グループ国内60,000名の展開を見据えた全社DX推進の軌跡
課題
- 三菱重工本体とグループ会社で使用する基幹システムがそれぞれ異なることで生まれる弊害が大きくなっていた
- 現場にいる技能系社員は1人1台パソコンが支給されておらず、人事からの通知は紙がベースとなっていた
解決策
- 新たにリプレイスした基幹システムに統合することで、より効率的な体制を目指すべくグループ横断のプロジェクトを立ち上げ推進
- 従業員目線で利用しやすいUIの実現
- ペーパーレスを前提とした労務手続きの効率化
効果
- 各拠点の現場従業員に至るまでリアルタイムで情報を展開、共有できるように
- アンケート形式で設問に答えるだけで書類を提出できる仕組みが従業員の利便性や効率化につながっている
- ペーパーレス化が進んだことで、印刷作業や発送業務の短縮、アウトソース費用の削減など、定量的な効果も得られている
三菱重工グループは、1884年の創立以来、発電プラントなどの社会インフラ、航空機などの輸送機器、大型ロケットなどの宇宙機器に至るまで、世の中の産業活動の基盤となる製品を提供し続けています。
同社はグループ横断で人事システムを刷新する大規模プロジェクトを発足。2021年から始まった3ヵ年計画のなかで、SmartHRを導入されました。その背景と今後の展望について、引地さん、弘田さん、内山さんにお話を伺いました。
労務手続きの効率化・利用しやすいUIを実現できるシステムを探していた
導入の背景について教えてください。
弘田さん:三菱重工本体とグループ会社で使用する基幹システムがそれぞれ異なることで生まれる弊害が大きくなっていたことがきっかけです。これを新たにリプレイスした基幹システムに統合することで、より効率的な体制を目指すべくグループ横断のプロジェクトを立ち上げ推進してきました。
実務面でいうと、工場など現場にいる技能系と呼ばれる社員たちには1人1台パソコンが支給されているわけではないため、私たち人事からの通知は紙がベースとなっていることで、速やかに情報を届けられない点に課題を感じていました。
基幹システムのリプレイスだけでは欠けていた「従業員目線で利用しやすいUI(ユーザーインターフェース)の実現」と、「ペーパーレスを前提とした労務手続きの効率化」、これらを両立できるシステムを探していました。
SmartHRには大規模基幹システムを補う役割に期待
どのように検討を進めたのでしょうか?
弘田さん:はじめは、新たに利用するオンプレミス型の基幹システム内で利用できる機能と、複数のSaaSを比較しました。利用するシステムの数を減らす意味では前者となりますが、実際の利用画面での「わかりやすさ」ではSaaSに軍配があがり、自ずと選択肢は絞られました。
そのなかでも、SmartHRはとくにUIが洗練されていると感じました。マニュアルを読まずとも直感的に利用できる点がその根拠ですね。
内山さん:SmartHRは、大規模な基幹システムにはない部分をうまく補ってくれるシステムというイメージです。従業員目線での満足度を左右するUIに強みがあるのも、他のシステムにはない特徴ですね。
もちろん従業員データベースとしての機能もあるので、基幹システムでは冗長すぎる小規模のグループ会社の人事システムとしての利用も想定しています。
今後の拡張性の観点でも、従業員の入社時から就業中、そして退職後も、一連の労務サイクルのどこであっても利用用途があります。活用シーンがより広がるイメージを描けたのも導入を決める要因となりました。
選定時にとくに重視した点を教えてください。
弘田さん:私たちは数万人規模の会社ということもあり、影響範囲の観点から「導入したけどダメでした。戻します」は通用しません。機能面はもちろんですが、それ以上にサービスの提供元が信頼できること、なおかつ今後も安定的な事業成長が期待できるかどうかを重要視していました。
詳しくお話を伺うなかで、SmartHRさんの経営スタイルに魅力を感じたこと、サービスの導入実績としても「業界No.1」(※)であることが導入を後押ししました。
※クラウド型人事労務システム 満足度No.1:株式会社マクロミル(委託調査)2020年12月 クラウド型人事労務システムを運用・管理中の1,800名を対象に調査
システムを刷新することへの不安はありませんでしたか?
引地さん:現場も含め、ユーザーが直に利用するシステムでこれだけ大規模な導入は、三菱重工としては初めてですね。しかもSaaSの導入という点では、かなり革新的な選択だったと思います。私たちの部門としても一大プロジェクトでしたので、懸念点は少なからずありましたが、社内関係部門にも協力してもらい導入が実現できました。
また、いい意味で予想外だったのはサポート体制です。他のSaaSベンダーでは、「こうですから」と資料を渡されるだけでドライな印象を抱いてしまう会社さんもあったなか、SmartHRさんは予想以上にウェットで、手厚く対応いただけたことが心強かったですね。SaaSの固定観念が覆された思いでした。
ベンダーさんと直接やりとりする機会の少ない私の場合、他のSaaSベンダーでは担当者の方のお名前と顔がわからないのが通常ですが、SmartHRさんの場合は各担当者の方のお名前と顔がすぐ浮かびます。それくらい弊社としては頻繁にやりとりをしていたのだなと、あらためて気づかされましたね。
多くの方々が関わる導入プロジェクトを成功に導くためには、社内の体制も重要かと思います。どんな点を意識しましたか?
弘田さん:プロジェクト全体のなかでも、SaaS利用推進・ペーパーレス推進領域での導入リーダーについては、社内でも一番熱心に勉強してくれていた内山をアサインしたことが大きかったと思います。ふだんの担当業務に関わらず、主体性を持って取り組んでもらえる人物を任命できたことが、その後のスムーズな推進につながったと考えています。
各拠点の従業員とも円滑なコミュニケーションが可能に
内山さん:当初の狙い通り、各拠点の現場の従業員に至るまでリアルタイムで情報を展開、共有できることに導入効果を実感しています。
機能面としてはとくに年末調整が好評で、アンケート形式で設問に答えるだけで書類を提出できる仕組みが従業員の利便性や効率化につながっていると感じています。
ペーパーレス化が進んだことで、印刷作業や発送業務の短縮、アウトソース費用の削減など、定量的な効果も得られています。オンライン雇用契約・文書配付機能を使うことによって、送付したはずの文書が届かないといった、紛失リスクが解消された点も効果の1つですね。
弘田さん:弊社はグループ内での出向も多いですから、従業員がどこへ行っても同じ仕組みで労務手続きができる点もメリットですね。
内山さん:運営側としては、事情により「グループ内の特定の会社だけ例外で対応する」といった対応はせず、同じ仕組みで統一する方針がとれていることも、導入後の円滑な運用のポイントだと感じています。
3カ年計画における段階的な導入により従業員の利便性の向上を追求
今後の活用予定について教えてください。
弘田さん:グループ内の企業数と従業員数が多いため、中長期的な共通基盤の構築を目指して一旦3ヵ年での移行を計画しています。
そのなかで、段階を踏んで対象範囲の拡大とさらなる利便性の向上を追求していきたいと考えています。
内山さん:導入により、各従業員と直接つながれたことに大きな可能性を感じています。オンライン雇用契約・文書配付機能のさらなる活用を念頭に、全社通知の基盤としても利用していきたいですね。
最後に、SmartHRの導入に込めた想いをお聞かせください。
引地さん:正直、SmartHRの導入は弊社のなかでも相当なインパクトがあったできごとだったと思っています。最近でこそ、弊社の考え方も徐々に柔らかくなってきていますが、まだまだカルチャーとして保守的な部分が残っていると感じています。
そういった意味では、SmartHRの導入が“殻を破った”ひとつのいい事例として、社内外にいい影響が波及していけば嬉しいですね。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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