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公開日:2025/06/23

「あったらいいな」が形になる。SmartHRとつくる理想の業務環境

目次

株式会社ウェルカムは、食とデザインを軸として、良質なライフスタイルを提案する事業を展開しています。食のセレクトショップ『DEAN & DELUCA』を筆頭に、国内外に約70店舗のライフスタイルショップやレストランなどを展開。約1,800名のメンバーが、多様な領域で活躍しています。

そんな同社のDX・業務改善を支えるキーパーソンの一人が、コーポレート部門執行役員の大島さんです。SmartHRリリース4年目から、サービスを積極的に活用してくださっている大島さん。今回は、SmartHR CPO(最高製品責任者) 安達との対談を通じて、7年にわたる業務改善の成果や、SmartHRへの率直な思いをお話しいただきます。

インタビュイー

大島 学

株式会社ウェルカム コーポレート部門 総務室 執行役員

2016年入社。労務管理を担当後、現在は総務・法務・労務を統括。社内管理体制の改善とともに、業務のDX化や各業務の標準化・平準化・可視化を推進している。

インタビュアー

安達 隆

株式会社SmartHR CPO

2019年にSmartHRへ入社。2020年に執行役員・VP of Product Management就任。プロダクト戦略の策定と組織作りを推進。2024年1月より現職。

「どんなに急いでも3日」が、たったの“10分”になった驚き

本日はよろしくお願いします。まず、SmartHRを導入された2018年当時、御社がどのような課題を抱えていたのかをお聞かせください。

大島さん:

労務の一番の課題は、入退社の手続きにかなりの時間をとられることでした。弊社は全国各地で店舗を運営しているので、メンバーの居住地域もバラバラ。手続き書類は、それぞれの住所に郵送する必要がありました。一人あたりの必要書類は11枚、それが社員・アルバイト含めて毎月50〜100件ほど発生していたんです。

大島さん:

私は当時、労務手続きを担当していたのですが、手作業での対応に限界を感じるようになって。「何とか効率化できないものか...…」と悩んでいたときに、偶然目についたのが、SmartHRのWeb広告だったんです。「SaaSで手続き業務が効率化できるなんて本当?」と半信半疑ながら、導入を決めました。

安達:

広告から見つけてくださったのですね。

導入してみて、どのような変化がありましたか?

大島さん:

使いはじめてすぐに効果を実感しました。それまで、入退社の手続きはどんなに急いでも3〜4日かかっていましたが、SmartHRでは、早ければ10分程度で完了するようになったんです。システムが記入ミスを防いでくれるので、差し戻しもほとんどなくなりました。手続き対応を担っていたメンバーにも、空いた時間を別業務に充ててもらうなど、労務全体の業務改善につながりました。

安達:

うれしいご感想です。

ちょうどその時期に、年末調整にもSmartHRを導入いただきましたよね。

大島さん:

そうでしたね。紙の書類を1枚ずつ確認していた頃は、膨大な作業時間がかかっていましたが、SmartHRのおかげでその負担が一気に軽くなりました。紙をめくる手間がなくなっただけでも業務効率が格段に上がるし、欲しい情報を画面上ですぐに参照できるようになったのも大きな進化です。

進化するSmartHRと、広がっていく業務改革

その後、SmartHRのサービス拡張に伴って、タレントマネジメント領域にも活用を広げていただきましたね。

大島さん:

はい。たとえば「人事評価」機能の導入でも、画期的な変化がありました。以前は、各自がエクセルで評価データを入力しており、店舗に1~2台しかない共有PCでの作業は効率も悪く、プライバシー保護の面でも課題があったんです。SmartHR導入後は、各自のスマホで評価を進められるようになり、スピードが増しただけでなく、プライバシーも守られるようになりました。

(※人事評価:評価シートの作成・配付・進捗管理・回収・集計といった一連の評価業務を効率化できる機能)

この7年で、SmartHRを活用し、さまざまな業務改革を進めてこられたと思います。社内の反響や評価はいかがですか?

大島さん:

おおむね好評だと受け止めていますが、特に喜ばれているのは、給与明細や年末調整、人事評価などがひとつのシステムに集約されたことですね。給与明細をチェックする感覚で他の情報にアクセスでき、ログインや操作に迷うこともありません。多様なメンバーや業務に対して「ストレスフリーで使える」ことがシステムにおいて重要だと思っています。

とても順調に業務改善が進んでいますね。そんな御社が今抱えている課題はどのあたりにありますか?

大島さん:

SmartHRをここまで使い込んでいる一方で、そのデータを十分に活かしきれていないことが課題ですね。すでにデータ自体はしっかりと蓄積されていて、離職率などもレポートで可視化されています。だから理想は、こうしたデータを用いて人事面での課題を明確にしたり、経営層や事業部責任者へ積極的に改善提案をしたりしたいです。

安達:

たしかに我々も、SmartHR上に集まるデータを可視化・分析する機能はご提供していますが、実際に「どう使えばいいのか?」という部分での支援は足りていない状況です。この領域は、私たちも今後さらに注力すべきだと感じています。「活用」と言ってもケースはさまざまですので、企業ごとの文脈に沿った支援ができるよう努めてまいります。

SmartHRと共に「本当に欲しいもの」に近づいていく新機能開発

御社には、長年にわたり新機能の開発にご協力いただき、試作段階から多くのフィードバックをいただいています。なぜそこまで協力してくださるのか、実は以前から気になっていました。

大島さん:

試作段階で「この機能はもっとこうしていただけると使いやすいです」と伝えると、必ず何かしらの形で応えようとしてくださるからです。結果として、弊社にもフィットするシステムが完成する。だからフィードバックする意義がありますし、一緒に開発していく感覚が楽しいなと思っています。

安達:

なるほど。いつも率直なコメントをくださるので、私たちとしてもありがたいんです。

これまで多くの新機能開発に協力いただきましたが、特に印象に残っている機能はありますか?

大島さん:

直近の話ですが、「IdP機能」が実装されたときはうれしかったです。ちょうど、メンバーが外部業務サービスに簡単にアクセスできるポータル的な仕組みを求めていたタイミングだったので。まさに「こういうのが欲しかった!」という新機能でした。

(※IdP機能:Identity Provider(アイデンティティプロバイダー)。SmartHRがユーザーの認証情報を保存、管理し、他サービスとログイン情報を連携。パスワードやアクセス端末の管理工数を削減する、情報システム領域の機能)

安達:

それはよかったです。試作段階でも多くのフィードバックをくださり、とても参考になりました。

実際に完成した「IdP機能」を導入されてみて、いかがですか?

大島さん:

とても便利で感動しています。それまでは他社ツールや必要なURLをひとつのページに張り付けて、なんとかポータル的に運用していたのですが、今年4月にそれらをすべて、SmartHRのポータルに一本化できたんです。試作段階での課題や要望をしっかり機能に反映してくださったおかげです。

安達:

お客様の本当に欲しいものを汲み取ることこそ、私たちの目指すところなので、そう言っていただけてうれしいです。

大島さん:

SmartHRのみなさんの熱意ある姿勢には、いつも感銘を受けています。私の印象では、新機能は80点ほどの完成度ではじまり、そこからユーザーの声を反映して、あっという間に120点まで引き上げていくんですよね。打ち合わせで「ここがこうだったら使える」と話していたことが、いつの間にか実装されていて、「いつ誰が聞いていたの?」と驚くほどです。

単なる要望の実現にとどまらず、潜在的な課題まで汲み取り、本当に必要な機能を提案しようとしてくださる。ユーザーの「欲しいもの」を徹底的に叶えようという気概が感じられます。利用しはじめてから毎年、何らかの機能が充実し、SmartHR全体が成熟しているのを実感しています。

業務の中に自然と溶け込む“働く人のポータル”へ

安達:

SmartHRは今年10周年を迎え、「worker-friendly」という新たなサービスビジョンを掲げました。これは、バックオフィスだけでなく、店舗のメンバー、現場のマネージャー、管理部門、そして経営層も含めて、組織で働くすべての人にとって使いやすいサービスであることを目指す姿勢を表しています。

「管理部門のためのシステム」という従来のイメージから一歩進み、「全員にとってフレンドリーなシステム」であることを大切にしたいんです。

大島さん:

まさにSmartHRにぴったりですね。どの機能も現場目線で考え抜かれているからこそ、業務の延長線上で自然に使うことができる。直感的に使えるからストレスも少ないし、本来やるべき業務に集中できるから、結果として、個々から会社全体の生産性の向上にもつながっていくはずです。

安達:

空気のように存在するというか、「SmartHRを使うぞ」と構えなくても、日々の業務に自然と溶け込んでいる。そんな存在を目指したいという思いは、私たちの中にも強くあります。道具として“手になじむ”のが理想で、マニュアルがなくても見た瞬間に使い方がわかる。そんな親しみやすさを、これからさらに追求していきたいと思います。

最後に、SmartHRが今後どんなサービスになっていくとうれしいか、ぜひご意見をお聞かせください。

大島さん:

今もっとも楽しみにしているのは、新たに搭載される「給与計算機能」です。勤怠管理と給与計算をSmartHRで一元管理できるようになれば、人事・労務としても、さまざまな業務がひとつのマスター上で完結し、理想的な形に近づくと思います。大きな業務改善にもつながると期待しています。

さらに、スマホアプリで一人ひとりが自分の情報を確認・申請できるようになれば、SmartHRを“個人の業務ポータル”としても、より強く活用できるようになるはずです。個人でも会社全体でもより良い環境で業務できるよう、私たちもヒアリングなどを通じて、すこしでも開発のお力になれればと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。

安達:

こちらこそ、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。本日はありがとうございました。

サービス10周年記念ユーザーストーリー:株式会社ウェルカム

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取材・執筆:安岡晴香
撮影:小池大介
編集:野路学(株式会社ツドイ)

執筆者

SmartHR コラム編集部

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