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創業105年・製造業のDX推進。本来業務でさらなる成果を目指せる環境へ

 黒崎播磨株式会社

課題

  • 基幹システムを利用するなかで紙による運用が多く残されていた
  • 年末調整では各拠点との紙の書類の往復が負担だった
  • 給与明細配付ではシステムと紙の手段が混在していて煩雑だった

解決策

  • 基幹システムとSmartHRを併用
  • 年末調整では紙の往復がなくなり、人事・従業員双方にとっての負担が軽減
  • 給与明細配付はウェブ配信で統一

効果

  • 年末調整:10,800枚、給与明細:44,000枚、賞与:5,000枚の紙の書類を削減
  • 従業員からも好評の声
  • 社内ルールの見直しにも着手

福岡県北九州市に本社を置く黒崎播磨株式会社は、業界屈指の技術力を活かし、鉄鋼業、セメントなど基幹産業向けの耐火物の製造・開発を展開しています。

工場を含む全国の拠点で働く従業員の人事・労務管理を担う人事部では、これまでの紙を中心とした運用に課題を感じ、業務効率化に向けてSmartHRを導入しました。

人事部マネージャーの前田さん、同所属の宮野さんにSmartHR導入の背景と導入後の変化について伺いました。

年末調整など紙による非効率な運用の改善が急務だった

前田さん、宮野さんの現在の担当業務を教えてください。

前田さん:私は人事部でマネージャーをしています。部署としては主に労務や企画を担当している部署で、社内規則の運用や体制構築を担っています。最近では、社内でDX推進に力を入れている背景もあり、就業管理システムをはじめとしたデジタル化も担当しています。

宮野さん:私も同じく人事部に所属しています。業務としては、給与計算を担当していてチームメンバー7名を取りまとめています。SmartHRは導入推進から導入後の運用、各種設定などを担当しています。

SmartHR導入以前の人事・労務上の課題を教えてください。

宮野さん:弊社では長らく基幹システムを利用しており、そこで人事マスターや勤怠・給与計算などを管理しています。一方で、従業員に向けた書類の配付や回収など、人事・労務上のコミュニケーションの多くが紙を介した運用となっており、業務が煩雑でした。

会社としても合併を機に従業員数が増えるなか、今後の安定した運用、担当者の業務負荷の軽減と従業員体験の向上の観点から、改善に向けた動きが必要だと考えました。

どの業務で大きく課題を感じていましたか?

宮野さん:とくに顕著だったのが年末調整です。すべて紙で配付・回収していたため、まず書類が各拠点に届くまでに時間がかかります。その後、今度は拠点側で書類を集めて、私たち人事の手元に届くまでにも時間がかかります。仮に修正点があっても、到着してからでないと確認もできません。一つひとつの工程すべてにタイムラグが発生するため、人事・従業員双方にストレスがかかっていました。

また、給与明細についても課題がありました。SmartHR導入前は社内でPCを扱う従業員こそウェブで閲覧できるものの、工場や現場勤務の従業員には紙で配付しており、システムと紙の手段が混在していました。ここを1本化して効率的な運用にしたいと考えていました。

宮野さん
(宮野さん)

さまざまな選択肢があるなか、SmartHRの導入を選んだ決め手は何でしたか?

宮野さん:年末調整はもちろんのこと、人事・労務に関するあらゆる紙を減らしたい思いがあり、より広範囲でペーパーレス化が期待できるSmartHRを選びました。なかでも文書配付機能による配付書類の自由度の高さが他社にはないもので、決め手の1つになりました。

給与明細についても弊社は明細の項目数が多く、当時比較していた別のサービスでは項目数が足りなかったところ、SmartHRでは対応できた点も導入の後押しになりましたね。

無理なく従業員定着を図るため、丁寧な周知とフォローを心がけた

従業員の年齢層が幅広いと伺いました。紙に慣れた方も多くいるなか、導入はスムーズに進みましたか?

宮野さん:少なからず導入に懸念を示す方もいるだろうという想定のもと、部署ごとにスマートフォンの所持率を調査したことがあります。総務省が出している年代別のスマートフォン所持率と自社の従業員の年齢構成比率を照らし合わせ、所持していないであろう人数の概算を出しました

結果、仮に個別対応が必要になったとしても対応可能な範囲内だと想定できたため、導入にあたって支障にはならないと判断しました。

前田さん:はじめは、高齢の方でスマートフォンを持っていない方やシステムに不慣れな方がついていけるのか心配ではありました。ただそこは慣れの問題も大きいですし、世の中のデジタル化の流れを踏まえても抗うべき点ではないと考えました。

また、何より導入しないまま利便性が低い状態でいることのほうが、会社としてマイナスであり紙の紛失時のリスクも大きいと考え、あるべき姿を選んだという流れです。

宮野さん:ですので、事前にシミュレーションはしたものの、会社の方針としてデジタル化推進という後押しもありましたし、個別対応を含め、従業員に対しては丁寧な周知を心がけることでスムーズな導入を目指しました。

前田さん
(前田さん)

ぜひ、社内周知の際の工夫を教えてください。

宮野さん:システムに不慣れな方の抵抗感を減らすために、はじめは紙による案内資料を配付してSmartHRの初期登録を促しました。また、各所属長が出席する情報共有会議が定期的にあるため、その場でも導入する旨を共有いただくように連携をとりました。

初期登録を終えた段階では、従業員が会社に届けている自身の緊急連絡先に変更がないかどうかをSmartHRの申請フォームを利用して全員から回答をもらうようにしました。

この段階でつまずくといけないので、必要な人については適宜フォローしつつ、その後の年末調整につなげていきました。

SmartHRでの年末調整の実施にあたって説明会は実施しましたか?

宮野さん:はい。年末調整はとくに従業員目線でも体験が大きく変わる部分ですので、全社向けのメールで事前案内したうえで、オンラインによる説明会を数回実施しました。

提供いただいた資料をベースに自社用のマニュアルを作成し、実際の操作画面を見せながら従業員に案内しました。

SmartHR自体の操作がわからないときなど、宮野さんや前田さんからSmartHRの担当者やチャットサポート宛に質問することはありましたか?

宮野さん:私たちからSmartHRさんに直接問い合わせる機会はあまり多くありませんでした。というのも、必要に応じてヘルプセンターを参照するようにしていたため、疑問点はそこで解決することがほとんどでした。

それ以外では、SmartHRのユーザーコミュニティ「PARK」も活用しています。なかなか社内では情報が足りないことも、他社の担当者さんから事例や知見を共有いただけることもあるので参考になっています。

PARKで得た情報を日々の業務にも役立ていただいているのですね。

宮野さん:そもそも年末調整や給与計算にまつわる手続きは、どの会社でもやっていることは基本的に同じです。紙で実施していたときも案内資料の作成など、各社・各担当者がそれぞれ一からつくらずに汎用的なものを使えばいいのではと思っていたんです。そのような背景もあり、同じ業務をしている人同士が集まるコミュニティにはすごく興味がありました

他社さんの知見をうまく自社に取り入れて、逆に自社の知見は他社さんに取り入れてもらうなど、お互いに生産性を高めあえたら素敵ですよね。日々いろいろな企画も動いているので、楽しみながら参加させてもらっています。

宮野さんのデザイン案が採用されたPARK特製ビブス/ビブスを着て社内で年末調整を案内する宮野さん
(宮野さんのデザイン案が採用されたPARK特製ビブス/ビブスを着て社内で年末調整を案内する様子)

年末調整、給与明細配付などのペーパーレス化で効果を実感

導入後の変化を教えてください。

宮野さん:とくに年末調整給与明細申請・承認機能の利用で効果を実感しています。

年末調整でいえば、物理的な紙の書類の往復がなくなり、人事・従業員双方にとっての負担が減りました。実施後のアンケートでも、従業員からは「住宅ローン控除の入力が、思った以上に簡単だった」などの声が届いています。

導入検討時の課題の1つだった給与明細の配付も、当初の想定どおりSmartHRによるウェブ配信で統一できたので嬉しいですね。

集計によると、2度の年末調整により10,800枚、毎月の給与明細で44,000枚、賞与で5,000枚の書類を紙からSmartHRによる配信に切り替えられたという定量的な結果も出ています。

導入時の決め手にも挙がっていた、文書配付機能はどのように活用していますか?

宮野さん:これまで紙で配付していたものから順次切り替えています。たとえば、年末調整後の還付額・追徴額のお知らせは、給与明細とは別に紙で配っていたところをSmartHRでの配付に切り替えています。

それ以外にも給与改定通知書、従業員ごとに内容が異なる書類など、幅広く活用しています。

従業員が本来の業務に集中し、さらなる成果を目指せる環境を

最後に、今後取り組みたいことを教えてください。

宮野さん:人事・労務にまつわるすべての手続きをSmartHRで」というのが私の目標です。雇用契約書についてはまだ紙が多く残っている部分ですので、段階的にペーパーレス化を進めていきたいと思っています。

それ以外では、従業員からの申請手続きフローを見直したいですね。上司の承認が本当に必要なのか、何のために承認しているのかといった社内ルールの見直しも含めて、無駄のない効率的な仕組みをつくっていきたいと考えています。

前田さん:人事は社内向けのサービス業だと思っています。従業員が日々自身の業務と向き合うなかで、申請や書類の手続きに費やす時間を極力少なくしたいと思っています。本来の業務により集中し、さらなる成果を目指せる環境を提供していきたいですね。

SmartHRを起点に効率的な環境づくりへの想いが伝わってきました。引き続きお役立ていただけると嬉しいです。貴重なお話をありがとうございました!

掲載内容は取材当時のものです。

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