自社開発せずにSmartHRを導入。労務業務をペーパーレス化し、企業理念を体現する環境づくりを目指して
課題
- 年末調整に必要な書類の記入やチェックがすべて手作業だった
- 雇用契約書を紙で運用しており、郵送の手間やコストがかかっていた
- システムを自社開発する場合、法改正や仕様変更へのスピーディな対応が難しい
解決策
- 運用コストを比較し、自社開発ではなくSmartHRを導入
- 年末調整業務をSmartHR上で完結
- 外部システムを使っていた給与明細をSmartHRに集約
効果
- 年末調整業務を担当する人数が3名から2名に減り、作業時間も削減
- SmartHRに労務業務が集約され、セキュリティ向上と運用コスト削減へ
- 従業員の負担軽減、人事課の業務効率化に伴い、働き方の改善も着手
木村情報技術株式会社は、医療業界向けライブ配信「3eLive」、オンライン学会用プラットフォーム「KIT-ON」をはじめ、メタバースやeスポーツなど、さまざまな関連サービスを展開。AI・IT技術を活用し、システム開発や保守・運用サポートなどを担っています。
同社は、2020年12月からSmartHRを導入。紙で運用していた年末調整や外部システムで運用していた給与明細をSmartHRに集約し、デジタル上でのやりとりを完結できるようにしました。
今回は、人事課の西地さん、労務担当の橋本さんに、SmartHR導入の背景やその後の変化についてお話を伺いました。
法律改正や仕様変更にすぐ対応できるSmartHRに安心感
西地さん、橋本さんの業務内容について教えてください。
西地さん:人事課にて、労務や採用、人事など多岐にわたってマネジメントを担当しています。
橋本さん:私は労務を担当しており、現在はSmartHRを活用しながら給与計算をはじめ年末調整や従業員の住所変更、福利厚生の申請確認などの業務を担っています。
SmartHR導入以前に抱えていた課題を教えてください。
橋本さん:年末調整を紙で運用しており、従業員とのやりとりが煩雑になっていました。これまでは、会社から配付された年末調整の扶養控除申告書を従業員が手書きで記入し、各支店の担当者に提出していました。それらを最終的に本社に集め、担当者がチェックしていたんです。
内容に不備があると、メールや電話などで本人に問い合わせ、その回答をもとに担当者が代理で修正していました。追加で保険料の申告書があれば、本社宛に郵送する必要もありました。
西地さん:年末調整業務は3名で担当していたのですが、非効率なやりとりが多く、残業も少なくありませんでした。
橋本さん:ほかにも、雇用契約書は表計算ソフトでひな形を作成し、印刷して従業員に押印をもらっていたんです。在宅勤務の場合は雇用契約書を返送してもらう必要があり、手間とコストがかかっていました。
導入の決め手は何でしたか?
西地さん:弊社はIT技術に強みをもつ会社なので、自社でシステムを開発したらどうかという意見もあがりました。ただ、法改正などに伴うシステムの仕様変更、改修の手間がかかるなど長期的な運用・保守を考えると、SmartHRを導入したほうがコストを抑えられるという結論に至ったんです。
SmartHRは法律の改正や仕様の変更があった際にも速やかに対応されているので、利用する側としても安心だと感じていました。
従業員にとっても、アンケート形式で回答できる点は非常に使いやすい。ほかのツールも比較検討した結果、サポート体制が充実しているSmartHRを導入しようと決めました。
労務業務をSmartHRに集約。運用コスト削減、効率化につながる
SmartHR導入後の効果について教えてください。
紙と表計算ソフトで対応していた入社手続きなどはいかがでしょうか?
橋本さん:現在は入社手続き・雇用契約をSmartHR上で完結できています。文書配付機能によって完全にペーパーレス化され、スピーディな手続きができています。
西地さん:年間40人くらい採用しているので、これまではその都度、雇用契約書を郵送していました。契約更新に関する書類の発送業務も毎月発生していたので、それらがSmartHR上で完結するのは大きいですね。
橋本さん:以前は情報漏洩が起きないようにと、社会保険料の変更通知をメールで個別に送り、後からパスワードをお渡しする方法でセキュリティ対策をしていました。ただ、手作業のため、手間がかかるだけでなく、誤送信の発生リスクがありました。それが、SmartHR上でやりとりできるようになり、セキュリティ向上と作業負担の軽減にもつながりました。
従業員にとっても、以前よりも書類の提出などの負担が軽くなったと思います。
SmartHR導入によって、働き方にも変化は生じましたか?
橋本さん:はい。これまで年末調整の時期は対応に追われて夜遅くまで働くこともあったのですが、SmartHRを活用したことで効率化が進み、残業も減りました。
西地さん:年末調整のやりとりに時間を取られてしまうと、それ以外の業務が後回しになり、結果的に残業が増えてしまいがちです。それが解消されたことは、非常に嬉しいです。人事課としても、従業員の負荷が減ったと感じる機会が増え、安心しています。
SmartHR発信のコンテンツで人事・労務の最新情報をキャッチ
SmartHRを利用されるなかで、サポートコンテンツをご覧になったことはありますか?
橋本さん:はい。新しい機能を使う際には、ヘルプセンターをよく見ています。実際に、給与明細や源泉徴収票を従来のシステムから切り替える際には、ヘルプセンターを参照しながら対応していました。
他社のシステムやツールのなかには、長いマニュアルから該当箇所を探さなければいけないこともあるのですが、SmartHRの場合は、適材適所にヘルプセンターのリンクが張ってあります。そこをクリックして参照すれば簡単に見られるので、非常に便利ですね。大抵のことはヘルプセンターを見れば解決できるので、非常にわかりやすくて助かっています。
チャットサポートも利用されたことはありますか?
橋本さん:年末調整のときに何回か利用させていただきました。自分の知りたい情報がヘルプセンターで見つからないときに、チャットで質問していました。返信も的確にいただけたので、その後の作業もスムーズでしたね。
ほかにも、SmartHRが展開するコンテンツもよく拝見しています。年末調整など自分の業務に関係するメルマガが届いたら読んでいますし、関心のあるセミナーにも参加しています。法改正など専門的な内容については、必ずしも周りにいるメンバーが全員くわしいわけではありません。普段使っているSmartHRからの発信で安心感もありますし、最新情報のキャッチアップにも役立っています。
業務効率化だけでなく、企業理念に沿った従業員の働き方改革へ
今後、取り組みたいことを教えてください。
橋本さん:表計算ソフトで管理している一部の人事情報を、SmartHR内で完結できるようにしていきたいです。住所の変更などは、いまだに一部は紙でのやり取りが残っています。それらをすべて電子化できるとより便利になるので、ゆくゆくは実現していきたいです。
西地さん:引き続き従業員の負担となっている業務を効率化し、タレントマネジメントシステムの活用を視野に、エンゲージメントの向上に努め、従業員一人ひとりの価値を発揮できるような環境づくりに専念していきたいです。
弊社は、2つの企業理念を掲げています。1つは「人に喜ばれることを判断基準として仕事を選び従事する」と。もう1つは「志は高く、謙虚に、感謝と和合の精神を持って、人とお付き合いをさせていただく」こと。
従業員が幸せに健康に働くことができれば、家族も従業員を応援するようになり、その結果、一流の仕事をお客さまに提供できる。地域が活性化すれば、また弊社によい人材が集まってくると考えています。従業員第一主義の会社として、それらを体現する存在になりたいです。そのために、これからも従業員や業務にまつわるさまざまなことに取り組んでいきます。
各種業務の効率化には、従業員一人ひとりを大切にする貴社の思いが込められていますね。引き続きSmartHRの活用範囲を拡げ、ご活用いただけると幸いです。本日は貴重なお話をありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。