コア業務に注力できる環境へ。労務の効率化で経営課題の解決に寄与
課題
- 毎月発生する労務手続きに多くの人員の時間を割いていた
- 記入漏れや記入ミス発生時の対応にともなう業務負荷が発生
- 個人情報が紛失してしまう懸念を抱えていた
解決策
- SmartHR導入により部署を超えた業務効率化に着手
効果
- ペーパーレス化で各種手続きがスムーズに
- 個人情報の紛失リスクを低減
洋菓子ブランド「ヨックモック」を展開する株式会社ヨックモックホールディングスは、シガールに代表される人気商品を取り揃え、多くの顧客に幸せなひとときを生み出してきました。
同社グループで働く従業員が増えるなか、コア業務へ費やす時間の創出を目的にSmartHRを導入。導入の経緯と導入後の変化について、総務人事部長 佐藤さん、総務グループ長 荻山さん、総務グループ リーダー 石井さんにお話を伺いました。
負荷の高いアナログ業務の効率化を目的に導入
SmartHRの導入以前に抱えていた課題を教えてください。
佐藤さん:総務、人事、営業、店舗スタッフと、毎月発生する労務手続きに多くの人員の時間を割いていたことが課題でした。
具体的には、雇用契約書および付随する資料をすべて紙で管理していたため、記入漏れや記入ミス発生時の対応にともなう業務負荷、そして個人情報が紛失してしまう懸念がありました。
また、アルバイトを含めた全従業員分の給与明細発行コスト、入社書類回収の手間とリスクの軽減など、改善のための検討を重ねていました。
導入の優先度が上がった背景を教えてください。
佐藤さん:人事・労務業務に関わるメンバーに求められる役割が変化していた背景があります。導入を検討していた当時は、取引先を回る営業が担当エリアの販売スタッフの雇用契約書を回収していました。
しかし本来、営業が担うべきは、取引先へ商品や販促策の提案をしたり、店長や販売スタッフたちとより良い接客を考えたりすることです。各人が本来の役割に集中できるようにと、部署を超えた業務効率化に本腰を入れる必要性を感じたことが、導入のきっかけでした。
従業員の負担を減らし、コア業務の時間捻出に向けて全社で団結
SmartHRを導入した決め手を教えてください。
佐藤さん:決め手は、労務手続きをペーパーレス化し、従業員情報を効率的に管理できる点です。また、ユーザビリティが高く、どの従業員でも直感的に理解しやすいデザインも魅力でした。
石井さん:ウェブ上で雇用契約書の手続きが完了できる点がいいですね。従業員からは人事情報がダイレクトに総務人事へ上がってくるため、情報が集約され管理しやすい点が優れていると感じました。
これまでは入社日以降に紙の雇用契約書を回収していましたが、SmartHRでは入社日までに事前に内容確認・締結することが可能になりました。また、マイナンバーも同じタイミングで回収が可能になり助かっています。
導入の決裁にあたり、経営層の反応はいかがでしたか?
佐藤さん:導入を審議した経営会議では、経営課題と紐づけ「SmartHRで業務を効率化し、生まれた時間を営業活動やお客様のための時間に使いましょう」と提案しました。その際、会長からは「ホールディングスだけでなく、工場があるグループ会社にも導入してはどうか」との言葉が出るほど、反応が良かったです。
経営陣が「従業員の負担を減らしていこう」と考えていることがわかり、感慨深かったですね。その後、実際にグループ会社への導入も決まりました。
従業員の皆さんには、どのようにSmartHRを案内されましたか?
石井さん:SmartHRさんからいただいた従業員向けの説明資料を使って、説明会を開きました。はじめは、給与明細や雇用契約書の電子化に絞って導入したこともあり、スムーズにスタートできました。従業員向けには、SmartHRさんから共有いただいた動画を案内したことで、導入後のイメージが伝わりやすかったですね。
参考:SmartHR — 各種機能の紹介(動画)
佐藤さん:店舗にもPC端末を増やしたり、売り場を含めてチャットツールでコミュニケーションをとれるようにしたりと、コロナ禍を背景に社内のデジタル化が進んでいたこともSmartHRの導入が受け入れやすかった要因だと感じています。
導入後にわからないことがあった際は、どのように対応されていますか?
石井さん:カスタマーサクセスの担当が「困りごとはありませんか?」と定期的に連絡をくださるので、何かあれば相談していますし、わからないことがあれば適宜チャットサポートも活用しています。質問の回答も1日以上待つことはないので、困ったことがあれば気軽に質問しています。
自分で利用したい機能を学べるSmartHRスクールの動画も、全体の流れを把握するのに利用していますが、わかりやすくていいですね。
ペーパーレス化で情報の取得漏れを防ぎ、管理コストも削減。スピーディな年末調整にも貢献
導入後の変化について教えてください。
荻山さん:ペーパーレス化して各種手続きがスムーズになりました。以前は入社後に雇用契約書が届くこともありましたが、今では入社日前に必要な情報が漏れなく揃うため助かっています。紙のときは、返送が遅れて、店舗や催事のアルバイト情報が人事までなかなか入ってこないこともあったんです。
佐藤さん:急いでいるときは、入社者の方に入社当日に記入してもらった書類を営業が持って帰ってきたり、雇用契約書をFAXで送ったりしていました。今はメールアドレスさえわかっていれば、人事と入社予定者の間でやりとりできますし、ほぼすべての作業が入社日までに完了するようになりました。営業を介さず入社日までに作業が完了できるようになり、フローをシンプルにできたことは社内でも大きな変化ですね。
オンライン雇用契約・文書配付機能は、どのように活用されていますか?
石井さん:基本的には雇用契約書や同意書のほか、正社員が入社するときの雇用条件通知書の配布で使っています。
繁忙期に使用した例としては、短期のアルバイト約50名を対象とした雇用契約書の案内が1週間ほどで完了できました。現在は、4月のタイミングで更新予定のアルバイト約80名向けに案内予定で、契約書の準備を進めているところです。
荻山さん:短期のアルバイトに関しては、雇用契約の締結完了前に雇用期間が終わってしまう場合もあると思います。このような課題を未然に防げるのは、非常にありがたいですね。
先日、労働基準監督署へ行く機会がありましたが、デジタルでのやりとりを指摘されることもありませんでした。契約書のひな形含めて、各種法令にも準じている点は安心できると感じました。
課題として「マイナンバーの管理や紙の給与明細の発行コスト」を挙げられていましたが、これらに変化はありましたか?
佐藤さん:マイナンバーの確認も、入社手続きの一連の流れに沿って、入社日までに完了できています。SmartHRの基本機能内で対応でき、追加の管理費用がかからないのも嬉しい点です。給与明細の配布もウェブで完了できるのでいいですね。コロナ禍のなか、受け取るためだけに出社する必要も事務所まで発送する必要もなくなり、実務担当は非常に助かっています。
石井さん:給与明細の発行費用や、マイナンバーの管理費用等、様々な管理コストがなくなりました。あわせると、年間数十万円単位で削減できているのではないでしょうか。
荻山さん:弊社の給与計算が末締めの翌月10日払いのため、これまで年末調整もタイトなスケジュールで動いていたんです。ですがSmartHRを使うようになって、紙の回収・提出がなくなっただけでなく、未提出者のチェックもスピーディに対応できて時間の短縮につながりました。業務を管理する立場としても、弊社の労務業務には、SmartHRが「なくてはならない存在」だと感じています。
チームでナレッジを共有し合い、まわりからの期待を超える組織を目指す
今後、SmartHRをどのように活用していきたいですか?
石井さん:紙を使った申請がいくつか残っているため、申請窓口をSmartHRに統一していきたいと考えています。導入後もSmartHRの機能が強化されていますので、情報をキャッチアップしながら活用範囲を広げていきたいですね。
荻山さん:SmartHRの機能をフル活用できるくらいに理解や知識を深めて、さらなる業務の効率化へつなげていきたいですね。
最後に、これから取り組みたいことを教えてください。
佐藤さん:人事の観点では、会社が掲げる「相手と自分の期待を少しでも超えようと一歩踏み出し、行動を起こす人」を育成し、支援する環境を作りたいです。
総務の観点では、様々なキャリア、視点をもつメンバー同士で協力し合いながら、SmartHRの定着も含めて、弊社で働く皆さんと関わっていきたいですね。まだまだやることがたくさんありますので、意識して総務の業務や役割を切り替えていく必要があると考えています。
荻山さん:業務の属人化からの脱却を目指します。内容によっては、どうしても人に紐づく業務があるため、チームで知識やノウハウを共有しながら、ジョブシェアリングを実現したいですね。それにより、会社のナレッジ・マネジメントにもつながって、組織全体がより良くなると考えています。
佐藤さん:業務の効率化を従業員のパフォーマンス向上へつなげ、業務の「高度化」を目指したいです。SmartHRさんの人材マネジメント領域の機能にも着目していますので、従業員サーベイをはじめ、この領域での機能追加・アップデートにも期待したいと思います。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。