脱・情報管理の属人化とハンコリレー。SmartHRへの移行で業務負担を約60%削減
| 社名 | 株式会社ベストロジ三重 |
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課題
- データ管理が属人化され、情報アクセスの際に手間が発生していた
- 従業員情報の変更申請が紙で運用され、承認に時間がかかっていた
- 会社からの重要な情報が全従業員に届きづらかった
解決策
- SmartHRをリプレイス導入し、分散していたデータを一元化
- 申請をペーパーレス化し、スマホによる申請・承認フローを構築
- お知らせ機能で現場への安全・品質・環境に関する情報を配信
効果
- 申請の承認スピード向上と、書類の紛失・手入力による転記ミスが減少
- 就業規則の改定や安全に関する啓発情報が、全従業員への確実な伝達
- 異動情報のシステム反映が効率化され、担当者の業務負担が約60%削減
株式会社ベストロジ三重は、Hondaグループの物流ビジネスの中核を担う株式会社ホンダロジスティクスの子会社として、三重県鈴鹿市と四日市市を中心に事業を展開しています。
同社では長年、従業員情報が複数のシステムや表計算ソフトのファイルに分散し、情報管理の属人化が課題でした。さらに、各種変更手続きや会社からの情報伝達が紙ベースで運用されており、業務効率の低下や情報の未達も問題となっていました。
これらの課題を解決し、情報を一元化するためにSmartHRの導入を決断。システム選定の決め手や、社内浸透を成功させた独自の工夫、得られた効果などについて、同社でSmartHRの運用を担当する総務部の岡野さんにお話を伺いました。
紛失やミスと隣り合わせ、アナログな運用の限界
SmartHRの導入以前に感じていた課題についてお聞かせください。
岡野さん:以前は、他社のタレントマネジメントシステムと、年末調整や給与明細の配付では別の労務システムを併用していました。さらに人事に関する情報、給与計算に必要なデータ、SQE(安全・品質・環境)に関する管理情報などを、各担当者が表計算ソフトのファイルや紙の台帳で個別に管理していました。
ファイルのデータは会社全体のサーバーには保存されていましたが、サーバー内の「個人フォルダ」などに格納されていました。つまり、どこを見ればそのデータにたどり着けるのかが、作成した本人以外はわからない状態だったのです。
情報管理が属人化されていたため、あるデータが必要になったときは担当者を探し「この資料はどこにありますか?」「データを共有してください」などとコミュニケーションを取る手間が日常的に発生していました。
そうした背景もあり、情報の所在を1つに集約し、誰でもすぐに必要なデータへアクセスできる「データの一元化」が急務でした。

紙の運用も残っていたとのこと、具体的にはどのような状況でしたか?
岡野さん:住所や給与振込口座の変更など各種情報変更の申請はすべて「紙ベース」で運用されていました。
また、弊社は従業員の「通勤車両の登録」も厳密に管理しています。車両のナンバーや車種、加入している任意保険の会社名や有効期限などをすべて紙に記入してもらい、任意保険の証書のコピーも添付して提出してもらっていました。
この紙による申請プロセスは、まさにアナログな「ハンコリレー」でした。従業員が申請書を印刷して手書きで記入し、直属の所属長・本社の課長・部長・社長のサインを得てから、ようやく実務を担う総務の担当者の手元に届きます。
そのあと担当者がシステムへの手入力処理を終えて処理済みとする、非常に長い工程を踏んでいました。紙の書類を各拠点間で回していくため、承認が下りるまでに膨大な時間がかかっていましたし、承認者が休暇を取ると手続きが止まってしまい、次の工程に進みません。
さらに、書類紛失や転記ミスなどのリスクもありました。そのため、紙運用からの脱却は喫緊の課題でした。

「わかりやすさ」と「スマホアプリ」が、SmartHR導入の決め手
SmartHRを知ったきっかけと、最終的に導入の決め手となったポイントを教えてください。
岡野さん:まずは「人事データ 一元化」とキーワード検索したりDXに関するイベントに参加したりして、候補となるシステムを探しました。すでに稼働しているシステムの一部は継続して利用する必要があったため、既存システムと併用できる点も条件に入れ、SmartHRを含む2社に候補を絞り込みました。
そのなかで、最も重視したのは「現場の従業員からの使いやすさ・わかりやすさ」です。どんなに優れたシステムを導入しても、従業員にとって使いにくいものであれば意味がないからです。
SmartHRは画面を縦にスクロールしていくだけで、従業員が自分に関する情報を一覧で確認できます。この「縦並びですべてが見られる」UIのわかりやすさが従業員にとって一番親切で迷いがないと考えたのが、SmartHRを導入した大きな決め手です。

現場の従業員の方々にとっての使いやすさを重視されたのですね。
岡野さん:はい。弊社の従業員の大半は倉庫内で梱包などの作業に従事するノンデスクワーカーで、正社員も全員が会社支給のパソコンをもっているわけではありません。そのため、従業員が都合のいいタイミングや場所で、自分のスマートフォンから情報を確認したり申請したりできるスマホアプリがあったのは、当社にとって大きな魅力でした。
導入にあたり、決裁者層への上申で工夫したことはありますか?
岡野さん:最終2社に絞り込むまでの間、上長である課長の石垣(記事冒頭の写真左)にそれぞれのシステムの長所や懸念点についてこまめに共有したほか、デモ画面を一緒に見てもらいました。
実際に画面を操作して見てもらったことで、「確かにこれは管理者も従業員も使いやすそうだ」と納得してもらえ、SmartHRを導入する方向でそのあとの部長・社長決裁へと進み、以前のタレントマネジメントシステムと労務システムから切り替えました。
従業員が自らシステムに触わる癖をつけ、スムーズな浸透へ
従業員にシステムを浸透させるために、どのような工夫をされましたか?
岡野さん:シフトの関係で、全従業員を集めて説明会を開くのは困難でした。そのため、まずは管理職メンバーが集まる会議で課長陣にシステム導入の目的や操作手順の資料を説明し、そこから各部門の朝礼などを通じて従業員へ伝達してもらいました。
しかし、「今日から新しいシステムに切り替わります」と急に発表しても現場は混乱してしまいます。そのため、本格稼働に向け、約2か月前から情報を小出しにする期間を設けました。
「近々こういうシステムを導入しようと思っています」「将来的にはスマホからこういう申請ができるようになります」などと段階的にアナウンスしました。
少しずつ心の準備を促したのですね。本格稼働した後は、どのように利用を促したのでしょうか。
岡野さん:導入後、一度もシステムにログインしない状態ですと、何らかの申請が必要になったときに操作は難しいだろうと考えていました。そのため、SmartHRにログインして「触わる癖」をつけてもらうために、ある工夫を凝らしました。
以前のタレントマネジメントシステムに蓄積されていたデータは事前にSmartHR側へ取り込んでいたため、従業員はログイン後すぐに自分の情報を確認できました。その情報があっているか確認してくださいという旨の通知を何度も送ったのです。
おかげで何かあればスマホでSmartHRを自然に開く習慣が早期に定着しました。結果的に、早い人はすぐに、時間がかかった人でも他の人に聞きながら2か月ほどでシステムの利用に慣れ、スムーズな浸透につながりました。
紙申請からの脱却で、紛失リスク解消と承認スピード向上を実現
SmartHRを導入したことで、申請業務にはどのような変化がありましたか?
岡野さん:これまで紙に依存していた業務プロセスは劇的な変化を遂げました。現在、従業員情報申請を使って、スマホから住所や給与振込口座のほか、勤務時間やご家族に関する登録情報を変更申請できるようになっています。
そのほかの大きな効果としては、紙の申請書を使用する機会が大幅に減ったことと、紙が各拠点を回覧されるなかで生じていた紛失リスクが完全にゼロになったことです。
また、以前は承認者が不在になるとそこで手続きがストップしていましたが、今ではシステム上でいつでも承認できるため、申請の承認スピードも格段に速くなりました。紙を保管しておくための物理的なスペースや保管料が不要になったのも見逃せないメリットです。
担当者である私自身の業務にも大きなメリットが生まれました。これまでは、社長のサインが終わって紙が手元に届くまで、誰がどんな申請を出しているかまったく把握できませんでした。
しかし、今は従業員が申請を出した瞬間に、承認フローが回り切っていなくても申請内容を閲覧できます。「こういう申請がこれから来る」と事前に心の準備ができたり、必要な確認事項を先回りして準備できるようになったため、業務の見通しが立てやすくなりました。
従業員からも「わざわざ事務所へ紙をもらいに行かなくても、自宅からスマホでサッと提出できる」「承認されたことがスマホに通知されるので安心できる」と好評です。
そのほかに、導入して効果を感じている機能はありますか?
岡野さん:お知らせ機能は情報伝達の手段として強力なツールになっています。
弊社ではSQEに関わる情報を「BL(ベストロジ)ニュース」として定期的に発信しています。従来はこれを紙で印刷して現場の掲示板に貼り出していたのですが、現在はお知らせ機能を使って全員のスマホに通知付きで情報を届け、安全意識の啓発ができるようになりました。
就業規則の改定や会社の運用ルールの変更なども、これまでは管理職会議から現場への伝言ゲームのような形でしたが、お知らせ機能を活用することで、正確な情報が一斉に伝わるようになっています。
人事情報の管理や異動業務についての効果はいかがでしょうか。
岡野さん:総務担当者の業務を大きく助けているのが、SmartHRの予約管理機能です。弊社では4月1日にまとまった人数の配置換えがあるのですが、以前のシステムでは異動日当日にシステム上の所属を手作業で一件一件書き換えていました。
現在は、発令内容が確定した段階で、3月の中旬などにSmartHR上で「4月1日付でこの部署へ異動する」と予約設定しています。これにより、4月1日になると自動的に従業員の所属部署が切り替わり、異動履歴も自動で蓄積されるようになりました。
さらに素晴らしいのは、申請業務の「承認ルート(上司)」も自動的に新しい上司に切り替わる点です。従業員の異動後に承認ルートを変更し忘れるといったミスも防げるようになり、繁忙期における担当者の業務負担が約60%削減されました。
このように以前は属人化していたデータがSmartHRに一元化されるとともに、業務効率化につながっています。

一元化されたデータをもとに、タレントマネジメントに注力
今後の展望についてお聞かせください。
岡野さん:今後の大きなテーマとして掲げているのが、タレントマネジメント機能の本格的な活用です。資格の管理や研修の受講履歴などは、これまでは表計算ソフトで担当者がリスト化しているだけでしたが、現在はすべてSmartHR内にデータを集約しています。
今後はこのデータを活用し、「去年この人はこの研修を受けたから、今年はステップアップ研修を受講してもらおう」など個々の従業員の育成計画を立て、「適材適所」の配置につなげられたらと思います。
システムで効率化できる本社管理の業務は徹底的に省力化し、その分のリソースを現場や従業員のフォローに回す。そして、弊社に入社してくれた従業員が、1人も力を発揮できずに埋もれることなく、やりがいをもって長く働き続けられるよう、SmartHRを活用して会社全体でしっかりとサポートしていきたいと考えています。
システムを浸透させるための工夫を含め、貴社の取り組みは多くの企業のモデルケースとなるはずです。本日は貴重なお話をいただき、ありがとうございました!
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掲載内容は取材当時のものです。
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