導入は事業政策上の正解。グループ全体の抜本的な業務改革へ
課題
- コロナ禍の影響による従業員同士の接触機会の制限を受け、労務業務のペーパーレス化が急務に
- 昨今の労働環境におけるバックオフィス部門の課題として、労務業務の電子化による生産性の向上が重要な課題になっていた
解決策
- コロナ禍を受けたペーパーレス化、組織の抜本的な改革に向けてシステム導入が不可欠
- 従業員の増加に比例して、給与・社会保険関連業務の効率化はもちろん、DXへの対応、抜本的な改革などを推進
効果
- 給与明細の電子化で、トータル1回発行6時間×9名分の担当者の負荷を軽減
- 従業員から給与明細がペーパーレスで管理しやすく、見やすくなって嬉しいとの声も上がっている
生協、コープとして親しまれる大阪いずみ市民生活協同組合は、総事業高1058億円、組合員数55万世帯、大阪府内南部(東大阪より以南)を活動エリアとし、食品を中心に宅配や店舗、電気小売、保険、高齢者介護、子育て支援など、組合員の日々のくらしを支える事業を展開している非営利組織です。
コロナ禍における環境の変化への対応、そして今後の事業政策を踏まえてSmartHRを導入。その真意について、執行役員・経理部長の逸見さん、同部署所属の松廣さんにお話を伺いました。
コロナ禍を受けたペーパーレス化、組織の抜本的な改革に向けてシステム導入が不可欠だった
お二人の業務についてそれぞれ教えてください。
逸見さん:財務諸表の作成から、経営企画のような業務まで幅広く統括しています。経理部は60名ほどおり、そのうちの12名が給与・社会保険業務のグループ・シェアード・サービスを担当しています。
松廣さん:私はそこで、大阪いずみ市民生活協同組合のグループ会社4社の給与計算、および付随する業務を担当しています。
あらためて、SmartHR導入の背景を教えてください。
松廣さん:コロナ禍の影響による従業員同士の接触機会の制限を受け、労務業務のペーパーレス化が急務になりました。また、昨今の労働環境におけるバックオフィス部門の課題として、労務業務の電子化による生産性の向上が重要な課題になっていました。
逸見さん:加えて、グループ全体の成長政策の観点では、事業拡大に伴い従業員数が数年後には5,000名を超える見通しであり、今後も増加する見込みです。
従業員の増加に比例して、バックオフィスの人数を増やすことはできないため、給与・社会保険関連業務の効率化はもちろん、DX(デジタルトランスフォーメーション)への対応、コスト競争力向上のために抜本的な改革の必要性を感じていました。そのような文脈をもとに、システム導入の本格的な検討に至りました。
「ユーザー目線での使いやすさ」で最も評価の高いSmartHRを選択
どのように検討を進めたのでしょうか?
逸見さん:従業員の「ユーザー目線での使いやすさ」を軸に、複数社のサービスを比較検討しました。実際には16種類の候補の中から、まずは機能面で5社まで絞り込みました。最終的には、グループ全法人の担当者15名による採点式の評価の結果、最も評価が高かったSmartHRに決めました。
ありがとうございます。高評価の要因はどんな点にありましたか?
逸見さん:評価コメントの中で「感覚的に使える」という感想が多かったように、デザイン性の高さが際立って良い評価が得られました。
また、ユーザー目線だけでなく給与担当者目線でも同様に評価が高かったですね。たとえば、弊社では給与明細がやや特殊で項目数が多い特徴があるのですが、その点に対しても十分に対応できていたのがSmartHRでした。
比較した他社のサービスでは制約により項目数が不足していたり、項目を増やすための設定が煩雑だったりなど、私たちの要望を満たしておりませんでした。
システム以外の観点での評価はいかがですか?
逸見さん:導入して終わりではなく、カスタマーサクセス担当の方の対応やヘルプセンターのコンテンツの充実度など、様々な観点から付加価値を感じていました。
SmartHRの費用は決して安くはありませんでしたが、総じてそれを上回る費用対効果が得られるとの評価が私たちの総意でした。
グループ各社の担当者が「当事者意識」を持てるよう丁寧にプロジェクトを推進
グループ会社のご担当者さまをはじめ、関係者が多い中での導入だったかと思います。スムーズな導入のために工夫した点を教えてください。
逸見さん:いずみ市民生協のグループ会社は、機能別に会社を分社化しています。それぞれ業態や賃金水準が異なり、労務管理の観点でも各社が独立しています。
そのため、各社従業員への対応はやはり各社における労務部門となりますので、親会社だけでなく担当者の方々の主体性が重要になります。そんな背景もあり、システム選定の段階から各社における担当者の参加をお願いしました。
グループ各社のご担当者さまにも納得いただけるように、比較検討の段階から丁寧にコミュニケーションをとりながら推進してこられたのですね。
逸見さん:もちろん上手くいったことばかりではありませんが、関わった全員が当事者意識を持てるように意識してコミュニケーションをとってきました。
プロジェクトマネジメントにおけるステークホルダーエンゲージメントが、クラウドサービス適用のプロジェクトでは重要になると考えていました。
会議の議事録をもとに各社の役員とコミュニケーションをとりながら、必要に応じて膝を突き合わせて話し合うなど、丁寧に進めてまいりました。
給与明細業務で効率化を実感。導入は事業政策上からも「正解」
導入後の変化について教えてください。
松廣さん:全従業員に関係する『給与明細の電子化』から取り組みました。導入以前は印刷にはじまり、機械圧着、仕分け、各事務所への送付をしていたところ、明細のアップだけで完了するため、トータル1回発行6時間×9名分の担当者の負荷を軽減できました。
グループ各社ごとに帳票や明細配布までのプロセスが少しずつ異なっていて、確認しながら進めることにも時間がかかっていたので業務の大幅な効率化ができて嬉しいですね。
導入後の皆さまの反響はいかがでしたか?
松廣さん:各所より良い反響が届いています。共同事務センター内では、以前からテレビCMでSmartHRを目にしていたからか、導入が決まった段階から喜びの声と導入後の変化に対する期待を強く感じました。
各事務所の所属長においては、給与明細の配布作業や、明細配布後に従業員から受領の捺印をもらう作業がなくなったことを喜ばれていました。
従業員からも給与明細がペーパーレスで管理しやすく、見やすくなって嬉しいとの声も上がっています。
経営陣の皆さまにおけるSmartHR導入への評価はいかがですか?
逸見さん:事業政策上の観点からも、導入は正しかったと思います。
全社的に改革を進めていますが、ペーパーレス化は目に見えるわかりやすい結果の1つに過ぎません。根本的には「仕事のあり方そのものを変えていこう」という考えのもとプロジェクトを推進しています。
売上高を伸ばし、事業の多角化を進めていこうとすれば、現場で働く従業員数も増加することが見込まれます。何もしなければバックオフィス部門の負担は大きくなる一方であり、抜本的な改革の必要性があります。
以前から給与社会保険業務のクラウドサービスを下調べしておりまして、実はSmartHRの導入の必要性を強く感じていました。実際に導入後、短期間で適用範囲も広げられるので、経営陣の評価は高く、今後も大いに期待しています。
人事情報の一元化、蓄積したデータ活用で経営に貢献を
最後に、これから注力したいことを教えてください。
松廣さん:現在着手している雇用契約の電子化と並行して、年末調整もSmartHRでの実施を予定しています。2022年度に向けては入社手続きや各種申請など、給与計算以外についても申請フローの整備を通じた効率化に着手予定です。
最終的には、グループ各社ごとに異なる作業を標準化して、グループを横断して統一できたら理想ですね。工数削減により生産性の向上、各社で働く従業員の働きやすい環境づくりに貢献していきたいと考えています。
逸見さん:グループ全社の人事情報を一元化して、データをもとにした組織づくりの観点で経営を支援していきたいと考えています。そのためにも、まずは人事データベースの整備が必要です。
経営層が、どこにどんな人がいるのかを把握できるように、従業員の資格情報や研修の記録、業務における過去の実績などの体系的な整備、従業員個人情報ポリシーの整備を進めたいと思っています。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。