年間170万円を削減。「即行動」の企業文化を支える少数精鋭のバックオフィス
課題
- 紙の運用による検索性の低さや、情報の一元管理が課題だった
- 社会保険関連業務も、従業員本人の手書きの手間や社労士側での転記ミス、書類郵送などの負担が発生していた
解決策
- 社会保険手続きをスピーディに進めるために、手続きの効率化が不可欠
効果
- これまでアウトソーシングしていた手続きを内製化することで、年間で約170万円削減
- 入社手続きの業務効率化が改善され、手続きが入社当日に完了するように
- 効率化により空いた時間で2020年4月より新しい評価制度をトライアル導入
自社オリジナルの化粧品や雑貨などの企画・製造開発、および化粧品・雑貨・食品・衣料品などの卸販売を手がける株式会社サン・スマイル。
人事労務業務の効率化に向けて、2019年4月にSmartHRを導入。行動指針の1つである「即行動」を合言葉に、業務スピードを重視する同社がSmartHR導入によって得られた効果とは?
導入後の変化について、人事総務部 今村さんにお話を伺いました。
紙の運用により検索性や情報の一元管理が課題だった
SmartHR導入の背景を教えてください。
今村さん:前職時代に、私が人事関連のサービスを提供している企業が集まるイベントに参加した際にSmartHRの評判を知り、いつか使ってみたいと思ったのがきっかけです。
その後、人事としてサン・スマイルへ入社することになり、当時は労務手続きをすべて紙で実施していたため、効率化を見据えて社長に導入を提案したのが経緯です。
すべてが紙だったという導入以前には、どんな課題がありましたか?
今村さん:検索性や情報の一元管理が課題でした。従業員の入社書類や異動届はすべて大きなファイルに入れて入社順に管理していたため、誰がいつ入社したのか、必要な書類が提出されているのかなど、すぐに判断できない場面が多くありました。
また、社会保険関連業務を社労士事務所へ依頼しており、入社者から必要書類を集めて毎回スキャンデータで送っていました。従業員本人の手書きの手間や社労士側での転記ミス、書類郵送などの負担が発生していたため、手続きをスピーディに進めるうえでは効率化が不可欠でした。
年間約170万円削減。入社・年末調整手続きが効率化
今村さんが社長にSmartHRの導入を提案されたとのことでしたが、どのように社内で決裁をとったのでしょうか?
今村さん:アウトソーシングにかかっていた費用を算出した上で、導入後のコスト比較と工数の削減効果をプレゼンしました。投資対効果が見合うようであればサービスの導入には前向きな社風ですので、役員会議を経てスムーズに導入に至りました。
導入後、期待していた効果は得られましたか?
今村さん:これまでアウトソーシングしていた手続きをSmartHRを使って内製化することにより、年間で約170万円削減できました。社会保険の加入や離職票の発行など、手続きごとに発生していた申請代行費用が不要になりました。
業務効率化の面では、入社手続きが改善されています。入社に必要な情報を事前に回収できるようになり、手続きが入社当日に完了するようになったんです。最新データをすぐに検索できるので、書類をファイルの中から探し出す手間がなくなり助かっています。
以前までと違い、社労士事務所宛に大量の書類をスキャンして送らなくてよくなったのも嬉しい点ですね。
お気に入りの機能はありますか?
今村さん:年末調整機能がとても充実していると感じます。今までは大量の申請用紙を全国にいるメンバーから収集していたので、進捗管理も郵送手続きも本当に大変でした。
SmartHRの導入後は、社員の皆さんへの周知から手続き完了まで2週間程度で完結するようになったので、手続きプロセスも労力も大幅に削減できました。
扶養追加による保険証発行期間が短縮。従業員からも喜びの声
SmartHRの導入後、従業員の皆さまから反響はありましたか?
今村さん:入社時や家族が増えた際の保険証の発行手続きが早いと喜ばれていますね。以前までは、手続きが必要な際にメールや手書きの申請用紙をもらい対応していたので時間がかかっていました。
導入以降は、申請が届いてから保険証を渡すまでの時間が短縮できており、以前まで3週間かかっていたのが、現在は約1週間になりました。従業員による扶養追加の手続きがスムーズで私自身も驚いています。
それは嬉しい変化ですね。従業員の皆さまからの労務手続きに関する問い合わせ数や内容に変化はありましたか?
今村さん:導入初期から従業員からの問い合わせはほぼありませんでした。それくらいSmartHRが従業員に浸透するのが早かったと思っています。導入以降を振り返ってみても、年末調整や扶養追加時の操作に関する質問が数回あった程度です。
現在、人事総務部は私を含めて2名ですが、労務手続きに限らず幅広い業務ができているのはSmartHRのおかげだと思って感謝しています。
労務業務の効率化により、人事評価など新たな取り組みにも着手
幅広い業務を担当されているとのことですが、今村さんが担当している各業務の割合を教えてください。
今村さん:月によって採用の割合が大きくなることもありますが、平均では採用が4割、労務が2割、総務が2割、その他の調整業務・社長直下のプロジェクトで2割といったイメージでしょうか。
効率化によって生まれた時間で、新たに取り組めたことはありますか?
今村さん:2020年4月より、MBO評価とよばれる評価制度を全社でトライアル導入しています。
MBO評価では、たとえば売上というわかりやすい指標のある営業以外の職種であっても、自分が立てた目標をもとに達成度を数値化できるため、評価が明確になり従業員自身の納得感も高まっていく運用にしていく予定です。
MBO評価の運用も今村さんが担当されているのですか?
今村さん:もとになった評価シートの作成は経営企画室長が主導で作成し、その後のデータ集計や評価者である部長へのフィードバックを私が担当しています。
会社の目指す方向性と連動させて、従業員の皆さんがより活躍できる評価制度をつくっていきたいですね。
従業員と組織のさらなる成長に貢献する
最後に、今後実現していきたいことを教えてください。
今村さん:私たち人事総務部にとってのカスタマーは従業員であり採用候補者の方々です。そういった方々に対してどう貢献できるのかは常に考えています。
直近では、従業員の皆さんが本業に専念できるよう、いかに労務手続きを簡潔にできるかが重要だと思っています。
中長期的には、これまでに蓄積してきた従業員情報を活かして、採用計画や人材開発など貢献できる範囲をさらに広げていきたいですね。
従業員に向き合い、幅広い領域で組織に貢献されている姿に感激しました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。