契約更新の手続き時間「75h→0h」変化に対応できる組織づくりを推進
課題
- 主に紙で運用していたためミスが多発し、情報変更の履歴が残らず管理も煩雑だった
- 従業員の増加に伴い、入退社手続きや従業員に関わる手続き業務が増加
解決策
- 「オンライン雇用契約・文書配付機能」で雇用契約業務もオンライン化し、効率化
- 入退社のマニュアルなどは、ToDoリスト機能を使って印刷や配布の手間を削減
効果
- 契約更新にかかる手続きは、1人30分程度×150名で、約75時間分の対応時間を削減
- 入退社手続きのミスがなくなりましたし、煩雑な状況も改善
- 従業員から「すごく便利だ」と好評の声が上がっている
旅館・ホテルのオンライン予約事業「一休.com」を運営する株式会社一休。レストラン予約、スパ予約、ギフトチケット販売事業なども展開し、事業成長を続けています。2016年2月からヤフーグループ(現・Zホールディングス)の一員となり新たな段階を迎え、業務改善や組織づくりを進められています。
入退社、雇用契約手続きの効率化を目的に、2019年5月よりSmartHRを導入。導入の背景や活用について、人事総務部の重松さん、大島さんに伺いました。
入退社手続きの紙運用による「業務の煩雑さ」が課題
SmartHRを導入する背景について教えてください。
重松さん:以前は自社ですべての労務業務を遂行していたのですが、主に紙で運用していたためミスが多発していました。書類を探しづらく、どこに保管しているかわからなかったほか、情報変更の履歴が残らず管理も煩雑で。まずは給与計算業務をアウトソーシングし、ミスを減らすようにしました。
次に従業員の増加に伴い、入退社手続きや従業員に関わる手続き業務が増加し、ここも改善の検討を始めました。
入退社の手続きも紙で運用していたのですか?
重松さん:すべて紙です。マニュアルを一人につき1枚印刷し、手続きが終わった項目をレ点で消していくという運用でした。
大島さん:たとえば入社に必要な書類は10種類ほどあり、枚数ですと20枚くらいあったと思います。それを事前に郵送し、記入したものを入社時に持参してもらっていました。支社の従業員も含めて一気に20人ほど入社したときは、紙に記入されたものをスキャンして給与計算業務のアウトソーシング先にデータで共有したり、控えを返したり、誰の何の書類があるかないかの確認で本当に大変でした。
「オンライン雇用契約・文書配付機能」が導入の決め手
SmartHRの導入にあたり、比較検討されましたか?
重松さん:5社くらい比較検討し、トライアルもしました。アウトソーシングにかかる費用や私たちが書類を作成して回収するまでの手間などを加味し、導入する場合の費用対効果を試算してじっくり検討しました。
導入の決め手は何でしょうか?
重松さん:「オンライン雇用契約・文書配付機能」がとくに業務効率化につながりそうだったことです。当時、全国に契約社員が合計150名くらいおり、半年毎の契約更新時に一人ひとり面談をして雇用契約書に本人の印鑑をもらっていました。先ほどお話しした入退社手続きの改善や年末調整に加え、雇用契約業務もオンライン化できると思い導入を決めました。
導入から活用において、工夫されたことはありますか?
大島さん:ライフイベント等による入社後の情報変更にも活用できるよう、工夫しています。従業員情報の変更手続きは「申請・承認機能」を利用しているのですが、社内ポータルサイトにSmartHRへのリンクを貼り、情報登録と申請をしてもらうことで、スムーズに情報の変更・管理ができています。
重松さん:導入前に紙で管理していた入退社のマニュアルなどは、ToDoリスト機能を使うことで印刷や配布の手間がなくなりましたし、紛失の心配がなくなりました。ToDoリストは誰が見てもできるように細かく説明を記載するように工夫しています。
一方で、社員証をなくした場合の紛失届など、あえて紙で提出してもらっているものもあります。紙でやりとりする手間をかけることで、直接伝えたい注意事項や制度の背景を再度認識してもらうことも大事だと思うからです。減らすべき手間は減らし、コミュニケーションが必要な場面ではあえて紙を残す運用にしています。
契約更新にかかる手続き75時間を0に。従業員からも好評
導入後の変化を教えてください。
大島さん:全国にいる契約社員と半年に一度、契約更新の手続きを面談形式で行っていましたが、SmartHR内で完結できるようになりました。1人30分程度×150名で、約75時間分の対応時間を削減できたのは大きいです。中には、こういった定期面談のときに人事と話せると思っていた契約社員の方もいらっしゃるかもしれませんが、現在は必要な人に必要なタイミングで必要なだけ面談することを意識しています。
他には、とにかく入退社手続きが楽になりました。ミスもなくなりましたし、煩雑な状況も改善されました。何より従業員から「すごく便利だ」と好評です。先ほどお話しした「申請・承認機能」を使って従業員の住所変更などもスムーズになりましたし、電子申請も便利ですよね。退職の手続きも、退職届の印鑑なども必要なく、従業員から「これで終わり?」と言われることもあり、便利すぎて驚いています。
重松さん:私は年末調整が楽になって助かりました。導入前は紙で運用していましたので、用紙の配布と回収がとにかく大変だったんです。以前は、「書き方がわからない」と、私の座席まで直接問い合わせに来る社員もいましたが、今年は一切ありませんでした。保険の金額が間違って入力されていても、こちらの画面で数字を修正するだけです。紙だと訂正印を押してもらって回収するやりとりが必要ですが、それがなくなり楽になりました。
蓄積された人事データを元に、あるべき組織の形を実現していく
今後実現していきたいことはありますか?
重松さん:現状は、現場に足を運べば情報を得られるほか、顔と名前が一致しますので、その人やそのチームの状態がなんとなく把握できています。現に「エンゲージメントサーベイ」を実施して結果を見ても、びっくりする結果はなく、なぜその数値が出てきたかを説明できる状態です。
一方、これから従業員数が増えると徐々に組織課題の把握が難しくなり、今のうちから先を見据えて準備したいと考えています。入社に必要な基本情報から入社後の異動や評価、面談履歴などの定量・定性情報まで、さまざまな人事に関わるデータが集まってきていますので、いつでも活用できる状態を目指したいと思っています。
2020年はコロナ禍やGoToトラベルなど、これまで経験したことのない大きな変化がありました。そのため必要な部署へのダイナミックな人事異動や、営業組織の見直しなどが必要になりました。これからも世の中の変化に合わせて柔軟に対応できる人事・組織でありたいです。
大島さん:一休で働くことで、働く皆さんの人生が豊かになるといいですよね。私は何社か経験して一休にいますが、非常に働きやすい会社だと思いますので、よりよい環境を作っていきたいです。皆さんが仕事でチャレンジをするなかで、社内手続きなどの慣れない作業に費やす時間・労力はできるだけ少ない方がいい。その分、業務に集中できる環境をつくりたいと思います。
ありがとうございます。最後にSmartHRに期待していることを教えてください。
重松さん:人事労務業界をSmartHRに牽引していってほしいですね。顧客の声を集約し、業界全体に発信したり、よりよいサービスづくりを進めたりしてもらえるとありがたいです。
期待にお応えできるよう、よりよいサービス開発を進めてまいります。お話しいただきありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。