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紙の書類を9割削減。ペーパーレスを起点に経営課題の解決を目指す

株式会社バリューHR

課題

  • 全国11か所の事業拠点との紙のやり取りが煩雑だった
  • 紙と表計算ソフトで従業員情報を管理。最新の情報がわかりにくい状態だった
  • 表計算ソフトを使用した人事評価やサーベイの展開・回収に苦労していた

解決策

  • 人事・労務業務のペーパーレス化を推進
  • 人事評価の展開・回収をSmartHR上で完結。メールでのやりとりが不要に
  • 部署や雇用形態問わず、統一フォーマットでサーベイが実施できる状態に

効果

  • 紙の書類を9割削減。年末調整対応もスムーズに
  • 評価者が被評価者の評価履歴を確認できる体制が整い、負担軽減につながった
  • 退職サーベイを実施し、改善すべき組織課題を集まる体制に

株式会社バリューHRは、健診予約や健診結果管理、特定保健指導、カフェテリアプランなど各種健康管理のプラットフォーム「バリューカフェテリア®システム」を提供するほか、健保設立・運営支援などを事業とする企業です。

経済産業省による「健康経営銘柄」に3年連続で選定、「健康経営優良法人」に6度認定されるなど、健康経営に関して顧客企業の支援のみならず、自社での取り組みも高い評価を受けています。

2022年10月には、同社が提供する「健診予約システム」ならびに「健診結果管理システム」とSmartHRがシステム連携を開始。健康診断に関する煩雑な業務を解消し、人事・労務担当者の業務効率化を目指して協業がスタートしました。

参考:SmartHRとバリューHRの連携について知る

代表取締役副社長 藤田さん、経営企画室 村松さん、管理本部 人事グループ 東泉さん、紺野さん、戸井田さんに、SmartHR導入の背景やその後の変化についてお話を伺いました。

会社運営の根幹となる従業員情報からペーパーレスに着手

SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。

村松さん:会社全体として、紙による申請や書類管理の煩雑さが課題となっていました。

弊社は東京だけで5か所、大阪と愛知、青森を含めると全国に計11か所の事業拠点があります。従来は、申請書類を印刷し、社内便にて回付することで承認プロセスを回していました。そのため、申請から承認までに時間がかかっており、多いときでは承認に1週間かかることもありました。

また、承認プロセスの進捗が不明なため、自身の申請書類がどこで歩留まりしているか把握するには、電話で確認するしかありませんでした。

社内からは改善を期待する声が届いており、経営層も課題として認識していたため、経営企画としてペーパーレス化プロジェクトが2021年の冬に立ち上がりました。

プロジェクト立ち上げのきっかけは稟議・決裁書類の電子化が目標でしたが、これを機に、紙の運用が残っている社内プロセスは可能な限り電子化したいと考えました。どの領域から優先して取り組むか検討した結果として人事・労務領域から着手しました。

(村松さん)

人事・労務領域のペーパーレス化を優先したのはなぜでしょう?

村松さん:組織と従業員情報は会社を運営するうえで根幹となる情報であり、これらの情報と各部門のシステムを連携させる際のハブになるのが人事・労務システムだと考えたからです。

経営層にも「全社的なペーパーレス化を実現するうえで、まず人事・労務領域の改革が必須である」と訴えました。

人事・労務領域では、具体的にどのような課題がありましたか?

東泉さん:正しい情報を手に入れることに大きな手間がかかっていました。

当時は従業員情報を紙と表計算ソフトで管理していました。しかし、管理方法が属人化しており、部内で共有できる体制がなかったため、担当者に聞かないと最新の情報がわからない状態でした。

また、表計算ソフトも更新されず古いままであるとか、過去の履歴が追えない、関数や数式がいつの間にか崩れてしまうといった問題があり、情報管理の面からもリスクがあると感じていました。

(東泉さん)

社内外からの声が後押しとなりSmartHRの導入を決定

SmartHRを選んだ決め手は何でしたか?

村松さん:いくつかのシステムを比較検討しましたが、結果的にはSmartHRの一強でした。

さきほど述べたとおり「組織と従業員情報は会社を運営するうえで根幹となる」という考えから、まずほかのシステムとの連携性を重視しました。そのうえで価格やカスタマイズ性のメリットも兼ねそろえた人事・労務システムが、SmartHRだったのです。

東泉さん:実は、従業員側からも「SmartHRを導入してほしい」という要望が届いていました。

たとえば、現場では評価過程で発生する表計算ソフトの加工だけで膨大な工数が発生していました。「本来業務ではない作業に時間を使うのはもったいないから、SmartHRを入れて効率化できないか」という声がありました。

村松さん:弊社の中途入社者には人事・労務の経験者も多くいます。そうした人たちからの「前職でSmartHRを使っており非常によかった」という声は、私も耳にしていました。

藤田さん:社外からの声という意味では、顧問社労士からも「ほかの顧問先ではすでにSmartHRを導入して業務が効率化できているから、バリューHRさんにも前向きに検討してほしい」と言われていました。

また、弊社サービスの「バリューカフェテリア®システム」と連携する協業先を探していた際に、お客さまからSmartHRとの連携を望む声をいただいていました。それだけ多くの企業で便利に使われているのだという認識もありました。

このような社内外の声にも後押しされる形で、SmartHRの導入が進んでいきました。

(藤田さん)

紙の書類を9割削減。ペーパーレスは従業員にも大きなメリット

SmartHR導入の効果について教えてください。まず、ペーパーレス化についてはいかがですか?

村松さん:紙の書類を従来の9割削減できました。

たとえば、入社手続きでは書類が22種類もあり、紙で運用していたときは「名前を書くだけで腕が痛くなってしまう」という状態でした。現在はペーパーレスになったことで書類の記入者は楽になりましたし、受領者も紙の管理場所や扱い方に困ることがなくなり、業務負荷がかなり軽減されました。

東泉さん:ざっくり計算すると、入社手続きの書類だけで3か月間でA4用紙7.5箱分くらいを節約できていることになるので、圧倒的に紙を減らせていると思います。

年末調整についてはいかがですか?

村松さん:年末調整ではとくに業務効率化を実感しています。難しい書類とにらめっこしなくても、画面上で選択肢を選んでいくだけで書類が完成する仕組みがすばらしいです。従業員にとって楽なだけでなく、人事・労務担当者にとっても問い合わせを減らす効果が出ていると思います。

戸井田さん:実際に自分の年末調整をやってみて、画面上に「この質問はこの控除に関係します」というヒントが表示されるので、普段は労務にかかわらない人でも理解しやすいよう工夫されていると感じました。

(戸井田さん)

村松さん:表計算ソフトで運用していた人事評価についても、業務効率化につながっています

以前は提出や返却、フィードバックのコメントなどをすべてメールでやり取りしており、本人・一次評価者・二次評価者の間ではやり取りだけで非常に時間がかかっていました。

SmartHRに切り替えたところ、評価シートを提出すれば画面上からリアルタイムで評価者が確認でき、フィードバックのコメントもSmartHR上で完結するので、やり取りがスムーズになりました。

また、過去の評価履歴も見られるので「異動前の上長と現在の上長で、評価についての確認をメールでする」こともなくなりました。

1人の評価のために数日かけていたメールのやり取りがなくなり、夜遅くまで残業して表計算ソフトに記入していたものがわずか30分程度で済むようになって、評価する側もされる側も負担が大幅に減ったと思います。

東泉さん:評価に対して「このように改善してはどうか」というリクエストを出してくれる人もおり、これはSmartHR導入以前にはなかったことでした。今までとやり方や見え方が変わったことで、気づきが生まれたのだと思います。

このように人事と従業員との間で新たなコミュニケーションが生まれたことも、導入効果の1つではないかと思います。

導入時のサポートについてはいかがでしたか?

東泉さん:カスタマーサクセス担当の方が小まめなリマインドや声がけをしてくださったおかげで、導入開始から現在に至るまでスムーズに進められました。

紺野さん:SmartHRを社内へ浸透させるためには、まず自分たち人事グループが使い方を理解していなければなりません。SmartHRはヘルプページSmartHRスクールなどのコンテンツが充実しており、チャットサポートも迅速な回答がもらえたので、非常に助かりました。

(紺野さん)

従業員サーベイで得られた「本音」から改善点を見いだす

従業員サーベイをご活用いただいていますが、どのような効果がありましたか?

村松さん:設問の設計が柔軟で、サーベイの配付・回収・集計が非常に効率化できました。

弊社では以前から従業員満足度調査や、研修後のアンケートなどをグループウェア付属のアンケート機能で進めていました。

しかし、設計の型がある程度で決まっており、柔軟にカスタマイズができませんでした。また、雇用形態や部署によってはグループウェアを使っていない従業員もいるため、別途表計算ソフトでアンケートを配付・回収して手作業で集計する必要がありました。

SmartHRの従業員サーベイ機能では雇用形態や部署にかかわらず、すべての従業員に統一のフォーマットでサーベイを実施できるようになり、配付・回収・集計の工数がかなり削減できたと思います。

東泉さん:SmartHR導入後、新たに退職サーベイも実施するようになりました。退職サーベイはSmartHR上で「プリセットサーベイ」として用意されているので、すぐにスタートできたのも嬉しいポイントです。

従来は退職時の面談シートに退職理由を書いてもらっており、当たり障りのない回答がほとんどでしたが、退職サーベイをはじめてからは「自分自身の言葉」で書いてくれる人も出てきました。

こうした言葉は「会社としてここを改善しなければならない」という気づきを与えてくれるもので、人事としてありがたいなと思っています。

健康管理と人事・労務管理の両輪で、企業と社会を支えるインフラを目指す

今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?

戸井田さん:従業員の研修・教育について、現在は保有資格や過去の研修履歴の管理が現場の各部門に属人化しているので、人事として把握できるよう、SmartHRを活用していきたいです。

紺野さん:SmartHR以外のシステムとの連携も今後は広げていきたいですね。既存で使っている給与計算や勤怠システムなどと連携し、人事・労務に関するデータをSmartHRで一元管理したいです。

東泉さん:SmartHRは単体でも便利なシステムですが、提供されるものをそのまま使うのではなく、自社にあわせてカスタマイズし、さらなる効率化を目指していきたいですね。

村松さん:今の時代、企業がさまざまなシステムを組みあわせて使うことが当たり前です。将来的には、SmartHRに集約した組織と従業員の情報をベースにすべてのシステムがつながるといいなと、個人的には考えています。

最後に、貴社の今後の展望を教えてください。

藤田さん:国も提唱するように、変化の激しい現代において持続的に企業価値を向上させるためには、中長期的な人材戦略の策定、すなわち人的資本経営の観点が必要不可欠です。

弊社は「ペーパーレス化」という切り口からSmartHRを導入しました。次のステップとして、従業員がどのようなスキルをもち、どのような活躍をしてきたのかという「タレントマネジメント領域」の情報を管理することが、人的資本経営の推進へつながっていくと考えています。

ペーパーレスや人事・労務管理という具体の業務改善を実現しながら、タレントマネジメント、人的資本経営という経営課題の解決へと進んでいけることが、SmartHRの最大の強みであると私は思っています。

そして、人的資本経営の重要な土台となるのが、弊社がサービスを提供する「健康管理」の領域です。

健康管理はバリューHR、人事・労務管理はSmartHRという両輪で、企業を支えるインフラとして、今後も一緒に走り続けていきたいと考えています。

ぜひ、よりよい社会の実現を目指すパートナーとして協力しあえますと幸いです! 従業員の皆さんが働きやすい環境づくりに、従業員サーベイをはじめ、SmartHRをお役立ていただければ嬉しいです。貴重なお話をありがとうございました!

掲載内容は取材当時のものです。

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