次なる一手は人事評価制度の構築。「ひとり人事」が取り組んだSmartHRによる業務効率化
課題
- 給与明細の印刷から封入、発送まで紙での運用による負荷がかかっていた
- 申請書類も紙ベースで、時にはイレギュラーな対応が発生していた
- 入社手続きを紙で管理・運用することに対して煩雑さを感じていた
解決策
- 年末調整をSmartHRで実施
- 給与明細や電子申請などの機能も活用
効果
- 毎月の給与明細業務にかかる工数を2〜3時間短縮
- 年末調整の差し戻し工数を削減
株式会社グローバルエアカーゴは、航空便で運ばれてくる生鮮品や加工チルド食品の輸送を担う、物流企業です。
同社は、紙で実施していた年末調整が煩雑であったことから、2020年10月にSmartHRを導入。年末調整業務を皮切りに、給与明細や各種申請業務などもSmartHRに切り替えていきました。
今回は、グローバルエアカーゴで経営管理本部で人事総務を担当している清水さんにSmartHR導入の経緯や決め手となったポイント、導入後の変化について伺いました。
紙での運用が、業務効率化の足かせに
SmartHRを導入する以前はどのような課題がありましたか?
給与明細の発行や年末調整、社会保険の手続きなどすべて紙で運用しており、それぞれの業務負担が大きくなっていました。
給与明細の発行に関しては、約120名いる社員の給与明細をすべて印刷・封入をして各物流センターに向けて発送。すべて1人で作業していたので、毎回2〜3時間ほどかかっていました。
受け取った社員が都度、封を開けて確認する手間を考えると、紙の運用である必要はないと感じていました。私自身、溜まっていく給与明細をどう管理し続けたらよいかわからず、扱いに困っていました。
社員情報の変更申請は、どのようなフローで運用されていたのでしょうか?
社員は、人事総務の窓口担当にフォーマット用紙をもらい、その用紙に沿って必要な情報を記入していました。書き終わったら、郵送で人事総務宛に送ってもらい、私の手元に届くようなフローです。
なかには申請対応が難しい方もいて、各物流センターにいる人事総務の窓口担当が代わりに申請書類を作成することもありました。住所・通勤経路の変更や、扶養の削除・追加もすべて紙での申請でした。
ほかに、感じられていた課題は何かありますか?
雇用契約書の管理ですね。入社時に書面で一緒に確認しながら締結し、社員に持ち帰ってもらえる点では便利だったのですが、入社する社員数が増えると管理の手間も増えますし、退職者が出た際に分けて管理するのも面倒に感じていました。
SmartHR導入で、年末調整が想定よりもスムーズに進行
SmartHRの導入を検討された経緯を教えてください。
当時の部長から「年末調整が紙なのは、本当に大変だよね。システムを入れよう」と言われたことが、きっかけでした。
そのころは、社員は住所と名前を記入し、保険料控除証明書などを添付して提出するだけで、人事総務が計算しなければならず手間がかかっていて。社員も多かったことから、管理しなければならない紙も増え、現状をどうにかしたいと考えていました。
他社のツールも比較検討されたと思いますが、SmartHR導入の決め手は何でしたか?
雇用契約書を電子で配付できることでした。
SmartHR以外にも他社のツールを比較検討していたのですが、当時は正直そこまで変わりがないように見えました。ただ、よく調べてみると、1つだけ明確な違いがあったんです。それが、文書配付機能でした。SmartHRであれば、雇用契約書も電子で配付できます。
年末調整、給与明細だけでなく、雇用契約書を電子化できるのであればと思い、SmartHRを選びました。ネームバリューがあることも安心材料でした。
導入までのハードルはありましたか?
いえ。弊社の役員も紙をなくすことに対してはポジティブな反応を示していたので、スムーズに導入できました。
社員のなかには紙で配付・申請していたものがデジタル化されることに対して、少し抵抗があるのではないかと考えていました。そこで、デジタル化による抵抗感をできるだけ小さくするために、まずは、「はい」「いいえ」のボタンを押すだけで簡単に回答できる年末調整から導入することを決めました。
実際にSmartHRを導入されてみて、いかがでしたか?
想像していたよりもスムーズに社員が使いこなしていました。
説明会を実施し、その内容をもとに管理者がほかの社員にやり方を教える方法を取ったのですが、うまくいきましたね。
業務効率化により、本質的な仕事に時間を割けるようになった
SmartHR導入によって、どのような効果が表れましたか?
給与明細書の発行にかかる時間がわずか数分になりました。既存の給与計算システムからデータをはきだしてSmartHRの給与明細に取り込むだけなので、毎月2〜3時間かかっていた作業からは解放されました。
また、SmartHRから役所へウェブ申請が可能なため、業務効率が改善されました。とくに、離職票は今まで手書きで非常に手間がかかる対応でしたが、今はSmartHR内にあるデータを修正するだけで済むので工数削減になっています。
ほかに効果のあった取り組みはありますか?
入社手続きがSmartHR上で登録できるようになり、各物流センターによる書類回収の手間がなくなりました。これまでは、各物流のセンター長が決めた入社日を受け、業務担当者が入社書類を準備していました。入社日にお渡しして書いてもらっていたのですが、なかには、年金手帳がない方やマイナンバーが手元にない方もいて、回収する書類の管理に手間がかかっていました。
現在は、SmartHR上で、社員とやりとりできるので、業務担当者の負担が大きく減り、本来の業務に集中できています。
清水さんは1人で人事総務を担当されていますが、ご自身でもSmartHRの導入における変化は何か感じられていますか?
有期契約者の見落としがなくなったことですね。SmartHRであれば雇用契約書をオンラインで締結できるため、1年ごとに契約を締結するよう、雇用契約書を作成・配信しています。1人で運用していると、紙の場合は忘れてしまうこともありましたが、システム導入によってそれがなくなりました。
ほかにも、年末調整の差し戻し工数を削減できました。保険料の控除部分の間違いが多いのですが、「ここが違うので、直してください」とコメントを残した書類を社員に戻しても、そのとおりに修正されて返ってくることは少なかったです。
直ったと思っても、また別の修正点が見つかることも多く、「私の方で直しますので、そのままご提出ください」と、最後は巻き取ってしまうこともありました。
SmartHR上でも修正することはありますが、以前よりもやり取りが少なくなり、ほかの業務に使える時間が増えました。
業務効率化の側面でも変化が生まれているようですね。
はい。これまでは、雑務に時間が取られてしまい、本質的な仕事に時間が割けないこともあったのですが、今はそれらが改善されはじめています。1人で人事総務の仕事をしているからこそ、直に導入効果を感じています。
人事評価制度を整え、長く社員が定着する会社づくりを
今後、取り組みたいことを教えてください。
従業員サーベイの導入ですね。社員が会社や自分の業務、上長に対して、どう思っているのかなどをアンケートで聞けたら嬉しいなと思っています。まだ導入には至っていませんが、今後使ってみたいと思っています。
もう1つは、人事評価制度の導入です。弊社は人事評価の基盤が整っておらず、昇給や賞与も明確な基準がまだありません。さらに、物流業界では2024年問題があり、人員不足が見込まれています。社員がここで働きたいと思う会社をつくるためにも、まずは今働いている社員を大切にしなければいけません。
自社で働くモチベーションを向上させるためにも、働きぶりを適切に評価することが必要だと感じています。SmartHRに蓄積された社員情報を活用しながら、人事評価もできることを最近知ったので、ゆくゆくは人事評価制度の導入に取り組んでいきたいです。
素敵なお話をありがとうございました。今後の人事施策においても引き続きSmartHRをお役立てください!
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掲載内容は取材当時のものです。
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