公開日:2025/06/23
大きな組織に、寄り添う仕組み。10万人がストレスなく働ける組織へ

目次
株式会社すかいらーくホールディングスは、ガストやバーミヤン、しゃぶ葉をはじめ、多彩なブランドを20以上展開し、国内外に合計3,000店舗以上のレストランを展開しています。従業員数は、店舗スタッフを含めると約10万人。大規模な組織を効率よく管理するため、DXを積極的に進めてきました。
今回は、その主導者の一人である人財本部の飯田さんをお招きし、SmartHR プロダクトマーケティングマネージャーの酒井と対談していただきました。
SmartHRを導入したことで、どんな成果があったのか? 飯田さんが感じている「SmartHRらしさ」とは? 率直なご意見に迫ります。

飯田 恒
株式会社すかいらーくホールディングス 人財本部 人財企画グループ 人事デジタル推進チーム リーダー
2001年すかいらーく入社。店長職を経て、2014年より本部IT部門で店舗システムの運用保守に従事。2020年からは人財本部で人事系システムを担当し、人事部門のDX化と業務効率化に取り組む。

酒井 悠作
株式会社SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー
2023年にSmartHR入社後、プロダクトマーケティングマネージャーとして人事労務領域、従業員ポータル領域の製品企画および製品マーケティングを担当。
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紙との戦いに一段落。SmartHRで業務が一変

飯田さん、本日はよろしくお願いします。まず、御社がSmartHRを導入された背景をお聞かせください。
導入したのは、2022年でした。当時抱えていた課題は、「ペーパーレス化と工数削減」です。もともと弊社では、年末調整や給与明細の発行などを、紙で運用していました。でも、10万人という従業員規模の手続きを行うのは、非常に大変で。効率よく進めるために、これらの課題を解決できるサービスを模索していました。
なるほど。数あるサービスの中で、SmartHRを選んでいただいた決め手は?
もっとも大きかったのはシステムの安定性です。複数のサービスと比較検討を重ねる中で、営業担当の方に「10万人が使っても耐えられます」と言い切ってもらえたことが、背中を押しました。また、一連のやりとりの中で、こちらの困りごとや課題に、スピーディーな回答をしてくださったのも好印象で。SmartHRへの信頼感が一気に高まりました。
そのように言っていただけてうれしいです。

実際に導入してみて、どのような手応えを感じましたか?
給与明細や源泉徴収票の発行、年末調整などの作業が、飛躍的にスピードアップしました。従来は、書類の回収や記入不備に関するやりとりに、膨大な時間が奪われていたんです。でも、SmartHRのおかげで、その時間が大幅に削減できました。従業員にとっても、管理者にとっても、画期的な変化だったと実感しています。
アンケートの回収率が14倍に! 10万人に届ける工夫とは?
その後、SmartHRの「スマートフォン向けアプリ」も、積極的に導入してくださっていますね。

はい。店舗で働くノンデスクワーカーにとっては、パソコンを開いてブラウザで操作するより、アプリのほうが断然便利なんですよね。今では、入社時にまず、アプリをインストールしてもらっています。
おかげで、インストール率もかなり高いとうかがっています。
アプリの導入を進めたことで、具体的な成果はありましたか?
何より驚いたのは、アンケートの回収率が一気に上がったことです。弊社では、パート・アルバイトの方向けに、正社員登用の希望度などキャリア意向を確認するアンケートを定期的に実施しています。しかしこれまでは、アンケート自体の認知度の低さや多忙により回答が後回しにされてしまうこともあって、最終的な回答率は5%程度にとどまっていました。

ところが、SmartHRのアプリを通したら、わずか3時間でその5%を達成し、最終的には約70%まで伸びたんです。従業員が自分のスマホで回答できるため、ハードルが下がったんだと思います。おかげで、これまで形式的にやっていたアンケート自体の信頼性もグッと高いものになりました。
素晴らしい変化ですね。
順調に導入いただいているご様子ですが、約10万人規模に浸透させるのは大変なことだと思います。何か工夫した点はありますか。

いきなり全体に呼びかけるのではなく、まずは対象者を絞り、小さくはじめて徐々に広げていったことです。そのおかげで、大きな混乱をきたすことはありませんでした。
もちろん、慣れないことをお願いする以上、ネガティヴな反応も少なからずあると覚悟していました。でも意外なことに、後ろ向きな意見や、サービスの使い勝手に関するクレームはほとんど来ていないんです。みなさん、便利になることを歓迎してくれたのだと思います。
新機能の開発に協力。「そのまま反映できなくても、真摯に応えてくれる」
御社には、2025年3月にリリースした「メッセージ機能」について、開発段階で貴重なご意見をいただきました。感謝しております。
(※メッセージ機能:人事・労務担当者などの管理部門と従業員がSmartHR上で、直接連絡できる機能)
こちらこそありがとうございました。ドラフト版を実際に試して、細かなフィードバックをお伝えしたところ、すばやく改修していただくなど丁寧に対応していただき、信頼感がいっそう高まりました。
もちろんSmartHRはさまざまな企業が使うSaaSのサービスなので、私たちの声をそのまま仕様に反映いただけるわけではありません。ですが、全体を考えたときにそのままの反映が難しい場合には必ず代替案を提示してくださったり、最適な落とし所を一緒に探ってくださいました。おかげで「メッセージ機能」は、弊社の運用にもぴったりの仕様となり、すでに管理業務に欠かせない存在になっています。

そう言っていただけてうれしい限りです!具体的には、どのように活用されていますか?
弊社には、「土日だけ」「夜間だけ」といったシフトで働く従業員も多いんです。そのため、平日の日中に管理部門から直接連絡をとるのが難しく、コミュニケーションが上手くとれないという課題がありました。対象者が所属している店舗マネージャーに伝言を頼むこともあったのですが、その場合、個人的な内容までマネージャーの耳に入ってしまうことになります。

プライベートのお話だと、互いに気まずい思いをしそうですね。
そうなんです。ですが、「メッセージ機能」が新たに実装されたことで、個人と本部が直接つながってクローズドにやりとりができるようになり、そういった課題が一気に解決しました。従業員から気軽にメッセージを送ってもらうこともできるので、コミュニケーションのテンポが上がりましたね。
よかったです。今後も新機能の開発を進めてまいりますので、引き続きご意見をいただけるとうれしいです。全体としての体験を考える必要があるので、できること・できないことの線引きはありますが、「お客様ファースト」の姿勢で、共に最善のサービスをつくりたいと思っています。

“本当に欲しいもの”を、いつも一緒に探し出してくれるから
SmartHRさんは、要望をそのまま表面的に実現するだけでなく、潜在的な困りごとを吸い上げて、課題を掘り下げてくれる。そして、「本当に欲しいもの」を提案し、形にしてくれるんです。

ありがたいお言葉です。
しかも、弊社“だけ”が喜ぶ部分最適のシステムをつくるのではなく、他社にも役立つ全体最適を常に意識されている。その姿勢は、どのご担当者にお会いしても一貫しています。
私たちは、立場や職種を問わず、どんな立場の従業員にもストレスなく使ってもらえるシステムを目指しています。そのため、どの担当者も、同じ思いなんです。

なるほど。「誰もがストレスなく」という点で、御社と弊社は、姿勢がリンクしているかもしれません。弊社は従業員が約10万人いるので、不明瞭な指示を出してしまったら、大量の問い合わせが本部に来てしまいます。1%から連絡が来たとしても、1千人規模ですから一大事です。そんな混乱を避けるためにも、従業員の意見をいかに汲み取るか、いかに快適に、自分らしく働いていただけるかを重視しているんです。
これからも、SmartHRさんと同じ方向を見据えながら、従業員にやさしいシステムを実現できたらうれしいです。
今後もお力添えできれば幸いです。そんな御社が今目指している姿、将来的な組織像があればおうかがいしたいです。
これまで弊社は、本部主導の色合いが濃い組織でした。でも最近は、店舗責任者、さらには現場で働くスタッフがもっと主体的にいきいきと活躍できる組織を目指しています。SmartHRのおかげで、一人ひとりとコミュニケーションをとり、密に向き合える環境が整ってきています。とはいえ、まだ使いこなせていない機能も多いはずなので、従業員のニーズやタイミングを踏まえながら、今後も取り入れていきたいです。
ありがとうございます。

最後になりますが、SmartHRは、今年で10周年を迎えました。今後SmartHRがどんなサービスになったらうれしいか、忌憚なきご意見をお聞かせください。
今後もさまざまな機能を増やしていくことは大いに期待していますが、現在の機能を安定して維持いただけることが何よりうれしいです。そして今後も、企業の管理部門や従業員の双方が“どうしたら一番使いやすいのか”を、一緒に考えていただければと思います。SmartHRは、顧客に真摯な姿勢で向き合ってくれる、エネルギッシュな会社です。そんな「SmartHRらしさ」を、これからも大切にしてください。
お褒めの言葉に、身が引き締まる思いです。本日は、貴重なお話をありがとうございました。


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2025年、SmartHRはサービス提供開始10周年を迎えることができました。
特設サイトでは、ユーザーのみなさまとSmartHRが10年の中でともに変化してきた歩みをたどった対談記事、サービス成長の軌跡、これからの“働く“を考えるヒントを探す有識者インタビュー、SmartHR代表の芹澤雅人による次の10年に向けたメッセージなど、さまざまなコンテンツを掲載しています。
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取材・執筆:安岡晴香
写真:小池大介
編集:野路学(株式会社ツドイ)
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