだまだあると感じています。現在実施している研修においても、知識やスキルの獲得の場としてだけでなく、ノーザンファームで仲間とともに働く価値を実感してもらう機会に改革していきたいです。

山内さん:SmartHRで人事・労務業務が効率化されたことで、担当者として工数削減の重要性を再認識しました。効率化によって創出された時間で、総務人事部として注力すべき、採用・人材開発に割く時間が増え、SmartHRの活用範囲もさらに広がるサイクルが生まれています。

さらに今後は、先ほど申し上げた目標管理シートのような「現場に沿った活用」を増やし、ノーザンファームの使命達成に寄与できるようアクションを起こしたいです。

今後もSmartHRのさらなる機能拡大やアップデートにも期待しながら、我々はノーザンファームで働く人を支え、世界で活躍する馬を育てていきます!

人事・労務からノーザンファームを支える総務人事部の皆さんはまさに「馬づくりは人づくりから」を体現されていますね。本日は貴重なお話、ありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。