人事業務のペーパーレス化を実現。「従業員の定着」に注力できる環境へ
課題
- 紙ベースの労務関係手続きに課題
- 従業員データベースソフトの属人化や安全性に不安
解決策
- 雇用手続き、年末調整、給与明細、各種申請をSmartHRでデジタル化
- デバイス利用も従業員同士でフォロー、店舗内で完結
効果
- 給与明細業務が4名→1名で完結、年末調整も11月中に完了
- 契約更新手続きの効率化により、面談をより有効に活用可能に
- 空いた時間を利用し、人材採用・定着・育成にも注力
株式会社なかやま牧場は、1970年に設立された、食肉牛を育てる牧場を運営している会社です。肉の加工やオリジナル商品の開発、自社のスーパーマーケット運営など、畜産から小売まで幅広く展開しています。
もとは紙ベースだったさまざまな労務業務をデジタル化することで、人事の負担を軽減するだけでなく、空いた時間を活用して従業員とのコミュニケーション充実化に取り組んでいます。
SmartHR導入の決め手や導入後の変化について、管理本部の獅々見さんにお話を伺いました。
紙の手続き・配付・回収に課題、データ管理方法の見直しも検討
導入以前に抱えていた課題を教えてください。
獅々見さん:導入前は、雇用関係書類、給与明細、年末調整、各種申請などはすべて紙でした。人事が各店舗・拠点を回り、書類配付・回収をするフローの中で、提出したと言われた書類がない、締切までに提出されないなど、紙のやりとりに課題がありました。
当時弊社では、基幹事業のひとつであるスーパーマーケット事業の拡大に注力していました。店舗数の拡大・他県への進出が進めば、これまでと同じ紙ベースでの労務業務には限界があると考え、システムの検討をはじめました。
従業員情報はどのように管理されていましたか?
獅々見さん:導入前から、従業員情報管理用のデータベースソフトを利用していました。しかし、そのソフトを扱える人材が限られていたことや、ソフトのアップデート頻度にも不安があり、より安心できる場所でデータを管理したいと考えていました。
システム検討の際に、大切にしていたポイントはありますか?
獅々見さん:一番は、雇用契約書をデータ上で完結できることです。そのほかにも、SmartHRには求める機能がすべて含まれていると感じたため、SmartHRの導入を決めました。
ITデバイスへの苦手意識も、従業員同士や相談会でフォロー
SmartHRの導入はスムーズに進みましたか?
獅々見さん:導入当初は、スマートフォンやパソコンを持っていない・操作に苦手意識のある従業員が多い、という課題がありました。
しかし、スマートフォン・パソコンの操作に慣れている従業員が、操作が苦手な従業員に教える自発的な動きもありました。人事からのアナウンスだけでなく、従業員同士でフォローし合う雰囲気が醸成され、従業員間でのコミュニケーションも活性化されました。消極的だった従業員の意識も少しずつ変わり、一部従業員からは「この機会にスマートフォンに変えるよ」という声が出るほどでした。
SmartHRにアクセスできる端末を持っていない場合でも、店舗の事務担当者や人事がサポートしながら、会社のパソコンで操作してもらいました。とくに、初年度の年末調整では、各店舗ごとに2回ずつ相談日を設けて、人事に質問できる体制を整えました。
導入から5年が経過した現在の状況はいかがですか?
導入から5年が経過した今では、人事への問い合わせはほぼ無くなり、定期相談会を設けずとも年末調整が完了します。2年目以降の年末調整は、SmartHR上で1年目の情報が引き継がれているため、従業員もさらに簡単・便利に利用できているのだと思います。
人事の業務時間を大幅削減、パートタイマーのフォロー体制も向上
SmartHRを導入して感じられた効果はありますか?
獅々見さん:まず、大きく業務時間を削減できました。導入前は、人事4名が半日かけて、給与明細の印刷・店舗への運搬をしていました。さらに、各店舗の事務担当者が、店舗従業員へ配付する手間もかかっていました。SmartHR導入後には、1名がSmartHRを操作し、データ上で作成から送信まで完結できるため、工数削減につながっています。
年末調整については、導入前は派遣スタッフも含めた5名を総動員し、12月までかけて終わらせていました。それが今は、派遣スタッフの増員も必要なく、11月中に完結しています。
店舗・従業員からの反響はありましたか?
獅々見さん:SmartHRの文書配付機能を用いたパートタイマーの契約更新において、大きな変化がありました。SmartHR導入以前は、店長がパートタイマーとの面談中に、契約書内容を説明し、押印をもらう必要がありました。しかし、契約書配付から押印までデータ上で完結できるようになったことで、面談に時間の余裕ができ、店長と従業員がより深いコミュニケーションをとれるようになっています。
実は、弊社の注力する取り組みの1つに、パートタイマーの定着がありました。そのためには、パートタイマーが自分の困りごとを誰に相談していいかわからない、働き方を調整しづらい状況を改善する必要があります。そこで店長との面談を、プライベートのことから希望する働き方まで、さまざまな悩みを相談できる場所として使ってもらうようにしました。
たとえば、パック詰めや品出し業務しか経験したことがないパートタイマーと面談でコミュニケーションを取ることで、別の作業場・売り場業務への挑戦機会をつくっています。その結果、「自分にはパック詰め業務しか無理だと思ってた。けれど、実際に惣菜調理の業務をやってみたら面白かったわ。」と言ってくれる方もいました。パートタイマーの経験・スキルが広がるだけでなく、モチベーションアップにもつながり、定着に寄与していると感じます。
他にも、SmartHRを利用して入社手続きをする際に、新入社員から「この会社はSmartHRを導入しているんですね」と言われることもあります。おそらく、CMで見たことがあるシステムを導入していることで、弊社に対しての安心感が生まれているのだと考えています。
空いた時間をつかい、人事施策に注力。社会・お客様にも向き合っていく
新たにSmartHRを活用できた場面はありましたか?
今後、注力していきたいことがあれば教えてください。
獅々見さん:弊社のベースは、やはり畜産業です。牛を育て、食肉を提供できる環境をいかに持続していくかが、私たちの1番の課題です。そのために、データを活用した牛の育成や、環境に優しい飼料開発などに取り組んでいます。
よい牛を育て、よい肉を提供していくためには、よい人材を採用し教育する、そして定着してもらうことが重要となります。SmartHRなどを用いてさらに業務効率化を進めれば、空いた時間を活用してさまざまな人事施策に取り組むことができます。人事が従業員のさらなる活躍をサポートすることで、従業員が本業に集中でき、牛・お客様・社会に向き合えるような環境をつくりたいと考えています。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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