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サーベイ結果を人事戦略へ積極活用。従業員を主役に考えた、選ばれる組織づくり

株式会社ツマミナ 取締役 大和さん
(取締役の大和さん)
  • 課題
    店舗拡大の結果、従業員数600名以上に増えたことによる煩雑な入社手続き
    従業員情報の所在がバラバラで、人事マスターデータがなかった
    新業態で働く従業員のエンゲージメントが見えなかった
  • 解決策
    SmartHR導入でペーパーレス化し、各種手続き業務の効率化
    店舗と連携し、従業員情報をSmartHRに入力するフローを確立
    「従業員サーベイ」で従業員の本音を可視化
  • 効果
    新規出店時の限られた時間内に、従業員の十分なトレーニングが可能に
    従業員情報の一覧性が向上し、社内コミュニケーションにも活用
    サーベイ結果が採用計画、組織戦略の一助に

株式会社ツマミナは、福岡市内を中心に20店舗超の多種多様な飲食店を展開しています。

企業の成長にあわせて店舗数が増え、新たな業態にも挑戦するうえで欠かせなかった、人事・労務業務の効率化。“従業員が楽しく働くために何かできるか?”を第一に考える、取締役の大和さんにSmartHR導入による効果を伺いました。

業務効率化で実現する、スムーズな新規出店

SmartHR導入前に抱えていた課題、導入背景をうかがえますか?

大和さん:約7年前から当社の出店ペースが急拡大しました。所感としては5、6店舗ほどだったのが、現在は20店舗に拡大しています。加えて当社が展開する店舗は、100席以上の店舗が多いんです。新規出店時は、1店舗あたりアルバイトの方を30名以上採用します。そのため、100名弱だった従業員数が現在では600名以上と急増し、さまざまなフローが煩雑になっていました。

入社手続き・雇用契約従業員データベースの管理であったり、人事の専門知識をもつスタッフがいなかったり、人事・労務領域のフレームワークがなかったんです。

そのような状況下で、「SmartHRであれば人事担当者1人分の役割を担ってくれるのでは?」という思いがあったんです。SmartHRを起点に人事業務のワークフローができて、フレームワークがつくれればという考えでした。実際に導入した結果、考えていたとおりに活躍しています。

新規出店時はアルバイト従業員の採用だけではなく、物件の選定、内装デザイン、メニュー開発など、多種多様な業務があると思います。時間と人員が限られるなかで、入社手続き・雇用契約はスムーズに進めたいところですよね。

大和さん:おっしゃるとおりです。工事完了後の引き渡しから可能な限り早く開店したい事情があるなかで、採用後のワークフローが効率化されると、従業員のトレーニング期間が十分に取れた状態で開店を迎えられます。

(都ホテルに構える「博多 魚蔵」)

従業員データベースが、楽しく働く工夫にも一役

SmartHR導入で従業員データベースが構築できたと伺いました。導入前と比べて、嬉しい効果はありましたか?

大和さん:導入前の給与計算時は、さまざまなシステム、社労士さんを介していました。店舗に導入している売り上げ・勤怠管理システムから社労士さん側の給与計算ソフトへ情報を取り込み、さらに本社にあるシステムに連携といった形です。そのため人事のマスターデータが存在しない状態でした。

現在は従業員情報を店舗側のシステムとSmartHRを連携して登録するというワークフローで運用しており、社員番号が整理され、情報集約された従業員データベースが構築できています。給与計算は外部連携サービスを活用し、SmartHRとほかシステムを連携しています。

従業員データベースの副次的な効果としては、他店舗でのヘルプ勤務の際、事前にそこで働く従業員について知られる点ですね。はじめて1日一緒に働く仲間について役職や顔写真、一言PRを事前に確認できると、「あの店舗で働く方はこんな人たちなんだ」と把握でき、心理的負担が軽減された状態で働けます。新入社員のオリエンテーション時は、組織図を活用して説明もしています。

(組織図の画面イメージ)

また、従業員が600人以上いる当社では、毎日1、2人誕生日の従業員がいます。お祝いのメッセージを社内SNSで発信したり、社内新聞に掲載したりしています。情報の一覧性向上により、そういった従業員が楽しく働くための工夫がスムーズにできるようになったのは、従業員データベースの嬉しい点ですね。

多忙な人事・労務業務。先回りしたサポート体制

導入後のサポート体制はいかがでしょうか?

大和さん:SmartHRスクールヘルプセンターといったサポートコンテンツの充実が嬉しいですね。

また、カスタマーサクセス担当者の方に先回りしてサポートいただく場面も多くありました。いろいろな業務があるなかで、年末調整はどうしてもあと回しにしてしまうのですが、おさえるべきポイントをちょうどいいタイミングで連絡してもらいました。ほかにも、ヘルプページを見れば解決する疑問点にもかかわらず、打ち合わせ時にまとめて質問させてもらい、快く解決方法を提示いただくフローがたいへん助かりましたね。

従業員からの問い合わせも「ログインするパスワードを忘れてしまった」くらいで、年末調整も本当にスムーズに完了しました。給与振込口座をアルバイトの方自身で登録できるので、管理側である店長の負担が減ったという声もありました。

サーベイ結果をもとに、最適化された採用活動

従業員サーベイ実施によって、どのような結果が見えてきましたか?

大和さん:従業員サーベイ実施によって、組織として及んでいない点が見えてきました。当社ではコロナ禍をきっかけに、今までは夜営業だけだったお店でランチをはじめたり、お酒だけではなく“食事”そのものを重視した店舗だったり、さまざまな業態の飲食店を展開しはじめたんです。

新しい業態がはじまることで、「ストレスを受ける人・受けない人」「モチベーションが続く人・続かない人」というのが、「エンゲージメントサーベイ*」を通じて顕著に見えました。「接客を通じたお客さまとのコミュニケーションがやりがいの人」「集中して効率的に作業を進めるのが好きな人」など、いろいろな価値観をもった従業員がいるとわかったんです。

その結果、どの業態でも同じ採用活動ではなく、業態に合わせた採用計画が重要だと、以前から考えていた仮説の確信にいたりました。採用ページに掲載するキャッチコピーや写真を業態ごとに最適化するなど、従業員サーベイの結果を採用計画にも役立てています。

それらの採用活動を経た入社後に「新入社員入社1ヶ月後サーベイ*」「エンゲージメントサーベイ」を実施し、採用施策の効果を把握しています。店舗数や従業員数、店舗業態が増え、企業フェーズが変わっていくなかで、従業員が何を感じて、何を思っているのかが、数値化して確認できるのは人材戦略に役立っていますね。

*従業員サーベイであらかじめ用意されている、導入時からすぐに利用可能なサーベイ機能

業務を自分ごと化できる、クラウドサービス

SmartHRというシステム一つで、従業員データベースと連携してサーベイ発信できる点はいかがでしょうか?

大和さん:SmartHRを契約して利用しているのでもちろん自社システムではないのですが、どこか自分たちのシステムのように自発的に推進できていて、やらされている感覚がないんです。従業員サーベイなども自分ごと化できて、自分たちのペースで定点観測ができ、業務のルーティンに組み込めていて。自社に合わせたカスタムのしやすさや、シンプルかつ有機的なデザインが理由かもしれません。

従業員からすると、毎月かならず給与明細を見にいく場所というイメージがあり、わざわざ利用するという煩わしさがないからかもしれませんね。管理者、従業員ともに、自分たちのシステムとして利用できています

(給与明細機能の画面イメージ)

“従業員のためにできること”が見つかる従業員サーベイ

サーベイ結果のわかりやすさ、結果に対する反応はいかがでしょうか?

大和さん:表やグラフで可視化されるので、戦略会議の資料として非常にわかりやすく、使いやすいです。業態・店舗ごとのサーベイ結果が表やグラフ、色分けで明示されると、それぞれの違いが伝わりやすく、店長やマネージャーからも「この結果をクロスしてみたい」「推移を見てみたい」と高い興味関心を得られました。

(サーベイ結果の「クロス集計」画面イメージ。あらかじめ設定した値より結果が悪い場合は赤く、よい場合は青く表示されます)

サーベイ結果は事業戦略にも役立っていますでしょうか?

大和さん:どちらが先かはわかりませんが、売り上げが不調な店舗ではサーベイ結果も悪く出ていたんです。そこで私たちとしては、「マネージャーや店長からのケアが足りていないのでは?」という仮説を立てました。正社員やアルバイトの方へのポジティブなコミュニケーションや動機づけによって、店舗の雰囲気は変えられるのではないかと考えたんです。

(「チャレンジ」や「笑顔」「感謝」など、複数種あるiCard)

そういった仮説検証を経て、人が大好きな人たちが集まっている飲食業だからこそ、まずは従業員同士のコミュニケーションが大事だとあらためて認識できました。従業員同士、カジュアルに感謝を伝える機会が増えるように「iCard(イカード)を贈り合う」という試みをはじめました。当社の経営理念体系が「IKA(Integral Keys to Ascension)」なので、イカを模したカードになっており、企業規模が大きくなっても遊び心やユニークさを忘れずにいたいという思いが込められています。

「従業員に喜んでもらうには?」「自分たちの強みとは?」を見直すためのツールとして、従業員サーベイは非常に有効でした。

従業員同士のコミュニケーションが活発になり、楽しそうに働く従業員の方を見たら、食事をしているお客さまにもポジティブな雰囲気が伝わりますね。

大和さん:おっしゃるとおりです。飲食業に勤める人たちは、人に喜んでもらうのが好きなんです。お客さま、従業員に限らず、人とのコミュニケーションが生まれれば、それがモチベーションにつながり、組織力や生産性も上がっていくと信じています。

人から選ばれる企業になる、目標達成を支えるSmartHR

SmartHR導入により、人事・労務業務の効率化、さらには従業員サーベイによる組織状態の可視化・改善ができている印象を受けました。

大和さん:実際に導入してみて、SmartHRは人事・労務専門システムではなく、組織づくりに軸足を置いた人事戦略システムだと実感しています。私自身、人事部長でありつつ、取締役として経営全体を考えていく立場です。その視点からすると、人事・労務領域だけにとどまらず、企業フェーズに応じた適切な組織づくりを支える機能群はとても重宝しています。

システム検討時、導入目的が人事・労務領域の効率化よりも先を見据えたものでした。ほかの人事・労務系システムと比較・検討していましたが、実際に利用してみてSmartHRはその目的を叶えられるシステムだとあらためて強く実感しています。

ありがとうございます。貴社の成長フェーズに適した機能とサービスが提供できており、非常に嬉しく思います。そうしましたら、先ほどのiCardや従業員の誕生日をお祝いするといった素晴らしい取り組みのなかで、今後はどのような組織にしていきたいと考えますか?

大和さん:今までは福岡市内、居酒屋といった範囲でしたが、今後はさらに広いフィールドに挑戦していきますので、成長していくフェーズごとに人から選ばれる企業でありたいですね。お客さまにはもちろん、従業員の心にささる、満足できる価値をつくり続けていき、その結果いろいろな人に選ばれる企業でありたいと考えています。

(2022年4月にオープンした「カルビ焼肉重 ミツボシ ららぽーと福岡店」。フードコートという業態へチャレンジした新店舗)

そのためにまずは従業員がいかに楽しく働けるかを考え、実践していきます。それぞれの店舗、業態に愛着をもってもらい、ストレスなく、適したスタイルで働いてもらいたいです。

まさに現在、従業員の皆さんのためにいろいろと取り組んでいる姿勢こそ、人から選ばれる企業として大切なことと感じました。貴重なお話、ありがとうございました。