決め手は「ドライバーの使いやすさ」。労務工数の半減を経てSmartHRを核にしたタレントマネジメント推進へ
課題
- 年末調整や入社手続きが紙での対応。各拠点とのやり取りが煩雑だった
- 従業員の配置検討時に必要なデータを収集できていなかった
- タレントマネジメントの着手が遅延していた
解決策
- 労務のペーパーレス化、業務効率化のためSmartHRを導入
- サーベイ機能の活用により一人ひとりのキャリア意向などを把握
- 適切な配置実現に向けて組織図、配置シミュレーション活用を検討
効果
- 年末調整・入社手続きをSmartHR上で完結。連絡工数なども大幅削減に成功
- サーベイ機能を活用し、従業員データを取得しタレントマネジメントを推進
- 異動検討時の従業員情報をもとに適切な配置を実現するなどタレントマネジメントを推進
全国に80以上の拠点を構え、安全で高品質な輸送でお客さまより高い評価を受けているフジトランスポート株式会社。「お客さまよりも従業員を大切にする」方針のもと、拠点を拡大しながら、物流インフラ企業として成長を続けています。
同社では、紙での労務手続きに限界を感じるとともに、従業員の成長を目的としたタレントマネジメント推進のため、SmartHRを導入。導入プロジェクト責任者の上田さん、プロジェクトを推進した加藤さん、タレントマネジメントの運用方針を策定した亀井さんに、導入の背景とその後の変化について伺いました。
2,600名分の年末調整を紙運用。システム導入による工数削減を決意
SmartHR導入以前の課題を教えてください。
上田さん:SmartHR導入前は、さまざまな労務手続きを紙ベースで運用しており、とくに年末調整業務で毎年苦しんでいました。また、毎年約600人を採用していることもあり、入社手続きも紙運用ならではの煩雑さがあり、担当者の工数を圧迫していた背景があったのです。
加藤さん:年末調整を紙で実施する限界を感じていました。当社は運送業を営んでおり、約80拠点の営業所・支店を展開しており、2,500名を超える従業員がおります。年末調整は、まず本社の労務担当者が6,000枚の用紙を印刷し、ホチキスで留めて各拠点に送付していました。これだけでも4日くらいかかっていたのです。
準備段階だけで多くの工数がかかっていたのですね。
上田さん:従業員に記入してもらったあとは、拠点ごとに本社へ郵送してもらうのですが、期日までに送付できないケースも多々ありました。その際には、本社の労務担当者が5名体制で、未提出の従業員に架電して催促していたのです。
加藤さん:不備の数も毎年200名分近くありました。架電するにも、長距離ドライバーをはじめ、深夜に稼働している従業員も少なくありません。そのため、各拠点に確認した稼働タイミングに架電して、各従業員に不備の内容を伝えていました。
この状況を脱却したいという思いから、よいサービスはないかと探していたなかで、最終的にSmartHRの導入に踏み切りました。
導入の決め手は従業員がスマートフォンで申請できる利便性
数あるサービスのなかでSmartHRに決定した理由はどこにあったのでしょうか。
上田さん:選定にあたり重視したのは「従業員が使いやすいか」でした。もちろん、労務担当者の管理・処理しさすさも大切です。紙の運用から変更するのであれば、用紙に記入するよりも簡単に乗務員、従業員が申告できなければ意味がありません。それを感じたのでSmartHRでした。
加藤さん:なかでもスマートフォンからアクセスでき、年末調整に関する質問に「はい」「いいえ」で回答するだけで、書類を作成できる利便性が決め手になりました。当社は従業員にドライバーが多いため、勤務時間や場所などがさまざまです。一人ひとりが自分のタイミングで申請できるため、従業員の使いやすさを実現できると考えたのです。
上田さん:ほかにもSmartHRさんの営業担当を信頼できたのも、導入の大きな理由ですね。当社からの質問や要望に対して真摯に答えてくれたので、お客さまの声として後々機能改善に反映していただけるであろうと感じました。とくにタレントマネジメント機能に関しては、毎月のように新機能をリリースされているので、今後に期待できると思えました。
実際にSmartHRでの年末調整業務は、どのような体制で進められたのでしょうか。
加藤さん:紙で年末調整業務を運用していたときは、10月から準備を進めて11月末までの2か月間は、人事労務部では年末調整が業務の中心。また、従来はマンパワーで乗り切る体制だったのです。しかし導入時に、SmartHRのカスタマーサクセスの担当者さんがコーディネーターとして計画や社内周知、ルールづくりを提案してくださいました。
上田さん:そのため、当初考えていたよりも大きな混乱もなく、導入から実施までスムーズに進められました。
社内周知についてはどのような施策を実行されましたか。
加藤さん:社内説明会などは実施せず、SmartHRさんから共有してもらった操作方法を中心としたマニュアルをカスタマイズして配布しました。
上田さん:実際にウェブで画面を投影した説明会の開催も検討したのですが、マニュアルが非常にわかりやすかったため、従業員からはとくに質問もありませんでしたね。
加藤さん:やはり、質問に沿って答えるだけで、書類作成まで進められるSmartHRの機能が優れているからなのだと感じています。
毎月約50名の入社手続き工数も半分に。精神的負担の大幅軽減にも成功
年末調整機能以外でも入社手続き時にSmartHRをご活用いただいております。労務系の機能についてのご活用状況とご感想はいかがでしょうか。
上田さん:労務関連の手続きに関しては、入社手続きをはじめ、ほぼすべてをSmartHRで実施しています。
加藤さん:導入前は、入社の手続きも紙で運用していました。当時は、1人分の入社手続きの書類をチェックするだけでも10分程度かかっており、確認後には入力が必要でした。SmartHR導入後は、入力する必要がなくなったため、手続き自体が5分くらいで完結できています。
上田さん:当社では毎月約50名の従業員が入社しています。1人10分が必要だったため、手続きの事務作業だけでも毎月8時間程度の工数を削減できました。
ほかにも削減できた部分はあるのでしょうか。
加藤さん:年末調整業務と同様に、不備があった際のドライバーへの差し戻し時にしていた連絡が必要なくなり、精神的な負担が大きく削減できましたね。
労務手続きからスタートして、現在ではタレントマネジメント機能もご利用いただいています。労務機能から使用をはじめた経緯についてお教えください。
上田さん:課題であった年末調整業務の紙運用の脱却と同時に、従業員の異動時に家族構成なども把握した検討の必要性も感じていました。そのため、当社の経営陣から人事異動の検討時に従業員の家族状況を把握したいというオーダーもあり、並行してタレントマネジメントシステムの導入も検討していました。
亀井さん:SmartHRであれば、労務手続きで取得した従業員の情報を活用でき、スムーズにタレントマネジメントを実施できるのではないかと考えたのも、導入の大きな決め手でしたね。
タレントマネジメント推進に向けて従業員サーベイを実施
タレントマネジメントに関して、何から着手されたのでしょうか。
亀井さん:キャリアについての従業員一人ひとりの考え方を把握するため、サーベイ機能の活用を検討しました。本格実施前に担当者である私もSmartHRのサーベイ機能を把握するため、年末調整手続きが終了したタイミングで、SmartHRを活用した年末調整に関するアンケートを実施しました。
サーベイ機能を使用した感想はいかがでしたか。
亀井さん:私はサーベイ機能について、システムに詳しくなければ、活用しきれないのではという懸念がありました。でも機能に触れていくうちに、質問数や内容もプリセット項目があり、さらに自由に質問項目も設定できるため、非常に使い勝手のよさを感じましたね。
また、サーベイ実施後のデータも見やすいため、役員への報告書に記載する際にも高い利便性を感じました。
従業員データをSmartHRに集約し、タレントマネジメントを加速させる
タレントマネジメント機能の活用について、今後はどのような構想をされているのでしょうか。
亀井さん:人事評価機能の活用をスタートする予定です。評価制度は現在構築中なので、完了次第活用していく予定です。また、従業員の経歴やスキル情報もSmartHRに集約したいですね。現在は、2,500人の従業員のデータを本社・拠点で二重に管理しており、最新データを集約できていない課題があります。
上田さん:最新データを集約できる組織図は、配置検討時に欠かせません。当社の代表をはじめ、人事労務部で一人ひとりの従業員を把握するため、顔写真を閲覧することがあります。これまでは社内のイントラネットに写真を保存していたため、顔写真を見ながら紙でその他の情報をチェックする煩雑さがありました。今では、SmartHR上で顔写真と同時にチェックできるため、異動検討時に従業員情報の確認にも大きく工数削減できています。
労務業務の工数削減をはじめ、御社の「従業員を大切にする」方針の実現に向けて、複数の機能を積極的に活用されている姿が印象的でした。引き続き、管理部の業務効率化と従業員満足度向上にSmartHRをご活用いただけると幸いです。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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