経営理念を人事から体現。入社手続きの刷新で社員体験を向上
主な活用機能・サービス
課題
- 煩雑な業務が新入社員の入社体験の棄損、エンゲージメント低下につながる危険性があった
- 入社手続きが一気通貫で完結するサービスを探していた
解決策
- 入社手続き業務をSmartHRに集約
効果
- スムーズな入社手続きが実現し、新入社員から手続きが簡単だったと驚きの声
- 人事労務担当者の作業時間を1/4にまで削減。オンボーディングの構築・運用など本来集中したかった業務に注力
株式会社丸井グループと株式会社グッドパッチの合弁会社として、2022年4月に設立した株式会社Muture(以下Muture)。小売やフィンテックなどの領域における株式会社丸井グループのDX戦略に伴走し、戦略立案・UI/UXデザイン・開発の支援をしています。
同社は、新入社員の入社体験向上を目的にSmartHRを導入。複数のツールで進めていた入社手続きをSmartHRに集約しました。入社体験の向上と人事労務担当者のリソース創出を進めた背景について、執行役員の田邊さんにお話を伺いました。
「すみません…」ではじまる問い合わせをなくしたい
田邊さんの業務内容を教えてください。
田邊さん:会社の設立以来、執行役員としてEmpower OrganizationとPeople Experienceの2つの領域で責任者をしています。どちらの領域もMutureが掲げる「相利共生の未来を実現する」の夢に向け、メンバーの体験向上を推進しています。
具体的にEmpower Organizationの領域は、人事労務や法務、情報システムなどのバックオフィスにおける管理・運用・企画。People Experienceは、メンバーがあらゆる関係性において信頼関係を構築し、最もバリューを発揮できる状態をデザインすべく、オンボーディングやコミュニケーション創発策、全社ミーティングの企画・運営など、社員体験の強化に取り組んでいます。
人事労務業務においては、入社手続きから日々の給与計算、給与支払い、労務管理、年末調整の手配、36協定の締結などのルーチン業務はもちろんのこと、Mutureの行動指針である「均衡・包摂・循環」を体現した社内制度の提案・実行や、制度がしっかりと運用されるための浸透活動なども実行しています。
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
田邊さん:私自身が人事労務未経験だったこともあり、いざ業務を進めると「こんなにやることがあるのか」とびっくりしました。当初は、入社手続きを大きく3つの作業に分けていました。雇用契約と各種誓約書(秘密保持誓約書・個人情報取り扱い同意書など)は、ドキュメントを用意して電子契約サービスで締結。勤務経路や給与口座振込情報、緊急連絡先などの人事情報は、新入社員ごとにスプレッドシートに記入してもらい、年金手帳や雇用保険被保険者証などの画像はストレージサービスに格納してもらっていました。
3人目の新入社員が入社したタイミングで「このままの運用ではいつかミスが起きる」と危機感を覚えました。これはさきほど説明したPeople Experience(社員体験)向上の考えと密接に関係します。社員体験において入社前に目指す状態は「会社と新入社員間の情報の非対称性が解消され、安心して入社できること」だと考えています。手続きの不備によって新入社員に余計な心配をかけてしまうことが、入社体験の棄損、そのさきのエンゲージメント低下につながると考えました。
具体的にどのような点が入社体験を損ねていると感じましたか?
田邊さん:さきほど説明した入社手続きの煩雑なフローによって質問のラリーが発生してしまう点です。「この書類がありません」「ここってどうやって書けばいいですか?」「ストレージサービスにアクセスできないんです……」のような問い合わせをさせてしまう。この時の「すみません」という言葉から、新入社員の入社体験を損ねていると感じていました。
人事労務担当者からすると、電子契約サービス、スプレッドシート、ストレージサービスと3つの経路で手続きを進めなければならないため、その分準備や進捗確認に工数がかかります。新入社員にスプレッドシートへ直接記入してもらうがゆえに表記の揺れが起こり、「すみません。ここはこうやって書いてもらえませんか?」と修正依頼も度々発生していました。
こうした状況を改善し、入社体験を向上させるために、入社手続きが一気通貫で完結するサービスの導入検討をはじめました。
人事労務未経験の私が使いやすければ、新入社員も使いやすい
複数のサービスを比較検討するなか、SmartHRを導入した決め手は何でしたか?
田邊さん:私自身が人事労務業務の経験が少ないこともあり、ユーザーフレンドリーかどうかを非常に重視しました。経験の少ない私が使いやすいサービスは、新入社員も使いやすいことを意味します。
操作性を確かめるために、無料トライアルで実際にSmartHRを試してみましたが、すぐに使いやすいサービスだと感じました。つぎに何をしなければいけないかが明確で、「なぜこのボタンを押すんだろう?」という迷いが生じませんでした。これだけ簡単で使いやすければ、新入社員もストレスなく活用できると確信しました。ヘルプページやSmartHRスクールなどのサポートコンテンツも充実しており、すぐに運用に乗せられるという安心感もありました。
また、SmartHRの会社としての考え方に親和性を感じたことも導入の大きな決め手です。SmartHRのトライアル画面や資料からは、すべての働く人の体験を向上させたいという想いを感じました。この想いはMutureの考え方とリンクし、「この人たちと働きたい」に近い感覚を得たことを今でも覚えています。
SmartHRの導入により、入社手続きはどのように変化しましたか?
田邊さん:電子契約サービスによる雇用契約と各種誓約書の締結。スプレッドシートとストレージサービスで対応していた人事情報の収集。加えて、社労士の先生との情報共有のすべてをSmartHRで完結できるようになりました。
SmartHRの入社手続きは、何を記入・提出すればよいかが明確なため、新入社員からの「すみません……」ではじまる問い合わせがなくなりました。「手続きがすぐに終わったのびっくりしました!」という声も入社初日にいただいています。
これまでかかっていた入社手続きの作業時間も1/4にまで削減でき、創出した時間をオンボーディングの構築・運用や本来入社体験構築において注力したかった業務に充てられるようになりました。
入社手続き以外の場面でもSmartHRを活用いただいていると伺いました。
田邊さん:半期に1度の人事評価終了後、評価更新の内容が記載された書類を文書配付機能でメンバーに配付しています。1度書類のテンプレートを作ってしまえば、あとはメンバーごとに手続きを進めるだけなので、非常に便利です。
また、SmartHRのユーザーコミュニティ「PARK」で紹介いただいた活用事例からヒントを得て、申請・承認機能の活用もはじめました。これまでは、各機能で何ができるかは知っていたものの、具体的な運用にどう落とし込めばよいかピンときていませんでした。「PARK」を通してユーザーさんの具体的な活用方法を知れたことで「私も効率化できるかもしれない」と思い、直近では「健康診断を受けてね」というアナウンスと結果の提出を申請・承認機能で運用しています。
できることは何でもやっていきたい
今後を見据えて気になる機能はありますか?
田邊さん:Mutureのメンバーは非常に多様な経験を積んでいることから、スキル管理に興味をもっています。メンバーが10人以内であれば、わざわざドキュメントにまとめなくても「あの人はこれが得意で、こういう時に頼ろう」みたいなものが各メンバーの頭に入っています。しかし、メンバーが増えるにつれて、誰がどのような強みをもっているかの理解が、各メンバーの脳内データベースに属人化されてしまい、メンバーの強みを十分に活かせる環境でなくなってきています。スキル管理機能を活用することで、メンバーの強みを可視化し、相互に活かす機会を生めないかと考えています。
今後取り組みたいことを教えてください。
田邊さん:一貫してお伝えさせていただいたように、人事労務はPeople Experienceの一部だと考えています。入社体験を向上させるべくSmartHRを導入したように、管理するではなく、メンバーに対して価値を提供していきたいです。
People Experienceは守りの取り組みではなく、攻めの経営アジェンダだと考えています。自社の取り組みを通して、社員一人ひとりの力を最大化することがビジネス拡大にもつながることを証明できればと考えています。
素敵なお話をありがとうございました。Mutureさまの掲げる夢の実現に向けて、引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。
※
掲載内容は取材当時のものです。
主な活用機能・サービス