年末調整を機にDXへ。350店舗を支えるHR変革ストーリー
課題
- 年末調整の業務量が膨大かつ煩雑だった
- 全国の販売店舗との書類の往来に苦労していた
- 人事情報の管理ツールが一元化されていなかった
解決策
- 年末調整をSmartHRで実施
- 給与明細配付、労働条件通知書配付をペーパーレス化
効果
- 年末調整にかかる膨大な量のチェック業務負担が軽減
- 従業員による直接入力となり、紙の情報の転記が不要に
- 店舗スタッフと直接やり取りできるため、人事・店舗双方の負担が減った
愛知県名古屋市に本社を構える藤久株式会社。「クラフトハートトーカイ」を主力とした、手芸専門店チェーンを全国に展開しています。全国に350店舗・2,000名を超える従業員を抱えるなか、膨大な量の年末調整業務や各店舗との書類の往復に課題を感じていました。
社内におけるDX化の機運の高まりを受け、2021年にSmartHRを導入。年末調整の効率化を皮切りに、給与明細・労働条件通知書の配付など、活用範囲を拡大されています。
SmartHRの導入がきっかけで業務効率化への意識がより高まった同社。導入の背景や導入時の工夫、今後の活用方法について、人事部人事課の杉本さん、新屋さんにお話を伺いました。
煩雑な年末調整、350を超える店舗とのやり取りが負担
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
杉本さん:年末調整の煩雑さが一番の課題でした。さまざまな下準備をしたり、他部署にヘルプをお願いしたり、それでも人手が足りない場合は、一時的に人材紹介会社に派遣を依頼したりすることもありました。チェックと修正、問い合わせ対応に追われるため、年末調整シーズンが来るたびに神経を尖らせていました。
新屋さん:350を超える全国の販売店舗との間で書類をやり取りするのも大変でした。紙ベースだと、どうしても時間や手間がかかってしまい、人事側も店舗側も負担が大きくなっていました。
SmartHR導入のきっかけは何でしたか?
杉本さん:会社としてDX推進に注力している背景もあり、その文脈も含めて調査をしたところ「年末調整ならSmartHR」との認識に至りました。展示会でもお話を聞くなかで「年末調整以外の課題解決もできそうだ」とわかり、詳しくお話を伺うことにしたんです。
導入の決め手を教えてください。
杉本さん:3、4社と比較するなかで、決め手となったのは費用感です。他社ではすべて1パッケージになっていて、使わない機能の分も金額に含まれているため割高でした。
あとは、見やすさ・使いやすさといったユーザビリティの面です。他サービスでは、インターフェースが表計算ソフトに近いものなど、管理者側の業務に寄せた印象があるものもありました。一方、SmartHRは従業員目線での情報入力のしやすさを重視していると感じ、その点も導入の後押しになりました。
導入時に、経営陣へ「長期的なメリット」を伝えることで理解を促進
導入時に工夫したことはありますか?
杉本さん:紙の削減や郵送料金の削減などわかりやすい削減効果がある一方で、導入による目に見えない価値を社内にいかにして伝えるかを工夫しました。
具体的には、どのように伝えたのでしょうか?
杉本さん:SmartHRの導入が業務効率化とDX推進につながること、これらは中長期的に効果を発揮するものであることを伝えました。個人情報を管理するうえでのリスク軽減や法改正への対応などを踏まえても、「今、導入することが将来的な差や付加価値の創出につながる」と説明をすることで、理解を得られました。
現在もなお、予算に対して利用価値があるのかどうか、今後のDX化の計画、現在の進捗などを報告することがあります。導入して終わりではなく、継続的に利用し、活用を深めてこそ価値が最大化されるものだと認識しています。この点は、私たち担当者としても経営陣に向けてしっかり伝えていきたいと考えています。
実際にSmartHRを利用してみた感想をお聞かせください。
杉本さん:まずは最も課題に感じていた年末調整で効率化できたのがよかったです。必要に応じて新たな機能を追加できるので、私たちのペースで導入を進められました。今までマイナンバー管理のためだけにほかのツールを使っていたので、SmartHRで管理できるのも助かっています。
新屋さん:それ以外にも、人事情報の管理ツールが一元化されていなかったところが、SmartHRのおかげで一歩前進できたと思います。
SmartHRは、私たち人事・労務の業務フローをよく理解して作られている印象です。たとえば従業員1人の情報が一元化されているので、PC上で複数のウィンドウやタブを開く必要がありません。ストレスを感じることなく使用できるんですよね。一見当たり前のようですが、過去の経験上そうではないシステムを操作したこともあり、その差は歴然です。
また、ユーザーの声を随時開発に活かしてくれる姿勢もありがたいですね。以前に要望していた公文書の取り込みの件も、アップデートで機能反映されていました。ユーザー目線に立って、作業のしやすさを追求してくれていると感じます。
参考1:SmartHRの「マイナンバー管理」
参考2: 【文書配付】公文書をPDFファイルでアップロードし配付できるようになりました
データの手入力や紙の郵送が不要。年末調整業務の大幅な効率化につながった
導入効果について教えてください。
新屋さん:年末調整にかかる膨大な量のチェック業務が効率化されました。これまで税法が変わるたびに私たちも知識のアップデートが必要でしたが、SmartHRは随時反映されるため負担が大きく軽減しました。
また、紙からの転記作業が不要になったのも大きいです。以前はデータベース管理ソフトを使用してデータを手入力し、それをCSVに落としてシステムに入れるという手間がかかっていました。今は従業員が直接入力してくれるので、大幅に時間を短縮できています。
販売店舗との書類の往来も不要になり、業務効率化につながりました。全国にある販売店舗への郵送もすぐには届かずタイムラグが発生していましたが、今はその心配もありません。郵送代などのコストも削減できたため、大きなメリットを実感しています。
店舗スタッフも徐々に操作に慣れ、2年目の年末調整は質問がほぼゼロに
販売店舗とのやり取りも効率化されたんですね。
杉本さん:書類の提出状況の集計・確認も、これまではデータベース管理ソフト上で確認して店舗にリマインドを送っていたのですが、今はSmartHR上で確認し、本人と直接やり取りできるようになりました。現場の負担も軽くなっていると思います。
新屋さん:私たち販売業は、本社は平日出勤、販売店舗は休日出勤がメインです。連絡が取れずにすれ違うことも多かったのですが、SmartHRのおかげで本人との連絡が直接・密に取れるようになり、確認作業もかなりラクになりました。
店舗スタッフの方も、迷いなくご活用いただけているのでしょうか? SmartHRに徐々に慣れていったのでしょうか?
導入をきっかけに業務効率化への意識が向上。今後はAPI連携にも期待
今後、SmartHRをどのように活用したいですか?
新屋さん:人にまつわる情報を可能な限り一元化したいです。現在は短期アルバイトへの給与や講師への講師料などの管理を経理に任せていますが、こういった情報も可能であればSmartHR上に集約したいと考えています。
杉本さん:通常の労働条件通知書では対応しきれない、不定期で仕事をお願いする人に対して、その都度やり取りするのに苦労しています。SmartHRでその方たちの給与情報や履歴も管理できたら嬉しいですね。
新屋さん:SmartHRを使い慣れてきて、「あれもやってみたい、これもできそうだ」と思うことが増えてきました。そのなかにはAPI連携で実現可能なものも多くあると感じているので、状況に応じた検討を考えていきたいですね。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。