決め手はトライアルで見えた理想の姿。老舗和菓子メーカーの決断
課題
- 学生アルバイトや主婦のパートの方が多く働いているため、入退社の事務作業が多く長年の課題になっていた
- 年々、人事労務にまつわる作業負担が大きくなり、本来取り組むべき全社的な施策や仕組みづくりに時間を割けなかった
- 紙を基本とした労務業務に費やしている時間を算出したところ、総務課の合計の年間作業時間は1,000時間だった
解決策
- 全社的な施策に取り組むための時間創出が必要
- マイナンバーの管理も含めた一元管理による効率化が不可欠
- 膨大な作業時間の短縮に向けて、システムを導入
効果
- 入社手続きは5日→1日、更新の雇用契約締結は3週間→1週間、年末調整は3週間→10日程度まで削減
- 書類を各店舗へ送る必要がないため、工数削減はもちろんセキュリティの面でも安心できる
- 生まれた時間で全社的な取り組みを加速
株式会社向新は、1892年に創業。大阪を中心に直営店20店舗を展開する老舗の和菓子メーカーです。
同社の総務課は少数精鋭でバックオフィス全般の役割を分担するなか、年々負担が大きくなる紙による人事労務手続きの煩雑さに課題を感じてSmartHRを導入。
その決め手と導入後の変化について、総務課の責任者である 総務課 課長の岸本さん、同じく総務課の住野さんにお話を伺いました。
全社的な施策に取り組むための時間創出が課題
SmartHR導入以前の人事労務上の課題を教えてください。
岸本さん:弊社では学生のアルバイトや主婦のパートの方が多く働いているため、入退社の事務作業が多く長年の課題になっていました。
以前までは、入社手続き・給与明細・年末調整など、すべてを紙書類で作成しており、マイナンバーの管理も含めた一元管理による効率化が不可欠だと考えていました。
導入の優先度が高まった背景を教えてください。
岸本さん:年々、人事労務にまつわる作業負担が大きくなり、本来取り組むべき全社的な施策や仕組みづくりに時間を割けなかったことが背景にありました。
書類の作成・郵送・確認・保管といった、紙を基本とした労務業務に費やしている時間を算出したところ、各部署のリーダー陣の合計で年間300時間、私たち総務課の合計の年間作業時間は1,000時間という結果が出ました。
この膨大な作業時間の短縮に向けて、システム導入を決断しました。
導入の決め手はなんですか?
岸本さん:トライアルでの体験が決め手になりました。営業の担当者さんが実際の画面をとおしてプレゼンしてくださり、初期設定を一緒になって丁寧に進めていただけたことに感激しました。
一般的な「基本的な説明+補足」で終わっていたら、おそらく導入まで進んでいなかったはずです。
雇用契約をはじめ、入社手続きにいたるまで、実際に使用する項目や機能の使用感をあらかじめ確認できたのが良かったですね。
実はSmartHR以外にもう一社、先に情報収集を進めていた他社サービスもありましたが、機能・デザイン・サポート、そして導入後の運用イメージが湧いたことでSmartHRを選びました。
多店舗ならではの導入効果を実感。セキュリティ面でも安心感
導入後の変化について教えてください。
岸本さん:定量的な効果として、
- 入社手続き:5日→1日
- 更新の雇用契約締結:3週間→1週間(大半の人は即日完了)
- 年末調整:3週間→10日程度
などの変化がありました。弊社のように多店舗展開をしている会社では、書類を各店舗へ送るだけでも大きな工数が必要になります。SmartHRを使えば実物の契約書を送らなくて済むため、工数削減はもちろんセキュリティの面でも安心できますね。
住野さん:導入以前までは、ドットインパクトプリンタと連続用紙を使用して給与明細を印刷していました。従業員1人分ずつ控えと分けて店舗ごとに送付していたため、給与確定後、印刷して店舗に届くまでには最低でも3〜4日はかかっていました。
出勤日数が少ないアルバイト従業員の場合、本人の手元に明細が届いたころには給与の支給後何日も経っていることもありましたね。
給与明細機能の導入後は、出勤しているか否かにかかわらず本人に直接データで送れるため、給与確定日の翌日には全従業員に届けられるようになりました。担当者としても従業員としても嬉しい変化ですね。
導入後は従業員から喜びの報告が多数。全社のペーパーレス意識も向上
従業員の年齢層が幅広いと伺いました。導入はスムーズに進みましたか?
岸本さん:はい。導入する機能を5段階に分けて進行したのが功を奏しましたね。具体的には、給与明細→雇用契約の更新→入社手続き→年末調整→電子申請の順番です。
なぜその順番にされたのでしょうか?
岸本さん:管理者として利用する私たち総務課の作業軽減よりも先に、まずは従業員の方々がすぐに利便性を感じやすい機能を優先しました。
本来の業務以外の労務手続きで従業員の時間を奪うのは本意ではありませんので、より導入効果を実感しやすい機能から順に導入を進めていきました。
SmartHRの使い方を学ぶうえで、役立ったものはありましたか?
岸本さん:「SmartHRスクール」で全体の流れを把握し、作業する場面で迷う点が出てくれば「ヘルプセンター」を参照しました。
住野さん:私もヘルプセンターをよく見ています。作業していてわからない点や忘れてしまった点など、機能ごとに細かく分類されているので知りたい内容が探しやすくて便利ですね。
作業を続けていて新たに生まれた疑問が、記事下の「関連コンテンツ」や「関連記事」として表示されていることも多く、ありがたく感じています。
導入後、従業員の皆さんから反響はありましたか?
岸本さん:従業員のなかには、家族や知人に対して「うちの会社、こんなにイケてるシステムを入れたで!」と自慢してくれた方がいて嬉しくなりましたね。「SmartHRのCMよく見るわ!」という声もよく聞くようになりました。この「イケてる」は導入する際に私も大切にしていた考え方です。
導入をきっかけに、全社的なペーパーレスへの意識も高まっているように感じています。この先のさらなる変化も楽しみですね。
効率化で生まれた時間を全社的な課題解決の時間に
今後、取り組んでいきたいことを教えてください。
岸本さん:導入により、採用面接や応募者とのやり取りなど、心を通わせて会話する必要のある業務に時間をさけるようになりました。今後は採用の強化はもちろん、人事労務分野に限らず、全社的な課題解決のために時間を使いたいと考えています。
最後に、SmartHRを検討している企業のご担当者さまへメッセージがあればお聞かせください。
岸本さん:弊社のように比較的年齢層の高い従業員の方々が働いてくださっている企業の場合、「うちでも使えるかな?」と悩まれるご担当者さまは多いと思います。実際、私たちも導入以前は気にしていた部分です。
一方で、どこかのタイミングで一歩踏み出さないといけないことも事実です。大局的な視点に立ってみると、世の中がデジタルの方向に動いていっているのは間違いありません。
便利なものはどんどん導入して、そこで生まれた時間で別の仕事を生み出していかないと、会社としても個人としても生き残っていけないと思っています。
会社の状況や考え方もあるので、その一歩を踏み出すのが“今”かどうかは一概には言えませんが、そのときを待っているだけでは時代に遅れていくだけです。
想いを持って、行動に移せる人が1人でも増えたら嬉しいですね。
最後は熱いメッセージまでありがとうございました! すでに一歩を踏み出された御社の今後の変化が楽しみでなりません。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。