SmartHRで従業員情報を一元化。生まれた時間を活用し採用強化へ
課題
- 3つのシステムで従業員情報を管理していたため、運用が煩雑になっていた
- 契約書類を紙で管理していたため、抜け漏れが発生するリスクがあった
解決策
- 入社手続き、マイナンバー管理、給与明細配付などをSmartHRで一元化
効果
- 従業員情報をSmartHRに集約し、労務担当者の負担が軽減した
- 契約書類のデジタル化により、ペーパーレスで管理・運用が可能に
- SmartHRによる電子申請に切り替え、申請時間が1人あたり60分→5分に短縮
株式会社メグラスは、「よいめぐりを世の中へ」を企業理念に掲げ、介護付き・住宅型有料老人ホームやグループホームなどの介護施設や保育園を運営しています。
同社は、SmartHRを導入する以前は複数のシステムで従業員情報を管理していましたが、運用の煩雑化に伴って、2022年11月にSmartHRを導入。情報の一元管理を進めました。
どのような経緯を経て、SmartHRの導入に至ったのか。社内での活用を進めるために工夫したことや導入後の変化について、労務の森さん、福田さん、末永さんに伺いました。
紙・データによる複雑な管理・運用が労務担当の負担に
SmartHRを導入される前は、どのような課題を抱えていたのでしょうか?
森さん:従業員管理、マイナンバー、給与明細の3つをそれぞれ異なるシステムで管理していたため、その分運用の手間がかかっていました。従業員が退職するとアカウントを削除する必要があるのですが、ほかの業務に追われてその作業が漏れてしまい、余分なコストがかかっていたこともありました。
それぞれのシステムに、従業員一人ひとりのID、パスワードが設定されています。それらをすべて従業員が覚えておかなければいけないのですが、年に1度の年末調整にしか使わないこともあり、パスワードを忘れてしまう従業員が少なくありませんでした。その度にリセットしてパスワードをお渡しし、ログインしてもらう必要があり、手間がかかる状況でした。
3つのシステムは、どなたが管理されていたのでしょうか?
福田さん:私たち労務が管理しています。弊社は、各施設で「施設長」といった役職を設けておらず、システム管理部門も存在しません。労務担当が、従業員250名以上の情報を管理していたのですが、運用が追いつかなくなってきたことを機に、3つの情報を1つにまとめて運用できないかと考えていました。
ほかに、感じられていた課題があれば教えてください。
福田さん:契約書類を紙に印刷し、ファイルに閉じて保管していたのですが、どこにどの情報があるのかがわかりづらかったり、正しく管理できているか把握できなかったりと、いつも不安を抱えている状態でした。弊社では、毎月誰かしら契約書類の更新も発生するので、その作業をし忘れていないかも気になっていました。
森さん:やはり、データで管理したほうがミスがなくなるので、ペーパーレス化を図りたい思いがありました。
自社制作のマニュアル動画を併用し、無理なく定着を図った
どのような基準で、新しいシステムの導入を検討されたのでしょうか?
森さん:やはり、それぞれのシステムで管理していた情報を一元化できるかどうかを中心に検討していました。SmartHRであれば、それが可能なだけでなく、契約書類もデータで管理できたり、退職後も給与明細を閲覧できたりなど、ほかのシステムにはない利便性があると感じていました。
SmartHRを導入後、どのように定着を図ったのでしょうか?
森さん:まずは、誰でも簡単に理解できるようにSmartHRの使い方を紹介する動画を作りました。弊社では「ブラザーシスター制度」と呼ばれる、新入社員1人につき先輩社員が1人ついて仕事の進め方をサポートする制度を導入しています。実際に、SmartHRの使い方を紹介している動画を見ながら登録作業をしてもらいました。
福田さん:やはり、従業員のなかには文字を読むのが苦手な方もいますし、70歳を超える高齢の方も働かれています。なかにはマニュアルを読んで作業してもらうよりも動画のほうが相性がいいかたもいらっしゃるので、その人にあったインプット方法を選択いただいています。
実際に、SmartHRを導入してみていかがでしたか?
福田さん:私も自分の個人情報を入力してみましたが、登録すべき項目がわかりやすく戸惑うことはありませんでした。情報を入力していくと「◯◯の情報を入力してください」「この項目が不足しています」などと表示されるので抜け漏れなく入力でき、とても登録しやすかったですね。
森さん:従業員が最初に利用したのは、年末調整の申請でした。SmartHRをまだ利用していない方がほとんどだったので、まずは「個人情報の登録をお願いします」とお声がけして登録してもらうまでに少し時間を要しましたね。ただ、年末調整そのものは「はい」「いいえ」で答えられる形式だったので、従業員からの問い合わせはほとんどありませんでした。
末永さん:いつも手書きで記入していたので簡単に登録できてしまい、「本当にこれだけでいいの?」と逆に不安になりましたね(笑)。質問文もわかりやすく書かれていたので、とても親切に感じました。
従業員の情報入力の手間を省き、スムーズな運用へ
SmartHRを利用するにあたって、大変だったことはありますか?
森さん:ワークフローの構築ですね。結婚・離婚で扶養に入る / 外れる、通勤経路が変わる、資格取得に伴う手当といった手続きや申請を事前に手入力で登録する必要がありました。申請の数だけ入力フォームを用意しなければならないため、その点は少し苦労しましたね。
ただ、わからないことがあるとCS(カスタマーサクセス)担当に連絡していたのですが、レスポンスが早くて助かりました。はじめは質問することも多かったのですが、一度コツを掴めたら、どのようにデータをまとめればワークフローが作りやすいのかわかるようになりました。
福田さん:チャットサポートも非常に使いやすかったです。ほかのシステムを利用していた時はスクリーンショット画像などをファイルとして添付したり、送られてきた画像をダウンロードして開かなければいけなかったのですが、SmartHRのチャット機能であれば、撮影してそのまま載せて送ったり、閲覧できたりします。担当者とのコミュニケーションもフランクで、気軽に相談できましたね。
導入後の変化を教えてください。
森さん:圧倒的に、電子申請が便利になりました。以前は、e-Gov電子申請を使って従業員の情報や雇用保険番号などを手打ちしたうえで申請する必要があったのですが、SmartHRであればすでに登録してある従業員情報を利用して申請できます。それはとても便利ですね。
ほかにも、給料明細を登録しておくと、離職票の作成にも使えるので、手入力することがなくなりました。
末永さん:以前、使用していたシステムはスマートフォンでの申請作業が難しかったのですが、SmartHRを使うことで可能になりました。スマートフォンでの申請が可能になったことで従業員もより効率的に時間を使えるようになったと感じています。
福田さん:契約書類をデジタル化し、紙での管理から脱却できたことは大きなメリットですね。管理がしやすくなり、抜け漏れもなくなりました。また、弊社が展開している施設に行政の監査が定期的に入るのですが、その際も必要な書類をその場でぱっと見せられるようになりましたね。
また、労務経験がほぼない担当者でもSmartHRを利用することで社会保険・雇用保険の電子申請の引き継ぎが簡単にできる点は助かりますね。e-Govでの申請だと100伝えないといけないところをSmartHRだと10ぐらいで説明が済む感覚です。教える側としてもマニュアルを作りやすくなったので、引き継ぎがだいぶラクになりました。
従業員管理を効率化し、空いた時間で採用を強化
そのほか、御社で独自に活用されている機能があれば教えてください。
福田さん:弊社では、お子さまの入学祝い金や学費助成金、介護やカウンセラーなどの資格取得に伴う支給手当など、自ら申請することで手当がもらえる福利厚生の制度があります。その申請には申請・承認機能を活用して運用しています。
SmartHRを活用したことで、従業員に対する変化は生まれましたか?
森さん:これまでは、労務がよかれと思い従業員に細かく対応していましたが、その反面「何かあれば労務にお願いしてやってもらおう」というスタンスを生み出してしまっていたように感じています。SmartHRを導入したことで、まずは自分の手続きは自分で進めるというオーナーシップを促す効果が生まれたように思います。
最後に、これからの展望を聞かせてください。
森さん:SmartHRの導入により時間を生み出せるようになったので、直近は育児休業の申し出書の配付を進めたいと考えています。
ゆくゆくは、新卒採用に向けた活動を強化したり、障害者雇用も進めていきたいです。また、採用後の定着に向けて、メンタルケアやタスク管理などサポートを通して、より働きやすい環境を整備していきたいですね。
引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。