ペーパーレスで多拠点の労務管理を効率化。仕事を楽しめる環境づくりが会社の成長へとつながる
課題
- 人事情報が本社と各拠点ごと管理され、最新の情報がわかりにくかった
- 紙ベースの労務業務で書類のやり取りやシステムへの情報の手入力が負担だった
- 既存のデータベース管理ソフトでは入力工数が膨大だった
解決策
- SmartHR上で従業員情報の集約を推進
- 労務業務のペーパーレス化を進める
効果
- ペーパーレスによって人事課だけでなく、従業員の労務対応工数が削減できた
- 30時間ほどかかっていた評価シートを表計算ソフトへ転記する作業がなくなった
- 従業員一人ひとりが自身の成長を実感し、働くことに楽しさを感じてもらう環境づくりの土台ができた
株式会社ソディック エフ・ティは、東証プライム上場の株式会社ソディックの100%出資子会社として、工作機械や産業機械の開発で培ってきたコア技術を応用しているメーカーです。
企業ビジョンとして「未来の技術を創造する」を掲げる同社。ITやバイオ医療産業など最新産業に対応した超精密加工や、ファインセラミックスなどの新素材製品の開発・製造なども手掛け、顧客のニーズに対応した高品質・高精度な製品づくりが特徴です。
取締役副社長で管理本部担当の片山さん、管理本部人事課の宮里さんと鷲田さんに、SmartHR導入の背景や導入により社内に生まれた変化についてお話を伺いました。
本社と開発・製造拠点が分かれていることで労務管理が煩雑に
片山さん・宮里さん・鷲田さんの現在の業務内容を教えてください。
片山さん:弊社は事業部門ごとに開発・製造拠点があり、国内3か所の事業所を本社が統括しています。
各事業所はもとはそれぞれ別の会社であり、統合されて現在の形となりました。そのような沿革から、事業所ごとに異なる就業規則や評価制度が運用されていた時期もありました。本社にある管理本部人事課はそれらのすべてを統合し、高い公平性でよりよい労働環境をつくっていくことがミッションです。
宮里さん:人事課は、私と鷲田の2名で各事業所に1名ずついる人事担当者と連携を取りながら、会社全体としての人事労務を取りまとめています。
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
宮里さん:大きく2つの課題がありました。1つ目は、人事情報の管理場所が社内に散らばっていたことです。
たとえば、従業員の「住所」は本社と事業所の両方で情報をもっているが、「被扶養者」は事業所にしか情報がない、というように情報によって管理方法や所在がバラバラでした。そのため、なにか情報を引き出そうとするたびに時間がかかり、二重管理のものは突き合わせないと最新の情報がわからない、という状態でした。
2つ目は、人事労務に関するすべての手続きが紙ベースだったことです。
従業員が何か申請をしようと思ったら、まず紙の申請書を書き、上司が承認し、事業所の人事担当者が確認してから本社に送る流れでした。
原本が必要な場合は郵送に日数がかかりますし、不要な場合でも表計算ソフトの管理表に入力したりPDF化してメールで送ったりする手間がありました。さらに、受け取った本社側でも情報を転記する作業が発生していました。
片山さん:開発・製造現場で働く技術職の従業員すべてにPCが支給されているわけではありません。そのため、これまでは紙ベースの選択肢しかありませんでした。ただ、全員がスマートフォンをもっている現代においては、さらに効率化できる方法があるのではないかと考えていました。
また、紙での運用には「過去のデータを参照しにくい」という課題もありました。
たとえば「この従業員は過去にどのような部署を経験してきたのか見たい」と思っても、そのような情報が集約された資料はどこにもありませんでした。過去の書類や表計算ソフトのデータをひとつずつさかのぼり、情報を集めてまとめ直さなければならなかったのです。
SmartHRの導入以前から、従業員情報のデータベース作成に取り組まれていたそうですね。
片山さん:はい、データベース管理ソフトを使って自分でデータベースをつくろうとチャレンジしていました。
私は今のポジションに就任したときに「従業員全員の名前と顔を覚えたい」という目標を立てていました。
その人がどのような経歴を歩み、どのような経験を積んで、どのようなスキルをもっているのか。その人の名前と顔、姿がまざまざとイメージできる「データベース」が必要不可欠だと考えたのです。
途中から鷲田にも手伝ってもらい、社内の情報をかき集めてデータベース管理ソフトに入力してもらっていたのですが、とにかく量が多かったので、それだけで挫折しかかっていました。
仮にこのまま情報の収集・入力をやり遂げたとしても、その先の業務活用が難しいという課題もありました。
たとえば、データベースから帳票を出力するにも、自分たちでさらに開発をしなければなりません。人や業務によって必要な帳票は多種多様ですから、開発工数も膨大です。そこまでの手間はかけられないと感じていました。
そのようなタイミングでSmartHRのことを知り、導入を検討しはじめました。
トライアルの段階で「使いやすさ」が実感できた
複数のシステムを比較されたと伺いましたが、最終的にSmartHRを選んだ決め手は何でしたか?
宮里さん:先ほど述べた課題への解決策として「従業員情報の一元管理ができること」「ペーパーレス化できること」はもちろんでしたが、最大の決め手となったのは「きめ細やかな権限設定ができること」でした。
SmartHRは従業員情報を閲覧できる権限設定が柔軟です。本人、上司、事業所の人事担当者、本社の人事課、それぞれで業務上必要な範囲を閲覧できるように細かく設定ができるので、個人情報保護に配慮しつつ利用しやすい環境をつくれることが決め手となりました。
実際にSmartHRを導入されていかがでしたか?
鷲田さん:SmartHRはUIが非常によいので、トライアルの段階で「これなら従業員も抵抗感なく使えるだろう」と想像できました。
SmartHRスクールにある「お役立ちアイテム」の各マニュアルもわかりやすく、一部に手を加えるだけでそのまま社内に展開できました。
片山さん:SmartHRなら従業員にとっても導入メリットを感じてもらえると考えていたので、導入を機に「今まで紙でやっていたすべてをSmartHRに切り替える」という目標を立て、既存の業務フローの変更も踏まえた要件定義をし、導入を進めました。
宮里さん:実際、最初から労務関連手続きをすべてペーパーレス化したにもかかわらず、とくに混乱なく導入を進められました。
導入から現在に至るまで社内から「わからない」「困った」という声もなく、スムーズに浸透しました。
ペーパーレスは処理する側だけでなく申請する側の負担も軽減できる
SmartHR導入後、どのような効果を実感されましたか?
宮里さん:情報の一次窓口となる各事業所の担当者は、労務対応にかかる時間がほぼゼロにできました。
事業所の担当者は人事労務の専任ではなく、ほかの業務も兼務しているので、その点からも業務負荷が軽減されてよかったです。
鷲田さん:私は年末調整で嬉しいエピソードがあります。私がSmartHRで年末調整の配信をしてから、わずか10分程度で対応してくれた方がいました。
「今まで紙に書いて会社へもっていっていたものが、PCからアンケート形式で答えるだけで済み、自宅からでも提出できている。SmartHRって便利ですね」というメッセージを、わざわざチャットで送ってくれました。
片山さん:SmartHRを導入したとき、従業員から「うちの会社もこういうツールを入れてくれるんだ」と喜ばれたんですよ。だから、きっと同じように感じている従業員は多いと思います。
ペーパーレスの取り組みについてはいかがですか?
片山さん:文書配付機能に非常に助けられています。たとえば、定期査定後の昇進・昇格の辞令交付が手間なくスムーズに実施できるようになりました。
鷲田さん:有期雇用の従業員に対する「契約更新の通知」も抜け漏れなくでき、従業員からのレスポンスも早いです。
ペーパーレスで従業員個人に直接届き、提出も人事へダイレクトにできますから、本音が言いやすくなる効果もありそうだと感じています。
開発・製造現場に対応したスマートフォンでの人事評価
人事評価の機能もご活用いただいていますが、どのような効果がありましたか?
鷲田さん:従来は30時間ほどかかっていた転記作業がなくなり、業務の負担を大幅に軽減できました。
先ほども述べたとおり、弊社にはPCが支給されていない従業員がおり、その数は180名ほどになります。従来は評価シートを紙で配付・回収し、各事業所の人事担当者が表計算ソフトへ入力する、という作業がありました。
人事評価にかかわるため、細心の注意を払いながらの転記作業では1名分の転記に10分ほどかかり、それが180名分で合計が約30時間。しかも、それだけ時間をかけても手作業だとミスが完全には防ぎきれないという課題もありました。
SmartHRならPCでもスマートフォンでも入力できるので、全従業員が使え、転記ミスの心配もありません。人事担当者の心理的負担の面からも、非常に助かっています。
片山さん:制度の運用面でも、SmartHRの柔軟性に助けられています。
SmartHRなら容易に評価項目などの変更ができますし、計算式などの細かな設定も可能です。
今はまだ「既存の評価システムをSmartHRへ移行」という段階ですが、今後はその時代に合った評価項目へつくり替えていきたいと考えています。
最近では従業員サーベイもご活用いただいていると伺いました。
片山さん:以前から、従業員の考えや思いを受け取るために「エンゲージメント調査」を実施したいと思っていたものの、そのほかの業務課題に追われ、優先度は低いままでした。
昨年から従業員サーベイの機能を試しはじめたのですが、エンゲージメント調査に留まらず幅広く活用できそうだと感じています。
たとえば、従業員代表者の立候補者募集や投票、外部セミナー受講後のアンケート調査などで実際に活用しています。手軽に使え、匿名性も確保されているので「社内の意見を聞くためのツール」として非常に便利だと思います。
「一人ひとりが仕事を楽しむこと」が会社の成長へとつながる
今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?
宮里さん:今はまだ、SmartHRの機能を十分活用できているとは言えないので、これからさらに幅を広げていきたいです。
鷲田さん:私は文書配付機能をさらに使いこなしたいですね。また、最近リリースされたスキル管理にも注目しています。従業員がもっている資格やスキルをマスターデータとして登録できるので、表記のバラつきがなくなり、従業員情報の検索がスムーズになりそうです。
片山さん:私は分析レポートを活用して、経営にとって示唆のある情報をさらに出せるようにしていきたいです。
目下の取り組みとしては、女性活躍推進です。女性の管理職比率や、年齢や職種、雇用形態別でのあらゆる男女比のデータを出して、経営側に現状を伝え、女性活躍や機会均等などの取り組みを促せるようにしていきたいです。
女性活躍も含め、従業員一人ひとりが自身の成長を実感し、この会社で働くことに楽しさを感じてもらい、それがひいては会社の成長へとつながっていく。そうした環境がつくれるように、SmartHRの活用も含め、今後も取り組んでいきます。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
※
掲載内容は取材当時のものです。
お役立ち資料
-
SmartHR機能まるわかりガイド
-
SmartHR導入事例集
-
すぐにわかる SmartHR資料 3点セット