コロナ禍で加速したペーパーレス化。従業員が業務に集中できる環境を目指して
課題
- 人事労務に関する手続きの大半が紙で行われていたため、各店舗との書類の送付・回収が煩雑になっていた
- 申請内容によって申請方法がばらばらなため、どの手段で労務手続きを行えばいいのかが従業員にとって分かりづらかった
解決策
- 年齢・性別問わず、誰もが使いやすいツールを選定し効率化
- 手続きのワークフローの構築
効果
- 「申請・承認機能」により、手続きのワークフローを確立
- API連携により、他のサービスと効率的なデータのやりとりが可能に
株式会社BAKEは、「お菓子を、進化させる。」というミッションを掲げ、焼きたてチーズタルト専門店「BAKE CHEESE TART」など、9つのスイーツブランドを提供しているお菓子業界の急成長企業です。
同社は国内外に120店舗(うち国内70店舗、海外50店舗)を展開、全体では1,300名を数える従業員の労務手続きの煩雑さに課題を感じていました。
SmartHRの導入後、新たに労務領域の担当となった人事チームの並木さん、上田さんにSmartHR導入後の変化についてお話を伺いました。
導入の決め手は「誰もが使いやすいデザイン」
まずは、導入の背景について教えてください。
並木さん:以前までは人事労務に関する手続きの大半が紙で行われていたため、各店舗との書類の送付・回収が煩雑になっていました。
また、申請内容によって紙を使用したり、Google フォームを利用したり、時には別のシステムを使用したりなど、どの手段で労務手続きを行えばいいのかが従業員にとって分かりづらい点が課題でした。
導入の決め手は何ですか?
並木さん:年齢・性別問わず、誰もが使いやすいデザインです。担当者として実際に使用してみても、全員が漏れなく同じゴールにたどり着けると確信しました。
弊社には10代の学生から60代まで幅広い年齢層のメンバーが在籍しているため、「どのメンバーにとっても扱いやすい」点はツール選定時の優先事項です。
随時、進捗確認ができるといった私たち担当者の使い勝手はもちろんですが、労務の知識がないメンバーでも操作に迷うことなく、案内に従うだけで手続きが完了できる点が気に入っています。
コロナ禍をきっかけにペーパーレス化が加速
並木さんは、2020年1月に入社されたと伺いました。当時の社内の状況を教えてください。
並木さん:これまで以上にメンバー目線を重視した組織づくりへシフトするべく、人事部を中心に体制が大きく変わったタイミングでした。
その後、間もなくコロナ禍に突入しましたが、人事労務目線ではSmartHRを中心としたペーパーレス化を推進する上で、追い風になった部分もありました。
逆境をむしろ、転換のチャンスだととらえたわけですね。
並木さん:働き方の変化への対応をはじめ、各種労務手続きのペーパーレス化が本格的に加速しました。
御社は多数の店舗と幅広い年齢層の従業員を抱えていますが、導入はスムーズに進みましたか?
並木さん:本部、店舗、工場の中でも、特に工場勤務者の中でPCやスマートフォンを持っていないメンバーがおりまして、その方たちへ対応が必要になりました。
どのように対応をされたのですか?
並木さん:現場に共有PCやタブレットを複数台配置して、そこから各自のアカウントより個別にログインしてもらっています。
ただ、これはあくまでも暫定的な措置ですので、全社的には数年先を見据えて各自のPCやスマートフォンからの利用を促していきたいと考えています。
申請・承認機能で月末の申請にも対応可能に
導入後の変化について教えてください。
並木さん:SmartHRの利用にあたって、特に効率化したいと考えていた業務が、手続きのワークフロー、年末調整、雇用契約の3つです。
中でも「申請・承認機能」によるワークフローについては、すでにSmartHR上で完結できるように移行済みです。その結果、細かい時間の積み重ねの効率化を実感しています。
具体的にはどんなケースがありましたか?
並木さん:例えば、給与振込口座の変更届への対応です。月末にメンバーから変更届が紙で送られてきた場合、届くまでに2〜3日かかります。その間に承認が間に合わず、旧口座へ振り込んでしまったことや、振り込みエラーが発生してしまったことがありました。
SmartHRの申請・承認機能を使えば、オンラインで即座に対応できるため、月末での処理も迅速に対応できるようになりました。
管理者側だけでなく、従業員の方も嬉しい効果ですね。それ以外の場面で変化を感じたのはどんな場面ですか?
上田さん:私はAPI連携を重宝しています。弊社では、健康管理システム「Carely」を使用していますが、利用範囲を広げた際に新たに従業員情報が必要になりました。その際にAPI連携でSmartHR上のデータを簡単に移せたことが、効率的で嬉しかったですね。
もし連携できていなかったら、同じCSVにデータ形式を変えて項目を揃えるために並べ替える必要があったので、かなりの手間を省けたと思います。
雇用契約の電子化で柔軟な雇用を目指す
直近で解決したい課題はありますか?
並木さん:まずは、私たちが担当になって初めての年末調整を迎えますので、一部残っている紙の運用をペーパーレスへと移行していきます。
また、同時に進めている雇用契約のペーパーレス化にも注力します。
というのも、弊社では毎年4月の契約更新時に、メンバーのうち約1,000名分、本人用と会社用で1人2枚、合計2,000枚分の印刷と、そのすべてに押印が必要になります。
次回の更新時に向けて、年内中の入社者から順に「オンライン雇用契約・文書配付機能」を使用して、完全なペーパーレス化への準備を進めています。
やはり、御社にとって雇用契約のペーパーレス化は特に重要な課題なのでしょうか?
並木さん:これまで、弊社ではアルバイトのみなさんは一律で1年単位で契約更新してきましたが、小売業にとってこの状態は必ずしも理想の状態ではありません。
やむを得ず店舗が閉店になることもありますし、昨今の時勢のように市場環境が大きく変化してしまうこともあります。1年先を予測するのは簡単ではないので、どうしても店舗側での採用も慎重にならざるを得ません。
とはいえ、これを3ヶ月、6ヶ月、1年など異なる雇用期間に対応しようにも、これまでの紙の運用の場合、書類の配付・回収・人事側とのやりとりで工数がかさみ現実的ではありませんでした。
これをSmartHRの活用によって解決したいと考えています。完全に電子化することで、やりとりをスムーズにするだけでなく、更新期限が迫っている従業員を正しく管理して、更新時期が異なる中でも柔軟に対応できる体制を整えたいと考えています。
従業員が安心して業務に集中できる環境を
最後に、今後の展望を教えてください。
並木さん:これまでは、メンバーが人事部に対して何かしらの申請をしようとしても、やり方がわからなかったり、手続きが難しかったりして、どうしても時間がかかってしまっていた部分がありました。
そうなると、店舗で働くメンバーであれば、本来お客様と8時間接することができるところが、仮に申請に30分とられていたとしたら、その分やるべき仕事ができずに機会損失になってしまいます。
人事部としては、メンバーそれぞれが注力すべき業務に集中してもらえるよう、メンバー目線での環境整備を進めていきたいと考えています。
上田さん:最近では、社内で育児休業の取得者の増加にともない、対象者向けに各種申請の案内や精神的なケアを含めたサポートを開始しました。
今後もSmartHRを活用、効率化によって生まれた時間を使って、メンバーのためのサポートに時間を使っていきたいですね。
従業員のみなさんに寄り添うお二人の思いが伝わってきました。本日は貴重なお話をありがとうございました!
※
掲載内容は取材当時のものです。