年末調整にかかる時間が大幅減。変化に対応し自律した組織づくりへ
課題
- 特定のPCからしか人事データにアクセスできず、管理できる人がかなり限定されていた
- 人事データが一元管理されておらずバラバラだった
- 入社手続きや人事に関わる申請書のやりとりを紙で運用していたため、手間がかかり、管理も煩雑だった
解決策
- 人事データのやりとりをスムーズにし、従業員の負担を軽減
- 年末調整をSmartHRで実施、離れた拠点の方にも画面を見ながら電話でサポート
効果
- 年末調整にかかっていた時間が1/6に短縮
- 2日かかっていた給与明細配布業務も不要に
- 入社日当日の手続き時間が短縮され、研修により多くの時間を割けるようになった
チキンハンバーグ、ミートボールなどの加工食品の製造販売を展開する石井食品株式会社は、1945年に創業し、70年を超える歴史ある企業です。素材のおいしさを引き出すため、石井食品の製造過程においては食品添加物を使わない「無添加調理」にこだわり、安全とおいしさを追求した食の提供を続け、事業拡大しています。
拡大につれ従業員の働き方の多様性が増す一方で、煩雑化した人事労務管理が課題でした。社内での人事データのやりとりをスムーズにし、従業員の負担も減らすため、どのように取り組まれたのか、業務統括部 総務人事 マネージャ 矢上さん、リーダー秋本さんにお話を伺いました。
人事データが一元管理されておらず、扱う手間がかかっていた
SmartHRを導入する背景について教えてください。
秋本さん:以前は特定のPCからしか人事データにアクセスできず、管理する人やアクセスできる人がかなり限定されていました。
また、従業員のデータも複数のシステムやファイルに保管されており、一元化されていませんでした。そのため、データの集計や分析などをしたくても、権限をもつ人がいないと進められず困っていたんです。
矢上さん:入社手続きや人事に関わる申請書のやりとりを紙で運用していたため、手間がかかり、管理も煩雑になっていました。
その課題解決のためにSmartHRの導入を決めた理由は何でしょうか?
矢上さん:商談で話を伺い、トライアル期間にじっくり操作画面を使って検討しました。勤怠や給与計算システムと連携ができるかなどを試し、「画面がシンプルでわかりやすく、これであれば操作できるね」という感覚を持てたのでSmartHRに決めました。
秋本さん:操作画面を試すなかで、営業担当の方の対応がとても丁寧でした。質問した際にもすぐにお返事があり、相談しやすかったです。自社に合わせた項目やフォームが作成できること、オンライン雇用契約・文書配付や給与明細機能も便利だと感じました。
矢上さん:追加される予定の機能も、今後社内で必要なものと合致していましたので、SmartHRであれば長く利用できるのではないかと思いました。
社内浸透のため、あらゆるコミュニケーションツールをフル活用
幅広い世代の方がいるなかで、導入するうえでどのような工夫をされましたか?
秋本さん:従業員にはPCやスマホが苦手な人もいましたので、なぜ導入するのか、どう使うのかを丁寧に伝達しています。まずは初期登録の完了を目標にし、時間をかけてじっくり進めました。
SmartHR側から提供いただいたマニュアルのひな形を自社用にアレンジして配布し、コミュニケーションツールをフル活用してアナウンスしたんです。メールやチャットツールはもちろん、直接電話したり、職場へ訪問して話したり、個別にサポートもしました。
2020年の年末調整はいかがでしたか?
秋本さん:格段に便利になりましたね。紙のない年末調整は初めての試みでしたので説明会を実施したり、従業員へ呼びかけたりサポート業務は増えましたが、従業員の皆さんに楽になったなと感じてもらえるように、丁寧に進めました。
最初は「なんでも電子化って言われて面倒だ」という声もありましたが、実施してみると「え?
これで終わりなの?」「すぐに完了して便利だった」などのポジティブなコメントもたくさん届きました。当初あったネガティブな声に対しても、「次年度からは入力する情報も少なくなって楽になりますよ」と伝え、理解してもらえるように活用を進めました。
また、遠方の事業所で勤務する従業員やコロナウイルス対策でリモートワークをする従業員も多く、従来の紙運用ではやりとりに手間がかかり大変だったのですが、SmartHRでは同じ画面を見ながら電話でサポートできてお互い楽でしたね。
矢上さん:提出状況のステータスがひと目でわかるのが便利でした。紙だとバラバラと届くので、誰が今どの状態なのかを把握するのも一苦労でした。これまでは書類に大量の付箋をつけ、1枚ずつ確認していましたが、今年は「あれ、いま年末調整やっているのかな?」と思うくらい本当にスマートでした。
これから活用したい機能はありますか?
矢上さん:人事データが集約されてきましたので、あとは現場で何人ものハンコが必要になるようなフローを「申請・承認機能」で改善していきたいですね。人事側で見ている組織図や紙で保管している履歴書などもSmartHR上にまとめられれば、さらに楽になります。
ぜひSmartHRの組織図機能もご活用ください!
年末調整にかかっていた時間が1/6に短縮、より手厚い研修を実施できるように
導入後の変化を教えてください。
矢上さん:最初に話したとおり、人事データへのアクセスが課題でしたので、データを探したり出力したりする時間がかなり短縮されたのは大きな変化です。以前は別のフロアまで行き、キャビネットから履歴書を探すこともありましたが、今はPC1つで完了します。
年末調整では差し戻しなどに30時間ほどかかっていたのですが、紙でのやりとりがなくなったため5時間弱まで短縮されたほか、2日かかっていた給与明細配布業務も不要になりました。
矢上さん:入社手続きがほぼ入社前に完了するようになりました。入社日当日の手続き時間が短縮され、研修により多くの時間を割けるようになっています。
経営側と従業員が同じ方向を向き、やるべきことに専念できる環境をつくりたい
今後取り組みたいことを教えてください。
矢上さん:今までは総務人事内で業務効率化を進めていましたが、次は従業員全員が楽になるように改善したいです。
会社としては、より自律した組織を目指していきたいです。何かを言われたからやるのではなく、従業員一人ひとりが主体的にやりたいことをやりたい時にできるように。そのために事務処理やデータ収集におけるストレスやハードルを軽減して、やるべきことに専念できるようにしたいですね。
秋本さん:SmartHRの中に人事データを集めている途中ですが、今後はそれを正確でわかりやすい情報にまとめるなど活用して、業務改善に繋げていきたいです。
矢上が話したように、従業員が働くうえで、やりたいことに専念できる環境づくりが必要です。従業員に負担がかかっている手続きや仕組み、制度がまだまだありますので、改善を進めなければなりません。
どんな会社にしたいと考えていますか?
矢上さん:部署の垣根を超えて、横のつながりを深め、アイディアが行き交う関係をつくりたいですね。新型コロナウイルスの影響を受け、今までのやり方を変えなければならなくなっています。「じゃあ何をすればいいか?」というときに、上からの指示を待っているだけだと前に進めません。
年齢や役割に関わらず、「こんなことをやりたい」「これはどうだろう?」と各所から湧き上がってくるような会社を目指したいです。
秋本さん:経営側と従業員が同じ方向を向き、進んでいける会社にしていきたいですね。仕事で「楽しい!」とか「やりきった!」などの達成感を得られるとよりよいですよね。
「自分でやってみたら楽しかった、頑張れた」という喜びと、会社からの「よく頑張ってくれたね」という評価が結びつくと大きな力になると考えています。そんな力を生み出せるような環境づくりに取り組んでいきたいです。
働く場所や職種が違っても、同じ方向を向いて進んでいきたいというメッセージがとても印象的でした。お話しいただきありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。