約50店舗の従業員が「年末調整がラクになった」と実感。業務効率化を推進し、働きやすい環境づくりを目指す
課題
- 書類不備の修正に工数がかかり、保険証の発行が最大1か月かかった
- 郵送でのマイナンバー回収にセキュリティ面で不安があった
- 年末調整対応ではシステムログインの問い合わせなどの対応負荷が高かった
解決策
- SmartHR上での労務業務に慣れるため、使える機能を絞って利用開始
- 給与明細の利用案内を進め、日々利用するシステムである認識を広げる
- 年末調整をSmartHR上で対応可能な体制を構築
効果
- 入社時だけでなく、給与明細、身上変更がSmartHR上で完結する状態に
- マイナンバー回収をSmartHRに移行。スピーディかつ安全な管理体制に
- 年末調整の対応がスムーズになり、従業員から「ラクになった」との声
進まない書類提出。入社手続きの工数削減を実現したかった
SmartHR導入以前の課題を教えてください。
大橋さん:入社手続きを効率よく進められず、総務部に大きな負担がかかっていました。
主に店長が入社予定者と入社手続き書類のやりとりをしていたのですが、店長のシフトによって対応ができるスケジュールは変わります。そのため、総務部と店長の間の連絡すら数日かかるような状況でした。
それ以外にも、必要な書類がすべて揃っているか、店長が把握できていないこともありました。郵送された書類を総務部が確認し、書類不足を指摘するケースも多々あったんです。
保険証の発行に関しても、本人と家族の情報が必要なのに、本人の書類だけが届き、家族の情報が不足していることもありました。最終的に、それらの書類を総務部の労務担当者が全国健康保険協会に送らなければいけないのですが、不足情報を集めるのに時間がかかり、保険証の発行までに1か月以上かかってしまうのも珍しくありませんでした。
入社予定者からの書類を整えるのに苦心する状況が続いていたんですね。
大橋さん:はい。入社手続きだけでなく、店舗の設備管理や消耗品の発注、在庫の管理、労務など幅広い業務も担当していました。SmartHR導入以前は、従業員4名が総務部にいたのですが、1分1秒の時間も惜しい状況でした。
どのような経緯で、SmartHR導入に至ったのでしょうか?
大橋さん:はじめは、入社手続きを効率化しようとデジタル庁のe-Gov電子申請サービスを導入してみました。しかし、弊社ではスムーズな運用につなげられず、入社手続きのペーパーレスは実現できませんでした。そこで、ほかのシステムはないかと探しているなかで出会ったのが、SmartHRでした。
SmartHRの何に魅力的に感じられましたか?
大橋さん:SmartHR上で従業員がアンケート形式の質問に答えるだけで必要な情報が揃うところですね。「従業員側と管理側双方で工数削減につながるシステムとしてSmartHRを導入したい」と稟議を申請したところ、上司の理解も得られ、比較的スムーズに承認が得られました。
SmartHRの利用率を可視化。長期スパンで導入を進める
SmartHRを社内でどのように導入されていったのでしょうか?
大橋さん:まずは使用する機能を限定してSmartHRの導入を進めました。総務部のなかには、業務をシステム上で進めることに慣れていない人もいたため、いきなり業務全体でSmartHRの活用を浸透させるのはハードルが高かったんです。
そこで、まずは入社手続きの流れのうち、ハローワークと全国健康保険協会への申請から切り替えました。
SmartHR導入の第一歩は、総務部の従業員に業務がラクになる体験をしてもらうこと。導入によって、書類を手書きする必要がなくなり、ハンコを押す手間も省けます。実際に業務効率化を実感してもらったうえで、啓蒙活動を展開し、スムーズな店舗での導入を図れないかと考えていました。
具体的にどういった啓蒙活動をされたのでしょうか?
大橋さん:全店舗を管轄する店舗運営部や、役職者向けに、SmartHRの利用率を高めるための協力を呼びかけると同時に、社内の利用率を可視化しました。店舗以外の各部署の課長にも「各部署におけるSmartHRの利用状況」のデータを見せながら、コミュニケーションを実施。実際の困りごとに紐づけたユースケースを共有ながら、便利さを伝えました。このような啓蒙活動の結果、「意外と簡単ですね」と、2人、3人と利用し始める人が増えていきました。
SmartHRの便利さを伝えていくことが普及の鍵となったのですね。
大橋さん:はい。もっとも多くの人がSmartHRを利用するようになったきっかけは、給与明細の発行に伴う出来事でした。
給与計算の手続きでミスや不備が重なり、給与支給日までに紙の給与明細が各店舗のもとに届かない可能性が生じた月があったんです。そこで、全従業員に対して、紙の給与明細の発行が遅れる旨と同時に「SmartHRの給与明細にて閲覧できます」とアナウンスしました。それによって店舗の従業員の「SmartHR=入社時に使うもの」という認識が変わりました。「今までログインしたことなかったのですが、使ってみます」といった報告も増えましたね。
SmartHR導入のメリットを体感してもらうことが、社内浸透を加速させるための大きなポイントだと再発見しました。
スピーディーな申請が可能。セキュリティアップにも貢献
SmartHR導入後の効果について教えてください。
平本さん:入社当日に保険証の手続きなどを電子申請できるようになりました。入社前に手続きを完了できるよう、事前に招待メールを送っています。また、当日中に電子申請したことで、従業員の手元に届くスピードが早くなりました。
マイナンバー管理に関しても、以前は個別に郵送するなどしてセキュリティ対策を実施していたんです。無事に届いたかどうか、確認作業も発生していましたが、導入後はSmartHR上でやりとりが完結します。マイナンバーは暗号化されるので、第三者から閲覧されることもなく、従業員は安心して提出できる体制になりました。総務部としても、工数を削減しながらセキュリティ強化を実現できています。
年末調整についても、2023年の終わりからSmartHRに切り替えられたと伺いました。そちらはいかがですか?
矢部さん:以前は、ほかのシステムで年末調整を実施していたのですが、「(受信側の設定によって)メールが届かない」「ログインのパスワードを忘れた」といったトラブルが立て続けに起きていました。さらに、保険料控除や確認事項などの項目を社内でダブルチェックをするために申請書類を印刷・回覧作業していたため、余分な手間がかかっていたんです。
年末調整をSmartHRに切り替えたところ「メールが届かない」という問い合わせがなくなり、ダブルチェックも画面上で実施できるようになりました。さらに、電子的控除証明書が使えるとアナウンスしたところ、従業員から「入力をしなくて済んで、ラクになった」と、嬉しい声が多く届きました。
ほかにも、以前は不備があるとメールでやりとりすることが多かったのですが、差し戻し機能を使って、やりとり回数も減らせました。
業務効率化を図り、多様な人が働きやすい環境づくりへ
ほかに、工数削減につながったものはありましたか?
大橋さん:入社後に発生する従業員情報の変更ですね。扶養者の追加や住所の変更などマニュアルは用意していたのですが、総務部に質問が多く届いていました。今ではSmartHR上での手続きを案内するだけで済んでいます。
ほかにも、従業員が直接SmartHR上で申請できるようになり、各店舗の店長の業務負荷が軽減されました。
今後の展望について教えてください。
矢部さん:タレントマネジメント機能を活用できたらいいなと考えています。とくに従業員サーベイを、人事情報とともに活用できれば相乗効果が生まれるはずです。
また、SmartHRが展開しているユーザーコミュニティ「PARK」にも興味があります。2023年11月にSmartHRのオフラインセミナーに初めて参加しました。ユーザー同士でお話したことをきっかけに、横のつながりも生まれました。さまざまな知見を得たり、情報交換したりしながら勉強していけたらよいですね。
大橋さん:バックオフィス業務の効率化をさらに進めたいです。現在、多くの部署からSaaSの導入要望が増えており、本当に便利なシステムに集約していく必要があるなと感じています。そういった取捨選択をし、さらなる業務効率化を図りたいです。
それと同時に、年齢や性別、国籍を問わず、多様な背景を持つ方が働きやすい環境を作っていきたいです。そのためにも便利なシステムを導入し、さらなる効率化を目指していきたいですね。
本日は、貴重なお話をありがとうございました!引き続きSmartHRを便利に活用いただけるよう、ご支援させていただきます。
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掲載内容は取材当時のものです。