入社・社会保険手続きで1/3の工数を削減。グループ企業にも展開へ
課題
- 入社者の従業員情報をすべて紙で回収していたため、従業員数の増加に比例して手続きの工数が増加していた
- 社内の人事・労務・給与・勤怠、それぞれのシステムがバラバラに動いており、一元管理できていなかった
解決策
- 保守・運用の負荷軽減のため、人事システムをオンプレミス型からクラウド型サービスへ移行
- 電子申請での入社手続きで効率化を実施
- 社内の多様なシステムをAPIで連携し、一元管理
効果
- 入社・社会保険の手続きで1/3の工数を削減
- 育児休業給付金などの申請も電子申請でできるようになり、手続きがスムーズに行えるように
- 効率化で空いた時間を活用し、業務の標準化にも取り組めている
株式会社ユーグレナは、藻の一種であるユーグレナ(和名:ミドリムシ)を主に活用した食品や化粧品の販売、バイオ燃料の研究等を行っているバイオテクノロジー企業です。
2012年にマザーズ上場、2014年に東証一部上場、本年8月には15周年を迎えた同社。従業員数は260名、グループ会社は10社を数えます。
従業員数の増加にともない煩雑になりがちな労務業務の効率化、そして人事データの一元管理に向けてSmartHRを導入されました。
2017年12月導入以降の業務の変化とその先に見据える展望について、管理部人事課 岸本 真さん、服部 和正さんにお話を伺いました。
入社手続きの効率、システムの保守・運用に課題
はじめに、SmartHR導入の背景を教えてください。
岸本さん:導入以前は、入社者の従業員情報をすべて紙で回収していたため、従業員数の増加に比例して手続きの工数増が課題になっていました。
また当時、社内ではオンプレミス型の人事システムを使っていたのですが、保守・運用の負荷が少なくないことから、クラウド型サービスへの移行を検討していました。
他のサービスとも比較されたかと思いますが、決め手は何でしたか?
岸本さん:まずは電子申請へ対応していることです。これまで、入社者の情報はすべて手動でシステムへ入力、そして保険手続きでは再び紙へ転記していたため、以前から効率化したい思いがありました。
その点で、入社日より前に入社予定者から情報を回収でき、内容を確認した後、そのままスムーズに電子申請まで行えるSmartHRは魅力的でした。
服部さん:以前までは、社内の人事、労務、給与、勤怠、それぞれのシステムがバラバラに動いていたため、一元管理したいと考えていました。SmartHRは、APIで連携できる外部サービスの数が多く、連携した際にハブとしての役割を担える点も決め手の一つでした。
ありがとうございます。ちなみに、どちらのサービスを実際にAPI連携して使用していますか?
服部さん:具体的には、給与・勤怠・人材活用システム、どれもクラウドシステムを使用しています。旧システムからの移行については、最初にSmartHRの導入を決めて、それに合わせるかたちでSmartHRとAPI連携しているクラウド型のシステムを導入していきました。
直感的な操作性や電子申請が高印象
実際にSmartHRを使ってみた感想はいかがですか?
服部さん:以前に使用していたシステムと比べても、SmartHRは直感的に使えるのがいいですね。メニュー構造がわかりやすいので、悩まずに使えます。クラウド型のサービスで、よくこれだけ汎用性の高い画面を作れたなというのが率直な感想です。
岸本さん:実は私自身、弊社には労務経験なしの状態で入社しているので、そもそも労務担当として一から知識を身につけていく大変さがありました。
しかし、紙での対応からSmartHRへ切り替わることで、こんなにも楽になるのかと実感した記憶があります。電子申請はその最たる例です。
実務を担当されている岸本さんは、特にSmartHRに触れる機会が多いかと思いますが、どのように使い方を覚えていきましたか?
岸本さん:紙で作業していた経験をもとに、SmartHRではこうなるのかと一つひとつ照らし合わせて確認していきました。わからないことがあれば、ヘルプセンターを見たり、チャットで質問する中で慣れていきましたね。いつも迅速に回答いただけるので助かっています。
入社手続き・社会保険手続きを中心に業務量の1/3を削減
導入後、実際にはどのような変化がありましたか?
岸本さん:業務量としては、体感で1/3ほど削減できています。特に入社時の入力作業や、社会保険の手続きが効率化されました。
紙の運用のときから、転記ミスを防ぐために社内でダブルチェックを行う体制があるのですが、今は画面上でできてしまうので、そこも効率化できた点ですね。
また最近では、育児休業給付金も電子申請できるようになったのが嬉しい点です。今までは書類に記入してから本人印をもらい、ハローワークへ提出しにいく必要がありましたが、電子申請から受理してもらえるため、工数削減につながっています。
服部さん:特にSmartHRを使うメリットだと感じるのは、「社会保険担当者」「身上届担当者」といった専任担当者を置くことなく、1人の担当者が一気通貫で処理できるところです。これによって、紙で管理していたときなら2、3名の増員が必要だった作業量を効率化することで増員せずに対応できています。
業務の引き継ぎを実現。給与支給業務の安定効果も
効率化によって生まれた時間で、新たに取り組めたことがあれば教えてください。
岸本さん:入社手続きの効率化ができたことで、業務の標準化に取り組めました。以前に私が担当していた入退社手続きや雇用保険の手続きは、すでに別担当への引き継ぎを終え、現在は管理項目の精査に注力できています。
一部、SmartHRの導入以前に使用していたシステムで管理していた項目を精査し、新たに必要になった項目の追加とあわせて整理をおこなっています。
今までは1人でないとできない業務も、SmartHR上では同タイミングで複数名がログインして確認ができるので、作業を同時に進められることも大きいと考えています。
まさにクラウド化によるメリットの一つですね。服部さんはいかがですか?
服部さん:私が大きく変化を感じているのは、給与支給に関する業務が安定したことです。導入以前の体制では、在籍者や支給対象者の管理、給与計算、法令改正に従った処理に追われ、支給日まで慌ただしく対処していたのが正直なところでした。
導入後については、支給額の前月比較や支給対象者の整合性の確認など、検証や分析に時間を割けるようになりました。
SmartHRの元に正しい人事データが集まってきているからこその変化だと思っています。
ありがとうございます。今後のさらなる活用が楽しみですね!
自社の人事データベース構築の先に見据えるグループ各社への展開
それでは最後に、今後の展望を教えてください。
岸本さん:従業員数や雇用形態の種類が増えたこともあり、改めて管理項目の見直しと整備を行っています。
グループ会社の中では、すでにSmartHRを導入している会社もありますが、まずは弊社内で人事データベースの一つの完成形を目指し、今後はそれをグループ各社へと広げていきたいですね。
服部さん:組織としては、人材の固定化を避けて、ある程度の流動性を保ちたい思いがあります。そのため、業務のアウトソースも視野に入れて、今後も人員配置の最適化を図っていきたいです。
その上で、岸本が言うように、将来的にはグループ全体に導入し、人事データベースの一元管理を目指しています。
グループ全体で、人事データの正確性を追求する段階から発展して、集めた情報で分析、将来のシミュレーションができる段階へと歩みを進めたいと考えています。
明確に歩みを進められている姿に感激しました! 本日は貴重なお話をありがとうございました。
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掲載内容は取材当時のものです。
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