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年末調整の業務負担を1/2に。運転士採用の強化で経営課題への取り組みをスタート

西肥自動車株式会社
  • 課題
    労務業務がすべて紙運用で対応工数が課題だった
    従業員情報の管理場所が点在しており、重複する情報を手入力する工数が発生していた
    労務業務に追われ、採用業務などで新たな施策を展開できなかった
  • 解決策
    年末調整をSmartHRで実施
    入社手続きなどをペーパーレス化
  • 効果
    年末調整業務の工数は半分以下に削減
    提出書類の不備も減り、申請をする運転士たちの対応工数も削減
    運転士の採用に特化した「人財開発支援室」を設立し、採用・育成強化施策が進行中

1920年の設立以来、長崎・佐賀の重要な公共交通手段として、地元に愛され続けている西肥自動車株式会社。400名を超える従業員の年末調整の工数削減とペーパーレス化対応を目的として、SmartHRを導入しました。導入後は、従業員情報をSmartHRに一元化。入退社手続きをはじめ、労務にまつわるさまざまなシーンで活用しています。

経営管理部の宮沢さんに、SmartHR導入の背景やその後の変化についてお話を伺いました。

年末調整業務の工数削減と従業員データの点在が課題

まずは宮沢さんが所属している経営管理部についてお教えください。

宮沢さん:経営管理部は、年末調整業務や入退社手続きを担当する総務と、採用活動を展開する人事領域に分かれています。私は各担当者の業務の進捗管理を中心に、従業員のさまざまな悩みをお聞きする相談窓口も担当しています。

経営管理課には、10名のスタッフが在籍しており、年末調整などの労務業務は2名で対応しています。

SmartHR導入を検討したのは、どのようなきっかけがあったのでしょうか。

宮沢さん:最初のきっかけは、年末調整でした。これまで年末調整に関する書類は、すべて紙で管理していました。従業員の名前や住所を印字・配布して従業員に記入してもらい、保険料控除申告書とあわせて書類を回収していたのです。とくに年末調整業務は、管理や対応に多くの工数を必要としており、書類回収時にタイムロスも生じていました。

また、従業員情報が点在していることも大きな課題でした。担当者が従業員情報を基幹システムに入力したにもかかわらず、別のスタッフが同じ従業員の情報を異なるシステムに入力するなど、従業員情報を管理するシステムが複数にわたっていました。従業員情報を一元管理できないかと考えたのも、導入を検討した大きな理由の1つでもあります。

経営管理課内で、従業員情報の管理場所や項目も分かれていたとのことですが、具体的にはどのような手続きと項目だったのでしょうか。

宮沢さん:入社手続きが一例となります。1人の従業員の入社手続きに、何名ものスタッフが複数のシステムに同じ情報を入力していました。具体的には、従業員の入社時に集めた個人情報を、まずは表計算ソフトで作成した労働者名簿に入力。その後、社会保険の資格取得手続きに関しては、電子申請システムに入力していたのです。

また、バスの運転士であれば運転士台帳への入力が必要で、運行管理部門の担当者は運転士台帳システムへの入力が必要でした。

導入の決め手は「運転士が使いこなせるUI」

数あるシステムのなかから、SmartHRを導入された決め手は何でしたか?

宮沢さん:パソコンに慣れていない運転士たちでも使いやすいUIが大きな決め手でした。当社の従業員は、過半数が乗務員とバスの運転士です。事務スタッフ以外には、パソコンを1人1台ずつ貸与しておらず、年末調整などはご自身のスマートフォンで手続きする必要があります。

経営陣への提案時も、運転士たちが使いこなせるシステム」が焦点となっていました。導入前に検討した別のシステムは、項目や入力後の遷移がわかりにくく、PCが苦手な方には使い勝手が悪いように感じました。SmartHRは優しい緑と白だけで構成されているため、入力項目が非常に見やすいのが印象的でした。

(宮沢さん)

スムーズな導入を目指し、資料を作成して社内に展開したとのことですが、どのような資料を配布したのでしょうか。

宮沢さん:導入時にSmartHRさんからいただいたお役立ちアイテム」にある従業員向けマニュアルがベースです。主に運転士を対象として、重要な4つの項目だけに絞り、A4の用紙に1項目ずつ記載しました。また、労務に携わっていない方にもわかりやすい言葉に置き換えるなど、少し加工しました。

また、懸念点の1つであった運転士ご自身での登録も、運転士同士で情報を共有するなど、比較的スムーズに進められました。

従業員の方々からは、導入時にどのような反応があったのでしょうか。

宮沢さん:給与明細に関しては、従来どおりの紙配布を希望する声があったので、導入当初は紙とSmartHRの「給与明細」を併用して、どちらがよいか検討してもらいました。従業員からも給与明細は好評だったため、半年後には紙での給与明細を廃止でき、出力や配布の工数削減も実現できました。

10名体制の年末調整業務を2名で完了。書類の不備も大幅減少

年末調整業務は、給与明細の移行と同時でスタートしたとのことですが、導入後にどのような効果がありましたか。

宮沢さん:SmartHR導入以前と比較して、年末調整業務の工数は半分以下に削減できました。従来は、営業所スタッフを含め10名体制で書類を確認していたのですが、今回は私と担当者の2人でチェックを完了できました。

チェック工数を削減できたのは、複数の従業員の同じ項目を先にチェックするなど、分担して作業を進められたことが大きかったですね。営業所別にグループ分けもできましたし、「住宅控除あり/なし」などでグループ分けした結果、効率よくチェックできました。

以前は、1人の従業員が提出した書類を都度チェックしていました。SmartHRでは、今どこまで作業ができていて、どこまでが終わっているかを判別できるので、「確認が終わっている項目を再度チェック」など、ミス防止に時間を使えたのもよい点でした。

提出書類の確認以外ではどのような効果がありましたか。

宮沢さん:書類回収や不備の確認にも大きな効果がありました。従来は、営業所単位で一定の期日までに本社へ送付してもらっていました。また不備があった際には、書類を営業所へ送付したり、電話で確認したりする必要があるため、確認以外の工数削減も課題でした。

とくに、運転士は常にバスに乗務しているため連絡を取るのも大変で、1つの確認に数日かかることもあります。SmartHR導入後は、システムを介して個別に差し戻しや確認ができるため、不備も減っただけでなく、運転士たちの確認工数も削減できたのです。

また、例年ヘルプを頼んでいた経営管理部の他メンバーが年末調整業務に携わることなく、本来やるべき業務に集中できたのも大きな収穫でした。

入力していただいた従業員の方々からはどのような反応があったのでしょうか。

宮沢さん:年末調整に関しては、導入時に懸念だった使用感についてはまったく問題ありませんでした。アンケート形式で必要な項目を入力すれば進められるので、「何をどこに入力すればよいかわかりやすい」と好評でした。質問に沿って「はい/いいえ」と選択するだけで、扶養控除や保険料控除の申告書ができあがります。

従来は、「正しく記入しなくても、経営管理部で修正してくれるだろう」と考えていた従業員もいました。SmartHRの年末調整機能は、質問に答えれば申告書の作成が完了します。経営管理部からの問い合わせ対応など、従業員の負担も大幅に削減できたので、おおむね好意的に受け入れられています。

削減した工数で運転士の採用を強化。経営課題への取り組みを本格化

SmartHRの導入による労務工数の削減によって、今後、新たにどのような取り組みを進めていこうとお考えでしょうか。

宮沢さん:SmartHRの導入から半年後の2023年4月に、運転士の採用に特化した「人財開発支援室」を設立しました。当社に限らず、バス業界は多くの会社で運転士が不足しています。また、運転免許を所有していない方も年々増えていく一方で、定年退職者も増加しているため、運転士数の確保は経営課題の解決につながります。

運転士採用の専任部署では、若手人材の採用・育成に主眼を置いて、高卒の採用をスタートしました。採用後は1年間にわたり幅広く業務を経験してもらい、大型二種免許を取得できる19歳以降に、本格的に運転士として育成する仕組みです。

また人財開発支援室では、運転士が気持ちよく働いていただける環境を維持する活動も展開しています。

今後は高卒人材の採用を強化するために、高校生や各学校へ直接アピールする活動を積極的に展開していく予定です。そのためにもSmartHRを利用して、さらなる労務業務の効率化を進めたいですね。

引き続きSmartHRがご支援できるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!