年間約400万円のコスト削減。「顧客に向き合う環境」のために
課題
- 拠点間での入社書類のやりとり、2,000名を超える雇用契約更新の管理が煩雑
- 入社書類の準備と必要書類の回収に時間がかかっていた
- 書類の訂正のために郵送で戻したりする必要もあり、手間も発生していた
解決策
- 他社システムと連携し、効率的に管理
- 高齢の方には端末を貸与し、給与明細配布から段階的にスタート
効果
- 現場の工数削減につながり、年間約400万円のコスト削減へ
- 保険証は受け取りまでに3~4週間かかっていたが、1週間~10日ほどでお渡しできるように
- 雇用保険加入手続きはハローワークに持参する必要があり、月10時間ほどかかっていたが、現在は半分くらいに短縮
愛知県名古屋市に本社を置く株式会社オールハーツ・カンパニー様。ベーカリー・パティスリー事業を運営し、「ハートブレッドアンティーク」「ねこねこ食パン」「ピネード」「パステル」などのブランドを全国に展開されています。
入社手続きや年末調整、2,000人にのぼるアルバイトの契約更新手続きを紙で運用することに課題を感じ、SmartHRを導入。多店舗展開し、従業員の年齢層も20代から60代と幅広いなか、どのように活用されているのかご担当者さまにお話を伺いました。
拠点間での入社書類のやりとり、2,000名を超える雇用契約更新の管理が煩雑
SmartHR導入前の課題を教えてください。
入社書類の準備と必要書類の回収に時間がかかっていました。労働条件通知書や就業規則など送付する書類は1人あたり10〜15枚あり、事業所ごとに書類を郵送して回収する必要があります。理想としては5日間くらいで回収したいところを、期日通りにいかず、実際は倍の10日間かかっていました。書類の訂正のために郵送で戻したりする必要もあり、手間もありました。
当時は勤怠管理システムや給与計算システムの見直しのため、他社サービス含めお話を聞き、どこから整えていくべきか優先順位を考えていました。具体的な課題として、毎月入退社数が約100名発生していること、アルバイトの契約更新業務が煩雑だったことから、入退社手続きや雇用契約更新にかかる時間の効率化を優先して検討していました。
導入の決め手を教えてください。
飲食業界はアルバイトも多く、多様な人が働いています。人事システムはどこも基本的な機能はおさえていると思うのですが、そういうメインの機能より、少し外れたところをちゃんとカバーできるのかが大事です。そのため、同じような業種・業態の企業の事例があるかどうかを重要視しました。SmartHRを導入したのは、同業種の事例があったこと、他社システムとの連携ができることが理由です。今は他のシステム導入を検討する際、「SmartHRと連携できるかどうか」を重視しています。
2019年1月に導入されていますが、この時期に導入された背景はありますか?
アルバイトの契約更新が毎年3月にあり、約2,000人の対応が必要になるため、その時期を見越して検討していました。SmartHR上で雇用契約状況の把握や手続き業務を進められるとかなり業務効率化が進みます。
高齢の方には端末を貸与し、給与明細配布から段階的にスタート
店舗や工場で勤務される方が多く、年齢層も60代までと幅広いですが、導入はスムーズに進みましたか?
スマートフォンを持っていない方には、店舗や工場に設置しているパソコンや社内のiPadを一時的に使用するよう案内しています。60代の方もいらっしゃいますが、特に大きな問題はなく、家族のスマートフォンやパソコンを借りている人もいます。このようなITツールが苦手な方も一定数いましたが、SmartHRが提供しているマニュアルを自社用にアレンジして導入を進めました。
はじめは給与明細の配布からスタートし、段階的に導入することにしました。理由は2つあります。1つ目は、全員が見る「給与明細」は最初のログインのきっかけとして一番良いこと。2つ目は、給与明細を封筒に入れて郵送していた人事側の作業を早く改善したかったことです。この作業は人事総動員で毎月3日くらいかかっており、かなり大変でした。
現場の工数削減につながり、年間約400万円のコスト削減へ
SmartHRを導入した効果を教えてください。
年間400万円くらいのコスト削減につながりました。特に現場の工数削減が大きいです。店舗で1時間削減できれば合計150時間、そこにかかる人件費を考えると相当な金額になります。人事部門側の効率化よりもそちらのほうが効果として大きいですね。多店舗展開しているからこそ出やすい効果だと思います。入社手続きや年末調整など、店舗に行かずに自宅でできるところも好評です。
保険証は、これまで受け取りまで3~4週間かかっていましたが、今は1週間~10日ほどでお渡しでき、すごくありがたいです。
毎月の入退社数も100名ほど発生していたとのことですが、そちらはいかがですか?
SmartHRを利用する前、雇用保険の加入手続きは別のシステムで書類を作成し、ハローワークに持参していましたので、月10時間ほどかかっていました。SmartHRで電子申請するようになり、ハローワークに行く必要もなくなりましたので、半分くらいに短縮されました。社会保険料の月額変更届(健康保険・厚生年金保険
被保険者報酬月額変更届)や、育児休業関連の手続き(育児休業給付受給資格確認票・育児休業給付支給申請)もよく活用しています。
今年(2020年)の年末調整をSmartHRで実施するのは初めてですが、いかがでしたか?
紙運用と比較して、対応状況の進捗が画面で確認でき、ダブルチェックもしやすいです。これまでは事業所ごとのリストを紙で作り進捗を確認していましたが、それも必要なくなりました。本人が店舗や工場にいなくてもやりとりできるのが便利です。
また、年末調整の依頼から紙の回収までの期間を10日間にしましたが、8割くらい回収できました。今回は初めてですが、来年以降は従業員の皆さんも慣れてくると思いますし、データが残りますのですごく楽になると期待しています。
従業員の方からの反応はいかがでしょうか?
「年末調整がすごくわかりやすく、楽になった」と聞きました。
また、店長会で、SmartHRの感想を聞いたのですが、「人事がこのようなツールを導入してくれて、私たちのサポートをしてくれているので、お客様とパンに向き合っていきましょう」みたいなコメントを頂けたんです。私たちは現場のサポートが仕事で、いかに従業員のみなさんがお客様やパンやケーキ作りに向き合う時間を増やせるかが重要です。その人事側の想いが、SmartHRを導入したことで伝わったと感じられて、嬉しかったですね。
従業員がイキイキと働く会社づくりは、お客様も幸せにする
今後どのようなことに取り組みたいと考えていますか?
これまで長く飲食業界に関わってきましたが、この業界は年齢層や雇用形態が多様で、多店舗展開のために雇用している人の数も多いです。みなさんがイキイキと働くことは、きっと社会にとって良い影響があるでしょう。
現場の皆さんがおいしい商品をお客様に提供できれば、お客様もハッピーですよね。そのような社会づくりのために、従業員がイキイキと働く会社にしたいです。今、コロナ禍で「当たり前のありがたさ」を感じていると思いますが、食もまさにそうです。食は人を幸せにする力があります。私たちがおいしい商品を提供し、お客様を幸せにするために、良い会社づくりに取り組んでいきたいです。
最後に、SmartHRに期待することを教えてください。
紙運用をデータ化するのが第1段階だと思っていて、そのデータを一元管理するのが第2段階。さらにデータを活用して改善を図っていくのが第3段階で、それが今叫ばれているDX(デジタル・トランスフォーメーション)ではないでしょうか。今は第1段階から第2段階に差しかかったところで、第3段階はまだこれからだと思います。人事労務のDXをSmartHRにぜひ牽引してほしいと期待しています。
飲食業界のこれから、より良い社会づくりに取り組めるよう、SmartHRもこれからさらなるバージョンアップを進めてまいります。お話いただきありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。