人事データ活用で社内規程を刷新。「攻める」人事総務部へ
課題
- 全国に80以上の事業所を展開しており、拠点間での書類の往復による労務業務が非効率だった
- 各拠点の従業員からの申請は所長を介して回収されていたため、対応スピードや情報管理の安全性が課題だった
解決策
- 人事データと労務手続きに関する情報を紐づけて一元管理
- 業務が集中しがちな所長の負荷を分散
- 申請機能や分析レポートなどの多様な機能も、目的にあわせて利用
効果
- 入社手続きにかかる時間を1/10まで削減
- レターパックで月に400枚ほど送付していた書類は100枚以下まで減少
- 蓄積したデータを活用し論理的に人事施策へ落とし込むことが可能に
株式会社フレアスは、訪問マッサージ・訪問看護事業を軸に在宅医療に特化した医療サービスを展開する東証マザーズ上場企業です。
北海道から沖縄まで全国に80以上の事業所を展開する同社は、拠点間での書類の往復など労務業務の効率化に課題を感じていました。
その後のSmartHRの導入によって得られた効果と人事総務部で生まれた変化について、部長の安藤 厚司さん・労務課の岩城 茉純さんにお話を伺いました。
SmartHRは他のシステムと連携できる汎用性・機能の豊富さが魅力
まずは、SmartHR導入の背景を教えてください。
安藤さん:実はもともと、内製で人事システムを作ろうとしていたんです。
というのも、SmartHRを導入する以前に使用していた業務支援システムでは、名前と所属、入退社に関する情報程度しか管理できなかったため、労務手続きに関する情報を紐づけて一元管理したいと考えていました。
その点で、他の勤怠システムや給与システムと連携ができないなど、不満に感じていました。
そんな中、2019年10月にSmartHRを導入いただきました。決め手はなんでしたか?
安藤さん:決め手はやはり、他のシステムと連携できる汎用性の高さです。それ以外にも、人事データベースとしての利用はもちろん、申請機能や分析レポートなど、多様な機能を目的にあわせて利用できる点が大きかったですね。
ありがとうございます。他のサービスと比較はされましたか?
安藤さん:他にも2社ほど候補がありました。ただ、年末調整をペーパーレス化したいニーズもありましたので、一度SmartHRさんの説明を聞いて納得できた直後には、すぐに導入を決めました。
導入当時、何かつまずいたことはありましたか?
安藤さん:弊社には、全国の事業所に幅広い年齢層の従業員がおりますので、中には慣れた紙の方が良いという者もいました。
一方で、各拠点の従業員が出す申請や個人情報は、すべて所長を介して人事総務部に集められていたため、対応スピードや情報管理の安全性が課題になっていました。また何より、業務が集約しがちな所長の負荷を分散させることも優先事項でしたね。
説得時に工夫したことはありますか?
安藤さん:SmartHRさんからいただいた資料や動画を活用して、「今までの不便さが解消され、導入後にはこれだけ便利になりますよ」と、感情とロジックの両面から丁寧にお伝えしました。結果、導入後の良いイメージを喚起させられたことが納得感につながり、無事に賛同を得られましたね。
従業員からあがった「もう紙の年末調整には戻れない」との声
そんな過程を経て導入した結果、社内の反響はいかがでしたか?
岩城さん:年末調整に関して、従業員からは「アンケートに答えていくだけで完了するのでスムーズだった」「いつでも自分のデータが確認できる上に、進捗が見えるのもよかった」といった声が多く聞かれました。
中でも、記入項目の少ない従業員に至っては、差し戻しをすることもなくほぼ全員が一度で提出を終えられたのを覚えています。
安藤さん:最初に抵抗を示していた一部の従業員も、ペーパーレスの年末調整を経験した後には全面的に肯定派に変わり、「紙の年末調整には、もう戻れない」と話していたのが印象的でしたね。
入社手続きの時間が1/10に。人事データの提出も即座に対応
年末調整以外では、どのような変化がありましたか?
岩城さん:まず、入社手続きにかかる時間が1/10まで削減できました。レターパックで月に400枚ほど送付していたものが、今では100枚以下までに抑えられています。
もともとすべてを紙で運用しており、なおかつ全国の拠点数分対応していたので、これだけの大幅な削減効果につながっています。特に書類送付と回収のやりとり、所長による対応工数削減の面で効果を実感しています。
また、入社人数や退職率など、月ごとのデータを不意に社内で求められることがあるんですが、その際に以前までであればデータ集計から提出まで、翌日まで待ってもらっていたものが、今ではその場の5分ほどで即座に出せるようになったのも嬉しい点ですね。
人事データ分析により社内規定を刷新。社内改革へ「攻める」人事総務部に
効率化によって生まれた時間で、新たに取り組めたことは何かありますか?
安藤さん:従業員情報が見える化されたことで、福利厚生を含めた社内規程を全面的に刷新できました。
例えば、勤続年数に応じた永年勤続表彰を新たに設けたり、通勤時の車の利用状況に応じて通勤手当の支給基準を見直せたりと、SmartHR上にたまったデータを基に論理的に人事施策に落とし込むことができて助かっています。
それは効果的な活用例ですね!
安藤さん:それに最近では、従業員から見た私たち人事総務部の印象にも変化があったと感じているんです。
どういうことでしょうか?
安藤さん:以前に退職して最近復職した従業員がいるんですが、彼が言うには、今の人事総務部は昔と比べて「雰囲気がまったく違うように見える」そうなんです。
確かに、これまでは書類で様々な従業員情報を管理することや手続きもかなり煩雑になっていて、どうしても細かいミスが起こっていました。
それが今では従業員情報を一元管理してミスが減っただけでなく、たまったデータを基に社内規程の変更や人事施策を打ち出す「攻め手」へと変わっています。
従業員からの何気ない言葉でしたが、少なくともそんなセリフが自然に飛び出すくらいには、決して小さくない変化が私たち人事総務部の中で起こっているのだと感じています。
アクセシビリティのさらなる向上に期待
それでは最後に、今後のSmartHRへ期待することを教えてください。
安藤さん:今のスタイルのまま進化していただければ、何の不満もありません。
元はといえば極論、年末調整さえペーパーレスに移行できればとの思いで導入しました。ところが、蓋を開けてみれば入退社の手続きをはじめ、今では申請機能にオンライン雇用契約・文書配付機能、給与明細、分析レポートまでフルに機能を活用させてもらっています。
役員や所長からも、この先のさらなる利便性向上に期待を持ってもらっているので、引き続き活用の幅を広げていきたいですね。
岩城さん:現状でも十分ではあるんですが、強いて挙げるとすれば、弊社は視覚障害を持った従業員が在籍しているので、そういった方たちへの配慮の意味で、アクセシビリティのさらなる向上に期待しています。
アクセシビリティの向上については、社内でも重要なテーマとして認識しております。まさに現在、専門家の増員をはずみに、体制を組んでアクセシビリティのさらなる向上に向けての取り組みを開始しています。ぜひ今後の動向にご期待ください。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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