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導入事例

勤怠も給与も、SmartHRへ。多様な勤務形態でも給与計算を社内で完結

株式会社Relic導入事例

課題

  • 働き方が多様化し、勤務形態が5〜6パターンに複雑化
  • 勤怠は社内・給与計算は外部委託で、運用もデータも分断
  • 集計にミスが生じると給与に直結するため、確認負荷とリスクが高かった

解決策

  • すでに労務で使うSmartHRへ、勤怠・給与を集約
  • 勤怠、給与の順で段階移行し、従来の運用と並行させて正確性を確認
  • 設定代行サービスを利用し複雑な計算式をスムーズに整備

効果

  • 決まったロジックで計算され、給与計算の「信頼度」が向上
  • 本人申請データをそのまま反映でき、正確な給与計算体制に
  • 給与明細も特別休暇の残日数も、従業員本人のSmartHRで確認

事業共創・新規事業開発支援を手がける株式会社Relic。専門職が成果創出に集中できるよう、創業以来のフレックスタイム制に加え、管理監督者の適用や裁量労働制などを取り入れ、働き方の自由度を高めてきました。

一方、勤務形態が複数のパターンへと多様化。勤怠集計は社内で実施し、給与計算を税理士事務所へ委託する分担体制でした。社内での集計にミスが発生した場合、そのまま給与に反映されてしまいかねない構造上のリスクを抱えていたのです。

その課題解決のため、労務管理ですでに利用していたSmartHRへ、勤怠管理給与計算を集約することを決断しました。その結果、担当者がデータを転記する作業はなくなり、給与計算の信頼度そのものが変わったとのことです。勤怠・給与をSmartHRへ集約し、給与計算を社内で担う体制へ移行した経緯と成果について、執行役員 Co-Creator Experience部長の藤井さんと、同部で労務実務を担う比嘉さんに、お話を伺いました。

専門職の働き方を支えるために、勤務形態が多様化

はじめに、Co-Creator Experience部がどのような部署なのか教えてください。

藤井さん: 私たちRelicは、新規事業開発の支援を手がけています。クライアントと一緒に事業を共創していく従業員を「Co-Creator」と呼んでおり、そのCo-Creatorが事業を推進していくための環境整備をする役割として、Co-Creator Experience部という名前になっています。

担当している業務は、経理・労務・総務などのコーポレート業務です。

比嘉さん: 私はCo-Creator Experience部で、労務業務全般を担当しています。

藤井さん: SmartHRを日常的に使っているのは比嘉で、私はダブルチェックをしたり、イレギュラーな対応が発生した際に2人で相談しながら進めたりしています。

執行役員 Co-Creator Experience部長 藤井さん
執行役員 Co-Creator Experience部長 藤井さん

事業の成長に伴い、勤務形態を見直してきたと伺いました。

藤井さん: 創業当初は、従業員数が数名で「全従業員がフレックスタイム制」というシンプルな状態でした。そこから事業の成長に伴い約300名の規模まで増え、全国に拠点ができ、職種も多様化していきました。

当社が手がける新規事業開発の支援は、時間をかけた分だけ成果が出る仕事ではありません。専門職ですので、成果に向けた時間の使い方は、従業員本人に委ねたほうが働きやすい面があると考えています。

そうした事業特性と従業員のニーズにあわせて、働き方を見直しました。

勤務形態は、何パターンあったのでしょうか。

比嘉さん: 勤務形態としてはフレックス制と、裁量労働制の2つですが、労働時間規制の適用外となる管理監督者を含めると、管理の区分は大きく3つあります。

またフレックスのなかにも短時間勤務による複数パターンの所定労働時間がありましたので、そこまで含めると、勤務形態は5〜6パターンほどありました。

藤井さん: 当社には、M&Aで加わった会社出身の従業員もいます。その場合、固定残業代など一部の規定が異なるケースもあり、そうしたイレギュラーなパターンも加えると、さらに複雑です。

SmartHRへの集約以前は、勤怠や給与計算はどのように運用されていたのでしょうか。

比嘉さん: 勤怠は従来の勤怠管理システムで記録し、給与計算は社外の税理士事務所に委託していました。

毎月、全員分の勤怠集計データを社内で確認し、割増賃金の支払いや控除など、その月の給与額が変わる要素のある人だけ抽出して、給与計算を外部委託する税理士事務所にお渡ししていたんです。

そして、勤務形態が増えたことでこの抽出のパターンがとても多くなり、どのケースを税理士事務所へ連携すべきかの判断が、かなり難しくなりました。手間もかかりますし、ミスも起きやすいところだったと思います。

その運用には、どのようなリスクがあったのですか。

比嘉さん: 外部への委託という構造上、勤怠の記録は従来の勤怠管理システムに、給与計算の仕組みは税理士事務所側にあって、2つはシステムとしてつながっていませんでした。そのため、税理士事務所側には私が集計してお渡ししたデータしかなく、給与計算の際に元の勤怠記録にさかのぼって集計の正しさを確かめるすべはありませんでした。

つまり、私が集計したデータが「正」として取り扱われるので、集計を間違えたら、間違えたまま支払われてしまいかねない構造でした。藤井さんにチェックしてもらいながら進めていましたが、集計内容が正しいか、過去の同じケースではどう処理していたかを確認するのに、多くの時間を費やしていました。

藤井さん: もう1つ、マスターデータが二重管理のような状態になっていたことも課題でした。従業員情報は私たちがSmartHRでもっている一方、実際の給与計算は税理士事務所側のシステムを中心に回っていました。

毎月、給与計算を依頼する際に、扶養の追加や住所変更に伴う手当の変更などを表計算ソフトでまとめてお渡ししていたため、その連絡が漏れると、そのまま給与計算の誤りに直結してしまう運用でした。

SmartHR導入前の勤怠管理・給与計算の流れ

労務業務でSmartHRを使っていたことで勤怠・給与の移行コストを軽くできた

勤怠・給与をSmartHRに集約した理由を教えてください。

藤井さん: 理由は2つあります。まずは移行コストです。

集約にあたっては、別のクラウドサービスにすべてをそろえ直す選択肢も検討しました。ただ、その場合、すでにSmartHRで運用している従業員情報や労務手続き、年末調整まで、すべて移行することになります。

すでに使っているSmartHRに勤怠・給与を加える形であれば、その必要がありません。トータルでみて一番リーズナブルだと考えました。

そして、労務領域の専門性です。

たとえば、会計領域を本業とするクラウドサービスにも労務管理や給与計算の機能はありますが、成り立ちとしては会計が起点にあります。経理・労務・総務を担う私たちの部署としては、労務まわりの細かな要件までカバーしきれるか不安がありました。労務領域を本業とするSmartHRのほうが、私たちが求める機能がそろっていると判断しました。

比嘉さん: 当社では、もともと年末調整のペーパーレス化を目的にSmartHRを導入した経緯があります。私自身も前職からSmartHRの年末調整を使っており、なじみがあったことも、今回の勤怠・給与の集約がスムーズに進んだ理由だと思います。

勤怠を先になじませ、給与計算へつなぐ

移行はどのように進められましたか。

藤井さん: 先に勤怠を入れて従業員に慣れてもらってから、それと連携して給与計算へ、という流れでした。

比嘉さん: 社内の意思決定としては、勤怠管理と給与計算を一気にSmartHRへ寄せる方針でした。その進め方をSmartHRのカスタマーサクセス担当の方に相談したところ、「まず勤怠から入れて、勤怠が定着したところで給与計算の設定を進めていきましょう」と提案いただきました。

2025年11月に勤怠・給与計算を契約。移行の準備を進め、最終的なテストを兼ねて2026年3月に従来のシステムとSmartHRを並行運用し、2026年4月から勤怠を一斉に切り替えました。そこからSmartHRでつけた勤怠をもとに給与計算のロジックを組んでいき、契約から約半年かけて勤怠と給与計算の移行を完了しました。

給与計算の切り替えでは、どのような点に気を配りましたか?

藤井さん: 給与計算は絶対に間違えることができません。SmartHRで計算しつつ、従来の方法でも二重に走らせて差分がないことを確かめ、確認が取れたら翌月に進む。基本は二重運用チェックで、正確性を担保しながら切り替えていきました。

従業員のみなさんの反応はいかがでしたか。

比嘉さん: 従来の勤怠管理システムは画面がかなりシンプルだった一方、SmartHRは機能が豊富なぶん、当初は操作方法に関する問い合わせが多かったです。

社内ポータルにスクリーンショット付きのマニュアルを整備して案内したことで、今ではだいぶ慣れてくれたと思います。

Co-Creator Experience部 比嘉さん

SmartHRへの集約がもたらす、信頼・効率・安心のデータ基盤

給与計算の設定では、貴社ならではの複雑さがあると伺いましたが、実際にはいかがでしたか。

比嘉さん: その点では、SmartHRのエキスパートパートナーによる設定代行に、とても助けていただきました。

最初は、そうした支援があると知らなかったので、「大変だけど自分たちでできるだろう」と思っていました。しかし、一覧にしてみると意外とたくさんの支給控除項目があり、各項目に対して働き方のパターンごとの計算式をあてはめていかなければなりませんでした。振り返ると、通常業務に重ねての対応は難しかったように思います。パートナーチームの方とはミーティングで方針をすり合わせ、細かな確認はタスク管理ツールで進める形だったので、スムーズにやり取りができました。設定代行に入っていただけていなかったら、絶対に漏れが発生し、導入はスムーズに進まなかったと思います。

また、仕様面でも一つひとつ相談しながら設定を進めていただきました。

計算にSmartHRの従業員情報のどの項目をどのように使うか、この計算のためには新しく項目を追加しないといけない、といった部分は自分たちだけでは手探りで進めていかなければならなかったので、本当にありがたかったですね。

運用面で、日々支えになっているものはありますか。

比嘉さん: チャットサポートにもとても助けられています。

「こういったことはできますか」と聞くと、画面のスクリーンショットやFAQのURLとあわせて回答をいただけて、だいたい1〜2往復のやり取りで解決するんです。

今はできないことでも、近い方法での代替案まで提示してくださるので、安心して運用できています。

「決まったロジックで計算される」ため、信頼度が向上

導入前後で、何が一番変わりましたか。

藤井さん: 給与計算のエラーが発生するリスクを、大きく低減できたと感じています。

以前は、集計した中間成果物を委託先に渡し、先方のシステムに取り込んで計算していました。データの出し入れや加工が多く、そこに抜け漏れや計算ミスなどのリスクが潜んでいたため、正確性の担保が大変でした。

今は、SmartHRに入っているデータと、SmartHRのなかにあるロジックで計算され、それに対して社内でダブルチェックができているので、「決まったルールのなかで、決まったロジックによって正しいデータが計算されている」という給与計算の信頼度が、大きく向上したと思います。

転記が消え、SmartHRが「従業員データベース」になった

実務の面では、どのような変化がありましたか。

比嘉さん: 一番大きいのは、身上変更の反映です。

以前は「子供が生まれて扶養が追加になった」「引っ越しをして通勤手当が変わった」といった情報を、SmartHRで収集後、表計算ソフトに入力し直して給与に反映していました。

今は私の手が入ることなく、従業員ご本人が申請してきたデータを、そのままSmartHRで抽出して給与計算に使えます。ご本人が入力したデータなので、転記によるミスが起こらないことが、もっとも大きな変化だと思います。

SmartHR導入後の勤怠管理・給与計算の流れ

比嘉さん: そして、これまでのSmartHRは、どちらかというと入社時の手続きと、住所変更などの身上変更があったときにだけアップデートするものでした。

それが、給与計算にまでデータがつながるようになったことで、査定の情報や、育児・介護休業といったデータも、リアルタイムにきちんと更新していく運用に変わりました。

給与に直結するからこそ、データの土台を整え続ける意識になりました。ここは今後もしっかりやっていきたいと思っています。

給与明細も、特別休暇の残日数も、自分のSmartHRで完結する

従業員のみなさんにとっての変化はいかがでしょうか。

藤井さん: 以前は、給与明細は税理士事務所からパスワード付きの添付ファイルで送信していました。

委託していた構造上そうならざるを得なかったのですが、社外のメールアドレスから自分の給与明細が届くという点で、不安に感じてしまう従業員がいたかもしれません。

今は、普段から使っているSmartHRにログインすれば、そこで給与明細も確認できるので、そうした簡便さや安心感も、大きな変化の1つだと思います。

比嘉さん: それから、入社日ごとに付与される特別休暇の残日数も、SmartHR上で管理できるようになりました。従業員のみなさんが自分で記録しておく必要がなくなり、正しく使ってもらいやすくなったと思います。

SmartHRへの集約が、給与計算の内製化を現実的な選択肢にする

これから同じように勤怠・給与の集約を検討する企業へ、アドバイスをお願いします。

比嘉さん: 導入や切り替えそのものに、どうしても意識が集中しがちだと思います。ただ実際には、「移行したあとの運用設計」を事前に検討しておくことが大切です。たとえば勤怠確定のための事業部管理者・労務間の連携をどのように行うのかや、給与計算結果のチェックをどう進めていくかを決めておくと、実際に運用が動き始めてからも格段にスムーズだと思います。

それから、働き方のパターンが多い会社や、これからも増える可能性がある会社、柔軟な働き方を受け入れていきたい会社は、変数がとても多いので、エキスパートパートナーによる導入支援の活用をオススメします。

藤井さん: スタートアップは、創業期には会計も給与も士業の先生にお願いするのが当たり前で、どこもそうされていると思います。

ただ、事業が一定の規模まで成長すると、私たちが直面したような複雑性や運用コストの課題に行き当たります。スタートアップが成長する過程のどこかで、内製化の意思決定が選択肢に入ってくると思います。

私たちの場合は、従業員が約300名を超え、新しい勤務形態も入ったタイミングでこの課題に直面し、移行を実施しました。

給与計算を社内で運用することは、確実性やコストメリット、従業員との距離の近さにもつながる選択肢だと思います。同じような事業フェーズにある企業の方は、検討してみてもよいのではないかなと思います。

多様な働き方を支える勤怠・給与の基盤づくりに、SmartHRへの集約が一助となれていることを大変嬉しく思います。貴重なお話、ありがとうございました!

掲載内容は取材当時のものです。

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