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テレワークで入社手続きと年末調整を実行。変化に強い人事労務へ

株式会社KADOKAWA Connected
  • 課題
    中途入社者が増え、雇用契約や社会保険をスムーズに手続きできる仕組みが必要になった
  • 解決策
    雇用契約や社会保険をスムーズに手続きできる仕組みづくり
    社労士との情報連携の強化
  • 効果
    1人あたり3時間かかっていた工数を30分に短縮
    社会保険労務士との給与データの連携もSmartHR上でスムーズに対応できている
    効率化で生まれた時間で、「生涯生産性」を高める支援を推進

株式会社KADOKAWAConnectedは、KADOKAWAグループへのICTサービス提供、働き方改革支援やDX推進を役割とし、2019年4月に設立されました。

これまでは紙での入社手続きでしたが、SmartHRを導入し、1人あたり3時間かかっていた工数を30分に短縮されたとのこと。社会保険労務士との給与データの連携もSmartHR上でスムーズに対応されています。

テレワーク環境の中、どのようにSmartHRを活用されているか、後藤さんにお話を伺いました。

(株式会社KADOKAWA Connected HR課 後藤さん)

(株式会社KADOKAWA Connected HR課 後藤さん)

社労士との連携強化、入社手続きのオンライン化が導入の背景

2019年4月に設立されてから、人事労務周りをどのように整えていったのかを教えてください。

後藤さん:KADOKAWAとドワンゴのメンバーからなる新会社でしたので、双方のいいところを取り入れながら、就業規則、賃金規定を作成し、弊社らしい制度を2019年6月〜8月に整えていきました。設立当初は出向社員を受け入れており、直接雇用している従業員がいなかったのですが、後々直接雇用する従業員が増えることも見据えて体制を整えるのがミッションでしたので、当時は従業員情報の管理方法を検討していました。

どのような経緯でSmartHRを導入されたのでしょうか?

後藤さん:急遽、同年10月に中途入社される方が決まり、「まずは雇用契約や社会保険をスムーズに手続きできる仕組みを作らなければ!」と思ったのがきっかけです。

導入を検討するうえで、4社ほど比較検討しました。その中で、従業員が使いやすいUIデザインであり、オンラインで雇用契約を締結できるほか、社会保険手続きを電子申請できる種類が多かったSmartHRに決めました。扶養追加の手続き、育児休業給付金申請など育休時に必要な手続きは特に頻繁に起こるので、とても助かっています。

また、弊社は給与計算を社労士さんへ依頼していますが、社労士との連携がうまくいくことも決め手の1つですね。過去の履歴がちゃんと残りますので、やりとりの不安が少なく、SmartHRの中で情報連携が十分にできそうだと感じたのは大きいです。

ありがとうございます。導入前は紙で運用されていたのですか?

後藤さん:そうですね。電子申請がスタートするまでは、役所へは紙提出で運用していました。具体的にいうと、このような作業が生まれていました。(新規入社者が70名の場合)

  • 70名分の届出書類を準備
  • 事業主印の捺印稟議を起案、承認後全ページに捺印
  • 捺印済みの届出書類+添付書類一式をPDF化し社労士に送付し、事前確認依頼
  • 内容に不備がなければ、原本一式を、レターパックで送付
  • メールで社労士に連絡し、窓口提出日を確認
  • 保険証/雇用保険被保険者証を自宅送付する準備開始(封筒・宛名準備…)

紙を提出する場合は、当然書き損じた場合二重線で消し、訂正印(事業主印)を押して……という作業も発生します。決裁する経営陣には、なかなかイメージが湧きづらい作業かもしれません。SmartHRは、従業員自身が入力した情報が正しく申請書類に反映されること、社労士とシームレスに電子申請のやりとりができること、その他API連携などの開発スピードが非常に早く今後も期待できることを上申する際に伝えました。

テレワーク環境で入社手続きと年末調整を問題なく実施

今は皆さんテレワークだそうですが、入社手続きや年末調整などはどのように実施していますか?

後藤さん:入社手続きは「入社キット」を作り、自宅に郵送しています。原本が必要な書類は返信用封筒で送り返してもらっていますが、労使上で双方に合意ができており、電子で保管できるものは全てSmartHRのオンライン雇用契約・文書配付機能を利用しています。NDA(秘密保持契約)や入館証の取り扱いについての覚書などは入社前にSmartHRで合意締結しています。

郵送で必ず回収しなければいけないもの以外は、全てSmartHR上でやり取りしているんですね。

後藤さん:はい。入社手続きで原本回収するのは、住民票、前職分の源泉徴収票、特別徴収にかかる給与所得者異動届出書等です。

年末調整でも同じような運用にしています。令和2年はSmartHRで用意してもらっている告知ポスターを活用し、「年末調整キット」を作って社員の自宅宛てに郵送しました。今年は約120名対象者がいましたが、問題なく回収できています。問い合わせはいくつかありましたが、クレームや不満は全然なかったので、スムーズに進められたと思っています。

(後藤さんが実際に準備した年末調整キット)

(後藤さんが実際に準備した年末調整キット)

ありがとうございます。最初に、社労士と連携したいとお話しされていましたが、そちらはいかがですか?

後藤さん:弊社は従業員の給与を社労士さんが持つシステムで計算しています。以前はExcelにパスワードをかけ、メールでやりとりしていましたが、今はSmartHR上に社労士さんのアカウントを作り、データ連携しています。

SmartHRは履歴が全部残るため、最新のデータがわかりやすいです。あとは社労士さんとSlackで「見ました、ありがとうございます」「ここの修正をお願いします」とやり取りをするだけで終わります。

雇用契約締結にかかる時間が3時間から30分に短縮

導入後の効果を教えてください。

後藤さん:入社手続きや雇用契約の取り交わし、契約更新の手続きが楽になりました。紙での雇用契約締結は書類発送や回収事務などを含み、1人あたり3時間ほどかかっていましたが、30分程度に短縮されていますし、社会保険手続きに関するメールのやりとりがなくなりましたので、業務上の工数はかなり短縮されています。社会保険に関しては、電子申請の状況を一覧で確認できるのは良いですよね。Slackとの連携も便利です。

入社前に送付した労働条件通知書の内容や雇用契約に合意した日付が残るのは後の手続きも楽になりますし、ちゃんと本人にも通知が届き、PDFのメールが自動送信されますので、すごいと思います。最終的な目視の確認は必要ですが、最初のデータさえできていれば、それに紐づく手続きはすべて楽になります。

数ヶ月ほど利用して、最近特に助かると感じているのは契約更新管理機能によるアルバイトの契約管理です。誰がいつまでの契約なのかちゃんとアラートが出ますし、新しいフォーマットで契約をまき直すのもスムーズでした。これを紙で締結するとなると、管理者としてはもちろんアルバイトの方も手間がかかるので助かっています。

(契約更新状況が分かる画面。文書配付メニューの [契約更新]から一覧で確認できます。)
(契約更新状況が分かる画面。文書配付メニューの [契約更新]から一覧で確認できます。)

(契約更新状況が分かる画面。文書配付メニューの [契約更新]から一覧で確認できます。)

ありがとうございます。これから新入社員の受け入れ準備が必要になる時期になりますが、引き続きテレワークでの受け入れになりますか?

後藤さん:はい。主にエンジニア職を採用していますので、パソコンを持っていない方は少ないと思いますが、スマートフォンでも問題なく入社手続きができますので、学生の方に案内するのも不安がないですね。ただ、入社前に社会保険や年金などの基本の知識を得てもらうガイダンスは必要だなと思っています。

オフィスの風景

働く人の「生涯生産性」を高めるために支援していきたい

SmartHR導入で効率化された時間を、どのように使っていますか?

後藤さん:従業員がストレスなく社内の手続きを進められるよう、もっとSmartHRを活用したいですね。まだ設立して間もない会社ですので、制度づくりなどもさらに進めていきたいです。

今後、フルリモートで働く人や会社は日本全体で増えていくと感じています。会社の状況、世の中の状況に合わせて制度を見直し、並行して社会保険の手続きや体制も整える、その両輪をまわすことが今の目標です。

会社としては、「環境の変化に対応していこう」とお考えなのでしょうか?

後藤さん:環境の変化も背景にはありますが、従業員がテレワークで自宅にいる時間が長くなっているなかで、自分の人生について考える人が増えているように思います。家族との時間を大切にしたい、趣味を見つけたい、恋人を見つけたいなど、私生活を充実させるための意識が強くなっているのではないでしょうか。

弊社の企業理念の中に、「働く人々の生涯生産性を高める」というメッセージがあります。自分が幸せでありながら、人生を豊かにする働き方を見つけ、実践するような生き方を従業員にも選択してほしいという想いを込めたものです。

生涯生産性を高めるために、会社としては「ここで暮らしたい」「こういう人生を歩みたい」という従業員の声に応えていきたいと思っています。直近では、遠隔地に住むことによる業務への支障、役割見直しの必要性などを、従業員・会社が双方に確認するプロセスを設けた「遠隔地への移住時のガイドライン」を設けました。このような取り組みを通して、従業員の人生を豊かにする働き方ができるよう、支援していきたいと思います。

「世の中の環境変化に対応しながら、労務視点での支援も両輪でまわしていく」という目標に貢献できるよう、これからも支援を進めてまいります。お話しいただきありがとうございました!