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人事業務のDX化で「従業員のやりたい仕事」を実現できる会社に

平尾さん、小澤さん、竹内さん
  • 課題
    働き方改革やコロナ禍により労務管理が複雑に
    紙と鉛筆ベースの労務業務のテコ入れが必要に
  • 解決策
    場所を選ばず労務手続きが可能な状態へ
  • 効果
    印刷準備が、休日出勤なし・残業ほぼゼロで2〜3人日削減
    効率化により生まれた時間で新たな人事施策にも取り組めた

株式会社静岡新聞社・静岡放送株式会社は、静岡県民や静岡県に関心を持つ方々の生活を豊かにするため、新聞の発行、テレビ・ラジオの放送、デジタルサービスなどを行っています。県内外に3支社、2総局、25支局の拠点を保有し、ニュースの取材活動に万全を期しています。

2019年に同社は人事系のシステムとして、初めてクラウド型の勤怠管理システムを導入。その後、2020年にタレントマネジメントシステム、2021年にはSmartHRを導入し、時間・費用などのコスト削減や人事業務のDX化を進めています。

負担の大きかった年末調整をはじめ、さまざまな課題をどのように効率化されたのか、導入の背景や変化について、平尾さん、竹内さん、小澤さんの3名にお話を伺いました。

労務手続きにかかる時間を削減し、従業員が本業へ集中できる環境を作りたい

SmartHRを導入した背景や理由についてお教えください。

竹内さん:年末調整シーズンになると、人事の電話が鳴りっぱなしで、担当者は問い合わせ対応に追われていました。人事担当者は、記入漏れなどで従業員が損をしないように丁寧に対応していましたが、「説明がわかりづらい」と文句を言われるような光景を見て、従業員と人事担当者がどちらもプラスになるように変えたいと思い、導入を検討しました。

SmartHR導入以前の人事・労務上の課題を教えてください。

竹内さん:働き方改革や新型コロナウイルス感染拡大により、人事の労務管理や手続き対応が複雑になっていました。2019年にクラウド型の勤怠管理システムを導入し、紙と鉛筆ベースで行っていた業務を改善して効率化を進めてきましたが、年末調整や給与明細など、他にもテコ入れが必要だと思いました。

小澤さん:給与明細は印刷してから現場に郵送するなどすべて人事部で対応し、工数が多いと感じていました。そこで、給与明細は社内システムで電子配布するように変更したのですが、社内のLAN環境内という制限もあり、オフィスに出社しないと給与明細を確認できず、毎月問い合わせが来ることも課題の1つでした。

現場のオペレーションだけでも、かなりの工数がかかっていたんですね。

竹内さん:当時の人事担当は6人。新卒採用や給与計算、研修など、業務の掛け持ちも多く、日々のオペレーションを回すのが精一杯でした。運用を見直そうとしても、チーム内で情報共有や育成に時間を割けない、業務が属人化するなど、負のスパイラルから抜け出せない状態でした。

私たちが本来取り組みたかったのは、事業戦略や経営戦略に合わせた採用や育成、組織開発、エンゲージメントを高める施策の実施です。そこに時間を割けないことに課題を感じていました。

(竹内さん)

(竹内さん)

きめ細やかで具体的なコスト削減提案が導入の決め手

最終的にSmartHRに決めた理由をお教えください。

竹内さん:決め手は、弊社が抱えていた課題に対して、導入前に明確な解決方法の提案をいただけたことです。弊社用の業務の棚卸しシートを作っていただき、削減できる作業時間を詳細に出していただきました。

それを何回か重ねていくうちに、弊社の課題に対して的確に歩み寄ってくれたことで、信頼感が増していきました。

具体的にはどのような提案だったのでしょうか?

平尾さん:労務手続きの申請に関わる労働時間の削減で、人件費として400~500万円の削減効果が見込めるという提案をSmartHRさんからいただきました。

他にも、場所を選ばず年末調整などの複雑な作業をストレスなくできることで、従業員の満足度が向上するという2つの軸でご提案いただけました。

運用にあたってどのように進めていったのでしょうか。

小澤さん:最初は、2021年4月の給与明細の配布からSmartHRを利用していきました。1月のキックオフのミーティングで、SmartHRさんからつくっていただいたタスクリストとスケジュールに沿って、私がプロジェクトマネージャーとなって2か月ほどで準備しました。

(小澤さん)

(小澤さん)

綿密なスケジューリングと準備で「年末調整が楽しみ」に

年末調整はどのように進められたのでしょうか?

小澤さん:最初は助走の形で、SmartHRという名前を社内に浸透させることを意識していきました。毎月の給与や、結婚・人事異動での住所変更などの申請手続きをSmartHRに変えていき、従業員が触れるタイミングを少しずつ増やしていって、本番は年末調整での利用を想定していきました。

年末調整までにどのように告知していったのでしょうか。

小澤さん:9月ぐらいから準備を始めると同時に、会議体や掲示板で告知し、社内勉強会を開催して年末調整の流れについて理解を深めてもらいました。

資料もゼロから作るのではなく、SmartHRさんから共有していただいたテンプレートを元に、私たちの運用での注意点をアレンジしました。資料は掲示板に掲載して告知して、10月の下旬には、早朝のオンライン社内勉強会で従業員の皆さんに説明しました。

その結果、11月からはSmartHRという名前が社内で飛び交うような環境になりましたね。

年末調整業務を進めた率直な感想をお教えください。

小澤さん:前年の年末調整が本当に大きな改正で、とても大変でした。その記憶が残っていて、「年末調整はよくわからなくて大変」というイメージは、従業員にも人事担当にもあったのではないかなと思っています。

人事担当内でそのイメージを払拭できたのは、SmartHRのコミュニティに参加したことでしたね。他社の人事担当の方と交流する機会があり、年末調整に向けて何をどう進めたかを教えていただきました。その結果、私たちは安心して、楽しみながら年末調整に臨むことができましたね。

竹内さん:小澤さんをはじめ、人事担当のメンバーが「年末調整が楽しみ」とすごく前向きにお話ししていたのが印象的でした。人事担当内で実行した決起集会の様子を見た従業員からは、「人事さんは楽しそうに仕事しているね」と声をかけてもらえるぐらい、チームのモチベーションが上がりました。

人事部門責任者の観点から、平尾さんはどのような変化を感じられましたか?

平尾さん:導入してから従業員の問い合わせが少なく、使いやすいことを改めて実感できました。また、育休中や産休を取得する方が郵送や書類を提出しに来ることが減ったり、給与明細を印刷していた音もなくなったり、社内の“風景”が変わりましたね。

従業員の方の反応はいかがでしたか?

小澤さん:社内勉強会はSmartHRの説明だけでなく、年末調整そのものを知ってもらうことを意識して開催しました。勉強会を主催した先輩から「ほとんどの部署で参加してくれて、合計で参加者は100人超えだった」と勉強会終了後に連絡いただくなど、皆さんの関心の高さを実感できました。

(平尾さん)

(平尾さん)

工数削減で人材マネジメント施策の実施に成功

導入後の変化を教えてください。

小澤さん:印刷準備に関しては、休日出勤なし・残業ほぼゼロで2〜3人日削減できました。メールを配信した初日は、開始3時間で20人が年末調整を完了して、その日の終わりには、約40人が完了できましたね。

一番効果があったのは、私たち担当者の確認スピードが早まったことでした。今までは、書類が集まるまで人事はずっと待っているだけ。確認できずに、11月に開始してから2週間は何も手を打てなかったんです。

竹内さん:画面上で申請が済んでいる人を確認して、どんどんさばいていけるので、確認作業のスピード感が上がりました。これまでは締め切り間際に書類が集まってきて、土日出勤や残業で何とか間に合わせるスケジュールでした。

作業量だけでなく、スケジュールを前倒しにできたことで、締め切りまでに余裕が生まれたことが最大の効果だと思います。

例年に比べて工数を削減できたことで、新たな取り組みはできたのでしょうか?

小澤さん:キャリア面談や従業員の声を聞く機会など、いろいろな試みに取り組めましたね。他にも、他部署に3か月間チャレンジできる社内公募を実施したのですが、前年の年末調整のタイミングでは時間を作れなかったと思っています。

SmartHRを従業員データの起点とした人材マネジメントに注力

今後、取り組んでいきたいことを教えてください。

平尾さん:これからの組織づくりにおいて、人材マネジメントは今以上に重要になっていくと考えています。そのなかで、従業員個人の特性やキャリア志向など、人事が個々と向き合う時間がますます必要になります。今回SmartHRを導入したことで、確認などの作業と次の施策を考える時間の比重が変わり、本当によいシフトチェンジができたと思っています。

今後は、従業員個々のキャリアや能力を伸ばせるような組織と制度の構築に注力していきたいですね。

竹内さん:ここ2年半ぐらいで、さまざまな人事系のクラウドシステムを導入してきました。今後は、SmartHRに登録している正しい従業員データを起点にして、中核にして、他のシステムに連携することを考えています。

貴社が推進していく人材マネジメントにおいてSmartHRがさらに貢献できるよう、改善を進めてまいります。本日は貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。