従業員との双方向のコミュニケーションに効果を実感。段階的な導入が定着のカギ
課題
- 全国の工場や厨房施設、営業所との書類の往来に苦労していた
- 入社手続きで年間15,000枚ほどの紙対応が発生し負担が大きかった
- 従業員も紙に慣れ親しんでいたためデジタル化に不安も
解決策
- SmartHRを導入して労務管理をデジタル化
- 「まずは小さく導入」の方針で段階的に推進
- 定着状況に手応えを感じ、利用プランをアップグレード
効果
- ウェブ上で労務管理が完結するため担当者の負担が軽減
- 導入により社員だけでなくパートの方々とも接点が生まれた
- 経営層が思い描く、従業員と会社の「理想の関係性」に向けて前進
株式会社ナリコマホールディングスは、全国の福祉施設・病院さま向けに、食品製造および厨房運営コンサルティングサービスを提供する企業です。高齢者のお食事サービス専門企業として、給食事業を30年以上展開しています。
全国にある工場(セントラルキッチン)や厨房施設・営業所とのやりとりを効率化するためSmartHRを導入。紙による運用が中心だった労務手続きなどがデジタル化されたほか、従業員との双方向のコミュニケーションにも効果を実感されています。
導入に至った経緯や決め手、推進する際の工夫について、人事戦略部の河端さん、日高さんにお話を伺いました。
紙運用の労務手続きが煩雑で、紛失リスクも課題だった
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
河端さん:弊社は6つの工場と200以上の厨房施設を全国で管理・運営しているほか、営業メンバーも全国を飛び回っています。そのため、労務関係の書類のやりとりが煩雑になっていました。
郵送する場面もありましたが、工場間では弊社の物流ドライバーによる社内便を使うことも多く、紛失リスクがあることも課題でした。
また、申請を承認する上長の勤務場所が現場で働く方々と異なるため、書類の往来にも時間がかかります。記入漏れなどで差し戻しがあるとコストも余計にかかるため、申請・承認をはじめとする労務手続きを効率化できるシステムの導入を検討していました。
SmartHR導入のきっかけは何ですか?
河端さん:人事給与システムや勤怠システムを入れ替える計画がすでにあるなかで、さまざまなベンダーさんから情報を集めました。そのなかでも、SmartHRさんからの提案が弊社の希望に最も沿っていると感じられたのを覚えています。
紙の運用が中心でしたので、労務管理システムの導入で運用コストが下がることは明らかでした。懸念したのは、費用面を含めて会社側の理解を得られるかどうか。
そこで日高さんが費用対効果を細かく算出し、経営層にアピールできるよう整理してくれたんです。これにより話が進みやすくなりました。
具体的にどのような数字をアピールしたのでしょうか?
日高さん:まずは紙運用による負担が解消されることを伝えました。たとえば、新規入社は年間で500名ほどいらっしゃるんですが、入社書類は1名につき40枚ほど印刷し、うち20枚程度を提出してもらう必要があったんです。そのなか約5割程度は差し戻しになるため、結局は15,000枚ほどの紙による対応になります。
遠方の厨房施設だと往来に1週間はかかりますし、配送時に紛失が起こればそれに応じた対応が別途発生します。それらを削減コストとして算出し「SmartHRを導入すれば、これだけの予算削減になります」と伝えました。
複数の選択肢があるなか、SmartHRを選んだ決め手は何ですか?
河端さん:一番の決め手は、従業員側の使いやすさでした。SmartHRのインターフェースは労務担当者だけではなく、従業員にも親切な設計思想だと感じたんですね。今回のシステム入れ替えは、「従業員の利便性を高めること」をテーマに掲げていたので、目的に沿うと考えました。
日高さん:弊社の従業員は年齢層が幅広く、70代の方が厨房で働くことも珍しくはありません。紙に慣れた方々にとって、多少なりとも労務知識が必要になるシステムでは運用が難しいのでは? との懸念がありました。その点でSmartHRは、誰でも問題なく使えると感じられたんです。
任意でアカウントの継続ができるため、退職後もご本人がSmartHRにログインして給与明細を確認できることもメリットだと感じました。
参考:Q. 退職した従業員は、引き続きSmartHRにログインできる?
段階的な導入によってスムーズな社内浸透を実現
導入にあたって工夫したことはありますか?
日高さん:紙の運用からSmartHRへ全社一斉に切り替えることはせず、無理なく社内に定着させる方法を取りました。具体的には、本社、工場、営業系と段階的に導入を進めることで労務担当者の負荷を分散させつつ、マニュアルや周知内容を段階的にアップデートしていく流れにしました。
河端さん:はじめに本社の導入を選択したのは、人事が所属する運営本部が、全社4,000名中100〜150名の比較的小さな集団だったためです。勤務地も全員が新大阪エリアだったこと、ITに精通しているメンバーが多かったことも判断材料になりました。
次に導入した工場では、全6工場の工場総務課メンバーのもとへ手分けして説明に伺い、現場の窓口となる工場総務部門にも協力してもらいました。
皆さん、全国の工場へ足を運んだわけですね。
日高さん:コロナ禍の影響で、本社労務と工場総務で直接コミュニケーションを図る機会が減っていたので、対面で話を進められる機会を作りました。説明会とあわせて雑談もできたので、関係構築につながったと実感しています。
そして最後に、営業部門への導入でした。
河端さん:最後に営業部門を選んだのは、全国に200から250の施設があり、営業メンバーも日々飛び回っている状況だったからです。マニュアルの整備が必要だと感じましたので、十分に準備が済んでからの導入となりました。
労務管理で手応えを実感。活用を広げるべく「HRストラテジープランへ」切り替え
導入後の変化について教えてください。
その背景について、ぜひ詳しく教えてください。
河端さん:さまざまな会議で「サーベイ」というフレーズが飛び交うようになり、直近3か月では、各本部から従業員に対してサーベイを実施できている状況です。全社的には一番使われている機能かもしれません。
日高さん:各部門でそれぞれ、工場や厨房で働く従業員の満足度を調査する目的で、エンゲージメントサーベイを能動的に実施しています。SmartHRの導入により、社員だけでなくパートの方々との接点も実現できたため、次の手として、会社との距離をより身近に感じてもらうための施策に踏み込みました。この点もプラン変更の要因の1つです。
河端さん:SmartHRの従業員サーベイだと実施から集計、フィードバックまでの時間が短縮できるため、会社と従業員の「双方向の会話」が成り立つんです。ここが経営層が思い描いていた従業員との関係性によりマッチしたのだと思います。
効率化を進め、人がやるべき仕事に注力できる環境へ
今後、SmartHRをどのように活用していきたいですか?
河端さん:給与明細や申請・承認は、紙からSmartHRへの置き換えが順調に進んでいます。今後はサーベイや人事評価を活用し、従業員への歩み寄りをさらに進めたいと考えています。
文書配付で、社長メッセージや仕事を頑張ってくれた人への感謝状などを送ることも計画しています。SmartHRを介したコミュニケーションによって、会社は無機質なものではなく、愛着のもてる、人間味あふれるものだと感じてくれたら嬉しいです。
これからの変化がますます楽しみですね!
日高さん:システムは導入で終わりにせず、運用を安定させてからがスタートだと思っています。業務効率がよくなり、余剰が生まれたところで「人間だからできる仕事」に注力していく。そうした働き方を実現したいとずっと考えていたので、その目標を見失うことなく、今後も取り組んでいきたいと思います。
御社が理想とする働き方の実現に向けて、引き続きSmartHRをご活用いただけると幸いです。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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