基幹システムとの併用で効率化が加速。SmartHRは事業・組織に貢献するインフラ
課題
- 在宅オペレーターを多数採用するために、来社不要で入社手続きや契約更新ができる環境づくりが急務だった
- 従業員の増加に伴い、人事の抜本的な業務効率化が求められていた
解決策
- 入社手続きや契約更新をペーパーレス化し、出社不要の運用を構築
- 給与明細配付、年末調整、文書配付などもペーパーレス化して効率化
効果
- 入社時のオリエンテーションにかかっていた費用を大幅に削減
- 各業務のペーパーレス化により業務効率を上げ、担当者の負担を軽減
- 人事部とHR部の連携が密になり、企画立案などの動きが活発に
2022年3月2日に東証一部上場(※現在はプライム市場)を果たしたビーウィズ株式会社は、企業の業務プロセスを一括して委託する「BPO」やコンタクトセンターを中心としたアウトソーシングサービスを提供しています。
同社は上場に向けた準備が本格化した2021年にSmartHRを導入。既存の基幹システムとの併用により、人事労務領域で幅広くペーパーレス化を推進。業務効率化と従業員体験の向上を実現しています。
SmartHR導入の決め手や導入後の変化について、執行役員 CHO兼人事部長の野田さん、人事部人事管理ユニットの篠原さん、中川さん、HR部長の奥山さん、HR部 HRユニットの日高さんに伺いました。
抜本的な業務フローの改善を求めて、SmartHR導入を検討
SmartHRの導入を検討された背景を教えてください。
野田さん:上場に向けた準備が始まった2021年当時、弊社では売上の120%成長を目標に掲げていました。その実現に向けて経営や人事、コーポレートにおける課題を洗い出した結果、人事では2つの課題が見つかりました。
1つ目は、出社を伴う入社手続きです。在宅オペレーターをメインとした新たなコールセンター事業を立ち上げるにあたり、オペレーターの大規模な採用が必要になりました。その際、来社不要で入社手続きや契約更新できる仕組みを整えなければ、事業を成立させるために必要な多くの人材確保が難しいと感じていました。
2つ目は、従業員数の増加に伴い、人事の業務負担が増していたことです。採用により人員を補填することも1つですが、同時に紙の運用脱却による抜本的な業務フローの改善が必要でした。
業務効率化のために、これまでにどのようなことに取り組んできましたか?
篠原さん:当時、最も大きな課題だった紙による入社手続きの効率化を試みたことがありました。入社手続きをするオリエンテーション会場にタブレット端末を用意し、別のクラウドサービスで作成したフォームを利用して入社者に情報入力をしてもらうという施策です。
ただこの場合、用意したタブレット端末の数に対して入社者の人数が多すぎたため、どうしても待ち時間が発生してしまっていました。また、効率化の範囲が限定的で、負担軽減にはつなげられませんでした。
そのような経緯もあり、ペーパーレスを前提に従業員情報を横断的に管理できる仕組みの構築が必要だと考え、課題解決につながるシステム導入の検討を開始しました。
SmartHR導入の決め手は何でしたか?
野田さん:人事労務領域での導入実績、そして何より操作性のよさです。全従業員が利用する以上は、使いやすいUI(ユーザーインタフェース)であることが必須です。
篠原さん:従業員目線と同時に管理者目線での操作性も重視しました。各項目の設定や機能拡張もしやすいと感じたため、担当それぞれがうまく効率化を進めていけるイメージがもてました。
基幹システムと併用し、情報入力からデータ蓄積まで効率化
現在、SmartHRをどのように活用されていますか?
野田さん:もともと社内で利用していた基幹システムと併用してSmartHRを活用しています。基幹システムは、あくまで社内の情報を蓄積する場所。SmartHR導入以前は、新しい情報を登録・更新するために従業員に紙で申請してもらい、その内容をもとに人事が手入力で登録する必要があり煩雑でした。
そこで基幹システムのインターフェースとしてSmartHRを導入しました。SmartHRの画面に情報を入力すると、基幹システムに情報が蓄積される仕組みになっています。
基幹システムとの併用により、従業員情報を管理するうえでの利便性を高めているのですね。
篠原さん:基幹システムには、給与計算のもとになる情報や異動履歴をはじめ膨大なデータが蓄積されています。なおかつ他のシステムとも複雑に連携されていて、1つの変更による影響範囲が大きく柔軟に運用を変更できない課題がありました。
その点をSmartHRでカバーすることで、リアルタイムに必要な情報を更新できる運用を目指しました。
入社手続きをデジタル化し、オリエンテーションにかかる膨大な費用を削減
従業員数も多いですが、導入はスムーズでしたか?
篠原さん:はい。最初の従業員招待時こそドキドキしましたが、結果からみれば招待した既存従業員6,000人のうち個別対応が必要だったのは数名に留まり、ほっとしました。
弊社の従業員の年齢でいえば、20代から60代。一部、70歳を越えても働いてくださっている方もいるなど、さまざまです。どの方にも無理なく定着できるように、以降は段階的に機能を拡張していきました。
中川さん:これまで給与明細は別のシステムを利用していたので、まずはそこからSmartHRの給与明細へ切り替えました。その後、年末調整と並行して入退社手続きもSmartHRへ移行。新しく入社した方は最初からSmartHRを利用しています。
どの順番でSmartHRの機能を利用すべきかを、カスタマーサクセス担当の方と相談しながら進められたので助かりました。心強かったですね。
SmartHR導入後、とくにインパクトの大きかった変化を教えてください。
日高さん:入社時に実施するオリエンテーションですね。雇用形態を問わず、新しく入社される方は必ず出社しなければならなかったため、会社として支給する交通費や時給が膨れ上がっていました。
SmartHRに切り替えることで、それらをすべて削減できただけでなく、人事メンバーや庶務の稼動も最小限に抑えられ衝撃的でした。
その結果、2021年8月導入時から2023年3月末まで7,000名近い入社者が発生するなか、オリエンテーションにかかっていた費用2,000万円以上を削減できました。在宅オペレーターによるコールセンター事業の立ち上げは、SmartHRなしには実現しませんでした。
SmartHRを導入したからこそ、実現できた取り組みですね。
奥山さん:事業面でのインパクトのみならず、社内活動においてもよい変化が生まれました。
これまでは、人事部と主に有期雇用者の採用を担当するHR部が定期的にミーティングを実施してプロジェクトを進めることはあまりありませんでした。SmartHRをきっかけに、導入を終えた今でも定期的にミーティングの機会を設けています。
新たな企画として、期間の定めのない雇用区分を一緒に考えて創設するなど、横のつながりを保ちながら新しい取り組みを始められるようになりました。
SmartHRの導入を一緒に進めたことで一体感が生まれ、部門を越えた取り組みが増えたのは、当初は想定していなかった副次的な効果だと感じています。
SmartHR導入をきっかけに、社内のよりよい取り組みを推進
改めてSmartHR導入の手応えを教えてください。
野田さん:想像以上でしたね。実はSmartHRを導入して以来、毎年、費用対効果を算出して経営陣に報告していました。2年目の段階ですでに私たちの想像を超えて活用が進み、その効果も各所で数多く生まれていました。
もはや費用対効果として測れる範囲を超えている状況を副社長に伝えたところ、それ以降の測定は不要として合意がとれました。まさに社内の「インフラ」になったと感じた瞬間でした。
コールセンター事業をはじめSmartHRがないと実現しなかった事例が多数あるので、経営陣のなかでも共通認識をもてたのではないかと考えています。
最後に、今後の展望を教えてください。
篠原さん:SmartHRは人事におけるデジタル化のキーだと思っています。引き続きほかのシステムとの連携を強化し、さらなる効率化を目指していきたいですね。
野田さん:これまで「管理」に向いていた人事部の意識を、「人材戦略」へとシフトしていきたいと考えています。人的資本経営の重要性が高まるなか、蓄積してきたデータを効果的に活用して、経営に影響を与えるような施策を積極的に働きかけていきたいですね。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
▼取材当日の様子
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掲載内容は取材当時のものです。
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