職員の資格管理工数を大幅削減。集約した職員情報にもとづいた効果的な人員配置を実現
主な活用機能・サービス
課題
- 人事評価やスキル管理が紙ベースで、手間がかかっていた
- 人員配置を検討する際の情報収集に時間がかかっていた
- 適切な人材確保が難しく、解像度の高い採用要件を定めたかった
解決策
- SmartHRのキャリア台帳と配置シミュレーションを導入
- 職員のスキル・資格情報を可視化し、効率的な配置を実現
- 確度の高い配置検討によって、必要な人材の要件を把握
効果
- 職員の保有資格やスキルの管理工数が大幅に削減
- 職員情報が可視化され効率的な人員配置ができる体制に
- データをもとにした配置シミュレーションで採用戦略も強化
医療法人慈公会 公平病院は、がんと糖尿病領域に軸足を置きつつ地域包括ケアシステムの一翼を担う医療機関として、プライマリーケアから緩和ケアに至るまで、誰もが必要とする診療の提供に注力しています。
同社は2021年にSmartHRを導入。職員情報の一元管理を進め、人事評価の業務フローの効率化を実現しました。
参考:煩雑な人事評価の業務フローを一元管理で効率化。院内のDX推進に貢献
その後も活用を進めるなか、2024年にキャリア台帳と配置シミュレーションの活用がスタート。職員の保有資格・スキルの可視化と効果的な人員配置ができる体制が整っています。今回は各機能の導入背景と導入後の変化について、総務課の松本さん、中田さんにお話を聞きました。
適切な人員配置によって提供するケアの質向上へ
キャリア台帳、配置シミュレーション機能をされた背景を教えてください。
松本さん:当院はもともと、業務効率化や生産性向上、職員のパフォーマンス向上について積極的な考えがあります。当院はすでにSmartHRでタレントマネジメントの第一歩である、職員情報の一元管理を実現しています。
職員情報をより充実させるキャリア台帳と、配置シミュレーションはまさに理想の機能でした。とくにキャリア台帳では職員に紐づく保有資格情報を管理でき、配置検討のとき、必要な職員情報の煩雑な確認作業から開放されます。
また、人材育成の観点からも職員のスキルや経験、保有している資格情報の可視化は魅力的です。具体的な職員情報をもとにした適切な人材配置によって職員の育成を促し、患者さまに提供するケアの質をより向上につなげたいと考えました。
以前は、個人のスキルや保有資格をどのように管理していたのでしょうか?
松本さん:紙による管理でした。医師や看護師の資格証をスキャンしたものをファイリングしていたので、各所から総務課に問い合わせがあるたびに都度確認していました。当然、人員配置に必要な情報を集めるだけでも非常に時間がかかりました。
配置シミュレーションはどのような場面で活用されていますか?
松本さん:当院では現在、クリニックの事業展開への準備を進めています。そこで総務課として重要なのが人員配置と採用です。
キャリア台帳で職員情報を可視化しておけば、職員の保有資格・スキルだけでなく、受講中の研修なども把握できるため、中期でのキャリア意向も参照できます。これにより、適切な人員配置が可能です。組織としても、職員の成長を促す効果的な人員配置によって、サービス向上が期待できます。
そもそもキャリア台帳と配置シミュレーションの導入以前は、本人のキャリア意向などが可視化されておらず、保有資格などの限られた情報から配置検討するケースが多かったのです。そのため、ハレーションをできるだけ小さくするため、本人や関係者とのコミュニケーションの時間を捻出する必要がありました。それらを解消できるのは大きいです。
効果的な人員配置によって、採用要件がより明確に
キャリア台帳、配置シミュレーション機能を導入後の変化について教えてください。
中田さん:キャリア台帳によって、職員の保有資格やスキルの管理工数が大幅に削減しました。医療業界には「病院施設基準」というものがあり、設備管理だけでなく、医療サービスを提供する職員数をはじめ、職員の資格やスキルの管理が非常に重要です。
実際の運用では、キャリア台帳で可視化された職員情報をベースに、配置シミュレーションで効率的かつ効果的な人員配置ができる体制が整いました。
松本さん:たとえば新病院の設立に向けた人員配置において、配置シミュレーションで職員が保有している資格情報と照らし合わせながら、配置検討を進めています。産休などで休暇を取ることが事前にわかっている場合は一時置き場なども活用し、早い段階で確度の高い組織体制をシミュレーションできるのは非常にありがたいですね。
その結果、足りない人員の数や必要な資格・経験も明確になるため、解像度の高い採用戦略を立てられるようになりました。
将来的な採用の動きにも変化が生まれたのですね。
松本さん:これは想定外の効果ですね。導入以前と比べて、明らかに採用戦略は強化されました。既存の職員を配置シミュレーション上で仮配置すると、採用活動で「求める人物像」に対する解像度が上がります。
どんな経験やスキルがあるとよいのか。どんな資格取得者を採用すれば、より当院の提供する医療サービスを向上できるのか。場当たり的ではない、戦略的な視点から採用戦略が考えられるようになったと実感しています。
また、既存の職員情報が可視化されているので、職員のキャリアパスイメージが醸成されつつあり、応募者の方に「当院で働くことによるキャリア」を提示できるようになりました。
今後、さらにキャリア台帳の活用が進めば、より具体的なキャリアパスイメージを作れるでしょうね。
SmartHRの積極的な活用で、さらなる生産性向上へ
SmartHRの活用を含めた今後の展望をお聞かせください。
中田さん:引き続き新病院、新クリニックの開設に向けて機能を活用していきたいと思っています。とくに人員配置時に参照するデータとして、従業員サーベイの活用は、配置検討の材料を増やす意味でもぜひ取り組みたいです。仕事に対する現在の意欲やコンディション、人間関係を把握することで、個人の成長を促進できれば離職のリスクを下げるなど、活用の幅は広いと思います。
さらに、キャリア台帳の利用権限を各部門長、またはマネジメント層に開放することで、自チームのマネジメントに役立ててもらえたらと考えています。
病院施設基準に関する資格保有者の退職後、スムーズに人員計画を立てられる体制を構築。。あるいは、病院の加算を取るために、どんな研修を誰に受講してもらうとよいか。そういったことも、キャリア台帳と配置シミュレーションをかけあわせることで実現できるはずです。
活用の幅がますます広がるイメージですね。
松本さん:当院では「院内副業」も募集しているので、そこでもキャリア台帳は応用できると考えています。一般的には医療従事者としての知識やスキルを、ほかの部署や異なる業務で活かすことを院内副業と呼びます。
当院ではそれだけなく、デザインやカメラ撮影のような技能を使って、病院の広報活動をサポートしてもらうなど、職員が自分の強みをさまざまな場面で活かす場を構築できるよう進めていきたいです。外部の力をできるだけ頼らず、院内で内製できる組織にする。そんな活用もタレントマネジメントという意味では検討する価値があると思います。
複数のタレントマネジメント機能をかけ合わせて活用を進めていらっしゃる姿が印象的でした!引き続きSmartHRでご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
※掲載内容は取材当時のものです。
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掲載内容は取材当時のものです。
主な活用機能・サービス
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