当たり前だった人事部の残業がなくなり、店長の負担も大幅減
課題
- 年末調整で数千枚の書類に毎年苦しめられていた
- 沖縄や北海道にも店舗はあり、書類の郵送にタイムラグが発生してしまう
- 業務効率化は必須だが、従業員数が多いため、中にはシステムの導入に反対する従業員もいた
解決策
- 地道な啓蒙や簡易的なマニュアルの作成で浸透を促す
- 年末調整で、本部と店舗間の非効率な書類のやりとりを改善し効率化
効果
- 人事部総出で3日かかっていた業務が1クリックで済むように
- 各店舗でも、用紙の配布や回収、確認の手間が省け、負担の軽減に成功
- 業務の効率化で、毎年当たり前になっていた残業がなくなった
「遊べる本屋」をテーマに、書籍や雑貨など様々な商品を扱い、全国に約350店舗を展開する株式会社ヴィレッジヴァンガードコーポレーション。
従業員数も多く、その数は約3,000人にのぼります。多くの店舗と従業員を抱える企業にとって労務は悩みの種。
例に漏れず同様の課題を抱えていたヴィレッジヴァンガードコーポレーションでは、SmartHR導入後どのような変化があったのか、同社人事部の井坂さんと穴澤さんにお聞きしました。
SmartHRを知った時「こんな便利なサービスがあるの!?」とビックリした
まず、SmartHRはどこでお知りになったのでしょうか?
穴澤さん:もともとは繋がりのある小売業の人事担当者から紹介されたのがきっかけです。
それまではオンラインで労務手続きができること自体を知らなかったので「そんな便利なサービスがあるの!?」とビックリしましたね(笑)。特に「ペーパーレス年末調整」には驚きました。
その後、導入検討なども経てトライアル利用を開始したのですが、「あ、これは楽になるな」というのが第一印象でした。
導入してもSmartHRが全社に浸透するか不安があった
その後導入に向けて具体的に進んでいくわけですが、導入時に課題はありましたか?
穴澤さん:弊社には約3,000人の従業員がいますので、紙の方が良いという方ももちろんいましたし、ITツールに明るくない方もいます。ただし、多くの従業員にとって便利になることや、人事部としても業務効率化は必須ですので、「SmartHRが導入されること」に加えて「みなさんもとても便利になりますよ」と地道に啓蒙していきました。
どのような方法で啓蒙を行ったのでしょうか?
穴澤さん:マネージャークラスの社員から各店舗に積極的に伝えるようにしました。他には社内ポータルでの告知もしましたし、簡易的な使い方マニュアルも作成して浸透を促しました。
導入当初は紙で手続きを行ってしまう従業員もいましたが、どんどんSmartHRを利用されるようになり、今では問題なくSmartHRで雇用契約や年末調整などの手続きを行えている状況になりました。
人事部総出でも終わらない…「年末調整」の改善に着手
SmartHRが全社に問題なく浸透して良かったです。その上でもっとも効率化したい業務は何だったのでしょうか?
穴澤さん:なんと言っても年末調整ですね。数千枚にもなる書類に毎年苦しめられていました。
書類の発送作業だけで3日がかりですし、各店舗で店長による用紙の回収がなかなか進まなかったり、本部に送られたはずの用紙が予定通り届かないなどのケースもありました。さらに届いた用紙をデータ化して給与計算ソフトに取り込む業務も大変でした。
人事部も大変なのですが、店長にとっても、用紙の回収や不備がないかの確認に時間がかかりますし、ミスを見落として本部に用紙が送られてしまうということもあります。
本部に届いた書類にミスがあれば、店舗に再送して修正してもらって本部に再再送……という非常に効率の悪い方法で行っていたので、これらの業務を改善する必要がありました。
当たり前だった人事部の残業がなくなり、さらに店長の負担も大幅減
実際にペーパーレス年末調整をご利用いただいて、どのような変化がありましたか?
穴澤さん:まず大量の印刷と用紙が不要になり、それに合わせてダンボールに用紙を詰めて全国に発送する仕事がなくなりました。人事部総出で3日かかっていた業務が1クリックで済むのは劇的な変化ですよね。
各店舗でも店長が用紙の配布や回収、確認する必要がなくなったので、店長の負担もかなり減りました。SmartHR上での手続きは分かりやすいからミスがなくなるのも助かっているようです。
400店舗から届くダンボールの量も、原本の回収が必要な用紙だけになったのでかなり減りました。
井坂さん:これらの業務効率化に加えて、従業員本人に直接届いている安心感が大きいです。人を介すとどこかで止まってしまう恐れがあるほか、どうしてもミスが発生します。
さらに沖縄や北海道にも店舗があり、郵送のタイムラグが発生していましたが、この課題も解消され、年末調整の進行スケジュールにゆとりが生まれました。
穴澤さん:提出状況の確認や締め切りの管理もなくなって楽になったと実感しています。以前は、給与計算ソフトに取り込める形に加工するのも大変でしたが、今では従業員が入れてくれた情報をCSVで出力するだけになり、かなり楽になりました。
井坂さん:どう考えても人事は年末調整の時期に残業するしかない、という感じでしたが、「これからは定時で帰れるね」と(笑)。ざっくり毎日2-3時間はあった残業がなくなりました。
なくなった残業によって働き方改革に取り組み、改革を成功させたお客様もいらっしゃいますが、そのような取り組みはされていますか?
井坂さん:私たちの場合は、まずは溢れていたものが適正になったという感じですね。働き方改革の実現は先になりそうですが、まずは残業がなくなって、働き方改革のスタートラインに立てたことは大きな一歩だと思います。
雇用契約をペーパーレス化。効率化と同時にミスもなくなる
「オンライン雇用契約・文書配付機能」もお使いいただいておりますが、これまでの運用方法と導入後の変化について教えてください。
穴澤さん:これまでは雇用契約書の雛形に各店舗で時給などを入力してもらい、締結したら本部に戻してもらうという運用でした。
雇用契約書や労働条件通知書、労働者名簿など何枚もの書類が必要ですが、届いてみたら1枚足りないということもありますし、なかなか情報が集められないなどの問題がありました。これは年末調整と同じ課題ですね。さらに店舗ごとに時給などが違うため細かく契約内容を変える必要がありますが、どうしてもミスや見逃しが発生していました。
SmartHRのオンライン雇用契約なら各店舗ではなく本部側で作成し、新たに入社したスタッフに直接送ることができますし、契約書もSmartHR上で管理ができるので課題が一気に解決しました。
井坂さん:大前提として契約書に不備があってはいけないので、ミスが起きにくいSmartHRでの運用は楽でありながら安心という意味合いも大きいです。
穴澤さん:井坂の言う通り間違いなく雇用契約を結んだ上で入社しているという安心感があります。紙だと確認までのタイムラグや本当に届いているのだろうか?という不安もありました。本人に直接届くため「ちゃんと本人に見てもらったよ」と一発でわかるのは画期的だと思います。
井坂さん:そして紙がほとんどいらない。今までとぜんぜん違うやり方で本当に楽になりました。
さらに、これまで書面での交付が義務付けられていた労働条件通知書も、2019年4月から電子化が解禁されます(電磁的方法による労働条件通知書の交付に労働者が同意する場合)。SmartHRも対応予定なので完全ペーパーレス化を実現できるかもしれません。
井坂さん:本当ですか? 最高ですね!今は労働条件通知書は各店舗で印刷してますからね。
穴澤さん:ということは労働条件通知書を使う入社手続きは残りわずかってことですね。良いですね。待ち遠しいです。
※ 2019年4月よりSmartHRの「オンライン雇用契約・文書配付機能」は労働条件のオンライン通知にも対応しました。
給与明細の封入業務や、郵送費も大幅減
給与明細機能もご利用いただいております。
穴澤さん:給与明細の封入は人事部の11人が総出して2日がかりでやっていました。それが1日で、1人で配信設定して終わっています。誤送なども起きませんし、店長が配布に時間をかけることもなくなりました。
これまではシフトに入るのが週1-2回だけのバイトの方に店長が全然会えなくて、給与明細を渡すのも一苦労ということもあったようです。今では紙よりSmartHRの方が便利なこともあって、みんな給与明細を見てくれていますし、問題なく運用できています。
井坂さん:給与明細の発送だけで月10万円単位でかかっていたんです。これが不要になるのは、長い目で見るとかなりのコスト削減ですよね。
電子申請の義務化を前に、さらなる効率化も検討
業務効率化の他に人件費や郵送費などのコスト削減効果も出ていて嬉しい限りです。それでは最後に、一言ございましたらお願いいたします。
穴澤さん:当初はSmartHRが浸透するのかどうか、不安もありましたが問題なく浸透しましたし、人事部も店長も、従業員のみなさんにとっても業務効率化にも繋がって嬉しく思います。
井坂さん:電子申請の機能などまだ使っていない機能がありますので、今後活用してさらに業務効率化できることを期待しています。
意外と知られていないのですが、2020年には社会保険手続きの電子申請が義務化される方針が示されています。
井坂さん:そうなんですか! 知らなかったです。まだSmartHRで電子申請を使っていないので、これから使っていかない手はないですね。
SmartHRは対象の社会保険手続きの電子申請に対応予定ですので、ぜひ活用してください。穴澤さん、井坂さん、ありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。