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「本音」が環境改善のヒント。従業員サーベイで職員の声が集まる体制に

 株式会社元気な介護

課題

  • 労務手続きが紙ベースで職員との書類のやりとりが煩雑だった
  • 職員情報の管理場所が複数あり、更新・管理に手間がかかっていた
  • 職員のケアや働く環境改善などの定着化施策が鈍化していた

解決策

  • 労務業務のペーパーレス化で業務効率化
  • 職員情報がSmartHRで一元管理できる状態へ
  • タレントマネジメント機能の活用。評価データの分析や定着化施策がスタート

効果

  • ほぼすべての入社手続きがSmartHR上で完結
  • 評価データが可視化され、評価制度の見直すべき箇所がわかった
  • 離れた拠点でも、適切なタイミングでの面談実施や職員ケアができる体制に

株式会社元気な介護は「介護の力で、日本を元気に!」をグループ理念に掲げ、訪問介護をはじめとする介護保険法にもとづく事業、障害福祉サービス事業、高齢者向け住宅運営事業を展開。事業を通じて利用者と家族、働く職員、さらに地域社会を元気づけることを使命に、北海道を中心に全国7都道府県、事業所数164か所を展開する介護業界を牽引する企業です。

同社は2022年に契約プランを「HRストラテジープラン」に変更し、タレントマネジメント機能の活用をスタート。今回は、人事創生部 芝地さんに、SmartHR導入の背景や効果についてお話を伺いました。

職員との紙ベースの書類のやりとりが煩雑だった

芝地さんの所属する人事創生部について教えてください。

芝地さん:人事創生部は、労務、採用、定着の3つのチームで構成され、メンバーは北海道を中心に大阪、東京で勤務しています。私は定着チームに所属すると同時に、チームを横断し全体の業務運用を管理しています。

人事創生部は、それぞれのチームでSmartHRを活用し、一般的な人事・労務業務を進めています。たとえば、労務チームでは労務手続きの電子申請、労働契約書などの文書配付。採用チームでは職員が入社した後のサーベイの実施。定着チームでは人事評価の運用から福利厚生に関わる書類の配付など、活用シーンは増えています。

SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。

芝地さん:SmartHRの導入を検討する以前から、役員を中心に全社的なペーパーレスを前向きに考える動きがありました。とくに現場の職員は本部とのやりとりだけなく、利用者さまとの契約書の取り交わしなども紙ベースの運用が当たり前だったため、管理や回収の負担が大きいことが課題でした。

人事創生部としても、職員との労務手続き関連の書類のやりとりがスムーズに進まないことに悩んでいました。また、職員情報の管理場所が複数存在し、情報の管理・更新の手間がかかる状態を改善したいと考え、それらを包括的に解決できるシステムを探していました。

(芝地さん)

職員情報の一元管理は定着化施策の第一歩

複数のシステムを比較されたと伺いましたが、最終的にSmartHRを選んだ決め手は何でしたか?

芝地さん:さきほど述べた課題への解決策としての「ペーパーレス化」はもちろん、最大の決め手となったのは「職員情報が一元管理できること」でした

SmartHR導入以前は、マスターと呼べる職員情報の管理場所がありませんでした。既存の人事データベースにあたるシステムは導入していたのですが、主な用途は人事評価の実施でした。

もう1つの職員データベースとして給与システムにある職員リストを代わりに使うシーンも多くありました。最新の職員リストを抽出する目的で利用することが多かったです。

結果的に職員情報を管理・更新しなければいけない場所が複数あったので、新しい職員が入社した際は、それぞれのシステムに同じ情報を手入力する必要がありました。工数がかかるうえにヒューマンエラーが起きやすい体制でした。

「職員情報の一元管理」が優先度として高い理由を教えてください。

芝地さん:職員情報の一元管理は、人事創生部としてさらに価値あるアクションにつなげるために必要でした。

介護業界に限った話ではないかもしれませんが、人手不足は単純な労働力不足だけが課題ではないと考えています。具体的には、新しく入社した職員がすぐ辞めてしまった場合、運よく新しい職員を採用できても、現場では再度、同じオリエンテーションやOJTの対応に追われ、通常業務を圧迫してしまいます。

そうした状況を抜本的に改善するには、人事創生部が職員情報をしっかり把握し、具体的な定着化に向けた施策や働く環境の改善アクションを進めることが重要だと考えました。

ほぼすべての入社書類がペーパーレス化。事業所長の負担軽減に

SmartHRの導入はスムーズに進みましたか?

芝地さん:はい、役員を含めた定例ミーティングで、「ペーパーレス化の推進」と「職員情報の一元管理」について提案し、導入の決裁を取りました。

とくに「職員情報の一元管理」については、中長期的に事業に貢献できる側面もあるので、ヒューマンエラーが減ることや、職員情報の可視化についてポジティブなフィードバックがもらえました。

実際にSmartHRを導入されていかがでしたか?

芝地さん:まず、労務業務のペーパーレス化で効果を感じています。とくに入社書類のやりとりがSmartHR上で完結し、スムーズな入社手続きができる体制になっています。

これまでは各事業所長が窓口となって、新しく入社した職員の入社書類を回収し、人事創生部に提出する流れでした。日々の業務があるなかで、どうしても取りまとめが遅れてしまうケースもありました。

場合によっては、「給与振込口座の情報」が提出されないまま給料日が迫り、慌てて情報回収を進めることもありました。そういったことがSmartHRに切り替えてからはなくなりました。事業所長の負担軽減にもつながっています。

人事創生部としても、SmartHR上でスピーディに入社書類の回収ができるので、自然とSmartHRに職員情報を集約する流れができました。

評価データ集計・可視化がスムーズになり改善施策の仮説が立った

その後HRストラテジープランへ変更し、さらに活用の範囲を広げていらっしゃいますね。

芝地さん:はい、SmartHRへ職員情報の集約が進んだので、人事創生部が今後取り組むべき職員定着化に向けた施策や働く環境改善を進めたく、SmartHRの利用範囲を広げました。

これまで既存のシステムで対応していた人事評価をSmartHRの人事評価機能に切り替えて何か変化はありましたか?

芝地さん:SmartHRの人事評価に移行してから、各自の評価の進捗が人事創生部でも把握しやすくなりました。評価の入力が滞っている職員にはリマインダー機能を使って、進行を促せるので、評価の回収がスムーズになりました。

また、評価データの集計が容易になりました。従来は評価データの集計には表計算ソフトを使い、現場の評価者に評価データを集計シートに入力してもらって、回収していました。導入後は評価データの集計がSmartHR上で完結するので、現場の負担軽減とヒューマンエラー防止につながっています。

さらに、SmartHR上で評価データを集計すると「エリアによって評価点の付け方や傾向にバラつきがある」とわかりました。今後はバラつきの要因を分析して、場合によっては評価制度自体の見直しを検討していきたいです。

本音に近い退職理由が集まることに価値がある

同じくプラン変更で利用可能になった従業員サーベイはどのように活用していますか?

芝地さん:職員の定着化を目的とした、従業員サーベイの活用が進んでいます。現在は「新入社員入社1か月後サーベイ」からはじめ、その後3か月、6か月と定期的なサーベイを実施しています。

人事創生部としても、縁があって入社してくれた職員には長く活躍してほしいと考えています。導入以前は人事創生部が入社1か月を迎えた職員に電話や対面コミュニケーションでケアしていましたが、拠点や職員数が増えていくなかで、対応しきれない場面も増えていました。

現在では、職員から入社後に考えていることや悩みなどを従業員サーベイを通じてキャッチアップできるようになっています。サーベイの回答内容によっては、別途面談の機会を設けて、職員のケアや環境改善のアクションができる体制になっています。

直近では退職者を対象に「退職サーベイ」を実施されていますね。

芝地さん:退職サーベイは性質上、退職者全員から回答していただくことは難しいですが、形式的な退職理由とは異なる本音に近い退職理由が集まることに価値を感じています

本音では人間関係や職場環境が理由で退職を決断される退職者の場合、退職面談で具体的に本音を言及される方は少ないです。しかし、サーベイという形であれば本人から直接人事創生部に届く性質上、本音で回答してくれる人が多いと感じます

正直、退職者の本音に向き合うのは心が痛い場合もありますが、退職サーベイで届いた退職者の本音は働く環境改善のヒントと捉え、職場環境改善、定着率アップを目指していきたいです

マネジメント層を巻き込み、定着化施策を実行していく

今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?

芝地さん:さらに職員の定着化施策を推進したいです。福利厚生の見直しや、健康経営を目指したアクションにはマネジメント層へのアプローチも必要だと感じています。

具体的には、従業員サーベイを活用し、職員が自分の上長についてフィードバックする機会の設置や、マネジメントに関する悩みをマネジメント層に聞く機会を設けるなど、対応方法を検討しています。

また、分析レポート機能の活用も進めていきたいです。具体的には年1度の決起会に必要な全社の平均の年齢、勤続年数、給与額などのデータの集計に活かせるイメージがあります。また、定着化施策においても、年齢や拠点ごとの離職率などのデータを用いながら、各所とコミュニケーションが取れる体制になるのが理想です。

職員がこの会社で働いていてよかった、この会社は辞めたくないと言ってもらえるような環境づくりのために、人事創生部は今後もSmartHRの各機能の活用を広げていくつもりです!

職員の環境改善に取り組む人事創生部の皆さんの熱意を感じました。SmartHRもご支援を続けてまいります。たいへんためになるお話をありがとうございました。

掲載内容は取材当時のものです。

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