年末調整を効率化。2か月でのスピード導入を実現した「全社一丸」の想い
課題
- 紙運用の年末調整業務の負担が重く、残業が多かった
- 従業員情報が点在していたこと、管理ツールの使いづらさにも苦労していた
- 紙による従業員情報の転記や給与明細配付時には、ミスがないよう精神的な負荷が大きかった
解決策
- 年末調整をSmartHRで実施
- さらに入退社手続き、給与明細、人事評価など、活用範囲を拡大
効果
- 年末調整にかかる時間を、全社で98時間削減
- 従業員情報の一元管理に向けた一歩を踏み出せた
- 従業員情報を本人が直接入力できるため、人事・労務担当の負担が軽減
株式会社カルテットコミュニケーションズは、日本最大級の運用組織を誇るリスティング広告の運用代行会社です。創業当初から注力しているリスティング事業、広告運用支援ツールを開発・販売するSaaS事業、DX事業の3本柱で事業を展開しています。
同社は2021年よりSmartHRを導入し、年末調整のペーパーレス化を2か月間という短期間により実現しました。現在はさらに「人事評価」機能の利用を開始し、従業員情報の一元管理によるさらなる業務効率化を進めています。
短期間での導入に至った秘訣や工夫について、導入を担当した管理部の中村さんに伺いました。
紙運用での年末調整が負担。連日の残業を減らしたかった
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
中村さん:紙ベースでの年末調整の運用負荷が高かったことです。当時は人事・労務担当がおらず、経理が年末調整に対応していました。
年末調整の時期は連日残業が続きますし、全従業員から集まった書類の回収・チェック、問い合わせ対応、社労士とのやりとりもあります。紙運用の負担が大きかったので、効率化して残業時間を削減したいと考えていました。
SmartHR導入のきっかけを教えてください。
中村さん:以前から会社としてペーパーレス化を進めたいという意向があり、人事・労務系のツール導入を検討していました。
さまざまなサービスがあるなかでSmartHRを選んだのは、テレビCMで認知していたうえに、サービスサイトなども見やすかったからです。具体的なお話を聞く前から期待していました。
導入の決め手は何でしたか?
中村さん:SmartHRは初期費用が不要、かつ構築費やサポートの追加費用も発生しないことです。SmartHR側から金額に関する資料を提供いただき、社内の稟議に持ち込みました。
金額に対する費用対効果が高いこと、そして最も課題に感じていた年末調整を皮切りに、入社手続きなどさまざまな業務効率化が見込めると説明したところ、スムーズに導入が決まりました。
短期間での導入の秘訣は「最初に完璧を目指さず、たたき台を元に改良を重ねる」こと
導入にあたって工夫したことはありますか?
中村さん:「社内への啓蒙」と「環境構築」には力を入れました。これはシステム導入の際、弊社に限らずポイントになると思います。
ぜひ具体的に教えてください。
中村さん:まずは社内への啓蒙、つまり「こういうことを目指して、こんなツールを導入します。使ってくださいね」というアナウンスです。全社向け説明会を2度開き、案内しました。その際、SmartHRから提供された説明資料が使いやすく、大変助かりました。
環境構築では、SmartHRのCS(カスタマーサクセス)担当との定期的なミーティングが役に立ちました。コロナ禍のためオンラインでのミーティングでしたが、定期的に相談ができましたし、質問に対する担当者やチャットサポートからの返信も早かったですね。疑問に思ったこともすぐに聞けたので、作業が滞ることがありませんでした。
実際に、とても短い期間で構築が完了しましたね。
中村さん:年末調整の時期が迫っていたので、間に合わせようと頑張りました。その結果、2か月で運用を開始できましたし、後に追加導入した「人事評価」機能にいたっては、2週間で運用を開始できました。
これらを導入・構築する間、私はその業務にかかりっきりだったわけではありません。情シスの仕事、入社対応、採用まわり、社内の総務を兼業しながらの対応でしたが、月の残業時間は10時間未満で済みました。
それはすごいですね。短期間での構築を実現できた一番のポイントは何でしたか?
中村さん:最初から完璧なものを作ろうとせず、「なるべく早くたたき台を作って改良を重ねていく方針」が良かったのだと思います。
SmartHRのシステムは随時アップデートされますし、自社の制度も変わっていきます。導入時にはマスト要件だけを設定して、あとは社内の声を聞きながら徐々にブラッシュアップしていきましたね。
年末調整業務は全社で98時間を削減。従業員からも高評価
導入後の変化についても教えてください。
中村さん:年末調整業務にかかる時間は、全社で98時間削減できました。
従来の紙ベースの年末調整では、各従業員が1人あたり1.5時間を要していたところ、SmartHRでは0.5時間と、1時間程度削減できました。これが全従業員88名分で88時間。それに加えて人事・労務担当側の負荷が10時間ほど減った計算です。
書類の修正が必要なときに、コメント付きで差し戻しを依頼できる機能が便利で、こちらもよく活用しています。年末調整に関してはほぼすべてSmartHR内で完結できており、ほかのツールでのやりとりも不要になりました。
従業員の反応はどうでしたか?
中村さん:多くの従業員から「年末調整が簡単になった!」との声をもらっています。SmartHRはヘルプセンターがすごく充実していて、用語の意味から手続きの流れまで、丁寧にわかりやすく書かれているんです。
何かわからないことがあってもヘルプセンターを見ればすぐに解決するので、私たち人事・労務担当への質問は激減しました。
従業員本人が情報入力をするため、人事・労務担当者の精神的負荷が軽減した
その後、着手された入社手続きの変化はいかがですか?
中村さん:新入社員1名あたり4時間かかっていたのが、1時間にまで短縮できました。
以前は新入社員に情報を紙やExcelで提出してもらい、それを人事・労務担当者がシステム上に転記するという二度手間が発生していました。その際、情報を打ち間違えてはいけないというプレッシャーも大きなものでした。
SmartHRを使えば、担当者からは従業員招待フォームを送るだけで、あとは新入社員本人が情報を入力してくれます。おかげで作業時間の短縮はもちろん、精神面でも大変楽になりました。人事・労務の立場からすると非常に嬉しいポイントです。
SmartHRは従業員皆のためのもの。一丸となってより良くしていきたい
今後、SmartHRをどのように活用していきたいですか?
最後に、これからの展望を聞かせてください。
中村さん:SmartHRの導入にあたっては、構築段階から可能な限り経営陣や従業員の意見を集めて反映し、全社で一丸となってシステムを作りあげました。そのおかげで、導入後もスムーズに受け入れてもらえたと思います。
SmartHRは人事・労務担当のためのシステムではなく、従業員全員が使うシステムです。「みんなが使うものだから、みんなで作ろう」という姿勢は私たちカルテットコミュニケーションズの文化です。これからもフィードバックを取り入れつつ、全員でよりよい環境作りや業務効率化を進めていきたいですね。
SmartHRもご支援を続けてまいります。大変ためになるお話をありがとうございました。
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掲載内容は取材当時のものです。