医療法人の労務改革。業務の属人化を防ぎ、担当者・職員の負担を軽減
課題
- 人事労務業務が属人化していた
- 多くの記録や台帳の管理に追われ、日々の業務をこなしていくのに精一杯だった
解決策
- 人手が減った状態で生産性を落とさずに業務に対処するため、効率化に向けたシステム導入を推進
- より多くの業務を正確に、迅速に対応していくために属人化された業務を減らしていく
効果
- 年間で約1,000枚あった入退職時・契約更新時の保管書類をペーパーレスに
- 20代から70代まで幅広い世代の職員が利用するなかでも、思った以上に慣れが早く使いこなしてもらえている
- 効率化によって生まれた時間を利用して、申請承認機能をさらに活用したい
和歌山県御坊市(ごぼうし)を拠点に、北出病院を中心とした医療・介護サービスを提供している社会医療法人黎明会。
同法人は、職員の働きやすさを追求する一方で、人事・労務手続きにおいては「多くの記録や台帳の管理に追われ、日々の業務をこなしていくのに精一杯だった」と語ります。
そんな課題解決を目指しSmartHRを導入。定着までの道のりと導入後の変化について、法人本部の宮下さん、鈴木さん、前田さん、森口さんにお話を伺いました。
業務の属人化解消・効率化に向けて「直感的な操作のしやすさ」でSmartHRを選択
導入の背景について教えてください。
鈴木さん:導入以前に抱えていた課題は人事労務業務の属人化です。私たち間接部門の職員は少数精鋭であることが求められるなかで、担当者個人に業務が紐付きやすく改善が必要だと感じていました。
より多くの業務を正確に、そして迅速に対応していくためにも「この人じゃないとわからない仕事」をいかに減らしていくかが課題でした。
導入への優先度が高まった背景を教えてください。
鈴木さん:当時、11名ほどいた部署の職員のなかで、産休・育休・異動が重なり、8名ですべての業務に対応しなければならない状況に陥りました。人手が減っても生産性を落とさずに業務にどう対処すべきか、検討を重ねた結果、効率化に向けたシステム導入を推進するに至りました。
SmartHR以外のサービスとも比較検討されましたか?
鈴木さん:情報収集の一環で参加した展示会で5社から資料をもらい、詳しく比較した2社の中から最終的にSmartHRを選びました。
導入の決め手はなんですか?
鈴木さん:「直感的な操作のしやすさ」が決め手になりました。表示される内容に沿って操作をするだけで手続きが簡単に終えられる点が、年齢やITリテラシー問わず、どの職員にとっても使いやすいと感じました。
また、私たちの部署では女性職員も多く、今後、産休や育休による引き継ぎが発生することを見据えています。その点で手続きの進捗状況が視覚的に理解しやすい点も決め手の1つです。
担当者負担が軽減。職員にも「労務手続き=SmartHR」と定着
導入後の変化を教えてください。
森口さん:書類管理に関する負担が目に見えて軽くなりました。導入により入退職時・契約更新時の保管書類が年間で約1,000枚あったのをすべてペーパーレスに。SmartHR上で一元管理できています。
とくにパートさんの入退職が多い3月・4月は、書類をもとに担当者1人で手続きを進めるため負担が大きく、別の担当者にも協力してもらうこともありました。SmartHRの導入によりペーパーレス化、手続きが効率化されたことで担当者負担を軽減できたのは嬉しい変化ですね。
職員の皆さんの反響はいかがですか?
森口さん:導入から1年以上が経過し、職員にもSmartHRが定着しつつあります。各種労務手続きが必要な際に、「これってSmartHRでできるの?」と最初にSmartHRを想起してもらえる状態になったのは担当者として嬉しい限りですね。
20代から70代まで幅広い世代の職員が利用するなかでも、思った以上に慣れが早く使いこなしてもらえている印象があります。
導入時はスムーズにいきましたか?
宮下さん:はい。初期段階で導入する対象者を限定し、スモールスタートで利用を開始したのがスムーズな導入につながりましたね。
具体的には、4月1日付の新卒入職者の入職手続きから利用を開始しました。用途と対象を絞ったスモールスタートの利点としては、人事労務担当者が早い段階でSmartHRの仕組みを理解できたこと、対象となる新卒入職者のほとんどがスマートフォンの操作に慣れており双方の導入負荷が少なかったことが挙げられます。
その後の全職員へ周知の際には、コロナ禍でしたので説明会こそ開けませんでしたが、お知らせ用のチラシを全員に行き渡るように配布し、ログインを促す声がけをこまめに実施しました。そういった甲斐もあり、個別対応が必要な人数は想定よりも少ない人数で済んだので助かりましたね。
SmartHRに関して、わからないことがあった場合はどのように対応していますか?
森口さん:チャットサポートを利用して解決しています。わからないことがあれば、わりと気軽に質問しているのですが、回答が早くその日中に解決できてしまうことも多くありがたいですね。
少し細かい質問に対しては、画像を添付のうえ該当箇所に丸をつけてわかりやすく回答いただくなど、一つひとつの問い合わせにも丁寧に対応してもらえて嬉しいですね。
「申請・承認機能」がスタンダードプラン選択の決め手
御法人では、当初「スモールプラン」で導入いただき、その後に「スタンダードプラン」へ変更いただいたと伺っています。その理由を教えてください。
森口さん:スタンダードプラン以上で利用できる「申請・承認機能」を活用すれば、さらに効率化できると思ったからです。
SmartHR導入以前、職員の身上変更手続きは紙で運用しており、職員が業務の合間を縫って、または終業後に私たちのいる事務所へ来てもらい、住所変更をはじめとした各種手続きをしていました。
職員はふだん患者さまを相手に仕事をしているため、なかなか電話でつかまらないことも多く苦労していました。何度もやりとりが生じる際には、職員の手を止めてしまうことに申し訳なさを感じることも……。
「申請・承認機能」を使用することで、職員はスマホやパソコンからも簡単に申請でき、コミュニケーションがスムーズになったのが嬉しいですね。
実際に職員はSmartHRへログイン後、ダッシュボードから扶養の追加・削除、住所変更、氏名変更が簡単にできるので、事務所へ足を何度も運んでもらっていた当時と比べても、申請・承認までのスピードが格段に速くなりました。申請には、おおむね半日以内では対応できる状態になりました。
それ以外に、スタンダードプランで利用できる機能の中でよく利用するものはありますか?
森口さん:外国籍の職員が少しずつ増えている背景もあり、「多言語化対応」が重宝しています。現在はベトナム国籍の職員がおりますので、該当の職員にはベトナム語表示にして使用してもらっています。
職員の利便性向上を目指し、さらなる活用へ
今後はどのようなことに注力していきたいですか?
宮下さん:人事のデータベースの一元化をさらに推進したいと考えています。現在は職員に関する情報が、紙やExcelファイル、他のシステムなどに分散しているため、必要な情報にたどり着くまでに時間がかっています。今後はSmartHRを軸に情報を集約していきたいですね。
前田さん:職員の利便性を高めるために、申請手続きのフローを整備していきたいと思っています。SmartHRの導入、効率化によって生まれた時間を活用して、職員の皆さんにさらに「便利になったね!」と声をかけてもらえるように、申請承認機能をさらに活用していきたいと考えています。
森口さん:一部の職員からは、申請方法について質問がまだ届くことがあるので、職員が他担当者に聞かなくても自ら申請ができるように、手続きの流れを整備していきたいと思っています。
SmartHRは日々新しい機能を出されているので、その流れにもしっかり乗っていけるよう、私たち自身も勉強して使いこなせるようになっていけたらと思います。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。