拠点間の労務業務がスムーズに。SmartHRを中心に打ち手を実行できる体制を目指す
課題
- 紙ベースの労務業務が負担
- 組織拡大を背景に労務対応のシステム化を検討
- 事業所によって評価シートの対応にバラつきがあった
解決策
- SmartHRによって労務業務のペーパーレス化
- SmartHRの人事評価機能、従業員サーベイ機能を導入
効果
- 各種労務申請をSmartHR上で完結
- 評価シートの工数削減
- SmartHRを中心にしたタレントマネジメント体制へ
株式会社ドットラインは千葉県を中心に高齢者支援、障がい者(児)支援、子育て支援、経営支援、学校教育事業を展開する「地域の“困った”を“ありがとう”に変える会社」です。
業界や業種を超え、地域が抱える問題を解決し、「幸せの循環創造」を目指し事業拡大を続けています。同社では急速な組織成長に伴い、人事・労務分野でのシステム化に着手。現在はSmartHRでのタレントマネジメントにも活用範囲を広げています。
導入に至るまでの過程や導入後の変化について、人事部 磯崎さん、人事部 労務課 松井さん、人事部 組織開発課 富澤さんにお話を伺いました。
組織の拡大を背景にバックオフィスのシステム化を検討
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
磯崎さん:これまでは、入社書類や各種申請書類は基本的に紙ベースでの運用で、各事業所から本社へ郵送で提出する仕組みでした。組織規模が大きくなっていくなかで、本社と事業所間でのやりとりの負担が年々増えていました。
元々千葉県を中心に展開してきた弊社ですが、茨城、神奈川、静岡と、他県展開も増え、現在では従業員1200名、事業所130か所にまで大きくなりました。従業員が300名を超えたあたりで既存の仕組みでは限界があると考え、システム化を検討しました。
システムを比較検討するなかで大切にしていたポイントはありますか?
磯崎さん:とくに重要視していたのは操作感ですね。弊社は20代・30代を中心に幅広い年齢層の方が活躍していることもあり、従業員にとっての扱いやすさを大切にしていました。
いくつかのシステムを検討しましたが、SmartHRはインターフェースが非常にわかりやすいと感じました。これなら、普段パソコンやスマートフォンの操作に慣れていない人でも直感的に操作ができると考えました。
マニュアルを展開し、全員一緒にSmartHRの利用をスタート
SmartHRの導入で工夫されたポイントはありますか?
磯崎さん:従業員がSmartHRのアカウント作成に迷わないようにマニュアルを作成しました。SmartHRのアカウント作成は従業員にとってもSmartHRに触れる最初のポイントなので、できるだけ従業員の苦手意識が生まれないような配慮が必要だろうと考えました。
そこでマニュアルには具体的な招待メールの内容や、操作方法を記載しました。今ではマニュアルによって、新入社員のアカウントがスムーズに作成できています。
SmartHRが発行しているマニュアルなどはご利用になりましたか?
松井さん:私が担当している年末調整において、SmartHRのマニュアルを利用しました。一部を弊社用に編集したものを展開し、ペーパーレスでの年末調整の対応方法を案内できました。
とくに英字のマニュアルの存在は大きかったです。事業所によっては外国籍の従業員が在籍しているため、英字のマニュアルのおかげで従業員全員でペーパーレスの年末調整をスタートできました。
移動工数がかかる役所での各種申請をSmartHR上で完結
導入後の変化を教えてください。
松井さん:これまで労務手続きは紙ベースだったため、従業員の入退社が発生すると人事が年金事務所やハローワークに直接訪問する業務が発生していました。
移動に時間がかかりますし、年金事務所やハローワークはすごく混んでいるので、自分の順番が来るまで2時間かかることもあります。そのうえで書類に不備があると、再度訪問しなければなりませんでした。さらに移動を伴う業務なので、前後にスケジュールを立てることも難しく、ほかの業務が停滞しがちでした。
SmartHRを導入してからは年金事務所やハローワークへ訪問する必要がなくなりました。月平均で30名ほどの入社がありますが、SmartHR上での電子申請で完結できる状態になり非常に助かっています。
そのほかにペーパーレス化による感じた効果はありますか?
松井さん:雇用契約書や年末調整書類などの従業員情報に関わる書類の物理的な保管場所を確保する必要がなくなり、感動しています。
まず、書類保管のための印刷や個人用ファイルへの格納する工数がなくなりました。必要な情報はSmartHRに保管されているので、オフィスのキャビネットを圧迫せずに済むのは嬉しいポイントです。
タレントマネジメントの活用スタート。人事評価の工数削減
昨年10月より利用機能が広がり、タレントマネジメント機能の活用もスタートされましたね。
富澤さん:はい。タレントマネジメントは主に組織開発が活用しています。
まずは人事評価シートをSmartHRに切り替えることで、評価者となる管理職の評価工数が10時間ほどかかっていたものが2時間に短縮できました。
これまでの評価シートはGoogle スプレッドシートで作成し、各事業所に展開していました。しかし、社用PCを業務で使わない職種の従業員もいるため、評価シートを印刷して対応する事業所もあったと思います。故意ではなく、ほかの人の評価シートを目にしてしまうなど、人事の目が届きにくい場合もあり、セキュリティの観点からも改善すべきポイントでした。
SmartHRを導入してからは、権限設定によって評価者など適切な閲覧権限を設定できるので、被評価者も安心して評価入力ができるようになりました。また、事業所によってはGoogle スプレッドシートを紙に出力して、評価を記入していたケースもありましたが、現在ではすべての従業員がSmartHRで評価を記入する体制になっています。
従業員サーベイ機能はどのようにご活用されていますか?
磯崎さん:定期的なキャリアアンケートのほかに退職意向者へのアンケートを実施しています。
組織は日々成長していて、事業所も他県へ広がるなかで本社の目が行き届いてないことも増えてきました。これまで退職意向や退職理由は事業所の上長からの報告のみで、そこから組織や事業所の課題を見つけることは困難でした。
現在はSmartHR上で人事が従業員に直接アンケートを実施できるので、退職理由の質が変わってきました。アンケートの回答内容によっては、本社が把握していない実情を掴めたり、今後の組織開発の参考になるヒントをもらえるので重宝しています。
回答率も9割を超えています。SmartHR自体が従業員にとって給与明細や人事評価によって触れる機会が増えているので身近な存在になっているかなと思います。
SmartHRを中心にしたタレントマネジメント体制へ
今後はどのようなことに取り組んでいきたいですか?
松井さん:労務課は、最初にSmartHRを使っている部署でもあり、活用する意欲も高いんです。どんどん課員から「こうしたら、これくらい削減できました」という声があがります。
SmartHRでの工数削減を続けながら、育児休業から復帰した人のケアやスムーズな手続き体制の整備など、バックオフィスの強化に携わっていけたら嬉しいなと思います。
富澤さん:組織開発課はタレントマネジメントを推進する立場として、集めた従業員情報を基に横断的に組織管理、分析を進めていきたいです。
今後もSmartHRのタレントマネジメント機能には発展性があると思うので、期待しています。
磯崎さん:SmartHRを中心にタレントマネジメントをする体制になりたいというのがすべてです。
弊社は「永久成長構想」を掲げていて、日々改善、成長のために何ができるかを考えています。組織の改善には組織の情報の見える化が必要だと考えています。組織の情報は流動的な面もあり、情報が変われば課題も変わってくるので、それを人事としていち早く気づけるような仕組み化を目指します。
そのため、SmartHRにしっかり情報を集約していき、打ち手を企画・実行できる体制作りを進めたいです。それは従業員のためでもあり、弊社サービスの利用者さんにとっても満足のいただけるサービス提供につながり、会社の成長につながると思っています。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。